「うおおおお!!」
キツイ!
両手でデスボールを抑えるが、抑えきれてない。数割速度が落ちたかもしれないが、高速で星の中心に向かうデスボールには焼け石に水だ。
だろうな!
デスボールを抑えつつ気を開放し、限界まで気を高める超荒業に、デスボールの威力を抑えきれず、腕から徐々にデスボールに飲み込まれ破壊されていく。
「ぐぬぬぬぬぬ…」
戦闘力差からすれば、ギリギリまで気を貯めなければ、デスボールを何とかできるとは思えない。歯を食いしばり、肘までデスボールに飲み込まれる
更に腕を失い、触角までデスボールに飲まれる瞬間。
貯めた気を解放する。
「“魔哮砲“!!」
カッ!
口を大きく開けると体内で高めた気のエネルギーを一気に解放する。恰好悪くて色物系の技だけど、この技って何気にナメック星人的に相性のいい技なんだよな。天下一武闘大会で、悟空にクリティカルヒットしいたし。
貫通力、速応力、対応力でこの方法が一番効率が良かった。
二つの強大なエネルギーがぶつかる。
不意打ち気味に作ったフリーザのデスボールと、オレの全力の魔哮砲だった、残念な事にそれでもデスボールの方が強力だった。
だが、オレの魔咆砲の貫通力がデスボールの軌道を変える事に成功する。
問題はその二つのエネルギーの衝撃に巻き込まれた俺だ。
そうでなくても至近距離で全力全開の必殺技を使った後なので、無防備に近い。
二つの力の激突に翻弄され、オレも吹き飛ばされる。
ただ、そのかいあってか、軌道をそらされ、地表を削ってデスボールは空に飛んでいく。
暴れた二つのエネルギーでできた空間に、緑色の海から海水が流れ込んでくる。
両腕を失い。さらに全身ボロボロになり。搾りかすの力で空中に浮き、上空の二人を睨みつける。
突然の乱入者であるオレとその行動に驚く二人。
「…お前ら、楽しむのはいいが、そこの住人のことを考えろよ」
息も絶え絶えに悪態をつくと、超サイヤ人の主人公が、気圧されたように片手をあげて「悪い」と謝る。
問題はもう一人の宇宙の帝王様だ。最初は呆然としていたが、徐々に事態を把握したのだろう。乾坤一擲の策を、まさかの雑魚に邪魔されたのだ。怒り心頭ともいえるだろう。
「ギッ!」
フリーザの指が向けられるとピカッと光った。
それが、フリーザのビーム攻撃だと理解した。だが、よけるだけの力はすでになく、受けようにも腕もなく、そのまま無造作にビームはオレの左胸を突き破るとそのまま背中から抜けて行った。
満身創痍に致命傷までもらって、もはや空を飛ぶ力もなく落ちるオレの視界に、軌道を変えて弾き飛ばしたデスボールが宇宙空間の何かに当たって爆発するのが映った。
「ははっ。やったぞ…」
最後の力で笑うと。オレは力尽きた。