でもすまない……おそらく期待されている擬人化要素はもう少しお待ちいただきたい……すまない……
2、3日に一回ペースで投稿できるよう頑張るので読んでいただけるとうれしいです
目が覚めるとわたしは知らない場所にいた。
鼻につく人間の使う薬の臭い、これはこの場所からだけでなくわたしの体からもこの臭いがしているようだ。
自分の体を見ると白いナニカがわたしの体に巻き付いている。人間の薬の臭いはこの白いナニカから発せられているようだ。
わたしはこの白いものを振り落とそうと体を動かした。
ズキッ
体に痛みが走った。
そうだ、わたしは…………
「目が覚めたのね」
そこでわたしは近づいてきた相手に気づいた。
白い毛皮の赤い毛をした人間のメスだ。
わたしはなにをされるのかと身構えた。
「そんなに警戒しなくていいのよ。ここは怪我や病気のポケモンを治療するところよ」
ここがどこなのかはわかった。しかしなぜわたしはこんなところにいるのだろうか?
「あなたが怪我をして倒れてたところを見つけた子がいてね、その子がここに連れてきてくれたのよ」
わたしを人間が助けてくれた…………?
「その子、ちょうど今ここに来ているから呼んでくるわね」
そう言うと白い人間は外へ行った。
わたしを助けてくれた人間…………どんな人なんだろう…………
その事を考えていると白い人間がその半分くらいの大きさの小さな人間の子供を伴って戻ってきた。
小さな人間は不安そうな顔をしていたがわたしを見るとわたしの前まで来て笑顔を向けてきた。
この人間…………この方が…………
「よかった、気がついたんだな」
「よかった、気がついたんだな」
白衣のジョーイさんに連れられ部屋に入ると包帯は巻かれているがちゃんと起きてこちらを見ているヒトモシの姿が目に入った。
傷ついて倒れているところを見ていた俺としては実際に元気な姿をこの目で確認するまでは気が気でなかったがだいじょうぶそうでよかった。
不安にさせないよう笑顔で声をかけるとヒトモシはぼうっとこちらを見つめていた。
…………ほんとにだいじょうぶか?
「どうした?」
「もしぃ…………」
なんだかわからないが悪感情を向けられているわけではないことはわかった。
まぁ、嫌われてるわけではないならいいか。
「ジョーイさん、こいつだいじょうぶですかね?」
「ええ、もう2、3日休めばすっかりよくなるはずよ」
「だってさ、もう2、3日すれば仲間のところに帰れるってよ」
「も、もしッ!?」
ヒトモシは驚いたような声を出したあと涙をぽろぽろとこぼしながらいやいやと顔を振りだした。
「ど、どうしたんだお前?」
「もしッ……! もしッ……!」
「ほんとにどうしたんでしょう、こいつ?」
ジョーイさんに尋ねる。
なにか悪いことを言っただろうか?
なにか不安にさせるようなことを言ったのなら謝りたい。
「おそらく、だけどね」
そう前置きをしてジョーイさんは言った。
「この子の怪我に火傷があったことから仲間から攻撃を受けて怪我をしたみたいなの」
「…………そっか」
イジメ…………もっとひどいか。
そっか、そうだよな、自分をイジメてくるやつらのところなんかに戻りたくなんかないよな。
……………………よし! なら!
「なぁ、もしお前がよければなんだけど」
「もし?」
「うちにこないか? きっと野生よりも幸せに暮らせる…………いや」
「俺が幸せにしてやるよ」
…………なんかプロポーズみたいになってしまった。
しかしそのプロポーズのようなセリフはヒトモシに対しては効果は抜群のようだった。
先ほどの泣き顔から一転、ぱぁっと表情を明るくさせ激しくうなずいた。
「ということでこいつ引き取りたいんですけどだいじょうぶですか?」
「だいじょうぶよ。この子野生に帰す訳にもいかなかったから助かるわ」
となるとこいつの名前、ニックネームを考えてやらないといけないな。
こいつの特徴とかないかなとヒトモシを見るとぴょんぴょんととびはね喜んでいるようだった。
かわいい
今まで消えたままだった頭の青い炎もとびはねるのに合わせてついたり消えたりしていた。
…………青? 紫じゃなくて?
もしかしてこいつ色違い?
なら前世で色違いヒトモシに付けようとした名前を付けよう。
色違いの希少性とポケモン5世代で幻と消えた存在、かげふみシャンデラをかけて特性かげふみから取って
「よし、お前の名前は『ふみ』だ!」
「もしっ!」