樹季少年の憂鬱   作:丸焼きどらごん

19 / 21
ファンタスティックビーストと魔法使いの旅が予想以上に面白くて、ハリポタ原作が手元に無いというのに無謀にも書きたくなった結果。ハードカバーのあの子はどこにしまったんだっけなぁ……。


番外編
番外編:枕返し先輩プロデュース平行世界旅行inハリー・ポッター


 俺、藤原樹季。死神の手違いで死んだ上に、詫びのつもりなのか若くして死ぬはずだった平行世界の自分に突っ込まれた哀れな25歳独身男性☆ けして☆とかつけて自己紹介していい歳ではないが、今はそんな茶目っ気でも起こさないとやってらんねぇ状況に陥っている。

 

 

 一言で言うと、枕返しの奴にしてやられた。ぶっちゃけ新しいパラレルワールドに放り込まれた。平たく言って枕返しを殺したい。

 

 

 あ、あの野郎……! ただでさえ平行世界に転生? っていう奇妙な状況になっている俺にこれ以上過酷な運命を背負わせようっていうのかよ! 旅行でうっかり般若心経壁紙の無い部屋で寝た結果がこれだよちくしょうめが!! やっぱり魔除けは必須だったんだ。旅行に浮かれてた少し前の自分をシバキ倒したい。

 しかし現状に気づいたのは情けなくも枕返しにやられてからしばらく経ってからである。気づいたのは、夏の終わりに俺に一通の手紙が来たとき……その内容とは「ホグワーツ魔法魔術学校入学許可証」。

 

 

 

 

 

 ハリー・ポッターかよッッっ!!!!

 

 

 

 

 

 全身全霊で突っ込んだわ!! そのノリで手紙破り捨てたわ!! でもって案の定追加手紙攻撃食らって窒息しかけたわ!! 馬鹿か! 馬鹿かあの量! いくらしばらく現実を認めたくなくて破り捨てていたからって、なにも部屋を埋め尽くす量を送ってくんなよ! 資源を大事にしろよ馬鹿!!

 

 うっすらおかしいとは思っていたんだ。俺の髪の毛はもともと茶色っぽいけど前より薄い色素になっていたし、瞳の色はいつの間にかブルーになっていた。本当なら日本の田舎にいるはずの母方のばーちゃんがイギリスから手紙よこすわ、それに「お前のことはちゃんとこっちの学校に入れるように校長先生に頼んでおくからね。ばあちゃんと一緒の学校で学んでほしいから、英語をしっかり勉強しておくんだよ」と書いてあるわ……しかも実際に今まで壊滅的だったはずの英語がペラペラ喋れるようになっているし……! 母さんに聞けば「え、おばあちゃんは生粋のイギリス人じゃない。私はハーフで、あなたはクォーターよ」とか言うし……。

 ………………。

 うん、おかしいと思ったけど見ないふりしてました、はい。絶対ろくなことじゃないと思って触れないようにしていました。そのツケがこれだよクソが。だって平行世界に生まれ変わってからの俺の周りの状況はほとんど変わってなかったから、見分けつかなかったんだよ最初!! 住んでる場所は童守町だし、相変わらずぬ~べ~クラスだし妖怪は居るし!! ただ、そこにちょっとプラスされていたのだ。魔法界というどデカいおまけが。

 

 

 

 

 とにかく、うちのばーちゃんがイギリス人の魔女になってた。でもって、それ経由で俺にもホグワーツの入学許可証が来たっぽい。

 

 この世界の鳴介に事情を話して相談したら「もしかしたら、妖怪枕返しの仕業かもしれんな」とのこと。ああ、そういや居たなそんな奴! って言われてから思い出したんだよな。たしか原作じゃ郷子が被害にあってて、平行世界の鳴介に助けてもらって事なきを得たはず。しかしいくら俺の周囲を探しても枕返しは見つからず、困り顔の鳴介に「もう逃げられてしまったようだな。元凶のそいつを見つけない限りは俺にはどうしようも出来ない……すまん」と言われた。マジか。

 そして俺に入学許可証が来たことを知った鳴介は、なんとか枕返しは見つけるからこの世界の俺の今後のためにもホグワーツに行ってちゃんと魔法の使い方を学んだ方がいいと俺を諭した。…………この世界の俺、霊力に加えて魔力もあるのかよ。マジかよ。霊力だけでも持て余してるのにいらねぇーよそんなお得セット。なんでばあちゃん魔女になってるんだよ。美味しい野菜を作ってくれる純日本人なばーちゃんが懐かしいよ。

 

 そういえば何故霊能力者とはいえ非魔法族の鳴介がホグワーツのことを知っていたかと聞けば、まみ先生経由で知ったらしい。え、まみ先生いつのまにホグワーツの卒業生になってるの? たしか前はドイツの大学に留学して、魔法は自分で魔法書の類を集めて独学で身に着けたって言ってたよね? 何、レイブンクロー? ちょっと待ってよ、まみ先生ってちょっとお茶目な呪いを連発するなんちゃって魔女だったじゃん。何でガチの魔女になってるの。そしてガチの魔女ならなんで日本で普通に教師やってるの。もうわけがわからないよ!!

 

 

 

 混乱した俺だったが、気づけば別れを惜しむぬ~べ~クラスのみんなに見送られてイギリスの地に降り立っていた。赤い汽車に乗っていた。立派な古城を見上げていた。ワッツ?

 

 

 

 もう、枕返しの件は鳴介に任せて俺はこの世界の俺に戻った時俺が苦労しないように(ややこしい!)魔法を学ぶしかないと腹をくくった。俺も男だ。ぐずぐず言ってても仕方がないし、逆にファンタジーな世界を楽しむチャンスだと思うことにしよう。それによく考えたら怖い妖怪いっぱいの童守町を離れられるんだもんな!

 ハリー・ポッターはあれだけブームになってたからちょっと読んだことはあるけど、昔過ぎる上に上下巻仕様になってから面倒くさくて原作読んでないし、テレビで映画がやってたら見る程度の超にわかだが心配ないだろう。要は主人公が悪の帝王を倒すまでの物語だろ? タイトルが主人公の名前だし、そんなでっかい目印背負った少年に関わりさえしなければ、きっと魔法世界の方が平和なはずだ! この世界の「藤原樹季」が居る限りいずれ枕返しを見つけたら彼にこの場所を返さなければならないが、それまでちょっとくらい平穏を謳歌しても許されるはずだ。うん、その分彼が戻ってきた時困らないように勉強だけはちゃんとしておこう。

 

 

 

 そして始まった俺のホグワーツ生活だが、魔法界のぶっとんだ常識に驚くほかは酷く平和だった。

 なんせ俺ってばハッフルパフだからな! 平凡だなんだと貶されることも多いが、この寮の生徒は温和でいさかいも少ない。グリフィンドールとスリザリンがバチバチやってようがノータッチだぜ! 先輩も優しくて面倒見いいし、同級生は東洋出身の俺に親切に色々教えてくれるし……最高だぜハッフルパフ! 寮のシンボルマークがアナグマなところも気に入った。だって豆太郎に似てるからな! 黄色だって好きだぜ! あ、ちなみに豆太郎だがタヌキだけど特例でペットとして連れ込むことを許可してもらった。俺が「遠い故郷を離れて心細いのに親友のようなペットとも離されたら死んじゃう」感じのかよわい少年を演じて全力でねだったからな! ちなみにねだった相手はばーちゃんだ! どうやらばーちゃん、ホグワーツには結構な額の寄付をしている上にダンブルドア校長とも知り合いらしく、俺のお願いをごり押ししてくれたようだ。持つべきものは権力のある身内だぜ! ばーちゃん最高! 手のひら返しとでもなんとでも言うがいい! 俺のばーちゃんは最強なんだ!

 

 まあそんなわけで俺は結構この世界を満喫していた。ハロウィンの日にトロールがどうのという騒ぎがあったけど、俺は普通に先輩に誘導されて寮に戻ってたしな。正直原作の記憶がケサランパサランよりも軽くふわっとしか残ってないから今何が起きてるかもほぼ分かってないぜ! だけどそのお陰で心穏やかに過ごせているのだと思えば悪くない。ふふ……平和だ。

 

 

 

 

 しかし、ある日を境に状況は一変する。

 

 

 

 

「あなた、ここで何してるの?」

「えっ」

 

 ある日の真夜中、俺は豆太郎が友達になったらしい魔法生物に会いに校則で来ることを禁止されている4階の禁じられた部屋に来ていた。

 最初こそ相手が三つ首の巨大な犬であることに全力でビビったが、どうやら豆太郎はかなり友好を深めていたらしく付き添いで来た俺にそいつが凄むことは無かった。友達を紹介できたことに豆太郎がはしゃいで、それがあんまりにも可愛かったからそれからも何回か一緒に会いに来ていたのだ。

 この世界に来る前に習得した陽身の術(しかも魔力を得たおかげか妙に精度が上がった)を使用しているため俺の本体は部屋で眠っているから同じ部屋の奴らにはばれないし、行き先が誰も来ない部屋という事もあって今まで誰にも知られずに済んだんだけど……どうやら今日は違ったらしい。

 

 くるくるしたボリュームのある茶色い髪の女の子に、赤毛にそばかすが特徴の男の子。そして眼鏡をかけた黒髪の少年を見て、俺はようやく「ああ、そういえばこの犬って重要アイテムを守る番犬だったっけ」と思い出した。原作ににかすりもしなかったから今まですっかり忘れてたぜ……。ちょっと学校生活にうかれすぎてた。おいおいおい、もしかしなくても今って現在進行形で原作一巻のクライマックスじゃねーか!! その場面に遭遇してから思い出すなよ俺!

 そういや俺が来る前まで何故か魔法のハープが鳴ってて三つ首犬が眠ってたけど、あれか。犬が守る扉の先に中ボスがアイテム取りに向かったあとだったってわけか。

 

 俺は彼ら3人を襲わないよう仰向けになってじゃれ付く三つ首犬を撫で繰り回しつつ、なんとか言い訳して寮に戻ろうとした。が、紅一点である女の子が無駄に潔く「もう面倒よ! 時間が無いし、あなたも来なさい!」と俺を巻き込んだためその計画は水泡に帰したのである。憐れそうに俺を見ていた少年二人が印象的だった。

 ……陽身の術を解いて消えてもよかったんだけど、そうすると後で言い訳が面倒くさいしな。

 

 でもって仕方がなく一緒に行くこと相成ったわけだが、そんな俺たちの前に次々と立ちふさがるアイテムを守る罠……。まず悪魔の蔦を茶髪の少女ハーマイオニーの呪文で退け、羽の生えた鍵が無数に飛び回る部屋では1年生にしてクィディッチでシーカーを務める眼鏡男子ハリーが抜群の機動力で本物の鍵を手に入れた。続いて巨大なチェス盤が用意された部屋では、赤毛のロンが素晴らしい手腕で魔法のチェスで勝利を掴んだ。その途中で彼は気を失ってしまったが、自身の危険を顧みず友に後をゆだねた勇敢な姿には感服した。

 

 ぶっちゃけ俺、何もしてない。

 

 ははは……。ぬ~べ~クラスの奴らといいこの子たちといい、子供とは思えないくらい勇敢だな。…………うん、正直すまん。成り行きで巻き込まれただけとはいえ、何も出来ない情けない中身大人で申し訳ない。状況についていけないでぼけっとしたら、何か全部終わってた。

 ま、まあ下手に邪魔してもあれだし、俺はこのまま最後まで背景としての役割を貫き通そう。

 

 そして訪れる次の部屋の試練。どうやら魔法薬の問題らしく、これも俺が何かするまでもなく優秀なハーマイオニーがぱぱっと問題を解いてしまった。この子すげぇな! っていうか、むしろ試練の方が問題なのか? いくら優秀でも1年生の女の子が解けてしまう問題って防犯上ただの紙装備なんじゃ……いや、よそう。これは多分突っ込んじゃいけない問題だ。きっとこれは凄い難関で、それを乗り越えた3人が凄いんだ。さっすが主人公とその仲間だぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 で、何で俺は主人公の仲間2人が居ないのに主人公の隣に立って中ボス(仮)と対峙してるんだ?

 

 

 

 

 

 

 な、なんか躓いた拍子に薬が無いと通れないはずの道を通れちゃったんだよな。通る途中でやたらバチバチ抵抗あったけど、何だかんだで通れちゃったんだよな。あれか? 霊力絡みの不思議パワーか? いっらねぇよそんなモン! 俺的にはすっかりハーマイオニーと一緒に前の部屋に残るもんだと思ってたよ! だって薬は1人分しか無いっていうから! 不思議ミラクルもそうだがうっかり躓いたドジっ子な自分が憎い!!

 

 で、件の中ボスだが顔見知りだった。

 チッスチーッス。呼ぶたびに舌嚙みそうになる名前のクィレル先生じゃないっスかー。え、何だ眼鏡。スネイプ先生だと思ってたのに違った? どっちでもいいわい! どっちにしろ学校の教員が盗人とか駄目だろ。もっと人材管理しっかりしとけよホグワーツ!!

 

 もう破れかぶれで突っ込むことに全力だった俺だが、そんな俺は無視されて(別に悲しくなんかない)2人は賢者の石がどーのこーのと言い争ってる。というか、聞くところによるとクィレル先生はこの部屋にたどり着いたものの、目的の物を手に入れるにはハリーの協力が必要だとか言ってるんだよな? なにその矛盾。ハリーがわざわざ来なければ普通にこの人失敗してたんとちゃうか。もうわけ分からん。誰か俺にハリー・ポッターシリーズ全巻をプレゼントしてくれ。流行っていた当時映画からハリー・ポッターデビューした友達が「映画はしょりすぎ。原作読まないとわけわからん」って言っていたのを思い出すが、現在事件を目の当たりにしてる俺でもよく分からないよ。

 

 もはやハリーとクィレル先生両方から空気として扱われていた俺は、豆太郎の毛づくろいをしながら隅っこでぼけーっと様子を見ていた。そしてクィレル先生の頭部から気色悪いおっさんの人面瘡が出現してからようやくはっと我に返って立ち上がった。なんてこった、クィレル先生は人面瘡に乗っ取られた被害者だったのか!

 

 

 

 

 後々思い返せば、俺は無視されてることをいいことに途中から会話の内容をよく聞いていなかったんだと思う。だってまさかあの鳴介に取り付いてた人面瘡より(見た目的に)しょぼい感じの奴がラスボスだって思わないだろ!? 俺は悪くねぇ!

 

 

 

 

 原作の内容をよく覚えていない俺は、この事件を「西洋版人面瘡(多分敵の手先)を倒してハッピーエンド」なんだと思い込んだ。だからハリーに手を掴まれて苦しみだしたクィレル先生を見て、最後くらいちょっと役に立とうと余計なことを思い立ったのだ。どもりすぎて聞き取りにくいが、丁寧な授業をする先生だったからな……何で手を掴まれたくらいで苦しんでるか知らんが、敵もろとも倒されて犠牲になるENDじゃ可哀想だろう。ハリーとしても後味悪いだろうし。

 

 

 

「よし、ハリー! そのまま押さえとけ!」

「! フジワラ!? 」

 

 よーし気にしないぞ! 「そういえば居たっけ」みたいな顔で見られたけどお兄さん心広いから気にしないぞ! っていうか、何でダメージ与えてるお前まで苦しそうなの?

 

 とりあえず余裕かましてる時間は無いと、俺が覚えているカス性能な霊能力の中でも唯一攻撃に転用できる能力を発揮すべく懐からさっとあるものを取り出した。2人は杖だと思ったろうが、残念違う。1年生レベルで、どっちかっていうと霊能力との兼ね合いが難しくて魔法の実技が苦手な俺が魔法でこの状況どうこうできるわけないだろいい加減にしろ! と、逆切れはほどほどにして、俺は取り出した物……日本から持参した筆ペンで自分の手のひらに念を込めながら般若心経を書き込んだ。普段から魔除けのために出来るだけ体にお経を書き込んでいる俺だが、これには霊を退ける他にちょっとした副次効果がある。…………霊を退ける反発力を利用して、疑似的に霊に触れるようになるのだ。触れるっていうか、正確には弾き飛ばす感じなんだが。

 たいてい俺が恐れる妖怪の類には効かないし、主に浮遊霊を追い払う程度の力しかないけどあのしょぼそうな人面瘡相手ならいけるだろ。聖書の方がいいかなとふと思ったが、聖書の内容とか暗記してないし鳴介によればこれはお経そのものの効果よりも、俺が自分の霊力を文字として現した結果らしいから洋風オバケにも効果があるはずだ。

 

 

 俺は気合を込めるために、叫びながら拳を振るった。

 

 

「お経パンチ!」

「ふご!?」

 

 おっとクィレル先生、キンタマ狙ったのは勘弁な! でないとか弱い小学生の俺じゃあいくら軟弱そうとはいえ大人の男にダメージ加えるとか無理だから!

 

 宿主がダメージをくらったのと同時に、取り付いていた人面瘡は魂状になって飛び出した。よし、計算通り……! 鳴介、お前ほどじゃないけど俺も霊能力を生かして人一人救えたぜ! 今度手紙に書くから褒めてくれよな!

 

『貴様ぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!』

 

 しかし人面瘡はしぶとかった。なんかすごい形相で俺に突進してきたから、思わず茶羽の悪魔に遭遇した時の要領で靴(これにもお経が書いてある)を脱いでそれで思いっきり引っ叩いた。でもってそれはハリーに向かって飛んでいく。

 まずい! 今度はハリーに取り付くつもりか!? いや……、たしかハリーには謎のハンドパワーがあったはず!

 

「ハリー! 潰せ!」

「え!? あ、うん!」

 

 俺の言葉にとっさに体が動いたのか、ハリーが飛んでくる人面瘡を寸での所で両手でパンっと挟んで潰した。一瞬ハリーの体を包むように慈愛に満ちた気を感じたけど、あれがハンドパワーの正体か? よく分からないが、守護霊に近いものを感じる。

 

『ぐあああああああ!?』

 

 人面瘡は断末魔をあげると、あっけなく弾けとんだ。……よくよく見れば弱弱しい魂が外へ逃げていくのが見えたので、おそらく倒すには至らなかったのだろう。しかし俺たちはなんとかアイテムを守り抜き、一人の教員を助けたのだ。魔法学校1年生にしては上出来だろう。……まあ、一人は主人公だから俺はおまけみたいなもんだけど。

 

 

 

 

 

 

 その後俺たちは駆けつけた校長に事情を説明し、それぞれ寮に帰って疲れ果てた体をゆっくりと癒した。

 

 

 しかし俺は後日聞いた人面瘡の正体に卒倒する羽目になる。

 あの人面瘡が名前を言ってはいけないあの人と称される闇の魔法使いヴォルデモート? 奴はいつでも復活の機会を狙っている? ヤダー、ラスボスじゃないですかヤダー…………あれ、俺ってそんな奴相手に何したっけ。ああ、お経パンチなんていうふざけた名前の技でお家から追い出した上にゴキブリのごとく引っ叩きましたね。ええ、そうでした。

 

 

 

「あべしっ」

 

 

 

 俺はそう一言言い残し、白目をむいて気絶した。

 

 

 

 

 

 

 どうやら俺の憂鬱な日々は、魔法の世界に来ても続くらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




続かないよ!(出オチ感

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。