インフィニットミッション   作:のんびり日和

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7話

マドカside

あれから昼休みになり、兄さんと義姉さんたちと一緒に食堂に行きました。食堂に着くと

 

「やっと来たわね。」

 

鈴ちゃんが盆にラーメンの器を載せて待っていた。麺のびちゃってるんじゃ。

 

「鈴、先に席をとってきてくれないか。」

 

「分かったわ。」

 

そう言って鈴ちゃんは席をとりに行った。相変わらずすごい瞬発力だなと思った。

 

そして兄さんたちと昼食を注文して鈴ちゃんがとっていた席にみんなついた。

 

「さて、イチカ。あんた今までどこに行っていたのか説明してもらうわよ。」

 

「その前に自己紹介したらどうだ。一応上級生の人もいるし。」

 

「それもそうね。それじゃ、私が中国の代表候補生の鳳鈴音よ。イチカとは小学4年の頃からの付き合いなの。」

 

「あらそうなの。それじゃ次に私ね。私は更識楯無でロシアの国家代表よ。ここの生徒会長もしているから困ったことがあったら相談してね。」

 

「私は更識簪。日本の代表候補生です。」

 

「私は布仏虚でこの中では一番歳上です。生徒会書記を請け負っているので困ったことがあったら相談には乗りますよ。」

 

「私は布仏本音って言うんだ~。よろしくねリンリン。」

 

「リンリン言うな!!」

 

「はわっ!ど、どうしたの?」

 

「あ~、すまん本音。鈴はリンリン言われるのが好きじゃないんだ。」

 

「そうなんだ~、じゃあスズリンでいい~?」

 

「はぁ~。それでならいいわよ。それじゃ、イチカ話してもらうわよ。」

 

「ああ。それじゃどこ「おい一夏!そいつとはどういう関係なんだ!!」すまん、ちょっと待っててくれ。」

 

兄さんはそう言うと立ち上がり糞モップに向かって思いっきり腹パンした。

 

「うっ!?」

 

そのまま気絶した糞モップを近くの座先に寝かせて戻ってきた。

 

「すまん、待たせた。」

 

「別にいいけど、あれいいの?」

 

「別に構わないよ。あいつ兄さんのストーカーみたいなやつだから。」

 

「ふ~ん。そうなの。」

 

鈴ちゃんはそう言って興味をなくしたように兄さんに目線を戻した。

 

「それじゃ、話そうと思うのだが時間があまり残っていないから放課後でもいいか?」

 

「もうそんな時間?仕方ないわね。それじゃ、放課後になったら絶対言いなさいよ。」

 

「ちょっと用事があるからそれが済んだら話すよ。だから男子寮の入り口で待っててくれ。楯無さんたちもそれでいいですか?」

 

「ええ、それでいいわよ。」

 

そしてそれぞれ食器を返却して午後の授業を受けに戻った。ちなみに糞モップは食堂から戻ってきたときには5限目が終わるときだったからあいつに出席簿でしばかれていた。

 

マドカside end

 

イチカside

放課後になり、俺は簪たちと一緒に個人用の整備室で待っていた。今日は簪のISが届く日だからだ。

簪が少しおどおどした感じで話しかけてきた。

 

「イチカ、SR社の技術主任って怖い人なの?」

 

「いや、やさしい人だぞ。けど、ムカつく相手に対しては容赦はしない人でもあるかな。」

 

「そうなんだ。ちょっと安心した。」

 

そう言って簪はフゥと息を吐いていた。

そして扉が開くとそこにはコンテナと一緒に来た束姉さんとその護衛だと思うオータムさんが入ってきた。

 

「やっほー、いっくん。ひさしぶり~。」

 

「久しぶりだなイチカ。元気にしてたか?」

 

「ええ、お久しぶりですねオータムさん。それに束姉さん。」

 

束姉さんと言った瞬間に簪たちは驚いていた。あぁ、そういえば言ってなかったな。

 

「あ、あのもしかして篠ノ之束博士ですか?」

 

「おや、君が更識簪さんかな?初めまして、SR社社長兼技術主任の篠ノ之束です。テストパイロットの件受けてくれてありがとうね。」

 

「い、いえ!こちらこそ、ISの開発をしてくださってありがとうございます!」

 

そう言って簪は頭を下げていた。

 

「じ~~~。」

 

うん?本音がなんか束姉さんのことをジッと見ているな。てか言葉で言ってるし。

 

「うん?・・・・・。」

 

束姉さんもジッと見つめ始めてるし。次の瞬間いきなり握手したし。いったい何なんだ?

 

「君、私と同じ自由奔放の気配を感じたんだけど、もしかしてのんびり好き?」

 

「はい!私も博士から自由奔放でのほほんとした感じが受け取れました。ですので」

 

「「なか~ま~ですな(ね)!」」

 

そうだった。この二人なんか同じ雰囲気が感じられたからどこか似ていると思ったが、相当似ていたんだな。

 

「さて、同じ仲間がいたことに喜ぶことはあとで祝うとして、かんちゃんのISがこちらになります!」

 

かんちゃんってあなたもそう呼ぶんかい。と、心の中でツッコミながら簪のISを見てみた。

 

「これが私の専用機・・・。」

 

そこにはLEONORA ENTERPRISES(レオノーラエンタープライズ)社のギザがあった。あ、なるほど。簪の要望を応えるにはこれくらいがいいのか?

 

「これが君の新しい機体、ギザって言うんだ。君の要望通りミサイル大量発射ができるように肩部にミサイルランチャーを載せたよ。けどプラズマランチャーなんだけど肩部には載せられないから手持ち武器に改良して拡張領域に入れといたよ。」

 

「ちなみにミサイルはどれくらい発射されるんですか?」

 

「えっとね、通常ミサイルは10×2で20発でさらにマイクロミサイルを発射するミサイルは10×2で20発、マイクロミサイルは一発に50個ほどついているから50×10だから500発でそれが×2して1000発だから合計で最大1040発同時に発射できるよ。」

 

なにそれ怖い。

 

「ちなみに今はこの二つのミサイルが搭載されているけど、ほかにも多種多様なミサイルを搭載できるようにしてあるよ。」

 

キラキラ「す、すごい!」

 

簪が目をキラキラしながらギザを見てるよ。あのミサイルが発射されたらアリーナにどれくらいのクレーターができるんだろうか、想像しただけでもマジで怖いぞ。

 

「さてと、フィッティングするから搭乗して。」

 

「は、はい!」

 

簪はそう言ってギザに搭乗した。

 

「違和感とかないかな?」

 

「はい。すごくしっくりきます。」

 

「そりゃそうだよ。君が途中まで開発していた打鉄弐式の機体とコアをあそこから買い取って作成してるからね。君が打ち込んでおいた情報なども修正が必要な部分だけいじって他はいじってないからね。」

 

「そうなんですか?!だからこんなにもしっくりくるんだぁ。」

 

「はい、フィッティング終了と。」

 

「相変わらず早いですね。」

 

「フフ~ン。さて、会社の社長としてのお仕事はここまで。今からいっくんのお姉さんのお仕事を始めま~す。」

 

うん?姉としての仕事?いったい何をするんだ?

 

「えっと、博士?いったい「君達がいっくんのお嫁さんでいいのかな?」・・・・へっ?!」

 

ちょっ、束さん?!

 

「マーちゃんから聞いたよ。君たちが小さい頃にいっくんにお婿さんになってくださいって言ったのを。」

 

「「「「/////。・・・はい。」」」」

 

 

「そっか。じゃあ、今から質問することに正直に答えて。」

 

急に束姉さんが真面目な顔になった。雰囲気もいつもの感じではなく真剣な感じだった。

 

「これからもいっくんの傍にいてくれる?」

 

「「「「はい。」」」」

 

「いっくんに困難が降りかかってきたら手助けしてくれる?」

 

「「「「はい。」」」」

 

「いっくんの事裏切らない?」

 

「「「「はい。」」」」

 

「じゃあ、最後に。いっくんの事死ぬまで愛し続けてくれる?」

 

「「「「はい!」」」」

 

全員束姉さんの質問に迷いなく答えていた。そして束姉さんは満足したような顔になり

 

「そっか。それじゃあ、いっくんの事よろしくね。束さんのかわいいい義妹たち。」

 

「・・・・束姉さん。今なんて。」

 

「だから、いっくんの事よろしくねって言ったんだよ。」

 

「いや、その後なんだが。」

 

「あぁ、かわいい義妹たちって言ったんだよ。」

 

「いや、早すぎるでしょ!!まだ結婚してないんですけど!」

 

「いや~、婚約関係だって聞いてるしその方がいいかなと思ったんだけどな~。」

 

「いや、さすがにはや「「「「はい!こちらこそよろしくお願いします!お義姉さん!」」」」お前らもか!」

 

みんな早すぎるだろ!4人の親にも会っていないし、結婚式挙げてないし。

 

<けど嬉しんですよね?>

 

うっ!確かにそうだが・・・。開き直った方がいいのか?

 

<お好きにどうぞ。私はただ微笑ましい光景だなと思ったくらいですし。>

 

お前、最近マドカに似てきているように思えてきたんだが気のせいか?

 

<気のせいですよ、マスター。>

 

あっそ。

 

 

その後、束姉さんは楯無さんたちとしばらく仲良く会話をしてオータムさんと一緒に帰って行った。

そして楯無さんたちと男子寮に行くと、

 

「やっと来たわね。何してたのよ。」

 

鈴にジト目で尋ねられた。

 

「いや、簪のISを受け取りに行ってたんだ。」

 

「ふぅ~ん、そうなの。まぁいいわ。早く入るわよ。」

 

そう言って男子寮の入り口を開けようとしていたがびくともしていない。

 

「ちょっと何よこれ!開かないじゃない!!」

 

「鈴ちゃん、その扉は私と兄さんが持っているカードキーじゃないと開かないんですよ。」

 

「それなら先に言いなさいよ!」

 

ギャーギャー叫んでいる横で俺はカードキーを通してロックを解除していた。

 

「ほれ、さっさと入れ。」

 

「私男の人の部屋ってお父さんの部屋以外入ったことないのよね。」

 

「お嬢様、誰だって入ったことなんてありませんよ。」

 

「そういえばどうしてマドカはカードキーを持ってるの?」

 

「それはね、兄さんと一緒にご飯とか食べに行ける様にとか亡国機業の仕事で話があるときとかのために持ってるんだ。けど、部屋のキーまでは貰えませんでしたが。」

 

そう言ってマドカは落ち込んでいた。

 

「ちょっとうらやましい。」

 

「マドマドいいなぁ~。」

 

「ほれ部屋着いたぞ。」

 

「イチカ君の部屋ってどうなっているのか気になるわね。」

 

「お嬢様、あまり散策しないようにしてくださいね。」

 

俺は部屋の鍵を開けてみんなを中に入れた。

 

「へぇ~、イチカ君の部屋って意外と女子寮と変わらないのね。」

 

「そうですね、キッチンを設けていたり大きめの風呂が備わっているくらいですからね。それじゃ、適当に座ってくれ。」

 

そしてそれぞれベットの上や椅子に座ったりなど話が聞けるような体制になった。

 

「あ、私お茶入れるね。」

 

「あぁ頼む。茶葉はふたつ目の戸棚に入ってる。コップは棚にいくつかあるはずだからそれでいいぞ。」

 

「はぁ~い。」

 

マドカはキッチンに行きやかんに水を入れ沸かし始めた。

 

「マドカちゃんは聞かなくてもいいの?」

 

「マドカにはもう話してるので大丈夫ですよ。」

 

「へぇ~、それじゃイチカ話してもらうわよ。」

 

「あぁ、俺がドイツに行った時なんだが―――」

 

俺は束姉さん達に話したことをみんなにも話した。最初こそ信じられないと思っていたようだがだんだん信用してきた感じだった。

 

「これが俺がいなくなった間の内容だ。」

 

「あんた、結構危ないことしてたのね。」

 

「けどイチカのお父さんには感謝しないとね。」

 

「そうですね。もしイチカさんのご両親に会えたらお礼を言わないといけませんね。」

 

「ねぇねぇ、いっちー。そのヴァンツァーって、イッチーが使ってるものもそれに当てはまるの?」

 

「まぁ、もともとそうだったんだがこっちにきたときに動力源が変わるわ大きさが変化してるとかあったがとくに問題なく使ってる。」

 

「へぇ~。」

 

「まぁ、あんたがこっちに帰ってきたことに本当に良かったわ。」

 

「ああ、あとこのことは」

 

「もちろん喋らないわよ。こんなこと喋ったところで信じてもらえるかどうか分かんないけど。」

 

「助かる。」

 

「さてと、そろそろ帰るわ。またねイチカ。」

 

「おう、またな。」

 

「それじゃ私たちも帰ろうかしらね。」

 

そう言って刀奈さんたちは立ち上がった。

 

「じゃあねイチカ君。」ッチュ

そう言ってキスをしてきた。またか。

 

「「「あ~~!ずるい!イチカ(さん)(いっちー)、わたしともやろうぅ!」」」

 

そう言って成すがままキスをして帰っていった。ちなみにマドカは出ていく際に微笑みながら「よかったねお兄ちゃん」と言いながらサムズアップをして帰っていった。ハマってるのかそれ。

 

イチカside end




はい、束さんと嫁さんたちの質疑と、あの世界の出来事などを話しました。


次回クラス別代表戦(敵襲来)やって、弾との再会やって、行けたらあの二人登場(たぶんこの二人のとこまで行けないな)

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