マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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前回のあらすじ
マ シ ン ナ ッ コ ォ !!




第173話 カードテキストはしっかり確認しよう

 

 

 会場のボルテージの高まりと共に開始されたデュエルの先攻はレベッカ。

 

「私の先攻、ドロー! 魔法カード《手札抹殺》を発動! 互いは手札を全て捨て、その分、新しくドローよ!」

 

「ですが、この瞬間! 墓地に送られた2枚の《エレクトリック・スネーク》の効果を発動させて貰います! このカードは相手の効果によって墓地に送られた時、ボクはデッキからカードを2枚ドローできる!」

 

 引いたカードで早速とばかりに手札交換+墓地肥やしを行うが、レオンの手札から緑のコブラが2匹その腕に巻き付き、デッキから2枚ずつ――計4枚のカードを咥えて引き抜いた。

 

 これでレオンの初期手札は9枚と増加。してやられたと僅かに険しい顔を見せるレベッカだが、すぐに表情を戻して手札の1枚のカードをかざす。

 

「なら、私は墓地の闇属性と光属性モンスターの数が同じ時! その片方を全て除外して、このカードを特殊召喚するわ!」

 

 すると、墓地から光と闇の球体がそれぞれ浮かび上がり――

 

「墓地の闇属性モンスター、《クリッター》と《マジック・リサイクラー》を除外して現れなさい! 混沌の闇を受けし騎士! 《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》!!」

 

 その内の闇の球体が弾けたと共に、影より浮かび上がるのは縦に黒と白の半分に分かれた鎧を纏った混沌の剣士が佇む。

 

《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》 攻撃表示

星8 闇属性 戦士族

攻3000 守2500

 

「そして闇属性モンスターを除外して、特殊召喚された宵闇の使者はバトルを放棄することで、相手の手札の1枚を相手のエンドフェイズまで除外するわ!」

 

 やがてその剣士が左手の白き盾を下げ、右手の黒き剣を一振りすることで放たれた斬撃がレオンの手札の1枚を打ち抜いた。

 

「最後にモンスターをセットしてターンエンドよ!」

 

 最序盤に表の遊戯から託されたカードを呼び出せたことに満足気なレベッカがターンを終えたが、盤面自体は高火力のモンスター1体と、セットモンスターが1体並ぶだけの少々抑え目な布陣。

 

――このカードが除外されると、うーん、

 

「なら、ボクのターン! ドロー!」

 

 だが、レオンは自身の手札が一時的に除外された事実に予定が狂ったと、考えを巡らせながらカードを引く。

 

「ボクはメインフェイズ開始時に魔法カード《強欲で金満な壺》を発動! エクストラデッキのカードを6枚裏側で除外して、デッキから2枚ドロー!」

 

 そうして引いた二つの欲深い顔が浮かぶ装飾がゴテゴテした壺が砕ける中、引いたカードに対し、嬉し気な表情を見せた。

 

「良し! 永続魔法《王家の神殿》を発動! これでボクは1ターンに1度、罠カードをセットしたターンに発動できるようになります!」

 

 やがて発動される黄金作りの神殿が大地からせり上がる中、現れるのは――

 

「カードをセット! そして魔法カード《死者蘇生》を発動! このカードで墓地から《鉄のハンス》を復活させます!」

 

 立派な髭を携えたボサボサのくせ毛を伸ばす木こりが自慢の斧をホームラン予告するかのように前方へと向けた。

 

《鉄のハンス》 攻撃表示

星4 地属性 戦士族

攻1200 守 800

 

「《鉄のハンス》の効果発動! このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから《鉄の騎士》を1体特殊召喚できる! 来い、《鉄の騎士》!」

 

 そんな《鉄のハンス》の背後から馬の蹄の音を響けば、黒毛の立派な馬がその背を飛び越し、フィールドにて足を止める。

 

 その馬の背には細身の突撃槍を持った銀に鈍く光る鋼鉄の鎧を纏う騎士の姿が見られた。

 

《鉄の騎士》 攻撃表示

星4 地属性 戦士族

攻1700 守 700

攻 700

 

「攻撃力が下がった?」

 

「《鉄の騎士》は《鉄のハンス》と一緒にいるとき、攻撃力が下がっちゃうんです」

 

 しかし、《鉄のハンス》の姿を視界に収めた途端、主君に道を譲るように下がる《鉄の騎士》。

 

「でも下がった攻撃力も――速攻魔法《地獄の暴走召喚》を発動! 特殊召喚された攻撃力1500以下の同名モンスターをデッキ・手札・墓地から可能な限り特殊召喚!」

 

 そして《鉄のハンス》を鼓舞するように細身の突撃槍を天に構え、友軍となる兵を呼ぶ。

 

 だが、その行為は敵兵にすら作用してしまう。しかし、今回は少々事情が異なった。

 

「代わりにレベッカさんは自分のフィールドのモンスター1体と同名モンスターが呼べますが――」

 

「私の宵闇の騎士は自身の効果でしか特殊召喚できないモンスターだから、呼べない……まぁ、私のデッキには1枚しかないカードだから、どのみち呼び出せないけどね」

 

 レベッカが最後に軽く肩をすくめながら語ったように《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》は特定の条件を満たさなければ呼び出すことの出来ないカードだ。

 

「これでボクのフィールドに新たな《鉄の騎士》2体が増援に駆け付けます!」

 

 そんなレベッカの隙をついたレオンの一手によって《鉄のハンス》の背後に新たに2体の《鉄の騎士》が立ち並ぶ。

 

《鉄の騎士》×2 攻撃表示

星4 地属性 戦士族

攻1700 守 700

攻 700

 

 しかし、それらの攻撃力は僅か700。レベッカの布陣を崩すには至らない。

 

「4体のモンスターが……だとしても、そのままじゃ攻撃力が足りないわ!」

 

「でもこのカードで《鉄の騎士》たちの力は解放される! 手札から永続魔法《鉄の檻》を発動! ボクのフィールドのモンスター1体を――《鉄のハンス》を墓地に送る!」

 

 そんな中、突如として空から落ちた鉄檻が《鉄のハンス》を閉じ込める。

 

「これで《鉄の騎士》たちは本来の力を発揮できる! さらにセットしたカードを永続魔法《王家の神殿》の効果で発動させます! 永続罠《アクアの合唱》を発動!」

 

 そうして主君が檻の中で待機する姿を確認した《鉄の騎士》たちはその意を汲み、馬を前進させ――

 

「これでフィールドに同名モンスターがいるモンスターのステータスは500アップです!」

 

 三体の《鉄の騎士》が揃って細見の突撃槍を前方の《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》に向けて構えた。

 

《鉄の騎士》×3 攻撃表示

星4 地属性 戦士族

攻 700 守 700

攻1700

攻2200 守1200

 

「まだです! ボクはまだ通常召喚を行ってません! 《シンデレラ》を召喚!」

 

 その武骨な騎士たちを警戒しながらチラチラ見つつ、歩み出るのは度重なる修繕の跡が見える古着を着た女性。

 

 そんな女性の元に何処からか箒に乗って飛んできた魔女の老婆が杖を一振りすれば、女性の衣服が青と白を基調にしたドレスに早変わり、

 

《シンデレラ》 攻撃表示

星4 光属性 天使族

攻 300 守 600

 

「そして《シンデレラ》の召喚に成功したことで、デッキから《カボチャの馬車》を特殊召喚!」

 

 さらに魔女の老婆が杖を振れば、足代わりと二頭の白馬が引くカボチャ風の馬車が用意され――

 

《カボチャの 馬車》 守備表示

星3 地属性 植物族

攻 0 守 300

 

「最後に手札から装備魔法《ガラスの靴》を《シンデレラ》に装備! これで天使族の《シンデレラ》の攻撃力は1000アップ!」

 

 締めにガラス仕立ての美しい靴もサービスした魔女の老婆は一仕事終えたとばかりに箒の力で空へと消えていった。

 

《シンデレラ》

攻 300 → 攻1300

 

「バトルです! 《シンデレラ》は《カボチャの馬車》がいるとき、相手にダイレクトアタックできる!」

 

 そうして老婆の魔女のごり押しでパワーアップした《シンデレラ》が「明日天気になれ」とばかりにガラスの靴をレベッカに向けてララランとクルリと回った後に投擲。

 

「うっ!?」

 

レベッカLP:4000 → 2700

 

 砕けた《ガラスの靴》の破片がレベッカに中々のダメージを与えた。

 

「でも、残りのモンスターじゃ私のカオス・ソルジャーを突破できないわ!」

 

「このままならそうですね――ダイレクトアタックで《シンデレラ》がダメージを与えた時、自身に装備された《ガラスの靴》を他のモンスターに装備させることが出来ます!」

 

 だが、砕けた《ガラスの靴》の破片が風に流されるように周囲を舞い――

 

「ボクはカオス・ソルジャーに装備魔法《ガラスの靴》を装備! そして天使族以外のモンスターが《ガラスの靴》を装備すると攻撃力が1000下がります!」

 

 《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》の足元を覆い、甲冑の一部が《ガラスの靴》に置き換わる。

 

 そうしてガラス越しに《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》の鍛え抜かれた素足が見える中、当人は不快そうに足を地面に振り下ろすが、ガツンガツンという音だけが響くだけで《ガラスの靴》はヒビ一つ入らない。

 

 完全に呪いのアイテムのソレだ。

 

《シンデレラ》

攻1300 → 攻 300

 

《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》

攻3000 → 攻2000

 

「行けぇ! 《鉄の騎士》! カオス・ソルジャーに突撃!」

 

 そうして思わぬ呪いの装備品に戸惑う《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》に《鉄の騎士》の1体の突撃槍が馬の加速を得て迫る。

 

 

 そんな中、剣を構えようとする《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》だが、その足は《ガラスの靴》の力によって縫い付けられたように動かず、その隙をつかれアッサリと突撃槍に貫かれた。

 

「ダーリンのカードが!?」

 

レベッカLP:2700 → 2500

 

「そして装備モンスターが破壊されることで装備魔法《ガラスの靴》が墓地に送られた場合、このカードはボクのフィールドの《シンデレラ》の元に戻る!」

 

 やがて所有者を失ったことで砕け散った《ガラスの靴》が、破片のまま宙を舞い、《シンデレラ》の足元に集まって行く。

 

「魔法使いの魔法はまだ解けません!」

 

 そうして再び足元に収まった《ガラスの靴》の輝きをウットリと眺める《シンデレラ》。この光景を見る限り、魔法ではなく、呪いの間違いではなかろうか。

 

《シンデレラ》

攻 300 → 攻1300

 

「2体目の《鉄の騎士》で最後のセットモンスターを攻撃! 3体目の《鉄の騎士》のダイレクトアタック!」

 

 やがて脅威であった《カオス・ソルジャー -宵闇(よいやみ)の使者-》を排したことで道が開けたと残りの2体目の《鉄の騎士》がレベッカの最後のセットモンスターを馬の蹄で叩き潰し、

 

 3体目の《鉄の騎士》の突撃槍がレベッカを貫かんと迫る。

 

「そうはさせないわ! リバースした《魔導雑貨商人》の効果でデッキの上から魔法・罠カードが出るまでカードを墓地に送る!」

 

 だが、その瞬間に、馬に踏み潰されていた赤いズボンの紫の昆虫の荷物が宙を舞った。

 

《魔導雑貨商人》 裏側守備表示 → 守備表示

星1 光属性 昆虫族

攻 200 守 700

 

 とはいえ、《魔導雑貨商人》自体はそのままピクリとも動かず息絶えた様子。

 

「私は魔法カード《貪欲な壺》を手札に!」

 

「でも3体目の《鉄の騎士》のダイレクトアタックは止まらない!」

 

 ゆえにレベッカが手札に《貪欲な壺》を加えようとも、迫る《鉄の騎士》の突撃槍は止まらない。

 

「止めて見せるわ! 墓地の《タスケルトン》の効果発動! このカードを除外して攻撃を1度だけ無効にする! お願い!」

 

 だが、その槍が貫いたのはつぶらな瞳の黒毛の小さな豚。さらに豚の骨が足元に転がり、それを見た馬が驚きてんやわんやの大騒ぎの後、逃げるようにレオンの元へと急いで戻って行った。

 

「やりますね! ならボクは墓地の《ADチェンジャー》を除外して効果発動! ボクの《シンデレラ》を守備表示にする!」

 

 あと一息のところで攻撃を防がれたレオンは楽し気に笑みを浮かべながらバトルを終え、墓地の学ランを纏う小さな応援団長に旗を振らせて指示を出し、それに応えた《シンデレラ》は腕を交差し、膝をつく。

 

《シンデレラ》

攻撃表示 → 守備表示

 

「そしてカードを1枚セットしてターンエンド! このエンド時にカオス・ソルジャーの効果で除外されていたボクのカードが手札に戻ります!」

 

 最後にセットカードを添えてターンを終えたレオンのフィールドには5体のモンスターが立ち並ぶ。それに反し、レベッカのフィールドにはカードは0――劣勢だ。

 

「まだまだデュエルは始まったばかり! そう簡単に終わってたまるもんですか! 私のターン、ドロー! スタンバイフェイズに墓地の《堕天使マリー》の効果で私はライフを200回復!」

 

 しかし、その状況にも堪えた様子のないレベッカに、白いケープとピンクのワンピースを着た真っ黒な肌を持つ悪魔の漆黒の翼から祝福の光が送られる。

 

レベッカLP:2500 → 2700

 

「さらに墓地に送られた《アーク・ブレイブ・ドラゴン》の効果も発動よ! 墓地のレベル7、8のドラゴン族モンスターを復活させるわ! 墓地より蘇るのよ! 《ダーク・ホルス・ドラゴン》!!」

 

 そんな光が一段と強まった後、炎噴き出す中で飛翔するのは黒き大鷲の如きドラゴン。空を舞い、口から気炎代わりの炎を猛らせる姿にレオンの《鉄の騎士》たちは身構えた。

 

《ダーク・ホルス・ドラゴン》 攻撃表示

星8 闇属性 ドラゴン族

攻3000 守1800

 

「そして《裏風の精霊》を召喚! 召喚時にデッキからリバースモンスター1体を手札に加えるわ! 2枚目の《魔導雑貨商人》を手札に!」

 

 次に一陣の風と共にフワリとフィールドに降り立つのは葉っぱをイメージさせる髪飾りとスカートを長い緑の髪と共に揺らす妖精が並び、

 

《裏風の精霊》 攻撃表示

星4 風属性 天使族

攻1800 守 900

 

「次はこの子よ! 私の手札の光と闇属性モンスターを墓地に送ることで、墓地のこのカードは復活するわ!」

 

 更にレベッカの手札から光と闇が渦を巻いて飛び立ち――

 

「手札の光属性《魔導雑貨商人》と闇属性《ネクロ・ガードナー》の力を得て、蘇りなさい! 《ライトパルサー・ドラゴン》!!」

 

 青い身体を白い鎧のような甲殻で覆ったドラゴンとなって、フィールドにて翼を広げ、胸の中心のコアと思しき部分を輝かせながら天へといなないた。

 

《ライトパルサー・ドラゴン》 攻撃表示

星6 光属性 ドラゴン族

攻2500 守1500

 

 だが、レオンの連続召喚に対抗するようなレベッカの動きは止まらない。

 

「更に墓地の風属性、《裏風の精霊》と闇属性、《クリッター》を除外して、このカードを手札から特殊召喚するわ! カモン!  《ダーク・シムルグ》!!」

 

 黒い風が地面を砕きながら立ち上り、黒き翼を広げる黒き怪鳥が灰の尾を揺らしながら空を舞う。

 

《ダーク・シムルグ》 攻撃表示

星7 闇属性 鳥獣族

攻2700 守1000

 

「この子がいる限り、貴方はカードをセットできなくなるわ!」

 

 その羽ばたきによって舞い散る羽がレオンのフィールドに呪いを授ける中――

 

「最後に墓地の《馬頭鬼》を除外して、墓地のアンデット族のモンスター1体を復活させるわ! 私が選ぶのはこの子!」

 

 レベッカの背後の影からニュルリと何者かが蠢く。

 

「私のマイフェイバリット! 《シャドウ・グール》ちゃん!! そしてこの子は墓地のモンスターの、仲間の数だけ攻撃力が100ポイントアップ!」

 

 それは勿論、4本の足を持つ緑の異形の不死者たる《シャドウ・グール》が左右の手の爪を拳法家のように構えながら、顔中にズラリと並ぶ複眼でレオンを射抜く。

 

《シャドウ・グール》 攻撃表示

星5 闇属性 アンデット族

攻1600 守1300

攻4000

 

「攻撃力4000!?」

 

 その圧倒的な攻撃力に驚きを見せるレオン。だが、攻撃力だけでなく、モンスターの数も5体と互いに並んだ。

 

「バトル!! 《シャドウ・グール》と《ダーク・ホルス・ドラゴン》で2体の《鉄の騎士》を攻撃! ティアーズ・オブ・ファイアー!」

 

 《ダーク・ホルス・ドラゴン》が空から炎を吐き、その炎によって生じた影に潜り込んだ《シャドウ・グール》の爪が迫り――

 

「ぐぅうううッ!?」

 

 そうして炎によって2体の《鉄の騎士》の鋼鉄の鎧がドロドロに溶け、脆くなった鎧が《シャドウ・グール》の爪で一刀の元に切り伏せられる中、その斬撃によって逆巻いた炎がレオンの身を襲う。

 

レオンLP:4000 → 2200 → 1400

 

「くっ……でも《鉄の騎士》は戦闘で破壊された時、デッキから《鉄のハンス》を手札に加えることが出来ます……!」

 

「だとしても、同名モンスターがいなくなったことで永続魔法《アクアの合唱》の強化は途切れるわ!」

 

 1体の《鉄のハンス》を手札に加えたレオンの横で同胞の末路に3体目の《鉄の騎士》も奮起しようと突撃槍を構えるが、その切っ先は恐怖からか精彩を欠いていた。

 

《鉄の騎士》

攻2200 守1200

攻1700 守 700

 

「そして《ダーク・シムルグ》で最後の《鉄の騎士》を! 《ライトパルサー・ドラゴン》で《シンデレラ》を! 《裏風の精霊》で《カボチャの馬車》を攻撃よ!!」

 

 やがて残ったレオンの3体のモンスターに向けて、妖精とドラゴン、怪鳥の三者三様の息吹が黒き炎の竜巻となって、レオンのフィールドに吹き荒れる。

 

 その暴風の前には《シンデレラ》を守るように立ちはだかった《鉄の騎士》も、《シンデレラ》を乗せた《カボチャの馬車》諸共吹き飛ばしていった。

 

「うわぁッ!?」

 

レオンLP:1400 → 400

 

 

「どんなもんよ! これで私はターンエンドよ!」

 

 その余波の突風に腕で顔を覆ったレオンに確かな手応えを感じつつレベッカはターンを終える。

 

 総勢5体のモンスターからなる逆転劇にフィールドを丸裸にされてしまったレオンだが、その目に陰りはない。

 

「そのエンド時にボクは罠カード《貪欲な瓶》を発動します! 墓地の5枚のカードをデッキに戻し、1枚ドロー!」

 

 ゴテゴテと装飾品で作られた顔が浮かぶ壺を砕きながら、次なる一手の下準備とし、引いたカードに小さく笑みを見せた。

 

――《鉄の騎士》を戻したってことは、また《鉄のハンス》とのコンボを狙ってる?でも肝心の《鉄のハンス》は墓地に残したままだし……

 

 

 そんなレオンの折れぬハートに警戒心を募らせるレベッカだが――

 

「ボクのターン、ドロー! そしてこのスタンバイフェイズに永続魔法《鉄の檻》のもう一つの効果を発動! このカードを破壊し、発動時に墓地に送ったモンスターを復活させます!」

 

 レオンのフィールドの鉄檻が砕けた衝撃にその意識を引き戻す。

 

「《鉄の檻》を砕き、舞い戻れ! 《鉄のハンス》!!」

 

 そうして鉄檻を蹴り砕いた《鉄のハンス》が斧片手にズシンズシンと歩を進めれば――

 

《鉄のハンス》 攻撃表示

星4 地属性 戦士族

攻1200 守 800

 

「再び《鉄のハンス》の効果発動! デッキから《鉄の騎士》を特殊召喚! そして再び速攻魔法《地獄の暴走召喚》を発動!!」

 

「くっ……《鉄の騎士》は3体に増えるけど、私のフィールドは既にモンスターで埋まってる……!」

 

 速攻魔法のコンボにより、《鉄のハンス》に付き従う《鉄の騎士》たちがズラリと隊列を組んだ。

 

 更に複数体揃ったことで永続罠《アクアの合唱》の恩恵も享受する。

 

《鉄の騎士》×3 攻撃表示

星4 地属性 戦士族

攻1700 守 700

攻 700

攻1200 守1200

 

「でも前のターンみたいに《鉄の騎士》の攻撃力を戻したって、私の布陣を突破することはできないわ!」

 

「確かにそうですね……でも、メインフェイズ開始時に2枚目の魔法カード《強欲で金満な壺》を発動! エクストラデッキのカードを6枚除外し、2枚ドロー!」

 

 しかし3体揃おうとも、レベッカの語るように敵陣を崩す決定打にはならない。それはレオンも承知の上だ――ゆえに金色の欲深き顔が浮かぶ壺を砕きながら、逆転の一手を引き込む。

 

――此処で罠カード《あまのじゃくの呪い》を引いて、墓地のカードで《アクアの合唱》を除ければ……!

 

 レオンの胸中の声が示すように、ステータスアップとダウンを入れ替える《あまのじゃくの呪い》があれば、3体の《鉄の騎士》の攻撃力は2700まで上昇し、レベッカのフェイバリットである《シャドウ・グール》も無力化が可能だ。

 

 さすれば、盤面を覆すことは容易。やがてデッキを信じ、カードを引き抜いたレオンの眼に映ったのは――

 

――こ、このカードは!?

 

 レオンの望んだカードではない1枚。だが、絶好の1枚でもある。

 

 

「よくこの場面で引き当てた。運命はお前に味方しているようだな」

 

 そんなレオンの姿に対して何時の間にやら、その背後から少し離れた個所に陣取っていたジークが声援を送る。その声は()()()()()()()()()()()()

 

「兄さん!」

 

「レオンハルト――今こそ、そのカードを使う時だ。誰も私たちの勝利を阻むことは出来ない」

 

 尊敬する兄の言葉と、託されたカードがピンチを助けるべく手元に来た事実に喜色を見せるレオンはジークの声に従い1枚のカードを発動した。発動してしまった。

 

「…………はい、兄さん!! ボクはフィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》を発動!!」

 

 やがてフィールドを塗り替えるようにその名の通りの宮殿を思わせる「金の城」がレオンの背後に立ち並ぶ。

 

 その輝きは見る者を引き付け、魅了する妖しき美しさを放っていた。

 

 

 

 だが、そのカードに対し、観客席の双六は隣のアーサーへと目くばせさせながら思わず零す。

 

「アーサー、あのカードは……」

 

「ああ、まさかあのカードがこんな所でお目にかかれるとは……」

 

「あのカードがどうかしたんですか?」

 

 ()()()()()()()()()自分たちと、杏子の疑問の声に気にした様子もなく、アーサーは双六へと小さく頷いた後に語りだす。

 

「ペガサス会長の作ったカードの中には量産化されず、世界に1枚しか存在しない幻のレアカードがいくつかあるんだ」

 

「4枚しかない海馬のブルーアイズみたいなもんか?」

 

「うむ、何年か前に何処かの大会の優勝賞品として出されたことがあるものでの!」

 

 本田の声に双六もまた「珍しいものを見た」とどこか興奮した様子だ。

 

「勿論量産化されていないとはいえ、実際のデュエルでも使用できる一品でね」

 

「さらにペガサス会長直筆のレアカードとあってコレクターの間では喉から手が出る程欲しい幻のカードの一つなんじゃ」

 

「いやはや、まさか実際にデュエルで使われる場面に立ち会えるとは……コレクター冥利に尽きるね」

 

 そうしてアーサーと双六からなされた周囲によく響く説明に他の観客たちも、そんな珍しいカードを間近に見ることが叶った事実に感嘆の声を漏らしていく。

 

 

 

 そんな周囲の反応から、尊敬するジークに認められたような感覚を受けたレオンは先程以上に気力に満ちた顔で宣言した。

 

「兄さんがボクの為に手に入れてくれたカードで貴方に勝ちます! フィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》がある時、《鉄のハンス》の真の力が解放される!!」

 

「真の力?」

 

「フィールドの《鉄の騎士》の数×1000ポイント、《鉄のハンス》の攻撃力がアップ!!」

 

 やがて黄金の城の魔力によって奮起した《鉄の騎士》たちの力から注がれたことで《鉄の騎士》の身体から生命力が溢れ、その肉体をパンプアップさせていく。

 

 服がはち切れんばかりに筋肉が増大したと同時に、その手の斧も担い手に合わせるように身の丈を超える程に巨大化した。

 

《鉄のハンス》

攻1200 → → 攻4200

 

 

「《シャドウ・グール》の攻撃力を超えた!?」

 

「まだです! フィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》の効果発動! 通常召喚権を放棄することで、デッキから《シュトロームベルクの金の城》のカード名が記されたモンスター1体を特殊召喚します!」

 

 観客の御伽の焦ったような声を余所にレオンが天に手をかざし、それに呼応するように《シュトロームベルクの金の城》が妖しき光を放てば――

 

「現れよ、深淵覗きし、いにしえの魔女! 《ヘクサ・トルーデ》!」

 

 肩と胸元の開いたVネックのドレスを纏った藍の長髪の女性が現れ、血のように赤いドレスを揺らす。

 

《ヘクサ・トルーデ》 攻撃表示

星8 闇属性 魔法使い族

攻2600 守2100

 

「《ヘクサ・トルーデ》の効果! フィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》が存在するとき、1ターンに1度フィールドのカード1枚を破壊し、2回攻撃が可能になります!」

 

 《ヘクサ・トルーデ》の涙のように彩られた文様が目元にある瞳がレベッカのフィールドの1体の僕を見定め――

 

「ボクが破壊するのは――《シャドウ・グール》! デスティニー・クラッシュ!!」

 

 その掌から放たれた光が《シャドウ・グール》を木端微塵に吹き飛ばした。その身体は溶けるように影へと消えていく。

 

「《シャドウ・グール》ちゃん!」

 

「まだです! ボクは2枚目の永続魔法《鉄の檻》を発動!」

 

 レベッカの悲痛な声を余所にレオンは手を緩めることなく次なる一手を繰り出す。

 

「このタイミングで自分のモンスターを減らすの?」

 

 最初のレオンのターンにて効果が判明した既知のカードゆえにプレイングに疑問を持つレベッカだが――

 

「今回はちょっと違いますよ――フィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》がある時、永続魔法《鉄の檻》は相手のモンスターを墓地に送ることが出来る!!」

 

「なんですって!?」

 

「ボクは《ダーク・シムルグ》を墓地に送る! これでボクのセット封じは解かれた!」

 

 その《鉄の檻》は、今度はレオンのモンスターではなく、レベッカの《ダーク・シムルグ》を空から大地に叩き落とし、檻の中に封じ込めた。

 

 思ったよりも狭くて居心地が悪いのかジタバタと暴れる《ダーク・シムルグ》。だが、檻は壊れる気配を見せない。

 

「でもタダじゃ通さないわ! 相手が魔法カードを発動したことで《ダーク・ホルス・ドラゴン》の効果発動! 墓地のレベル4の闇属性モンスターを特殊召喚する!」

 

 しかし、そんな《ダーク・シムルグ》がいた場所に《ダーク・ホルス・ドラゴン》が口から火の玉を落とせば――

 

「私が呼び出すのはこの子! レベル4! 《黒き森のウィッチ》!!」

 

 先程まで自分がいた場所に我が物顔で座る黒きローブを纏う三つ目の魔女――《黒き森のウィッチ》の姿にあんぐりと大口を開ける檻の中の《ダーク・シムルグ》。

 

《黒き森のウィッチ》 守備表示

星4 闇属性 魔法使い族

攻1100 守1200

 

 モンスターを減らされようとも、すぐさま補充したレベッカの姿にレオンは臆することなく、突き進む。

 

「ならバトルです! 《鉄のハンス》で《裏風の精霊》を攻撃!」

 

「不味いぜ! この一斉攻撃が通ればレベッカのヤツのライフが!?」

 

 ムッキムキになった《鉄の騎士》が斧を振り上げながら、少女の外見をした妖精に迫る犯罪チックな光景に観客席の城之内が焦った声を漏らした。

 

 その声の示す様に攻撃力4200の《鉄のハンス》の一撃に対し、《裏風の精霊》の攻撃力は1800――これを受ければ、レベッカの残りライフ2700は風前の灯と化し、その後続く《ヘクサ・トルーデ》の連続攻撃も加味すれば後がない。

 

「そうはさせないわ! 墓地の《SR(スピードロイド)三つ目のダイス》を除外し、効果発動! その攻撃を無効にする!」

 

 だが、《鉄のハンス》の巨大な斧を受け止めたのは《裏風の精霊》ではなく、三角錐のサイコロ――《SR(スピードロイド)三つ目のダイス》に斧を振り下ろし、綺麗にパカッとサイコロが割れた姿に満足気な様相で帰って行った。

 

「なら《ヘクサ・トルーデ》で《ライトパルサー・ドラゴン》を攻撃です!」

 

 しかし、続く《ヘクサ・トルーデ》の腰だめにした両の掌から放たれた光の波動に弾き飛ばされる《ライトパルサー・ドラゴン》が地面を転がり目を回す。

 

「くっ……!」

 

レベッカLP:2700 → 2600

 

「そして《ヘクサ・トルーデ》がバトルでモンスターを破壊した時、ボクのフィールドのモンスター1体の攻撃力を400アップさせ――犬?」

 

 だが、高まるテンションのままに追撃を放とうとする《ヘクサ・トルーデ》の足元に三つ首の小型の犬がギョロギョロと飛び出た目を不気味な様相で動かした後、その足に噛みついた。

 

 その痛みに飛び上がり、悲鳴を上げながら霧のように消えていく《ヘクサ・トルーデ》。

 

「うわっ!? どうして!?」

 

「墓地のモンスター、《ペロペロケルペロス》の効果よ! 私がダメージを受けた時、墓地のこのカードを除外してフィールドのカード1枚を破壊するわ!」

 

「そのカードの効果でボクの《ヘクサ・トルーデ》を……」

 

「そう言うこと! そして除外した2枚目の《ペロペロケルペロス》の効果でフィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》を破壊するわ!」

 

 効果の説明を受け、現状の理解を示したレオンに対し、レベッカはすぐさま二の矢を放つ。

 

 そして2匹目の《ペロペロケルぺロス》が巨大な建造物である《シュトロームベルクの金の城》に噛みついた。

 

「――しまった!?」

 

 だが、レオンの焦ったような声を余所にガキンという音が響き、《ペロペロケルペロス》はレベッカの方に一瞬ばかり顔を向ける。

 

 やがて、もう1度トライするかのように《シュトロームベルクの金の城》に噛みつくが、「やっぱり無理だ」とレベッカの方を恨めしそうにみながら《ペロペロケルペロス》は明後日の方向へと駆けて行った。

 

「……弾いた?」

 

「くっ、そのフィールド魔法には破壊耐性があったのね……!」

 

 破壊を免れた現実に不思議そうな顔を向けるレオンと対照的に、レベッカは悔し気な声を漏らす。破壊耐性があるのなら、別のカードを狙うべきだったと。

 

 

 

 しかし、此処で観客席の双六の()()()()()()()()()()不審気な声が漏れた。

 

「むむ? フィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》にそんな効果はなかった筈じゃが……」

 

「双六、キミもそう思うか。私たちが覚えている限り、強力なカードではあったが、反面デメリットも大きかった筈……」

 

 アーサーも含め、コレクターである自分たちが把握している効果との相違に、「記憶違いだったか」と頭を捻る老人組。

 

 

 だが、その答えは他ならぬジークが()()()()()()()()()()()()()()()声で明かした。

 

「無駄だよ。《シュトロームベルクの金の城》は如何なる効果を以てしてでもフィールドから離れることはない!」

 

「如何なる効果もじゃと? 馬鹿な! あのカードのテキストにそんな効果はなかった筈じゃ!」

 

「まさかテキストデータを書き換えたのか!?」

 

 しかし、語られた内容は「ありえない一文」。ゆえに驚きの声を上げる双六と、すぐさま一つの可能性に思い至るアーサー。

 

「兄さん……『テキストデータを書き換えた』って、本当なの?」

 

 そんな中、次々と浮上する情報に、最も困惑しているであるレオンの声が響く。やがて自身の兄に対して、縋るように問いかけるが――

 

「レオンハルト、勝つためには手段を選ぶな! どんなことをしても勝利を手にすることこそ重要なのだ。それがシュレイダー家の為! きっと母上もお喜びになる!」

 

「お母様が……?」

 

 その答えは少年にとって信じたくない現実となって重くのしかかる。だが、知らぬままに犯罪行為の片棒を担がされていたレオンの反応は要領を得ない。

 

「その通りだ! このフィールド魔法《シュトロームベルクの金の城》の発動をスイッチとし! その瞬間、KCのメインコンピューターに仕掛けたウィルスプログラムが全てを侵食していく」

 

 ゆえにジークは権力闘争とは無縁だった不出来な弟に分からせるように言い放つ。

 

「KCではなく、我がシュレイダー社が頂点を取るのだ! それこそが我がシュレイダー家の宿願!」

 

 それを成す為に、全てお膳立てしたのだと。やがてそう言い切ったジークは檀上に立つ海馬へと指差し、嘲笑った。

 

「存分に眺めるがいい、海馬! キミの築き上げてきたものが崩れる瞬間を!!」

 

 もはや賽は投げられたのだと、KCの破滅の運命は確定したのだと。

 

 

 それはジークにとって、まさに勝利宣言に等しい宣言だった。

 

 

 

 

 

 

 

「……どうやらネズミが入り込んだようだな」

 

 そんな中、海馬の隣で、自身の腕を眺めながらそうポツリと零すダーツの姿が印象的だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わって、シュレイダー家にて――

 

「さぁて、もう見てお分かりかと思いますが……令状です――この意味、分かりますよねぇ?」

 

 門を無縁慮に開き、玄関口で1枚の紙きれを得意気に見せるのはBIG5の《ジャッジマン》の人こと大岡。

 

 そんな大岡のドヤ顔を間近で見せられたジークの父、シュレイダー家の現当主の顔は怒りで赤く染まって行く。

 

「なんだ、お前たち! 此処を何処だと思って――」

 

「――では、皆さん、お願いしますよぉ」

 

 だが、そんなシュレイダー家の当主の声など耳を貸す気もないとばかりに大岡の宣言で背後に控えていた大量の捜査局の人間たちは殺到するようにシュレイダー家に押し寄せていった。

 

 

 そんな俗にいう「ガサ入れ」こと家宅捜索の現場を眺める牛尾はポツリと零す。

 

「つーか、なんで一介のKC社員の俺がこんなとこに同行してるんすか?」

 

 ワールドグランプリの初日に北森のデッキ破壊戦術によりデッキを爆殺されて敗退した牛尾が急遽ギースから呼び出しを受け、あれやこれやと流された結果の現在だった。

 

 そんな「俺は何処に向かっているんだ」な牛尾に大会の参加権利すら得られなかったギースが牛尾の肩を軽く叩きながら返す。

 

「我々の立場はあくまで捜査協力者だ。それにシュレイダー社の方はアメルダに任せてある――お前はそう気負う必要はない」

 

「いや、そういう意味じゃないんすけど……」

 

 だが、牛尾の脱力しきったような声を余所に建物内部から顔を覗かせる《サクリファイス》のハンドサインを目視したギースはすぐさま顔を引き締める。

 

「牛尾、あのメイドを追え、私は老執事の方を追う」

 

「へーい」

 

 やがて間延びするような牛尾の返事と共に2人は二階の窓からシュレイダー家にお邪魔していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 いい加減に目を覚ませ、ジーク――キミの実家+会社がポリスメンの侵攻を受けているぞ。

 

 

 






遊星! これがスピードの極致! アクセル手続きだ!




~今作でのレオンのデッキ~

原作での《シュトロームベルクの金の城》が「世界に一枚しかないカード」という扱いから

普段は《シュトロームベルクの金の城》がない『シュトロームベルクの金の城』とでも呼ぶべきデッキ。

《鉄のハンス》からの《鉄の騎士》のリクルート、そして《地獄の暴走召喚》での展開がメインウェポン。

そうして展開した《鉄の騎士》を永続罠《アクアの合唱》や罠カード《あまのじゃくの呪い》で強化して攻撃していく。《あまのじゃくの呪い》は彼が原作で使用した《おかしの家》とも相性が良い点もグッド。

《シンデレラ》一式+《ヘクサ・トルーデ》+《怪鳥グライフ》は添えるだけ(目そらし)


――だが、やはり核となる《シュトロームベルクの金の城》がないと全体的にパワー不足感が否めない。


ちなみに――
それらの童話シリーズはペガサスがレオンの声を聞き、作ったとされているが、「量産していない」との話も出ていない為、今作では非常に珍しいが流通している設定。

というか、原作でもレオンが《鉄の騎士》をデュエル中に複数体展開していたので、そう考えるのが自然と判断しました。
(「ペガサスが各種カードを3枚ずつ用意した」もしくは「《鉄の騎士》だけ3枚用意した」とすると少々不自然ですし)


レベッカのデッキ紹介は次回。
まぁ、分かり易い構築なんですけどね(目そらし)


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