インフィニットミッション   作:のんびり日和

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4話

3rdside

~IS学園~

昼休み、食堂の一角に1組のセシリア、ラウラ、シャルロットと2組の鈴が座って昼食をとっていた。

 

今日山田先生からイチカ達亡国機業に所属している人たちは緊急招集のため今学園にはいない事は告げられている。

 

「盟友達は大丈夫だろうか?」

 

ラウラは軍人のため任務のためなら危険なところに行く覚悟はある。だが友人たちが戦場に行くのは心配で仕方がなかった。

 

「そうだね。僕たちは専用機持ちだけど、ただの一般人だからね。」

 

シャルロットは自分を救ってくれた友人たちが無事に帰ってくるか心配だった。

 

「私も心配です。まだイチカさんに私の想いを「あんたのその想いは伝わらないから。」うっ!分かっておりますが諦め切れないんです!」

 

セシリアは心配しているがそれは自分の想いを伝えていないことだった。鈴はそんなセシリアに呆れつつ親友が無事に帰ってくることを祈っていた。

 

「あら、みんなどうしたの?」

 

そう声を掛けられ掛けられた方向を見るとそこには刀奈達がいた。

 

「あ、更識会長に布仏さん。」

 

「あの、更識会長。大丈夫ですか?」

 

鈴は気まずそうに聞いてきた。

 

「え?何が?」

 

刀奈は首を傾げて返事した。

 

「だってイチカ達が危険なところに行っちゃったんですよ?心配じゃないんですか?」

 

鈴にそう言われ4人は最初は悲しそうな顔になったがすぐに明るくなった。

 

「えぇ、心配してるわ。けどね。」

 

そう言ってそれぞれ首に下げている物を見せた。そこには指輪がぶら下がっていた。

 

「必ず帰ってくると約束してくれたの。帰ってきたら結婚式を挙げようって約束してくれたし。」

 

刀奈がそう言うと食堂が静まり返り、一瞬で絶叫が響き渡った。

 

「うそ?!会長たちとイチカ君、結婚するんですか?!」

 

「また春が遠くなったーーーーー!」

 

「神め~~、貴様を一生恨んでやるーーー!」

 

「そ、そんな。私の春が永遠に終わりましたわ。」チーーーン

 

そんな姿を見たラウラは

 

「あ、セシリアが白くなった。」

 

鈴はそのことに呆れながら

 

「ほっときなさい。そんなことより、良かったですね。それじゃあイチカ達が無事に帰ってくることを祈りながら待ちますか。」

 

そう言って鈴はイチカ達が無事に帰ってくることを祈った。鈴の行動を見た生徒たちはそれぞれ祈り始めた。

 

刀奈はみんなの行動を見て

(イチカ君、マドカちゃん。貴方達が無事に帰ってくることを望んでいる生徒がこんなにもいるのよ。だから無事に帰ってきてね。)そう思っていた。

 

そしてそんな生徒たちの行動を見た学園長は午後からの授業の開始時間を遅らせ、遠くで戦っている生徒が無事に帰ってくることを祈る時間を作ったそうだ。

 

~空母甲板~

甲板には多くの兵士たちがヘリの出撃用意や戦闘機の準備などで走り回っていた。ISの登場で空はISの物だと豪語していた女士官に勝負を挑み、見事にその女士官を叩き潰したパイロット達もいた。

 

「やっぱりすごいですね。これだけの戦力を一度に結集させるなんて。」

 

イチカは自分の所属している亡国機業の戦力に圧巻していた。

 

「兄さん、私たちはどうやらオータムの部隊に配属されたようです。」

 

マドカはISスーツの上からダウンジャケットを着て配属される部隊を教えに来た。

 

「そうか。そうなるとエリックさんの言う通り激戦になるな。」

 

「はい。オータムは遊撃部隊『ストライクワイバーン』の隊長ですからね。暴れまくるでしょうね。」

 

イチカとマドカはテロリストの基地を暴れまくるオータムを容易に想像できたことに笑っていた。

 

「お~いイチカ、マドカ。そろそろ出撃するぞ。」

 

オータムに呼ばれ、イチカたちはオスプレイに乗って出撃した。作戦はまずハイパーセンサー対策が施された航空部隊が対空レーダー網に引っかからない高度で施設に近付き、対空レーダー網を抜けたら施設に備わっている対空レーダーシステムや対空兵器を破壊し周り、その後オスプレイに乗ったIS部隊を展開して施設の外部を制圧し、その後内部にIS部隊と歩兵師団が突入し目標の制圧をするという作戦が採られた。

 

3rdside end

 

イチカside

オスプレイに乗って周りを見回しているとタバネ姉さんの姿があった。

 

「え?!なんでここに居るのタバネ姉さん。」

 

「お、いっくん久しぶり~。ここに居る理由はね、ケリをつけるためだよ。」

 

ケリ?

 

「ケリってもしかしてモップのことですか?」

 

「ううん、違うよ。私が親友だと思っていた奴。」

 

「親友?・・・!織斑千冬ですか?」

 

「そう。私が生涯ただ一人の親友だと思っていた裏切り者。」

 

タバネ姉さんは目をキッとしていた。

 

「無茶だけはしないでくださいよ。」

 

「うん、分かってるよ。と言うかあんな奴に負けるようなタバネさんではないのだよ。」

 

そう言ってタバネ姉さんは手をブイと前に出した。それを見た瞬間俺は少し安心できた。きっとタバネ姉さんならあいつを倒せると思ったからだ。

 

『間もなく出撃ポイントだ。総員IS展開!』

 

パイロットからのアナウンスを受けオスプレイに乗っている隊員たちはISを展開した。隊員たちのほとんどがヴァンツァータイプのISに搭乗していた。

 

「ゼニスにシャイアン。テンペストとか色々作りましたね。」

 

「そうだよ~。いや~、あの設計図とかを見たら創造意欲が凄く湧いちゃってね。ちなみに私の機体はこれだよ。」

 

そう言って見せてくれたのはSCHNECKE(シュネッケ)のグリレゼクスだった。

 

「あんな模造のコアなんか乗せた機体なんかに負けないもんね~。」

 

「それでも油断しないでくださいよ。タバネ姉さんは死んでほしくないですからね。」

 

そう言うとタバネ姉さんはISを解除して俺をギュッと抱きしめた。

 

「分かってるよいっくん。あんな奴に油断なんかしない。必ずすべてを終わらそうね。」

 

「うん。」

 

『よし、お前ら出撃時間だ。パーティーを楽しんで来いよ!』

 

「行きましょうかタバネ姉さん!」

 

「よ~~し、暴れるぞ~~!」

 

そして俺たちはオスプレイの後部ハッチから降り、ブースターで施設に向かった。センサーを作動すると敵のIS部隊が航空部隊と戦闘していた。するとオータムさんが

 

「よし、第1分隊は航空部隊の援護に当たれ!残りは施設に向かい施設の外部を制圧し、歩兵師団の着陸地点を確保するぞ!」

 

「「「「ラジャー!」」」」

 

第1分隊は航空部隊の援護に向かい、俺たちは施設の制圧に向かった。

 

施設に近付くとレーダーに多くのISの反応が現れ、俺たちは攻撃を開始し、敵を撃墜した。もちろん向こうからも反撃はあるからこちらも負傷者が出た。

 

「ぐあぁぁぁ。」

 

「ハミルトン!クソッタレ共が!」

 

『こちら第2分隊、2名KIA!』

 

『負傷者を後方に下がらせろ!』

 

そして何とか施設の外部の制圧に成功した。だが負傷者は多く出た。

 

「HQ,こちらストライクワイバーン隊隊長のオータムだ。負傷者20名、KIAが7名出たが何とか施設外部の制圧に成功した。至急歩兵師団を送ってくれ。」

 

『HQ了解した。歩兵師団『グリプス』と補給部隊がそちらに向かっている。到着次第内部に突入し、目標の制圧をしろ。HQアウト。』

 

暫くして歩兵師団『グリプス』と補給部隊が到着し、弾薬の補給とSEの回復後内部に突入した。施設の内部構造は複雑で地下が5階もある代物だった。

 

「よし、前進するぞ。」

 

オータムさんの指令に全員頷き前進した。

 

施設内部は広く、ISを展開したままでも進めた。前衛にジェシカさんのゲパルトノインがシールドで歩兵の楯となっており、後方に俺とマドカがサポートとしていた。すると歩兵の一人が気になったことを言った。

 

「静かすぎるな。」

 

「静かすぎる?」

 

「あぁ、あまりにも静かすぎる。まさか罠か?」

 

「おい、作戦中だぞ。私語は慎め。」

 

「だがライリー、余りにも静かすぎる。これは一度戻った方がいいんじゃないのか?」

 

「お前、臆病風にでも吹かれたか?」

 

俺は気になったことがあったから聞いてみることにした。

 

「あのすいません。」

 

「うん?あぁ、すまん。すぐこいつの口とじらせるから。」

 

「あ、いえ。その人が静かすぎると言う事が気になったもんですから。」

 

「あぁ、そうだったのか。で、ライコフ、どうなんだよ。」

 

「まぁざっくり言うとこの階に人の気配がしないんだ。」

 

するとオータムさんも気になったのか話に入ってきた

 

「どういう事だ。」

 

「いえ、本来俺たちが侵入してきたことが分かっているなら迎撃するためにバリケードなどを作って応戦するんだが、それらしい痕跡が一切ないんだ。」

 

確かに今地下1階だがそれらしい痕跡は未だ見ていない。もしかしてこの施設ははずれか?

 

「その理由わかっちゃったよ。」

 

するとタバネ姉さんが声をかけてそれぞれのディスプレイに画像が映し出された。(歩兵はゴーグルに映し出された。)ディスプレイには建物の立体図が映し出されており、俺たちが今いる階には青い点がされており、下には多数の赤い点が見えた。

 

「どうやらこの下で待ち伏せてるみたいだよ。」

 

「どうやって調べたんだ?」

 

「ここから特殊な音波を発生する機械を地面に突き刺して索敵したんだ。この建物、意外と下とここの間の壁がそんなに厚くないから調べられたんだ。」

 

「なるほどな。」

 

「それでオータム隊長、どうします?」

 

みんなとどうするか考えているとタバネ姉さんが挙手した。

 

「オーちゃん、ここの設計図にねISが入れるほどのダクトがあるんだ。そこから行けば2階を迂回していけるよ。地図によると3階は幹部連中の住居スペースか何かみたいだし敵はいないと思うからそこで状況を確認するのがいいと思うよ。」

 

「いい方法だが帰りはどうする?それに下に行ったところで挟み撃ちにされるのがオチだぞ。」

 

「大丈夫。タバネさんがあいつ等の相手をするから。」

 

「なっ!正気か!お前ひとりで倒しきれる量じゃないんだぞ。」

 

「だったら私もここに残ってあいつ等と戦う。」

 

マドカも残ると言い出した。

 

「おい本気かお前ら。死にに行くようなもんだぞ。ここは全員で倒しに行った方ががいいぞ。」

 

「それだと後の戦いが厳しくなる。なら少しでも戦力に余裕があった方がいいから私たちだけでいいよ。」

 

「でしたら我々グリプスの何部隊か連れて行ってください。」

 

そう言ったのはグリプスの隊長のライリーさんだった。だが歩兵でISに対抗するのは目に見えている。

 

「ありがとう。けど、死にに行くも同然だよ?それでもいいの?」

 

そう聞かれたグリプスの隊員たちは笑顔で返してきた。

 

「俺たちは女尊男卑と言うくだらない風潮に染まった女性の上官に殺されそうになったところをスコール司令に助けてもらったんだ。俺たちはこういった方法でしか恩を返せないからな。それにラムゼイ博士が作ってくれた対IS用の弾丸もあるんだ。怖い物なんてないさ。そうだろお前ら!」

 

ライリー隊長の問いにグリプスの隊員たちは全員賛同していた。

 

「わかりました。それじゃあライリー隊長、部下をお預かりします。」

 

「あぁ、きっと役に立ってくれる。いいかお前ら、必ずラムゼイ博士たちを守り切るんだぞ!」

 

「「「ウーラ・サー!」」」

 

「・・・分かった。だがタバネ、マドカ。死ぬんじゃないぞ。勿論お前らもだ。」

 

そしてオータムさんは渋々許可した

 

「うん、分かってる。」

 

「あんな奴らに負けるかよ。」

 

そして俺たちは別れ、タバネ姉さんが言っていたダクトに向かいそこから3階に向かった。

 

イチカside end

 

タバネside

さていっくんたちも行ったし私たちも行きますか。

 

「それで、ラムゼイ博士どうやってあいつ等とやり合うんですか?」

 

「実はね、あいつ等が使っているISコアは本来のコアと違って大きな電圧が加わるとショートして壊れちゃうんだ。だからこれを使って数を減らすんだ~。」

 

私は拡張領域から出したのはEMPハンドグレネードとEMPグレネード弾だった。しかも改良版。

一人の隊員が気になったことがあったのか質問してきた。

 

「けど、壊れるの模造品のコアなんですよね?そうなると本来のコアに乗っている奴らがいた場合はどうするんですか?」

 

「そりゃあもちろん私とマーちゃんとで対処するよ。」

 

「分かりました。では我々が模造品のコアに乗った奴らを対処するので終わり次第、援護します。」

 

「お願いね~。」

 

そしてみんなと2階に下り、扉の前まで着いた。

 

「突入方法は?」

 

「扉から侵入すると思わせて左右の壁から爆薬でドカ――ンと爆破して。その後は煙に乗じてEMPハンドグレネードとEMPグレネード弾を撃ち込んで模造コアのISをある程度潰して中に突入する。」

 

「了解。」

 

そして隊員たちは扉から左右の離れた位置に爆弾を仕掛けた。

 

「3カウントで発破。」

 

「了解。」

 

そして隊員たちは設置箇所から離れカウントを始めた。

 

「3・・2・・1・・発破!」

 

隊員が爆破スイッチのトリガーを引いたと同時に壁に仕掛けた爆弾は爆発し、ガラガラと崩れ穴が開いた。そこにEMPハンドグレネードとEMPグレネード弾を撃ち込んだ。暫くしてEMPグレネードの発動した音が鳴ったと同時に突入した。模造コアのISの半分以上が潰れていた。これならグリプスの隊員達だけでもすぐ終わりそうだね。けど厄介な奴らがいる様だけど。

 

「久しぶりだな、束、マドカ。」

 

「お久しぶりです、姉さん。」

 

マーちゃんは目を細めて二人を睨んだ。

 

「織斑千冬、篠ノ之箒(糞モップ)。」

 

「やっぱりいたんだ。」

 

さて、ケリつけていっくんたちと合流しないとね。

 

タバネside end

 




次回決戦~前編~

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