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堕天使、天使、悪魔の3竦みのトップが集まっての会議に出席するということで、私はその予習と致しましてリアスさんに各勢力の状況を改めて教えていただきました。
まずリアスさんの種族である悪魔。人間の願いを叶えて魂を奪う存在らしいです。ただ、私が考えている悪魔はものすっごいデビルマンみたいな感じを想像していたのですが、割と人間のような姿であるそうです。
2つ目として、天使。背中に鳥のような純白の翼を生やし、頭上に天使の輪を浮かべた種族であるそうです。こちらは想像していたとおりの種族です。そして、悪魔にとっての猛毒である光を操れる存在らしいです。何やら少しだけ親近感を覚えます。
そして3つ目の堕天使は、邪なことを考えた天使が「堕天使」となるらしく、翼が黒く染まり天使の輪をなくしてしまうそうです。この前ぶっとばしたあれとか、アーシアさんを殺したあれとかが堕天使とのことです。確かに邪すぎる考えの持ち主でしたね。
そしてこの3つの種族に通して言えることとして、なにやら彼らが住んでいる冥界で戦争があったらしく、そのせいで著しく数を減らしているとのことでした。そして、もともと長寿の種族であるためか、出生率も低いためになかなか数を増やせない状況であるそうです。
・・・たしかにそれであれば、敵対している場合ではなく会議を開いて和平でも結んだほうが得策ですよね。私のような政治に関心がない一般人でもよくわかります。
同時に、悪魔側は出生率でカバーできない数の不足を、人間の転生という形で補っているそうです。リアスさんの眷属がまさにそれですよね。ただ、このシステムも問題をはらんでいて、リアスさんのようにお互いWin-Winな関係であれば良いのですが、一部の悪魔は人間から転生した悪魔を奴隷のように扱っている実情もあるそうです。怒りを覚えますね。ぜひ初めましてカリバーを食らわせたいところです。
という基本的な知識を得たところで、私の立ち位置はどうなるのかなーとか考察してみています。悪魔側に立って堕天使を打倒したとも言えますが、どうやら堕天使側からしてみても、私が倒した堕天使は裏切り者的な立場だったらしく単純な話ではないようです。まぁ、何を言われても私は人間ですというだけです。力ずくでなにかされそうであったら、カリバーしてアヴァロンをして逃げ切ることとします。
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本日は騎士王の鎧、卑王の鎧を魔力で編んでみていました。その姿で鏡の前に立って、カリバーとモルガンを構えてみれば、完璧なセイバーがそこに鎮座していました。私のことながら非常にテンションが上がりました。
そこでふと疑問に思ったのですが、通常のセイバーって風王結界で剣を隠していましたよね?さらにその風で加速したり空飛んだり攻撃したりと万能に使用していましたよね?
と思いまして、剣に風を纏うイメージをしてみたところ、これが見事に合致しました。我ながら見事な風王結界でエクスカリバーを透明化することに成功いたしました。ただ、室内でしたのでその風を使って「ストライク・エア!」とロマンを出すことはできませんでしたが。
ただ、これで一つ私の能力が増えたことになります。もともとは聖剣と鞘だけでしたが、そこに鎧、そして風王結界とどんどんアルトリア・ペンドラゴンへと近づいています。とはいっても、中身はただの一般人ですので誇りも何もないですけれどね。自分の身が一番です。
そういえば最近ウロボロスが何処かに出かけることが多くなりました。ま、もともと古い龍とのことですので、知り合いもいっぱいいるのでしょう。レッドは私の頭の上でのんびりです。
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本日は驚くことに、魔王様が駒王町へといらっしゃっておりました。会議の前段取りだそうです。商店街で出会ったのですが、開口一番、リアスさんを守っていただいてありがとうとの言葉を頂きました。魔王様から直々に言われると感動しますね。ついでに、好きなものを奢っていただけるとのことでしたので、遠慮せずにたこ焼きを6パック、たい焼き10個、今川焼5個ほどいただきました。・・・書いていて悲しくなってきます。腹ペコボディをいい加減なんとかしたいものです。魔王の奥様にも苦笑いされる始末でした。
それにしても、魔王の奥様は以前ライザーさんと試合をした時に一度お会いしておりましたが、やっぱり美人ですね。銀髪でスタイルもよく、そして程よく色気を感じるといううらやましい限りの女性です。それでいて子供を数人産んでいるというのは・・・悪魔ってずるいですね。
などと思っていましたら、転生悪魔にならないかというお誘いを直々に受けてしまいました。駒はあけてあるそうです。本来であれば即答で断るところなのですが、魔王様相手ということもあり、保留とさせていただきました。
で、魔王様と別れた後、今度はまた別の人物と出会いがありました。
・・・驚くなかれ。その人物が持っていた剣は聖剣「コールブランド」でした。うん?あれ?Fate的にこの剣の命名ってどうなのでしょう?
普通の世の中で言えば、エクスカリバーの別名がカリバーンであったりコールブランドであったりします。ただ、Fate的にはエクスカリバーとカリバーンは別物の剣です。ただ、今現在のこのファッキンファンタジーな世界で言えば「私と対峙したエクスカリバー」と「目の前のコールブランド」は完全に別物です。
この関係って、Fateにおける「エクスカリバー」と「カリバーン」の関係そのものに見えるのですが、どうなのでしょう?
と様々に考察をしたのですが、名前を聞いて一発で謎が解けました。
聖王剣「コールブランド」。その持ち主の名は「アーサー・ペンドラゴン」。つまり、この世界のアーサー王の末裔さんだったわけです。そしてコールブランドはこの世界では別名で「カリバーン」というらしいです。わぁお!
そして、どうやら私が「ペンドラゴン」を名乗って堕天使を倒したことが耳に入ったらしく、直接会いに来たとのこと。というか執事さんのようなきっちりとした格好の青年で、はたしてどこのお金持ちかと思いました。
そして、ちょこっとカフェで話をしながら、ケーキをホールで奢っていただきました。腹ペコボディ愚昧極まれり。
で、肝心の話の内容と言えばやはり
「なぜあなたがエクスカリバーを持ち、ペンドラゴンを名乗っているのか」
という至極当然でありストレートなご質問でした。「神様に転生させていただいたんです!」とは言えませんでしたので
『物心ついた時には既にこの名前で、この力を持っていた』
という答えをいたしました。これ以外に回答を持ち合わせていませんしね。そしてそのあとは
「そうですか」
の一言でこの話はお終いです。
その後はお互いの聖剣の話をしたり、場所を移動してお互いに聖剣を見せ合ったり、アーサーさんが張った結界の中でコールブランドとエクスカリバーを使用して模擬戦をしてみたりと、有意義な一日を過ごしました。
模擬戦の中で、最弱とは言えブッパした極光を両断されたときは流石に焦りましたね。・・・なんといいますか、この世界は飽きませんね。人外の種族だけが力をもっているのかと思いきや、このように英雄の末裔さんがすごい力を持っているとは!興奮しすぎました。
そしてついに、明日は例の会議です。いったい何を話し合うのか楽しみですね。
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会談では原作においていろいろありますよね。
安心してください。ブッパしてしまえば全て解決です。