新学期1話
イチカside
楽しい夏休みも昨日で終わり今日から学園が始まる。その為昨日の夜から準備した必要なものなどを入れたカバンを担ぎみんなと玄関に向かうと源三郎お義父さん達と使用人の皆さんがいた。
「お父さんどうしたの?」
「何また暫くこっちには帰ってこれないんだろ?だったらせめて見送りだけでもしておこうと思ってな。」
「そうなんだ。ありがとうね。それじゃ、」
「「「「「いってきます!」」」」」
「「「「いってらっしゃい!」」」」
「「「「「いってらっしゃいませ、お嬢様、若様!」」」」」
俺は若様と聞いて思いっきりズッコケた。
「い、イチカ大丈夫?」
「お、おう。大丈夫。」
わ、若様ってまだ結婚してないのにもうその呼び名なのか?
「君は我が更識家に嫁ぐんだから若様と呼ばれるのは当たり前ではないか。はっはっはっはっは!」
源三郎お義父さん大声で笑ってるし。
「はぁ~、それじゃ行きましょうか。」
そう言って俺は刀奈さん達と共に学園に向かった。
~IS学園・1年1組~
教室に着くともう何人かの生徒はいたようだ。その中の何人かは肌が焼けていた。
「あ、ラムゼイ君、本音おはよ~。」
「あ、キヨキヨおはよ~。」
「おはよう相川さん。」
あいさつしまわっているとボーデヴィッヒとデュノアが来た。
「おぉ盟友おはよう。」
「おはようイチカ。」
「おはようさん。お前らはこの夏休みどこかに行ったのか?」
「うむ、私とシャルとで日本の京都とか神戸など旅行してきたぞ。」
するとデュノアが笑いながらしゃべり始めた。
「そうだ聞いてよ。ラウラったら京都の映画村に行ったときに侍のコスプレをした人にいざ尋常に勝負って言って挑戦し始めたんだよ。相手はただの役者さんなのに面白くってさ。その時の映像あるんだけど見る?」
「うわぁぁぁぁやめろ~~~~~!」
ボーデヴィッヒは赤くなりながらそれを阻止しようとしていた時にチャイムが鳴りそれぞれ席に着いた。
「はぁーーい皆さんおはようございます。今日からまたよろしくお願いしますね。」
山田先生の挨拶が始まったがまだあいつが来ていないようだが。また職員会議か?
「実は今日から新しい担任の先生が来られます。」
山田先生がそう言うとクラスがざわめき出した。
「あの~~皆さん静かにして下さぁ~~い!そ、それでは先生入ってきてください。」
何とか静かにさせて山田先生は新しい担任を呼んだ。入ってきたのは以前銀の福音事件でモップの治療をした隊員だった。
「初めまして。今日からこちらで担任をすることになったジェシカ・エリオットです。担当は社会と実技です。後私は亡国機業に所属しているため時折授業を山田先生に代わってもらうことがありますがご了承ください。それではよろしくお願いします。」
そう言って深々と頭を下げた。へぇ~教職もできるんだあの人。
「あの~ジェシカ先生。織斑先生はどうしたんですか?」
「織斑先生は少し体調がすぐれないらしく、休暇をもらって暫く学園を離れたそうです。」
「そ、そうなんですか。」
あいつが休暇もらって何処か行った?そんな馬鹿な。
「あ、そうそう。この後学園集会があるようなので皆さん体育館に向かってください。」
そうジェシカ先生に言われそれぞれ体育館に向かうことにした。
~体育館~
クラスごとに列に並び学校名物のありがたい(笑)みたいな長い話はなく短い話が何回かあり、最後に生徒会長から学園祭の説明で終わりだった。
説明によると学園祭では多くの客を呼んだクラスもしくは部活動は学食の半年間フリーパスがもらえるらしい。
「以上が学園祭の説明よ。質問とかあるかしら。」
「はい、生徒会長。」
一人の女子生徒が手を上げていた。
「はい、何かしら。」
「イチカ・ラムゼイ君とはどういった関係なんですか?」
うん?俺のことか。なんだって俺のことを今聞くんだ?
「イチカ君との関係?そりゃあもちろん親密な関係よ。」
刀奈さん、平然と言わないでください。周りがうるさくなりますから。
「そうですか。・・・・・ガックシ」
「・・・そこまで行っているのか。」
「・・・・私の春が遠のいていく。」
あぁ~あ、落ち込んだ生徒がいっぱい出来てるよ。どうすんだよこれ。
「他に質問は?無い様ね、それではみんなたのしい学園祭にしましょうね。」
そう言って会長の席に戻っていった。
~1年1組~
【イチカ君とポッキーゲーム】
【イチカ君とあっち向いてホイ】
【イチカ君とロシアンルーレット】
「どれにしましょう「全部却下」そんなぁ~。」
オルコットのやつが悲壮めいた声を上げているがジェシカ先生はお構いなくたたき切った。
「当たり前でしょ。あなた達ふざけてこの案出してるんじゃないでしょうね?」
「い、いや~~、男の子いるし使って行かないと。」
「そ、そうだよね。」
「あの皆さん、本音お義姉さんを見てその考えはまだ持てますか。」
マドカにそう言われたクラスの大半は本音を見た。そこには
「(ΦωΦ)フフフ…、イッチーを惑わす鼠さんは何匹なんだろうな~。」
もはやのほほんの雰囲気は無く、獲物を狙う猫になっていた。
「「「真面目な案を出すから元に戻って!」」」
「ではコスプレ喫茶はどうだろうか?」
ボーデヴィッヒの案を出した。そしてその案のメリットなどを説明した結果その方がいいとなり1組はコスプレ喫茶となった。ちなみに俺はゲームに登場する対バイオテロの隊長のコスプレだとさ。
~放課後~
俺は寮に帰ろうとしたところジェシカ先生に呼び止められマドカと共に学園長室に連れていかれた。いったい何なんだ?学園長室に着くと刀奈さんと虚さんもいた
「それで一体どうしたんですか?」
「その前に通信を繋げるので少々待ってください。」
そう言って学園長(男性)は部屋を若干暗くしてスクリーンを出し、何処かに電話を架けた。するとスクリーンには
『お久しぶりですね、轡木さん。』
スコールさんだったそしてもう半分には
『やっほーいっくん達久しぶりー。』
タバネ姉さんだった。いったい何が始まるんだ?
「それでは説明をお願いします。」
そう学園長が言うとスコールさんが説明を始めた。
『実は篠ノ之が入院していた病院から姿を消したの。』
はぁ?姿を消した?そんな馬鹿な。
「お母さん、それ本当?」
『えぇ、定期検診に回っていた看護師が部屋に入ったときはすでにもぬけの殻で他の看護師たちと共に病院内をくまなく探したけど見つからなかったそうよ。その後警察に通報してそして私たちのとこにも連絡が来て発覚したの。』
「何時頃姿を消したのかわかったのですか?」
『大体8月×日に誘拐された可能性があるわ。その日の午前にも定期検診に行ったときには姿があったらしいから。』
ということは午後の何処かで誘拐されたということか。だが何のために?
『はぁ~、いったいどこのバカがあんなの誘拐したんだろうね?使い道なんてないのに。せいぜいモルモットくらいだよあれ。』
モルモット・・・。まさかな。
「ねぇお母さん。それでその誘拐した奴は複数なの?それとも単独なの?」
『恐らく複数ね。しかもかなりの手練れね。部屋に仕掛けておいた監視カメラは壊されていたけど、緊急用のため仕掛けた隠しカメラには2人組の人物が連れて行ったことが分かったわ。けど人物の特定までは至らなかったの。』
はぁ~メンドクサイ奴を誘拐したもんだな、その犯人グループは。
「とにかく学園側は不審人物が内部に潜入されないように警戒しておきます。」
『えぇそれがいいわ。それにそちらにジェシカも送っているので万が一は亡国機業も加勢いたしますので。』
「はい、ありがとうございます。ではよろしくお願いしますね、ジェシカ先生。」
「はい、こちらこそ。」
『では我々は引き続き篠ノ之を誘拐したグループを調査します。』
そう言ってスコールさんは通信を切った。
『タバネさんも調べておくよ。あ、いっくん。部屋にちょっと見てほしい資料を送っといたから後で見てね。それじゃばいば~~い。』
そう言ってタバネ姉さんも通信を切った。
「やれやれ厄介なことになりましたね。」
轡木学園長は深々と椅子に座った。
「とにかく皆さん、学園祭を無事に終わらせると同時に生徒たちの身を守ってください。」
そう言われ俺たちは力強く頷き部屋を出た。
~男子寮・イチカの部屋~
部屋に着くと確かにぶ厚そうな封筒があった。中身を確認すると報告書の様だった。そこには【男性にも操縦できる方法を開発成功】と【大型ヴァンツァー開発成功】と書かれていた。まさか本当に開発するなんてやっぱりタバネ姉さんはすごいな。
男性が操縦するには専用のISスーツを着ることでISコアを誤認識させて動かすことができるようになるらしい。だが最初はランクがCと低いらしいが、訓練を続けることでランクは上がっていくとのことだ。すでに亡国機業に所属している男性隊員の何人かをIS部隊に編成しているとのことだ。
もう一つの大型ヴァンツァーは正式名称ビューレン。武装はマシンガンに遠距離用のミサイルなど多種多様で、夏休み中に実地試験として中東でISテロを目論んでいた組織に送り込んだところ、一晩で殲滅できたらしい。委員会の連中が引き渡すように亡国機業に脅してきたがタバネ姉さんが交渉(脅迫)で引き下がらせたらしい。
読み終えた俺はその報告書をジュラルミンケースに入れた。さて夕飯を食べに行くか。
イチカside end
???side
今日から新人が入るらしい。以前は俺以外の部下は全員死んでしまったからな。まぁ使えるやつなら誰だっていいさ。そうだろ
さて最後のやつはエボルヴをやっていた人ならわかります。
次回学園祭始動~這いよる悪魔~
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