インフィニットミッション   作:のんびり日和

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私事が忙しくてなかなか書けなかったのですがようやく書けました。

今回でプロローグは終了で次に設定資料を上げたら本編を始めます。




プロローグ最終話

イチカside

最初に俺の目に入ってきたのは草と木だった。ヴァンツァーのコックピット越しではなく直に見えた。俺はすぐにヴァンツァーを探すため通信機でアリスに呼びかけた。

 

「アリス、聞こえるか?聞こえていたら応答してくれ。」

 

通信機からはザ―と雑音しか聞こえなかった。もしかしてヴァンツァーだけ向こうの世界に残してきてしまったのか?そうなったらやばいな。俺は今サイドアームとナイフしか持っていないからだ。

 

[マスター、大丈夫です。私はここにいます。]

 

!?今の声はアリス!だが、いったいどこから聞こえた?かなり近い場所から聞こえたんだが、周りを見渡しても俺の機体のブリザイアは見当たらなかった。気のせいなのか?

 

[マスター、私はここですよ。]

 

うん?どこだ?

 

[マスター、腰に付けているデバイスを出してください。]

 

デバイス?あれ?いつの間にこんなものが?

とりあえずデバイスを取り出してみた。そして3Ⅾ映像で一人の女性が出てきた

 

[マスター、このように直に対面してお話しするのは初めてですね。]

 

「もしかして、アリスなのか?」

 

[はい、もしかしなくてもあなたを全面的にサポートするように仰せつかっているAI,アリスです。]

 

やはりアリスだった。その姿は濃い青色の髪で後ろを短く切った物腰柔らかそうな女性だった。

 

「アリスいったいどうなっているんだ?俺が乗っていたブリザイアは?」

 

[マスター落ち着いてください。ブリザイアは無事です。ですがブリザイアの動力源が別の動力源に代わっていることと、機体が本来の大きさから大幅に縮んでいることが分かりした。それとマスターがコックピットに搭載していたライフルなどは、デバイスから自由に取り出すことができることはわかりました。それとマスターの肉体年齢が約16歳くらいまで戻っています。]

 

なるほど。道理で体が軽い感じがする訳だ。

 

「そうか、ありがとう。それじゃライフルを出してくれるか。ここが安全という保証はないからな。」

 

[了解しました。しばしお待ちを。]

 

そしてデバイスから使い慣れたM4カスタムが出てきた。それを受け取り、ふと思ったことを聞いてみた。

 

「なぁアリス、その姿は誰が設定したんだ?」

 

[この容姿ですか?エイミー・コーエン技術開発長に設定してもらいました。]

 

な?!あの人いったい何考えてるんだ?父さん曰く、ちょっと変わった幼馴染だと聞いていたがまさかここまでの変人だとは思わなかったぞ。

 

[もしかして、お気に召しませんでしたか?]

 

「い、いや大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから。とりあえず今はここがどこなのか調べないと。」

 

[それについてはご安心を。すでにこの世界の人工衛星に侵入し情報を収集しています。]

 

仕事はや!?さすがサポート用人工AIだな。

 

「そうか。それで何かわかったか?」

 

[はい。今は2XXX年の3月XX日です。そして私たちの現在地はデバイスに表示します。]

 

アリスはそういいデバイスに表示した。それを見たところ北米と南米の間にあるXXX島ということが分かった。

うん。どうしてこんなとこに飛んだんだ?確か俺はハフマン島にいたはずなんだが。

 

[それとこの世界の情報を集めてみたところ、多くヒットした言葉が「インフィニット・ストラトス」「篠ノ乃束」「女尊男卑」が多くヒットしました。]

 

おいおい、ということはこの世界は。

 

[マスター?動悸が速くなりましたがどうしたのですか?]

 

「あぁ、この世界は俺がいた世界だ。」

 

[なんと!まさかマスターが生まれた世界に来れようとは。しかしなぜこの世界に出てきたんでしょう?]

 

「さぁな。とにかく今はこの島から出る方法を考えないと。」

 

そうだ。とにかく今はこの島から脱出することを考えないと。こんな辺境にある島にいつまでもいるつもりはないしな。

 

[?!マスター高速で接近する熱源を感知。接触まであと3分!]

 

「はぁ?!」

 

おいおい、この世界に来て早々アンノウンと接触するとかマジついてないぞ。

 

「アリス、ここいらで身を隠せる場所はあるか。」

 

[ありません。仕方ありません、森に身を隠し様子を伺いましょう。]

 

「そうするしかないか。」

 

俺は、そう言いデバイスを腰に戻し、素早く森に身を隠しM4に初弾を込め接近する物体が何か確認することにした。

 

イチカside end

 

束side

確かこの辺の島から反応があったみたいだけど、どこだろう?島が多すぎてぜ~んぜんわかんないんだけど。

そしたらクーちゃんから通信が入った。

 

「束様、今目の前に見える島から未登録のISコアの反応がありました。」

 

「そうなの?ありがとねクーちゃん。」

 

さて、目の前の島にあるらしいんだけど手頃の着陸場所がないな~。

 

「お、手ごろな広場はっけ~ん。それじゃ着陸準備!」

 

おや、今一瞬森に人影が見えたような?ま、いっか。

 

ズドーン「着陸成功!」

 

さぁてと、この島にいるかもしれないいっくんを探さないと。

 

ドアを開けてと。

 

「とぉう!」

 

クルクル「シュタッ、と。」

 

いったいどこにいるんだろ?

 

ガサガサ「?!」カチャ

 

私は音が鳴った方に護身用の拳銃を向けた。そこにいたのは。

 

「い、いっくん?」

 

その顔は間違えようがなかった。キリッとした目にイケメンかどうか女性に聞いたら10人中全員がイケメンと答えるような顔立ちをしたいっくんがそこにいた。けど、なんで戦闘服なんか着ているんだろう?ていうかなんか銃こっちに構えてるし!

 

「ちょ、ちょっといっくん!ステイじゃよ、ステイ!」

 

いっくんの目は本気と書いてマジの状態だった。私なんかした?う~ん?いっくんに迷惑をかけるようなことはここに来るまで一切してないし、昔だって本当の弟のようにかわいがってたからこんなことされる原因が思い当たらないんだけど!そしたらいっくんが。

 

「今からいくつか質問します。正直に答えてください。」

 

質問?どんと来なさいな~。いっくんのことならなんだって答えられる自信があるんだから。

 

「まず1つ目、俺が小学3年生の頃束さんの誕生日にあげたのは何ですか?」

 

「束さんの似顔絵。」

 

間違えるはずない。いっくんがあいつの忘れ物を届けに来たとき、ちょうどその日が私の誕生日だった。いっくんはそのことをお母さんから聞いたみたいで、すぐに家に帰っていき、また戻ってきたと思えば手には画用紙とクレヨンを持って私のところに来た。どうしたの?て聞いたら、

 

「今日束お姉ちゃんの誕生日だって聞いたんだ。束お姉ちゃんの似顔絵描くからここに座って。」

 

と言ってきた。私は思わず鼻から赤いものが出てきそうになったが、いっくんが描いてくれる似顔絵に変な赤線が描かれないように必死に我慢した。そしていっくんが描いてくれた似顔絵はすんごくかわいらしく描かれた私の顔だった。

 

「どうかな?」

 

私はいっくんにありがとう、すごくうれしいよといい、思いっきりハグハグした。【この後一夏は思いっきり赤くなり口から「あう、あう」と言っていた。】

 

「正解です。それでは2つ目です。逆に束さんが俺の誕生日にくれたものは?」

 

「私が作ったおもちゃの鉄砲。」

 

「正解です。」

 

この質問は簡単だよ。昔からいっくんは刀より銃の方が好きだって言ってたからね。私がいろいろなギミックを搭載したおもちゃの鉄砲を作りそれをあげたのだ。

 

「最後の質問です。束さん、インフィニット・ストラトスの最終目的地は?」

 

いっくん...。最初からわかってるくせに。束さんがISで宇宙に行くことだけだと思っているのかな?

ふふふ。その質問が来ることは最初から予想されていたのだよ。

「そんなの決まっているよ。」

 

「「無限の宇宙のその先にあるもの。」」

 

そしていっくんは、私の答えに安堵して銃を下してくれた。

 

「正解です。すいません、急に変な質問して。」

 

「別にいいよ。それじゃ、いっくん。」

 

「はい、ただいま。束さん。」

 

「うん、おかえり。いっくん。」

 

そして私は泣きながらいっくんに抱き着いた。いっくんは嫌がらず背中をさすってくれた。あぁ、ひさしぶりのいっくんの匂いだ。

 

束side end

 

イチカside

あれからしばらくして、束さんは泣き止み今住んでいる場所に連れて行ってもらった。【その時束さんが乗ってきたニンジンロケットに乗っていったがすごく戻しそうになった。】

 

そしてついたのが大きな軍事基地のような場所で多くの兵士たちが訓練していた。

 

「束さん、ここっていったい?」

 

「うん?あぁこの基地はねオーちゃんやスーちゃんたちとで作った亡国機業の基地なんだよ。」

 

「亡国機業?」

 

いったい何なんだろう?束さんのことだから世界を引っ掻き回すような組織じゃないことを祈るか。

 

「亡国機業はね、国連が創設したISテロ、それと過激派の女性権利団体の監視、殲滅を目的とした組織なんだよ。」

 

「国連が?なんでまた?」

 

「国連の今の議長がこの世界に広まっている女尊男卑の風潮がすごく嫌いでね、それを無くしたいらしいんだ。だからこの組織を創設するとき私もこの組織に加わりたいこと伝えたら、快く了承してくれてね、今はここの技術開発部の主任をしてるんだ。」

 

「そうなんですか。」

 

そしたら向こうからこっちに来る足音が聞こえてきた。

 

「あら、束。どこかに出かけてたの?」

 

「おい、束。お前出かけるなら俺たちに一言言ってから出かけろよ。クロエに聞くまで誘拐されたんじゃってめちゃくちゃ焦っちまったじゃねえか。」

 

今の声って!

 

「オータムさん!、スコールさん!」

 

そこには俺に銃のいろはを教えてくれたスコールさんとCQCやナイフの基本的なことを教えてくれたオータムさんがいた。

 

「あら、あなたもしかして、一夏?」

 

「おい、マジかよ。本当に一夏、お前なのか?!」

 

「そうだよ、スーちゃん、オーちゃん。いっくんが見つかったんだよ!」

 

「ならいそいで、あの子を呼んでこないとね。」

 

「それがいい。あいつ泣いて喜ぶぜ。」

 

あいつ?あいつってだれだ?

 

「スコールさん、あいつってだれなんですか?」

 

「会えばわかるって。」

 

「あら、ちょうどいいところに。マドカー、ちょっとこっちにいらっしゃーい。」

 

な、マドカだって!どうしてここにいるんだ?あいつのところにいるんじゃ?

 

「なに、お母さん?これから訓練なんだけど。」

 

「ねぇ、マドカ。この人見たことない?」

 

「え?」

 

そしてマドカはジッと俺の顔を見つめ、しばらくしたら目じりに涙を浮かべ始めた。

 

「うそ。お兄ちゃんなの?ほんとうに?」

 

「あぁ、俺だよマドカ。帰ってくるのが遅くなってごめんな。」

 

そしてマドカは思いっきり泣き始め「おにぃぃぃぃぢゃーーーん」と泣きながら抱き着いてきた。

 

あぁ、もう会えないと思っていた妹にも会えて本当に良かった。

 

 

~数分後~

 

「ごめんね、お兄ちゃん。きゅうに抱き着いて。」

 

「べつにいいよ。俺の方こそ、今まで一人ぼっちにしてしまってごめんな。」

 

あの後、泣き続けるマドカを慰めて今は束さんの研究室に移動した。

 

「それじゃ、一夏。あなたはこの2年間いったいどこにいたの?」

 

「そうだぜ、俺やスコールたちで世界中を探したのに全然見つからなかったから、半ばあきらめかけていたんだぞ。」

 

「わかりました。それじゃ、あの日あの場所で何があったのかと、その後の事をお話しますね。」

 

そして俺は、誘拐され殺されそうになった瞬間に別の世界に飛ばされたこと、そこで父と母ができたこと、ヴァンツァーという機動兵器のパイロットになり、任務の途中でこの世界に戻ってきたことを伝えた。

みんなは驚いた顔でこっちを見ていた。

 

「あ、そうだ束さん。じつは調べてほしいものが有るんですが。」

 

「うん?なにかな?」

 

「実はこのデバイスなんですが?」

 

そしておれはアリスを調べてもらおうとデバイスを取り出した。

 

[初めまして、みなさま。私マスターのサポートをしております、人工AIのアリスと言います。]

 

「「「「!?」」」」

 

今度は皆驚愕の顔でデバイスのアリスをみた。

 

「い、いっくん?このデバイスはいったい何なの?」

 

「それが俺にもわからなくて。ただ、アリスは俺が乗っていたヴァンツァーに搭載されていたことは間違いないんです。」

 

「わかった、ちょっと待っててね。」

 

そう言って束さんはどこからか取り出したコネクターをデバイスにつなげた。そしたら束さんは驚愕の顔を作り、そして。

「アーちゃん、君ISになっちゃたみたいだね。」

 

アーちゃん?まさかアリスだからアーちゃんなのか?アリスもまんざらでもない感じみたいだしまぁ、いいか。というか、ISになっちゃたってことは、この世界に来た瞬間、動力源がISのコアに変わってしまったのか。

 

[ISですか?私にはわかりませんが、ISの開発者であるあなたがそうおっしゃるならそうなのかもしれませんね。]

 

「それじゃ、もしかしてイチカはISに乗れたりしてな。」

 

オータムさんは笑いながらそう言った。

 

「案外乗れたりするかもしれないよ。」

 

ちょっと束さん。あなた何言ってるんですか?俺が?そんなまさか。

 

「いっくん。試しにこのデバイスを身に付けてそのヴァンツァーというのを頭の中で描いてみて。」

 

「わかりました。」

 

そしてデバイスを身に付けて頭の中でブリザイアを想像した。そしたら頭の中に大量のデータが入ってきて気づいたら、俺はブリザイアを身に付けていた。

 

「まじかよ。」

 

「これは驚愕ね。」

 

「お、お兄ちゃんがISをみにつけてる。」

 

「...まじかよ。」

 

~数分後~

 

「よし、いっくんIS学園に行こう。」

 

「いや、なんでIS学園なんですか?というかあそこは女学園ですよね?俺は男だから入れませんよ。」

 

「大丈夫!国連の議長さんにお願いして、IS学園の入学許可といっくんの亡国機業の入隊を認めてもらったから。国籍は大丈夫だよ、束さんがいっくんの偽の経歴作っておいたし、ついでに自由国籍にしといたぜ。」

 

まじかよ。すごく行きたくないんだが。

 

「安心して、イチカ。マドカも一緒にIS学園に入学する予定だから。」

 

「お兄ちゃんとまた一緒に学校に通えるんだ。やったー!」

 

「マドカもこんなに喜んでるんだ。腹くくれや。」

 

「くっ!はぁ~~。わかりました。」

 

「あ、それと一応いっくんは企業所属にしておいたから。もしデータをとりに来た屑どもがいたら、ぶちのめしていいからね。」

 

おっかねぇ~~。てか、データを取りに来るということはハニトラを仕掛けてくるかもしれないということか。はぁ~~。嫌になるな~。

 

「企業名はSR(SPACE RABBIT)社ていうんだ。あ、それといっくんのことはもう世界中に知らせたからね。」

 

 

「「「「はぁーーー!?」」」」

 

イチカside end

 

3rdside 

イチカのことは世界中に知らされた。男なのにISを動かすことができるイレギュラーに世界中は驚愕した。世界各国はイチカの身柄を引き渡すよう迫ってきたが、国連は彼は国際ISテロ監視組織亡国機業に所属しているため引き渡すわけにはいかないと伝え、強行するならばそちらの国の秘密を暴露するぞと脅しをかけた。

 

そして、イチカは春からIS学園に通うことになった。

 

IS学園でイチカを待っているのは、

 

死んだと思っていた家族に会えると喜ぶもの

 

離れ離れにされた幼馴染にもう一度会えると喜ぶもの。

 

男というイレギュラーに嫌悪するもの

 

死んだと思っていた幼馴染兼大親友が生きていたことに喜ぶと同時に心配させたことをとっちめてやると意気込むもの。

 

イチカのデータをとるように男の作法を教えられるもの

 

自分の尊敬する人の汚点となる弟と妹を叩き潰し自分こそがあの人の傍にいることがふさわしいと思っているもの

 

そして、幼き頃に交わした約束がもう叶わないと思っていたが、彼が生きていたことに喜び約束を果たそうとするものたち

 

 

いったいこの先彼にはどのような運命が待っているかは本編をお楽しみに。

 

プロローグend




はい、やっと終わりました。
次は設定資料を書きますが、ちょっと私事が忙しくなるため、投稿がいつになるかわかりません。できるだけ早く投稿できるように頑張ります。



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