HSDD アルトリアの日記   作:灯火011

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転生日記を読むと末恐ろしい


2:光が溢れるファンタジー

 オカルト研究部に顔を出し始めて数日目。驚くべきことが起きました。

 リアス部長直々に入部してもらえない?とお誘いを受けてしまいました。改めて言います。驚くべきことです。

 思わず考えさせてくださいと言ってしまった私は悪くないと思います。

 だってこの学園で1番の有名人からのお誘いですからね。目立ちたくないのでちょっと考えてしまいます。

 

 マイエンジェル小猫さんや、師匠である木場祐斗さんからもぜひ入部して下さいという言葉を頂きました。さて、どうしたものでしょうか。

 

 

 最近、学園に行くと様々な方から挨拶をされます。明らかに入学時より増えています。男女問わずに挨拶をされます。うん。これは私の時代がきた?きちゃった?来なくていいです。アルトリア・ペンドラゴンは静かに暮らしたい。

 

 どうもおかしいと思って同級生に探りを入れてみた所、どうやら「駒王学園の2大お姉さま」と対をなす存在「駒王学園の2大マスコット」という人がいるらしいです。へー。

 

 一人目は白くてちっちゃい猫みたいな子だそうです。名前は小猫だそうです。流石マイエンジェルですね。

 二人目は金髪で白人の外国人だそうです。名前はアルトリア・ペンドラゴン。へー。外国人ですか。しかも私と同じ名前ですね。へー。

 二人は仲が良くて、一緒にお菓子を食べたり、カフェに行って甘味を楽しんでいるそうです。へー。親近感が湧きますね!

 

 現実逃避はやめます。ええ、マスコットの片割れは私のことですね。というか私純日本人ですよ!アーサー王ボディですけどね!

 

 現実世界って辛いです。もう一度言います。私、アルトリア・ペンドラゴンは静かに暮らしたい。

 

 

 最近、私と小猫さんが食べたお菓子が学園中のトレンドになっています。カフェに行けばカフェがトレンドになっています。

 

 これは、本格的に諦めるしかないのでしょうか?

 

 

 本日は木場祐斗さんと剣道の試合をして、驚くべきことに勝ちました。剣道を初めて僅か1ヶ月です。驚くべきことです。Fateの青セイバーは伊達ではないのだよ!私は伊達で良いです。

おかげさまで剣道部からそれはもう熱い熱いアプローチを受けてしまっています。というか、体を動かせば何もかもが世界レベルです。もうやだアーサー王ボディ。おうちかえりたい。

 

 といいますか、体を鍛えるために何かをやると間違いなく目立つんですよね。中学校の時に陸上競技、水泳、いろいろやってみれば日本記録ブッチkillレベルの記録でしたからね。体力測定なんてやりとうなかった。

 これからもどんどんと部活のお誘いがあるんでしょうねー。

 

 ・・・うん、オカルト研究部への入部は、早めに考えるべきですね。学園の有名人が部長の部活に入れば、他の部活は何も言えないでしょう。

 リアスさんに意見するということは、駒王学園生徒にとっては自ら処刑台に上がるのと一緒らしいですからね。

 

・・・よし、そうと決まれば速攻です。オカルト研究会へと入部をしましょう。

 

 

 化け物。やっぱり他にもいました。

 引きこもりたいです。 

 

 

 昨日は衝撃のあまりに寝込んでしまいました。

 自分への戒めとして、記録を残しておきましょう。

 

 昨日は日記を書いた後にオカルト研究部に向かおうと、夜6時ごろに学園へと向かいました。駒王学園のある駒王町は治安も良いですからね。それに今回は大通りを通って学園に向かいます。前のように裏路地を使いませんから、安心です。安心だったはずでした。

 

 ですが、薄暗い夕闇の中、急に人の気配が消え失せました。そして、私が恐れていた地獄が始まりました。

 

 そう、不意打ちを受けたのです。気づけば肩に光る何かが突き刺さり、燃えるような熱さが全身を貫きました。私は一般の人間よりは強いようですが、やはり化け物には敵わないようです。

 そして痛みのせいで、頭が完全に回っていませんでした。アヴァロンのことなど忘れていました。ともかく遠くに逃げようとしていた私の体に、2発目の光る何かが突き刺さりました。しかも今度は腹です。致命的でした。普通に考えれば、致命的です。そう、この体が普通であれば。

 

 この体はアーサー王。最優である青セイバー。致命傷をうけたところで、ただ単に倒れるわけはありません。

 

 

 「は、大人しく死んでおけば良いものを」

 

 堕天使であるドーナシークは、眼下で血まみれになりながら逃げ惑う少女を見下しながら口を開いていた。

 

 「それにしても神器を出さないな。これは、まだ覚醒前だったか?ふむ。だが、はぐれ悪魔を倒したのはアレのはずだ」

 

 ドーナシークはそう言いながら、光の槍を作り出し、眼下の少女へと投擲する。

 

 『ぎっ・・・!』

 

 少女は言葉にならない悲鳴を上げて、為す術もなく光の槍を受ける。致命的とも言える傷を受けた少女は、そこで絶命するはずであった。

 

 『・・・・ぐっ・・・いだいっいだいぃ!いだぃ・・・お前の・・・せいがああ!』

 

 肩と腹に大穴を空け、血を大量に滴らせながら、どこからか取り出した剣を片手に構え、彼女はドーナシークを睨んでいた。

  

 「ほう・・・此方に気づいたか。だが、もう遅い。大人しく死ね」

  

 ドーナシークから投げられる光の槍。それは、彼女の胸を間違いなく貫き、彼女の命を刈り取るものである。

 

 『え・・グズ・・・!』

 

 その時である。彼女の持つ剣が、途方もない極光を放ち始めたのだ。

 

 「なっ・・・貴様!その光は!その波動は・・・!」

 

 光の波動に驚くドーナシーク。堕天使である彼は、その波動を一度だけ受けたことがある。それは、彼が堕天する前。生まれたときに感じた神の波動そのものだ。

 

 『ガリバアアアアアアア!』

 

 「なにっ・・・!?うおおおおああああ!」

 

 そして、その極光は収まることを知らず、ドーナシークを光の槍ごと飲み込み、天高くへと消えていった。

 

 『ゴフッ・・・いだぃ・・・さむ・・い・・・』

 

 そして、その場に残ったのは、自らの血溜まりに沈む少女だけである。

 

 

 アーサー王 怒りの駒王町!

 

 片手で黄金のエクスカリバーを空中にブッパ。俳句を読め!ナムアミダブツ!敵は死んだ。私も死ぬ。っていうか私のエクスカリバー片手で撃てるんですね!オリジナルは確か両手を掲げなければ撃てなかったはずです。新発見です!発見したくなかった!

 

 えぇ、本当に死ぬかと思いました。マジでくたばる5秒前です。寒くなって眠くなってきたときは、もう痛みすら感じていませんでしたからね。安らかに永眠するところでした。永眠したくないです。こらからもマイエンジェル小猫と新作のお菓子を食べ続けたい。

 

 ・・・死の直前、そこでやっとアヴァロンのことを思い出しました。本当、咄嗟には思い出せないものです。っていうか、伝説では常時発動型じゃなかったでしたっけ?なぜに私のアヴァロンは意識して使わないと発動しないのでしょうか?

 やっぱり私が紛い物だからでしょうか。頼りにならないです。アヴァロン。

 

 でも、朦朧とする意識の中、必死にアヴァロンに魔力を叩き込むと、あら不思議。傷が全部治っていくじゃありませんか。間に合ってよかった。頼りになります。早めのアヴァロンサマサマです。

 

 そして、そのまま帰宅して、着替えて、バタンキューです。あぁ、改めて描いていたらもういやになってきました、いい。もう引きこもる。アヴァロン!・・・あれ?アヴァロンって便利ですね!すごく頼りになりますね!泣きたい挫けたい甘えたい現実が辛い。

 

 

 「大通りに謎の血溜まりを発見。最近発生している失踪事件との関連性を捜査中」

 

 私の血溜まりがニュースになっていました。幸いにして目撃者はいなかったようですが、DNA鑑定とかでバレませんよね?

 それにしても、たしかに最近は失踪事件が多いです。おかげさまで駒王学園も門限が出来てしまい、6時には家に居るようにとのお達しが出ています。ファッキンファンタジー。

 

 おかげさまでオカルト研究部とは最近疎遠です。残念です。でも小猫さんとはお菓子食べてます。タルトを両手で掴んで食べる姿が可愛いです。可愛いは正義!

 

 そういえば、最近1年生のクラスに上級生の男子3名が出没するという噂が立っています。しかも変態らしいです。体育の着替えを覗いたり、エロ本を持ち込んだりと・・・うん、どこの世界にも変態はいるようですね。見つけたらモルガンで粛清をかまして差し上げましょう。ロンゴミニアドでどこをとは、なにをとは言いませんが切断も良いですよね。

 小猫さんは拳で殴って潰すそうです。怖いですね。

 

 

 オカルト研究部に入部したいと打診した結果、様々な事が動き始めました。

 まず、リアスさんが人間じゃなかったです。そこまではいいです。グレモリーという名前から予想していましたからね!アーサー王の直感は伊達ではない!でも転生というわけではなかったです。アーサー王の直感はぼんくらです。

 ・・・ただ、オカルト研究部が全員「あくま」でした。マイエンジェル小猫さんもあくまでした。マイデビル小猫さんと呼ぶべきでしょうか?でも私の天使なのでマイエンジェル小猫さんと心のなかでは呼ぶこととします。

  

 その他いくつか判明した事実がありましたので箇条書き。

 

 1、私が粉砕した化け物について

 一人目の廃工場の化け物は、はぐれ悪魔という、悪魔の中でも異端者だそうです。討伐しようとしていた矢先に私が聖剣ブッパで粉砕してしまったそうな。

 二人目の謎の物体は、どうやら堕天使とのこと。本来であれば駒王町はリアスさんの管理地であるため、堕天使が人間を襲うことはない。そうです。襲われましたし死ぬかと思いました。

 『しっかり管理してください殺されそうになりました』

 って文句言ったら先輩方が涙目になっておりました。リアス先輩かわいいです。

 

 2、駒王町は悪魔の領地

 日本の土地神から依頼をうけて、堕天使・天使・悪魔の三種族が各々干渉しないように土地を管理しているそうです。自ら得た人間のエネルギー的なものを上納したりしているそうで、ギブアンドテイクな関係だとのこと。詳しいことは教えていただけませんでいたが、少なくともこの町についてはリアスさんが元締めとのこと。

 ということは、悪魔勢力である土地で堕天使が好き勝手して私が殺されかけたということですね。堕天使にはエクスカリバーを叩き込まなければ!叩き込み終わってた!この憤りはどこにブッパすれば良いんでしょう?

 

 そこで1つ気になったので、リアス先輩に質問を投げました。

『なぜ私の動向を知っているのですか?』

 リアス先輩は何気なしという気持ちで、小猫と仲良くしてくれていたから使い魔を出して私の様子を入学当時から見ていたそうです。

 

『それだったら助けてくれればいいじゃないですか!死ぬかと思ったんですよ!痛かったんですよ!この人でなし!悪魔!』

 

 と、リアス先輩の服を掴んで泣き叫んだ私は悪くないです。頭なでてもらいました。抱擁していただきました。リアス先輩いい匂いしました。落ち着きます。流石お姉さまです。

 

 3、悪魔にならない?(にっこり)

 お断りさせて頂きます(にっこり)

 

 デーモンニナッチャッチタヨ。と言ってみたかったですが、まだ人間でありたいです。ファッキンファンタジーの世界にわざわざ踏み込むような愚行は致しません。

 ただ、片足突っ込んでるどころか、化け物を粉砕した時点でファッキンファンタジーの世界に首まで浸かっている事は私がよーくわかっています。現実は辛いものです。

 

 なお、私を悪魔に誘った理由は、リアスさん曰く

 

 「貴方は堕天使と悪魔を倒した人間ということで、駒王町に留まらず堕天使と悪魔のなかで有名になっているの。だから保護したいのだけれど」

 

 とのことです。保護。魅力的な言葉です。保護。うん、保護。いい言葉ですね!保護です。保護です。保護!守ってもらえる!保護!甘美なる響です。ファッキンファンタジーの世界で後ろ盾を得ました。やりました!悪魔になります!

 相当、取り乱しました。

 

 とりあえずは悪魔にはならずに、仮で入部という形に落ち着きました。

 

 

 本日は久しぶりに何もありませんでした。朝日眩しい登校時間。自転車に跨り全速力で駒王学園へ。

 そして、英文、数学、化学、体育、お昼ごはんをマイエンジェル小猫さんと食べ、そして古文、現代文という流れです。

 一度前世を体験した私にとっては懐かしい授業であり、知識が薄れている今となっては、また楽しい授業です。

 

 特に化学。前世では象形文字にしか見えませんでしたが、しっかりと仕組みがわかると楽しいものです。アレですね!どうやら私は理系の脳であるようです!でも勉学は難しいです。灰色の脳が悲鳴を上げています。前世の記憶は薄れて役に立ちません。ちくせう。

 

 放課後はオカルト研究部へと顔をだしまして、楽しくお茶とお菓子を頂きました。最近失われかけていた平和を謳歌した一日でした。

 

 

 平和はなかなか維持しません。

 

 変態3人組の兵藤一誠先輩とお知り合いになりました。胸とかお尻をガン見してきます。知り合いになりとうなかった!でも、根は熱血漢でいい男の子ですね。

 

 それにしても、食堂で相席になった男子生徒が噂の変態だとは、兵藤先輩だったとは思いませんでした。しかもなぜか初対面なのに懐かしい感じがしてしまい、仲良く話をしてしまいました。直感的に私と同族の予感がします。アーサー王の直感を信じたいですね。あ、でも変態は結構です。

 

 夢はハーレムを作る事、だそうです。結構な野望ですね。というか、兵藤先輩はイケメンの部類です。変態を前に押し出していなければ間違いなくハーレムしていたと思うのですが。もったいないことこの上ないと思います。

 

 

 今日は小猫さんと兵藤先輩と行きつけのカフェに行ってきました。小猫さんは嫌がっていましたけれど、パフェで釣れました。チョロいです。パフェ5杯食われました。財布がピンチです。

 

 兵藤先輩は変態具合を隠さずに、私達と触れ合ってきました。お菓子を食べる口元を見つめすぎですね。小猫さんの顔を見つめすぎですね。私の胸元を見つめすぎですね。なぜか血涙を流していますね。「生きててよかった・・・!」とか叫んでますね。気持ち悪いですね。変態死すべし慈悲はない。

 マイエンジェル小猫さんも呆れ返ってました。タルト追加されました。私の財布のヒットポイントはマイナスです。

 

 ですがやっぱり兵藤先輩からはなぜか懐かしい感じがします。なぜでしょう。

 

 

 大事件です。兵藤先輩がなぜか悪魔になってオカルト研究部に在籍していました。解せません。

 

 詳しく話を聞いていると、どうやら私と同じように堕天使に襲われたそうです。

 

 この世界には神器というファッキンファンタジーな能力があるそうです。兵藤先輩はどうやらその中の1つを所持していたがために、命を狙われ、死ぬ寸前まで痛めつけられたとのこと。そこにリアス先輩が召喚され、命を助ける代償として悪魔になったそうです。ファンタジーですね。ただ、リアス先輩を見つめる兵藤先輩の鼻の下のノビ具合は天元突破しています。悪魔になっても変態ですね。

 

 「私以外に被害者が出るなんて!管理しっかりしてくださいよおおお!」

 

 ってリアス先輩に泣きついたら、リアス先輩に頭撫でられました。ごめんねって言葉頂きました。満足です。私ってチョロいですね。

 実際のところ、最近、駒王町にはぐれ悪魔やら堕天使やらが多く入ってきているそうです。リアス先輩だけでは対応が難しく、現在は応援を依頼しているそうです。原因を聞いてみると、なんと『リアスは現魔王の妹さんだからちょっかいを出す輩が多いのではないでしょうか』という考察を副部長から頂きました。

 

 リアス先輩のことを女王様と呼んだら叩かれました。解せません。

 

 

 本日は私の宝具をオカルト研究部の皆様に開示致しました。伝説の武器、ということで皆様にはエクスカリバーを始めとする4つの宝具を触っていただきました。

 ただ、ここで新たな事実が判明しました。私と兵藤先輩以外の魔力に一切反応しません。駄宝具です。

 

 あ、でもよくよく考えれば、奪われてエクスカリバー街中ブッパされることはないのですね。良宝具です。

 

 ・・・それにしてもなぜ兵藤先輩の魔力に反応したのでしょう?魔力の大きさで言えば間違いなくリアス先輩がトップです。ですが我が聖剣(笑)はうんともスントも言いませんでした。聖剣(黒)も同じです。アヴァロン、ロンゴミニアドもうんともすんとも言いませんでした。同じように木場先輩、小猫さん、姫島副部長も同様でした。不思議です。

 注目の兵藤先輩は魔力量が少なすぎて、エクスカリバー・モルガンの先から蝋燭のような光が出るにとどまりました。がんばれ、がんばれ、兵藤先輩。

 

 なお、本日、護衛されながらもはぐれ悪魔討伐へと連れて行ってもらいました。リアス先輩の力である破壊の力が強力でしたね。エクスカリバーの出番はなかった!でもエクスカリバーはブッパしました。威力を見たかったそうです。しかも黄金のエクスカリバーをです。

 

 なお、ブッパ対象ははぐれ悪魔です。強力な結界を姫島副部長に張っていただき、トドメに一発ブッパさせていただきました。ただ、威力はめちゃくちゃ押えています。でも、結界壊れました。はぐれ悪魔はもちろん消滅です。はぐれ悪魔が根城にしていた建物がちょっとだけ・・・全壊しました。

 

 エクスカリバーの出力調整って、弱or最凶というアバウトなんですよね。馬鹿ですか。なんでアナログチックなんですか。流石聖剣(笑)です。なお、今回は弱でした。というかいままで弱でしか使用してません。弱でも結界がなければ町が消えます。聖剣(笑)は伊達じゃないですね。なお、最凶出力は、私が意識して魔力を振り絞らなければ出ないという説明が頭の中に出てきていますので、暴発の危険性はないです。ないですよね?無いと言ってよエクスキャリバー!

 エクスカリバーモルガンの出力調整は、最弱~なめらかに変化~最強という調整が聞きますから、その極端さがよくわかります。

 

 リアス先輩含めてオカルト研究部の方々は、全員が引きつった笑みを浮かべていました。してやったり。私の勝利ですね!

 ・・・勝ちなわけないですよね。どうやらリアス先輩達でもドン引きする威力らしく、今後は不用意に打たないようにと釘を何十にも打ち込まれました。自覚はしています。

「でもこれ2段階あるうちの1段階目の威力なんですよね。2段階目が宇宙の彼方まですっとんでいますよ」

そう口に出しそうになりましたが、リアス部長含めて部員の心労を考えて、これは内緒にしておきます。私の心労は鰻登って蒲焼きです。

 

 しかしですね。強力な結界を簡単に破ってしまうエクスカリバーをやすやすと扱える、アーサー青セイバーの体は規格外ですね!

 

 おうちからもうでたくない。

 

 

 彼女がはぐれ悪魔にトドメを刺そうと、黄金の聖剣を頭上に掲げる。それと同時に、地面から力としか表現できない「何か」が彼女の剣へと集まっていく。

 彼女自身の纏う服も、青いドレスと、装飾の施された鎧に変化していく。私には、その姿が物語の中で全てを救おうとした、常勝の王(アーサー王)そのものに見えていた。

 

 「エクス・・・・カリバアアア!」

 

 彼女は金色の極光を掲げながら、その伝説の名前を口にした。

 刹那、私達の目の前には、金色の大地が広がったのだ。

 

 聖なる光のはずなのに悪魔である私達ですら包み込もうとする、優しい光。心地よい光。思わず、見とれてしまう。

 そして、その光ははぐれ悪魔「バイサー」をも飲み込み、バイサーを、結界を、建物を光へと変えてしまった。

 

 「すごい・・・」

 

 目の前の光景に、私はそう口にするのが精一杯であった。

 アルトリア・ペンドラゴン。アーサー王伝説の武器を揃える彼女が、私の眷族に、悪魔になってくれればどれだけ素晴しいことだろうか。

 

 「うーん。威力抑えてこれですかぁ。やっぱり普段使いはモルガンですね」

 

 それはさておき。まずは仮入部とはいえオカルト研究部の部員であるアルトリア・ペンドラゴンに伝えなくちゃ。黄金のエクスカリバーは普段絶対に使わないようにって。

 




妄想コネコネ第二弾。チートブッパ!相手は死ぬ!

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