ナメック星人奮闘記   作:シムCM

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ルンガ 戦闘型生れ変り直後  戦闘力 2万4000
    ※ただし、これがスタート段階


9話 2人目の戦闘タイプ

 

 

「ナメック星人の誇りを見せてくれるっ!!!」

 

「お前なんかボクが倒してやる!」

 

「サイヤ人は戦闘民族だ」

 

「そうだ、さらに左手だけで戦ってあげましょう」

 

 

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夢は見なかった。

 

目が覚めると、真っ暗な中にうずくまっていた。腕を上げると、手ごたえもなく腕が突き抜けた。

 

体を持ち上げて起き上がると、土の中だった。それほど深くなかったので、すぐに地上に出る。

見れば、すぐ横に最長老の家のある高く突き出た高台がある。おそらく、巻き込まないように、ここに埋められていたのだろう。

 

コキッ、コキッ

 

起き上がってすぐに、自分の体の変化を感じる。

キレがいい。体の中に今までの自分の気を感じるが、前の時の様に体からあふれるような気ではなく、体の底にたまっているだけのような。まだまだ、余裕がある感じだ。

 

同時に、自分にではなく周囲に違和感があった。

ナメック星が静かなのだ。いつもは、なにか温かさのようなものを感じるのだが…

違う。

そうか、これが気を感じないというものか。

人のいる、あの温かい感覚がなくなっている。

その理由は一つしかない。

 

「どこまで原作が進んでいるんだ?」

 

とりあえず、上に登って最長老様に会いに行く。

頂上の最長老の家は、二階の一部が破壊され大きな穴が開いていた。

飛び上がってそこから中に入る。

 

「最長老様」

 

椅子に座る最長老。肌の色はますます悪くなっている。だが、深くゆっくり息をしていた。

 

「…ルンガか」

 

かすれるような声が、最長老の口から洩れる。

 

「はい。最長老様」

 

最長老の右手が肘掛けから持ち上がる。その手は、ふらふらと力なく震えてしていた。

今にも落ちそうな力のない手を、駆け寄って掴む。

 

「ルンガ。もう時間がない。新たなお前の潜在能力を引き出してやろう。だが、お前の体がそれに耐えられる保証はない」

 

一言一言が辛そうだ。だが、オレの決断は決まっていた。

 

「はい」

 

まるで手探りの様に、オレの体を触り、最後に頭に手を置くと、最長老様は大きく息を吸い、そして吐いた。

 

「わたしの子よ。生きよ」

 

 

 

オレの体から力があふれる。

そして…

 

ビキッ

 

体の中で、きしむ音がした。同時に、全身を激痛が走る。

 

「グッ…」

 

痛みに体を動かすと、更なる痛みが襲う。

さらにその痛みが更なる痛みを…その衝撃はあっさりと、オレの耐えられる限界を超えた。

 

「ぐああああああ!!!」

 

潜在力を引き出す。言うのは簡単だが、それがどのような意味を持つのか。達人なら、限界まで鍛えた者なら、潜在力を引き出しても耐えられるだろう。

だが、体を作りかえられたオレはまだ赤ん坊のようなものだ。その可能性を一気に引き出されたらどうなるか。

 

「がああああああ!!!」

 

まるで体を内から突き破られるような激痛に、悲鳴を上げた。

 

 

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「ぜったいにゆるさんぞ虫ケラども!!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!」

 

「人が好意ですばらしいプレゼントを、やろうというのに…」

 

「このオレを半殺しにしろ!!」

 

「オラは地球育ちのサイヤ人だ」

 

 

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倒れていた体を持ち上げる。

体の痛みは消えている。それよりも、溢れ出すパワーが尋常ではない。抑えていてなおこれなら、全力を出したらどうなるのか。恐ろしくなるほどだ。

 

立ち上がって、椅子を見る。

その主はすでに息をしていなかった。

 

ひざを折ると、深々と首を垂れる。

 

「申し訳ありません。最長老様。最後の願いは、聞くことはできないかもしれません…」

 


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