HSDD アルトリアの日記   作:灯火011

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転生日記を読むと目をそらしたくなる


※妄想コネコネ(以下略


3:ファンタジーに慣れちゃいけない

 

 先日のエクスカリバーブッパ事件のあと、木場師匠から個人的にエクスカリバーを見せてくれと要望されました。情熱的に。怖かった。

 エクスカリバー(笑)と、エクスカリバー(黒)をアヴァロンに入れて木場師匠に手渡しましたところ、視線で穴が開く感じでエクスカリバーを観察していました。ときには鞘から出して振ってみたり、魔力を込めてみたりと様々に試されていたようです。黄金の鉄の塊と、黒曜の鉄の塊。私の宝具ながらなかなかにカッコいいです。そうしていたところ

 

 「ねぇ、アルトリアさん。僕の魔剣でエクスカリバーを斬ってもいいかな?」

 

 と、物騒な台詞が師匠から飛び出してきました。めっちゃ笑顔でした。拒否はできません。そして、是、と返答すると、彼はどこからか剣を取り出し、思いっきりエクスカリバーに剣を立てていました。

 ですが、木場師匠の剣は折れ、エクスカリバーには傷一つついていませんでした。流石ですね。伝説の聖剣ですね!こんな大量破壊兵器折れればよかったのに!

 

 そうやってしばらく私のエクスカリバーを観察していた木場さんですが、

 「違う・・・これじゃない・・・」

 と、あからさまに落胆されていました。どういうことかと話を聞いた所、大部分ははぐらかされましたが、どうやら木場師匠の過去に、エクスカリバーが関係しているようです。私の持っているエクスカリバー以外のエクスカリバーを見つけたら、連絡してほしいとのことでした。

 ・・・つまり、私が転生したこの世界にも、元々エクスカリバーが存在しているということですね!やったね私!ブッパ剣が増えるよ!増えてたまるか!

 ただ、私のエクスカリバーをみて木場師匠があからさまに落胆していましたので、姿形はまったくの別物なのでしょうね。一度は見てみたいです。

 

 というか、日記を描いていて思いました。私、ファッキンファンタジーの世界に慣れてきています。自制したいです。

 

 

 本日は一日暇でした。

 

 授業を受け、昼飯を食べて、授業を受けて、部活休み。何か悪魔の仕事があるらしいです。毎日のように行っていた部活動がないと、こんなに暇だとは思いませんでした。

 

 久方ぶりに商店街を物色していたところ、おいしいたこ焼きを見つけました。思わず6個入を3パック平らげてしまいました。腹ペコ王ここに見参です。アルトリアといえば腹ペコですよね!私アルトリアじゃないけど!体はアルトリアでした!心は一般人です!財布の中身は無くなりました。ちくせう。

 

 たこ焼きを食い尽くして絶望していたところ、外国人の少年からたい焼きを奢って頂きました。甘くて美味しかったです。

 彼はどうやら最近日本に来たらしく、駒王町で大きな仕事を成すそうです。お名前はフリード・セルゼンというらしいです。同じヨーロッパ系ですねと言われましたが、日本人ですと答えたら唖然としておりました。同郷でお金がなさそうだからおごって頂けたそうで、お前その容姿と名前は詐欺だと言われました。私もそう思います。

 

 どうやらフリードさんとは気が合うようで、その後もゲーセンやらカフェやらを門限まで回って楽しみました。何かの縁だしなあということで、お金はフリードさん持ちでした。またどこかで会ったら遊ぼうと約束をして別れました。

 

 うん。

 

 お金持ちっていいですね!お腹いっぱいです!大食漢アルトリアボディの馬鹿!めっちゃ恥ずかしいです。お金を気にしなくなった瞬間に、たい焼きも結局10枚ほどいきましたし、ケーキもホールで食べました。小猫さんがめっさ食うとか言ってる場合じゃないですね!ほんとフリードさんには頭があがりません!

 次あったら何かお礼しなければいけませね。・・・まぁ、出せるものといえばエクスカリバー(笑)ぐらいと、おいしいカフェのコーヒーぐらいですけれどね。つらい。

 

 それにしても、この町で大きな仕事ですか。しかもあれって神父の格好ですよね?教会で何かお祭りでも行うのでしょうか。

 最近慌ただしかったですし、お祭りがあるならば今度調べて行ってみましょう。

 

 

 本日も部活はお休みです。美味しいお菓子と副部長の紅茶が恋しくなってまいりました。マイエンジェル小猫さんも最近付き合いが悪いのでなかなか新作お菓子にも手が出ません。

 

 ちょうどいい機会ですので、色々と整理することとします。

 

 ・この世界について

 悪魔、堕天使、天使が闊歩している世界。人間社会は前世とは変わりないように見えるが、転生によって人間以外になれる。私の転生とは違いますね。

 ファッキンファンタジーの世界で、特殊な武器である神器が人間に宿ることが有る。それを狙って人間が狙われる。協力しなけりゃ殺される。世紀末ですね。

 

 ・神器

 人間にやどる宝具みたいなもの。ピンキリがある。兵藤先輩にはなにやらえらいものが宿っているらしい。

 

 ・リアス部長

 優しい。甘えたい。お母さんっていいたい。

 

 ・副部長

 ドS。甘えたい。お姉さんっていいたい。

 

 駄目です。頭が回らなくてこのぐらいしか描けません。というか、現実をみたくありません。整理したくありません。辛いです。人間としての平和を私に下さい。

 神様、あなた嘘つきです。私、人間として平和じゃないです。

 

 あぁ、イライラしてきました。天に向けて全力エクスカリバーブッパしたいです!ぶっぱあああああああああ!

 何を描いてるのでしょうね。さっさと寝ます。

 

 

 疲れました。寝ます。

 

 

 まずはじめに。私は悪魔にも堕天使にもならずに、人間として生きることをここに誓います。

 私は人類の守護者たるアルトリア・ペンドラゴン。星の敵をすべて薙ぎ払う剣です。

 

 そんな使命あってたまるか!ファッキンファンタジー!

 

 昨日、兵藤先輩が教会に殴り込みました。どうやら、堕天使とはぐれエクソシストが兵藤先輩の友達を教会に囲ったそうです。

 リアス先輩が私を迎えに来まして、緊急事態であるため私も戦力になってほしいとのことでした。私一般人です。え?カリバーぶっぱすればいいって?後方支援・・・ま、ええ。仲間が嫌な思いをしているんですよね。いいでしょう。手伝います。

 そして、兵藤先輩を援護するために単身教会に向かったまでは良かったのですが。到着したときには鉄火場が出来上がっていました。

 

 っていうかフリードさんが敵でした!嘘だと言ってよフリード!ネタがフリードに通じました。っていうかフリードさん強い!ただ、それを差し置いて兵藤先輩もなかなか強いですね。流石悪魔です!結果としてはフリードさんは撤退。

 そこまでは兵藤先輩と我々オカルト研究部の面々は破竹の勢いだったと言えるでしょう。

 ですが、教会の地下へと入った所でタイムアップ!

 私達の目の前で兵藤先輩の友人は神器を抜かれて絶命寸前に。私は初めて目の前で見る人の死という現象に、何も出来ませんでした。

 

 ご友人を抱きかかえて痛ましい顔をしている兵藤先輩。エクソシストたちを抑える小猫さんと木場師匠。立ち尽くす私。

 そして、そんな兵藤先輩を馬鹿にする堕天使の女が非常に、ウザかった。

 

 堕天使が口を開けば、すべてが兵藤先輩を馬鹿にする言葉しかない。そして、ご友人の事も馬鹿にする言葉しか無い。 

 

 ・・・私はブチ切れました。まごうこと無いブチ切れです。仲間を馬鹿にされてブチ切れないわけがありません。私は沸点が低いんです。あくまでも堕天使でも天使でもない、人間の、一般人の私は沸点が低いんです。大切なことなので2回言いました。

 ですが、驚くほどに頭は冷静でした。ファッキンファンタジーの世界に慣れてきたからでしょうかね?・・・ですが、こんな気持ちでは聖剣は振れません。おそらく最大出力でブッパします。それは許されません。

 ですので、私はここである槍を手に持ちました。おそらく、私の宝具の中でもっとも凶悪な性質を、傷が一切癒えないという性質を持つ聖槍を。

 

 更に真名も開放し、13ある拘束のうち、1つを開放しておきます。一振りで周囲の人間なら吹っ飛ぶでしょう。切り揉むでしょう。死に近い苦しみを得ることでしょう。悪くありません。

 ・・・ついでにファッキンファンタジーへのイライラもここで発散させていただきましょう。私の気持ちが色々限界ですからね・・・。

 

 そして、叫びながら私はエクソシストの集団の中に突っ込み、次から次へとエクソシストを戦闘不能にしていきました。

 

 

 アルトリアの雰囲気が変わった。兵藤先輩が馬鹿にされた瞬間に感じたことでした。

 私と一緒にお菓子を食べているときや、部活動をしているときには絶対に魅せない顔もしていました。

 

『ロンゴミニアド・・・・!』

 

 彼女は、私たちに魅せたことの有る宝具という神器の一つ、ロンゴミニアドを手に持っていました。たしかあの槍でつけた傷は治らない、という凶悪な神器のはずです。

 そして、それを手に持ったアルトリアは、普段の彼女からは考えられない凶悪な笑顔を浮かべると、エクソシストの集団に向かっていきました。

 

『突き立て・・・喰らえ・・・・!十三の牙ァアアアアアアアアアアアアア!』

 

 私と木場先輩は、彼女の暴風をただただ呆然と見ていることしかできませんでした。その後は何も、語るべき事はありません。

 

 

 エクソシストは私の槍が喰らい尽くしました。罪悪感しか残っていません。今でも罪悪感たっぷりです。エイメン。神よ許し給え。南無阿弥陀仏。いろいろやっていますが、今でも人間を切り刻んだ罪悪感しかありません。ファッキンファンタジー。ファッキンファンタジーです。

 

 なお、その後は兵藤先輩が堕天使をブッパ。ダウンした堕天使をリアス部長が結!滅!して堕天使は爆発四散!ワザマエ!・・・冗談を書けるあたり、まだ私は大丈夫そうです。

 

 ですが、やっぱり兵藤先輩はスペシャルでしたね。彼に宿る神器の名前は赤龍帝の籠手と言うらしく、十三個有る神滅具という最高峰神器の一つだそうです。13?どこかの最果てにて輝ける槍の拘束数と同じ数です。きっと偶然ですね!

 

 そして不思議な事が起こりました。兵藤さんの友人、アーシアさんが悪魔に転生し、生き返りました。感動の瞬間ですね!大団円!よかったよかった!

 

 ・・・リアス先輩に色々と相談しよう。無理だ。これ以上私の精神は持ちそうにない。

 

 

 悪魔召喚という方法を使い、駒王町の悪魔をドロー!モンスターカード!ではなく、リアス先輩の召喚に成功いたしました。ものっすごい驚いていました。私も驚きました。

 

 今回悪魔召喚でリアス先輩を呼んだのは、何を隠そう、全てをブツケルためです。ファッキンファンタジー。ファッキンファンタジー!私の心は砕けたガラスです!まだ大丈夫!粉々じゃないからね!致命的なひび割れが心に入っているだけです!死にたい!

 

 もう全部ぶつけました。私の力、私の立場、この世界について。全部です。

 

 相当文句を言いました。相当不満を言いました。相当罵声を浴びせました。最低の人間です。

 

 ですが、リアスさんは全部受け止めてくれました。安心しました。ダメ押しで一日隣で寝て頂きました。いい匂いです。あったかいです。リアスさんをお母さんと呼んでしまったわたしは間違いなくチョロいです。

 

 代償は今後1ヶ月の部活動に強制参加とのことでした。やさしいです最高ですお母さん。違う。リアスさん。

 

 

 へたれた私は昨日まで。今日からは気持ちを入れ替えて生活をしています。

 のんびりと日々を生きれる事がこれほど幸せだとは思いませんでした。

 

 マイエンジェル小猫さんとご飯とお菓子を食べ、癒され。

 リアスさん達と一緒に紅茶とお菓子を食べ、癒され。

 

 幸せです。

 

 これからは一歩引いてファンタジーと付き合おうと思います。ちょっとファンタジーにつっこみすぎましたからね!遅くない。まだ、遅くないよね?不安です。

 

 

 ドキッ!悪魔だらけのスポーツ大会!オカルト研究部と生徒会の戦いです!私は眷属ではないので、見ているだけでしたけどね。

 

 っていうか、生徒会って全員悪魔だったんですね!驚きました!もうなににも驚きませんよ!叫び声あげてリアクションしましたけど驚いていません!

 心臓が飛び出るほど驚きました。しかもリアスさんと同じようにお嬢様らしいです。しかも私のことも知っていました。悪魔界、そして堕天使界隈では私は相当有名人らしいです。

 そりゃそうですよね。はぐれとはいえエクソシストを大量に戦闘不能にし、堕天使を一人この世から消し炭にしたわけですからね!そりゃもう有名人です!えっへん!

 

 思い出すだけで心にヒビが入ります。うん、明日にでも個人的にリアスさんのところにいこう。甘えたい。リアスさん依存症です。おかーさーん。

 

 とりあえずスポーツ大会はリアスさん、オカルト研究部の勝利でした。で、何を競っていたのかと思ったら「使い魔」を探す権利を賭けていたそうです。おお、なんとも平和なファンタジーでしょうか!殺伐としてないです!すごい!すごいよ!リアスさん!

 

 そして、その流れで私も使い魔を捕まえる旅へと連れて行かれました。かいせぬ。しかも、使い魔を探しているとムキムキマッチョボデーのウンディーネがいました。あれはだめだ。なんで湖の中からアイルビーバックしてるんですか。あれは使い魔として使っちゃダメなやつです。

 あと、スライムで服が溶けたりしました。あのスライム、兵藤先輩と相性いいのでしょうね。先輩たちと協力してスライムを全滅させました。変態死すべし慈悲はない!

 

 そしてなんだかんだありまして、結果は次のとおりです。

 兵藤さんは使い魔なし。

 アーシアさんはドラゴンをゲット。

 私は・・・なんでしょうね?この小さい黒い蛇。手のひらサイズです。誰も見たことがないといいますし。この黒蛇、触るとくすぐったそうに動きますし、大人しいですからね。手元においておく分には問題ないでしょう。むしろ可愛い。可愛いです!

 

 あぁ、こういうファンタジーならいいですね!言葉も判るみたいですしね!あぁ可愛い!癒やされます!

 名前をつけようと悩んでいたら、自分で尾っぽを噛む仕草しました。

 「君、名前はウロボロスがいいの?」

 と呟くと、全力で首を縦に振っていました。ということで、この黒蛇の名前は「ウロボロス」です。

 

 この日記を描きながらも蛇と戯れています。邪魔しない程度にちょっかいをかけてくるウロボロスが可愛いです。あぁ、癒やされます!ファンタジーバンザイです!

 






我 可愛い?


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