俺たちの冒険の書No.001〜ロトの血を引きし者〜   作:アドライデ

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Lv.10:マホトーンを覚えた。

 

「これは使える」

 魔法封印呪文マホトーン。【まどうし】の脅威からおさらばだ。

睡眠魔法(ラリホー)が使えない上に、ついでに火炎魔法(ギラ)も抑えてくれる。奴はもう敵ではない。討伐効率も跳ね上がり、意気揚々となる。

 

 ある程度、余裕が出て来たので、休息がてらこの町を散策したら、老人がここから南にある祠について教えてくれた。しかし、すぐ横の男が首を横に振り、さらに強い魔物がいると悲痛な表情で言うので、現在保留中である。

「ところで鍵屋はどこだ?」

 ほぼ見回ったにもかかわらず見つからない。

同じように鍵を探している人物が『あの建物が怪しいが入り口がない』とのこと。

彼と同じように眺めていたが、川を挟んだ向こう側に橋がちらりと見えたので、川淵に沿って遠回りをすると商人の男がにっこり声を掛けてきた。

「いらっしゃいませ、奥へどうぞ」

 促されるまま、奥へ行くと見事に魔法の鍵が売っていた。

六つまで買うことができるが微妙に高い。一個53Gとは、ほぼ宿代である。

鋼の剣(1500G)も武器屋で買うつもりだし、まだ暫くここにいるかもしれないと、遠くを見つめた。

 

 行く日が過ぎて、目標金額に達したため、帰りの寄り道でマイラの村にいる。

リムルダールの町で魔法の鍵で扉を開けると一人の老人よしりーんがいた。その老人から、マイラの村のお風呂から南に四つ歩いたところを調べてみよと言われたからである。

歩数を確認後、早速調べる。

「妖精の笛?」

 また用途不明なものを手に入れてしまった。

「妖精の笛を手に入れたか、メルキドの町へ行くがよい!」

 丁度、老人がその用途について説明してくれたが全くもって、なんの解決にもならなかった。

そもそもメルキドとはどこだよ。

 

 ラダトーム城へ戻ってきた。

生きて戻ってきたのが久しぶりとか、自分でも意味不明なことを考えながら、魔法の鍵で漁る。

宝物庫は碌なものが入ってなかったから、兵士に睨まれ損だった。

さらに奥へ進むと、体力に自信があるものは進めと言う。

目の前の鮮やかな床に一歩踏み出すと、身体中が痺れた。

「ガライの墓は町の中、町へ入り暗闇の壁を押すがよい」

「はぁ」

 苦労した割にあんまり良い情報ではなかっ…あ。

銀の竪琴はガライが所持していた可能性があるってことか。ピンと来て、兵士に礼を言い、痺れる床を再び歩く。

回復しながらじゃないとやってられない痛さ。

 

「ではなくて、太陽の石どこだよ」

 誰も教えてくれないので、ウロウロと探し回る。

「雨と太陽が合わさるとき、虹の橋ができる」

「え?」

 裏庭に居た女性がにこやかに話しかけてくれた。

「古い言い伝えですわ」

 雨とは『雨雲の杖』、太陽とは『太陽の石』そして虹の橋とは恐らく竜王の城へ行く術。

最後、三種の神器で必要になるのは…何だろう。

 

 裏庭には鍵屋も見つけたが巫山戯るなと言うほど高かった。53Gで買えるのに85Gは詐欺だと思う。

 

「ここは、行けるのか」

 城壁の間にある隙間、その隙間を歩いて行くと池を挟んだ奥に地下への階段があることに気づいた。

その階段を降りて行くと一人の老人がいた。

相変わらず長いので要約すると『太陽の石があるからあげる』らしい。

てことはこの老人が賢者だったのか。

なんと言うか、こんなところで独りで守っていて御愁傷様です。お陰でめちゃくちゃ探し回ったよ。

と思い、再び声を掛けると『用がないはず。行くがよい』と追い出された。

 

 アレフLv.10は理不尽さを知る。


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