おっす、おらルンガ。
目が覚めたらナメック星人になっていたぞ。死亡フラグが星ごと立っている現状に絶望しかねぇぜ。助けて亀仙人のじっちゃん。
と、おどけてみたが解決策はない。
日本を代表するジャパニメーション『ドラゴンボール』。そのなかでもシリーズ傑作といえる【フリーザ】編の舞台となったのが、このナメック星だ。
なんでも願いのかなう奇跡の秘宝「ドラゴンボール」で永遠の命を得ようとする悪の帝王フリーザ。そのフリーザの寝首をかこうとするサイヤ人の王子ベジータ。そして、ベジータ達に殺された仲間を復活させるためにやってきた地球人クリリンと孫御飯、それを助けに来た主人公の孫悟空が繰り広げる冒険アクションバトル。
わくわくしますよね。ええ、そうですとも。主人公と悪の帝王が異星で壮絶バトル。
ちなみに、その余波でナメック星人は虐殺され、ナメック星自体も爆発して塵に帰るんだけどな!!
そうつまり。オレも虐殺される対象なんだよ。
しかも、星崩壊って逃げ隠れして何とかなるレベルじゃねぇぞ。
ビシッ!
八つ当たりで拳を突き出す。木の幹に拳が当たり、結構いい音がする。
ちなみに生後3日である。
「…強くなるしかないか」
そんなわけで、修行開始である。
ランニング、腹筋、腕立て、正拳突き。
そう思っていた時期もありました。
「こりゃ、ルンガ手伝わんかい」
長老のツーノに呼ばれて修行中断。
鍬を片手に地面の開墾である。
みれば、住民一同(といっても20人もいないけど)開墾&建築である。
生まれたてとはいえ、遊んでいる余裕はない。
というか、生後3日で実稼働であるわけで、さすが異星人。地球の常識なんて関係ないぜ。
「ルンガ。水汲みを手伝っておくれ」
休憩なしか!?3日児といえどストライキかますぞ!?
ツーノ長老と共に、水甕に水を入れて村との往復。海までそこそこ長い道のりだ。その道中、長老は色々な話をしてくれた。
このナメック星は天変地異に見舞われ壊滅しかけた。多くのナメック星人が死に、自然環境にも壊滅的な被害が出たのだ。
わずかに残ったナメック星人たちは、この星を元の豊かな星にするべく、木々を植えているとの事だ。
「お前にも見せたいのう。あの緑あふれる世界を…」
と、遠い目をするツーノ長老。
すまない長老。オレ的にはありえない未来より、すぐそばまで来ている破滅の方が重要なんだ。
「先は長い。遊んでいる余裕はないぞ」
くそっ。釘を刺された。
泣きたくなってきた。