サンムーン出るまでにはちゃんと擬人化させるつもりなので応援してくれると嬉しいです
なんやかんやで3年たって俺は8才になった。
マッスグマ戦のあとからふみはバトルに対し積極的になっていた。
まあバトルが楽しくなったとか強くなりたいとかそういうモチベーションで戦っている訳ではないようだ。
じゃあなんで戦う気になったのかというとどうやらふみはバトルに勝つと俺が褒めてくれる、だから頑張る。と言ったような思考になっているらしい。
実際バトルに勝った後は褒めてくれと言わんばかりの表情、ヒトモシという種族にはない尻尾をぶんぶんと振り回しているような幻視をするような表情で俺を見てくるのだ。
…………かぁぁぁわいいいいいいなぁぁぁぁぁぁこいつ
ほんとかわいい。嫁には出さない。娘が欲しければ俺を倒してからいけ!
…………なんで俺父親面してんだろ。
理由はともかくそこそこの回数の戦闘を繰り返しているのでふみのレベルは20代まで上がってきている。
しかし、ヒトモシがランプラーに進化するために必要なレベルは41。
さらにランプラーからシャンデラに進化させるには闇の石が必要だ。
まだまだシャンデラへの道のりは長いなぁ。
俺の住んでいるここ、ミナモシティは海に面した大きな港町である。
俺の最近の日課は海辺の散歩である。ヒトモシは炎タイプなので海は苦手なのではと少し前までは思っていたのだがふみは海の匂いが嫌いではないようなので散歩コースに海辺が追加されたのだ。
まあ最近は別の理由もあって海辺に通っているのだが。
その理由というのは…………お、いた。
「くぅー!」
「こんにちは、みやび」
甲羅を背負った青くて大きな首長竜のようなポケモンが泳いでやってきた。
ラプラスのみやびだ。
ホウエン地方にラプラスはいねーだろと思ったそこの方、たしかにゲーム時代ならばそうだった。
しかしこの世界のポケモンの生息地というものはけっこうガバガバでゲームのホウエン地方なら絶対に見なかったポケモンもこの世界のホウエン地方ではちょっぴり珍しいかな程度ですむポケモンが数多く存在する。
ラプラスもそういったポケモンの一種でここミナモでは割りと頻繁にラプラスの群れを見ることができる。
みやびもそんな群れからやって来ているラプラスの1体だ。
出会いは単純で海辺まで遊びに来ていたラプラスにおやつの木の実をあげたらなつかれた。そのなついてきたラプラスがみやびだった。それだけである。
ちなみにみやびとニックネームで呼んでいるが正確にはまだ俺の手持ちのポケモンではない。
俺としては手持ちに欲しかったのでみやびを口説き落とそうとしたのだがその行為にふみがすねたのだ。
ふみの身振り手振りと態度から察するに自分がいるのに他のポケモンが欲しいとはどういうことだ。自分だけじゃ不満なのかとそういうことらしい。確認をとったので多分合っていると思う。つまり焼きもちだ、かわいい。
まあそういうことで今はみやびは手持ち候補におさまっている。
そのうちふみを説得して捕まえようとは考えている。
12才でポケモントレーナーとしての資格を貰い旅に出る予定なのでそれまでには説得しないとなぁとは思っている。
さすがにパーティーがふみ1匹だけという訳にもいかないからな。
「くぅーう」
「なんだ、おやつのおねだりか? ほらよ」
水棲生物なのに木の実が好きってどういうことなんだろうと思いながらモモンのみを手のひらに乗せみやびの方へつき出すとぱくりと口のなかへ入っていく。
「もっしっ! もっしっ!」
「はいはい、わかってるよ。ふみ」
モモンのみをもうひとつ取りだしふみにも食べさせる。
この時手渡すのではなく口まで運んでやる。
そうしないとみやびにはあーんして自分にはしないとはどういうことだとやはりへそを曲げるのだ。
最近、具体的にはみやびに会いに来るようになってからふみの俺に対する独占欲が強くなっている気がする。
…………そういうところもかわいいというと親バカだと言われるのだろうか。
「くぅーくぅー」
「もっと欲しいのか? このいやしんぼめ」
そういうと俺はバナナににたピンク色の木の実のナナのみを取り出す。
「くぅー」
「くっくっくっ、こいつが欲しいんだろ」
「くぅーっ」
「ならおねだりをするんだな。その長くておいしいのを私のお口の中に下さいってなあ!」
「くぅーっ! くぅーくぅー!」
「ふっふっふっ、なにを言ってるか分からないが上の口は正直だな。ならこの長いのを……」
「もしッ! もしもしィ!」
ふみが仲間外れにされたと思って怒りだした。
あー、薄い本ごっこ割りと楽しかったのになあ。
まあいいや、こんなくだらない遊び。とやっていたことを全否定しながらふみとみやびに同じようにナナのみを与える。
おやつタイムも済んだところでみやびがくぅーと一声鳴くと首を背中の方へ回しあごで背中の甲羅を指した。
「お、乗せてくれるのか?」
「くぅー!」
首を縦に降っているのでそのようだ。
それに甘えふみを抱き抱えみやびの背中の甲羅に乗る。
でこぼこした背中は思っていたよりも乗り心地が良く座りやすかった。
たしかラプラスの分類はのりものポケモンだったな。その分類に恥じない乗り心地の良さだ。
のりものポケモン(意味深)
人を乗せるのが好き(意味深)
…………いや、なんでもない。
「みやび、ちょっとそこまで一周してみてくれ」
「くぅー!」
海の上を滑るようになみのりしていく。
感じる潮風が心地よい。
「気持ちいいな」
「もし! もし!」
「くぅー!」
ふみは楽しそうにしているしみやびも同じく楽しそうに泳いでいる。
俺もけっこう楽しい。
としばらく海の散歩をしていると陸の方が騒がしくなってきた。
みやびに指示をだし見えるギリギリのところまで近寄り遠巻きに見ているとポケモンバトルをしているようだった。
1人はサメハダーを出しているバンダナをして横シマの服を着た柄の悪そうな男。
…………こいつアクア団じゃね?
対するはラグラージ使いの白髪にも見える白い帽子を被った少年トレーナー。
…………こいつ原作主人公じゃね?
バトルも大詰めのようでサメハダーは疲労困憊。かたやラグラージはまだ余裕を残しているといった感じか。
あっ、マッドショットがもろに入った。
あっ、サメハダー倒れた。
あっ、なんかアクア団捨て台詞吐いてる。
あっ、逃げた。
…………原作始まってたのか。
この後しばらくして凄まじい豪雨が降ったり日照りがあったり隕石が落ちてきたりしたが特に問題はなく解決していた。
…………エピソードΔ終っちゃったよ…………
あの、転生者による原作介入…………いや、なんでもないです。
おまけ お互いの認識
主人公ユート君→ふみちゃん
初めての手持ち
すごく甘えてなついてくれるので娘みたいに思って可愛がっている
ふみちゃん→ユート君
大好きなご主人様
野生でいじめられていた環境から救い出してくれた王子様
あのセリフ(プロポーズもどき)で完全に落ちて恋人みたいに思っている
この認識の違いよ……
ついでに今回登場したラプラスのみやびちゃんへの認識
ユート君→みやびちゃん
ふみちゃんの苦手な水タイプキラーとして手持ちに欲しいと思っている
なつかれているのでふみちゃんの許しが出るまで好感度を保ちたい
なつかれて悪い気はしていない
みやびちゃん→ユート君
おやつくれるから好き
ふみちゃん→みやびちゃん
ユート君の愛人(もちろん自分が本妻)
背中の乗り心地は認めている
みやびちゃん→ふみちゃん
小さくてかわいいから好き
こんな感じ