HSDD アルトリアの日記   作:灯火011

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転生を果たした人間の日記を盗み見ると、面白い。

※日記形式にチャレンジしたくなりまして妄想をコネコネしたら出てきました。


駒王学園のアルトリア
1:ファンタジーです


 

高校生になりました。記念に一つ日記を描くようにしていきます。

 

 

 転生してからすでに十数年。前世の記憶が最近薄れてきています。性別とか元々の性格はもうあやふやです。

 アルトリア・ペンドラゴンという仰々しい名前の私は、どうやらかのアーサー王伝説の主人公である、アーサー王その人の体でこの世に転生しているようです。

 

・・・なお、両親は一般人のはずです。

それに神様から「お前は一般人として平和に暮らせ」としか言われておりません。

 

しかし、平和に暮らせと言われながらも

「エクスカリバー」「エクスカリバー・モルガン」「アヴァロン」「ロンゴミニアド」

ここらへんが念じれば手の中に現れるんです。

しかも、握った瞬間に名前と使い方が頭の中に現れる機能付きです。便利ですね。そんなところから得た知識はこうです。

 

・エクスカリバー 溜めに時間がいるけれど最高峰の威力の対城兵器で星が作った逸品らしいです。細かい制御が出来ないので街中ブッパは絶対駄目です。

 

・エクスカリバー・モルガン エクスカリバーの亜種。本来のエクスカリバーより威力は落ちるものの、威力の調節がし易い。街中ブッパはこっちがおすすめ。街中ブッパってなんですか?使う機会ないですよ。普通に考えて。

 

・アヴァロン 最強の守り。最大出力のエクスカリバーでも突破できない最強品です。矛盾は盾が強かった!でもこれエクスカリバーの鞘らしいです。鞘なのに最高の守りってどういうことなんでしょう?

 

・ロンゴミニアド でっかくてなんか光ってて、更になぜか血が滴る槍です。ロンの槍、とも言うらしいですが。不死だとか無敵だとか関係なく傷をおわせた上に、基本的に治癒の手段が無いそうです。一応、滴っている血を塗れば傷は治る・・・らしいですが。っていうかこれ何に使うんでしょうかね?

 

 頭がオカシイ奴ばっかりです。きっと何に襲われても大丈夫です。でも絶対に襲われることなんて無いのでこんな伝説の武器なんて要らないです。特にエクスカリバーなんて大量破壊兵器じゃないですか。これじゃあ聖剣(笑)ですよ。っていうか私だけファンタジーです。

 

あと、おかしいんですよね。アーサー王って確か男性ですよね?

ですが、私は駒王学園という学園に通う『女学生』です。そう、女学生なんです。

実はアーサー王は男装の女性だったというオチなのでしょうか?

 

いや、現実逃避をしているのは私が一番わかっています。

前世の記憶の中に、私と同じ姿をした物体がいることぐらい、判っています。

 

金髪で緑色の眼の私が聖剣を握れば。

ほら、そこには青セイバーで有名なFateのアーサー王が現れるんですよね。私服ですけど!かわいいですよね!我ながら!

 

ああいうファンタジーなアニメは好きでしたけど、当事者にはなりたくないんですがね。

 神様、何を勘違いしたの?平和って何さ。もう、ハイスペックで色々巻き込まれそうなFateのキャラに転生させた神様にはいずれエクスカリバーを全力で叩き込みたいです。・・・ですが、高校まで何も問題なく平和に生きてこれたので、なるべくならこのまま天寿を全うしたいです。

 

 

 駒王学園は男子が少なく、ほとんど女子校のようなものでした。

 前世の性別はわかりませんが、問題なく馴染んだあたり私の性別は元々女性だったのかな、と思います。

 

 それにしても、2大お姉さまがいる学園とは。前世のアニメの世界みたいですね。現実世界じゃまずありえません。現実世界ですけど。

 

 そして私と同じクラスにもマスコットと呼ばれる人が一人います。確かにかわいいです。子猫みたいです。お菓子の話をしたら眼がきらきらしていましたので、今度一緒に行きつけのカフェに連れて行ってあげようとおもいます。

 

 なお、私は外国人の風貌ということで無駄に注目を集めていました。これでも純日本人なんですけどね?

 

 

 本日は体育で問題がありました。100メートルを10秒8で走り抜けた私の肉体は何かがオカシイです。世界を狙えます。いえ、その、アーサー王の体だから、というのはよく判っています。現実逃避ってやつですね。

 

 そのせいで運動部から熱烈なスカウトを受けています。いや、私は結構です。いやほんと。というのが本音です。

 

 目立ちたくなぁい!

 

 私の外国人の風貌が恨めしい!なぜ黒髪黒目の黄色人種じゃなかったのでしょうか?

 金髪緑目白色人種で体力馬鹿って、否が応でも注目の的じゃないですか。神様はギルティです。やっぱりエクスカリバーを顔面に叩き込まなければいけません。

 

 でも、そんな私の隣で、10秒7のタイムを叩き出した我がクラスのマスコットがいたりします。人間の可能性ってすごいものです。

 

 

 数学とはかくも難しいものです。ですがすごく楽しい。記憶が正しければ、高校1年では因数分解とか2次関数を学ぶはずでしたね。記憶が薄れた今でも、前世では数学を楽しんでいた記憶があります。3次関数とか特に大好きです。

 ですが、解き方はほぼ忘れてしまっていますので、改めて学ぶのにはちょうどいい機会ですね。

 

 因数分解が黒板に描かれていた時に、ちらり、とマスコットを見てみれば、頭を抱えておりました。ふむ。

 

 こういうものは理屈を学ぶと難しいので、とりあえずは公式の通りに当てはめるのが一番です。とアドバイスをしたところ、なんとかその授業は乗り越えることが出来たようです。

 マスコット的には納得していないようで、そのあとの休み時間もこちらになぜそうなるのかの質問攻めでした。うん。マスコットは可愛い。可愛いは正義です。

 

 

 ようやくマスコットである小猫さんとカフェに行くことが出来ました。私はブラックのコーヒーにチーズケーキです。小猫さんはミルフィーユにカフェモカ。さらにそこに追加でパフェ、そしてタルトを頬張る彼女は天使でした。可愛いは正義です。

 

 さらに、そとでクレープを食べて、お土産として羊羹を買う始末。小猫さんは甘党ということがよーくわかった一日でした。というか、すごい量が小猫さんのお腹に入っているはずなのですが、そんなこと微塵も感じさせない体型ですね。

 

 

 緊急事態です。平和な日常が崩れたのかもしれません。

 

 かいつまんで言いますと、エクスカリバー・モルガンを化け物にブッパしました。うっすらと覚悟はしていましたが、ここはどうやらファッキンファンタジーの世界のようです。

 

 何気なくイツモと違う道を通った私を我ながらぶん殴りたいです。

 

 それにしても、工場跡を根城に相当やらかしていましたねあの化け物。胃の中身、全部出ました。忘れないために箇条書きで記しておきます。

 

 1,いつもと違う道を使って帰ろうと裏路地を通って帰宅。

 2,廃工場を発見。ちょっと気になったのでちらりと覗いてみる。

 3,血肉溢れる工場。吐く。そして佇む化け物と目が合う。

 4,旨そうな奴とか言われて追いかけられる。必死に逃げる。

 5,残念逃げた先は袋小路。泣きべそ掻きながら気合で相手の腕に掴まれないように回避する。

 6,でも捕まる。食われる寸前。死をマジで覚悟する。

 7,アヴァロンを思い出して発動。効いたよね早めのアヴァロン!化け物が怯んだスキになんとか相手の腕から脱出する。

 8,エクスカリバー・モルガンを展開して、速攻で相手に極光を叩き込む。

 9,化け物は四散。そのあとは現状に呆然としながらもう一度吐く。少し落ち着いて警察に連絡だけして退散。そして今に至る。

 

 普段と違うことはしないよう、心がけましょう。本気で。ありゃ私の居ていい世界じゃない。居たくない。引きこもりたい。おうちかえる。ここおうちです。

 ・・・それにしても、エクスカリバーを初めてブッパしましたけれど、癖になりそうですね。ブッパする相手なんてまー、後にも先にもあの化け物だけと信じたいです。でもきっと他にも化け物いるんでしょうね?強いて言えば今回の件で目をつけられたりするんでしょうね?ファンタジーによくある展開です。そうならないことを信じたいです。

 あぁ・・・おうちで引きこもりたい。でもそうするとおうちがピンチ。どうしましょう?

 

 何が『平和な転生先に転生だから平和に天寿を全うしろ』ですか神様。ここは紛うことなきファッキンファンタジーの世界ですよ。

 不満だらけです。やっぱり神様にはエクスカリバー顔面ブッパしなくては。ロンゴミニアドで爪の間突き刺してチマチマネチネチと説教しなければ。神様と会う方法知りませんけどね!もう一度死ねば会えますかね!でも死にたくないので却下です。

 

 

 マスコットは癒やしです。現実世界に帰依できました。学校に持参したクッキーを頬張るマスコット小猫の姿は正義です。癒やされました。癒やし。癒やし。

 

 「今日は表情が暗いですね」と言われたので内心ちょっと嫌なことがあったんだーと相談してみれば、なんと頭をなでてくれました。小猫さんは天使です。マイエンジェル。私は何を日記に描いてるのでしょうか?

 

 といいつつ最近は私の力について考えています。どの程度の「ちから」が私にあるのかを正確に知りたいところです。なぜかと言えば、もし、またあのような「人間」を襲い食らう化け物が居た時に、私はスルーすることは出来ないからです。

 

 力があるのに助けないというのは、人間として最低のことでしょう。・・・でも目立ちたくない。葛藤ですね。

 

 でも、まぁ、助けて損は無いはずです。悲しむ人が一人でも減れば私の力の使い道としては正道なのでしょう。体はかのアーサー王ですし?そう、私は一般通過アーサー王です。おっと、心は一般人のガラスハートです。血肉をみたら吐きます。私の取扱い注意です。テンションおかしいですね。

 

 そして私は剣技は出来ませんので、エクスカリバーなどの武器の力に100%頼ることになります。つまり不意打ちやら本気で強い化け物と当たった場合、技能がない私はダニの如く潰されます。アヴァロンがあっても、展開する前に死んでしまってはただの雑魚です。おぉ、殺されてしまうとは情けない。死にたくない。

 とりあえず剣道でも始めましょう。死にたくないですからね。

 

 

 剣道部に体験入部しました。全身筋肉痛です。寝ます。

 

 

 剣道部に体験入部して数日。私の腕はメキメキどころではなく、ロケットのごとく右肩上がりで上達しています。おそらく成層圏は突破しています。

 なんでしょう、隠された力が開放されるような感じですね。中二病ですね!えぇ、アーサー王の体は伊達じゃなかった!

 おかげさまで学校代表の部員から一本とってしまったり、部長といい勝負が出来たりしています。「100年に一人の逸材だ!」と言われています。体は剣で出来ています。そんなわけないです。

 

 そして本日は、木場祐斗という人と撃ち合いを致しました。この人はすさまじく化け物です。動きが早くて、アーサー王ボディをもってしても動きを追いきれません。とりあえず剣術の目標はこの木場祐斗さんですね!

 

 ただ、彼は剣道部ではなく、オカルト研究部という部活動に入っているとのことで、週に2回ぐらいしか顔を出さないそうです。更に話を聴いた所、我が天使である小猫さんもオカルト研究部という部活動らしいです。

 

 オカルト研究部、一度見学しにいきたいですね。

 

 

 本日は非常に有用な一日でした。小猫さんにオカルト研究部の事を聞いてみれば、一緒に放課後にいきましょう。とのお誘いの声がかかりました。まさかの展開です。持つものは甘味仲間ですね。

 

 ただ、オカルト研究部の入部は部長のスカウトオンリーらしく、普通の生徒は入れないそうです。

 

 さて、オカルト研究部の部室はまさにオカルトでした。立地は今は使われていない旧校舎の一室で、ライトは無く蝋燭の灯で照明を確保していました。家具もアンティークで揃えて有り、壁には古めかしい絵画がかかりまさに中世の屋敷の一室です。学校の部活動、という割には相当お金が掛かっています。いや、お嬢様学校ですので不思議じゃないのですけれどね。

 

 という感じで部室を物色していたところ、オカルト研究部の部長・リアスグレモリーさんと、副部長・姫島朱乃さんが来られました。すごい美人で出ることが出ています。思わず見とれてしまいました。特にリアスさんは赤い髪が魅力的でした。

 で、どうやら私のことは小猫さんから聞いているようで、寛いでいってと、紅茶とお菓子まで出される始末。しかもすごく美味しい紅茶とお菓子でした。今後も遊びに来ていいよ、とのことでしたので足繫く通うこととします。

 

 ついでに、オカルト研究部のネタにと、エクスカリバーを展開してみました。どうも不思議ちゃんです。見た目は金ピカです。黄金の鉄の塊です。つよい。

 リアス先輩を含めたオカルト研究部の面々が引きつった笑顔を浮かべていたので、個人的に大勝利。私は何の勝負をしていたのでしょう?

 なお、エクスカリバーは皆様に触ってもらいました。「あら、触れる」「何も起きませんね」とか聞こえましたが、エクスカリバーは何もしなければ本当に黄金の鉄の塊です。魔力を込めるとアルティメットロマン砲に早変わり。こちらの大量破壊兵器のお値段なんと19800円!お買い得!え、いらない?そんなー。

 

 ま、ただ、1つ気になったのはリアスさんの名字が「グレモリー」だったことですね。たしか、グレモリーというと愛を司る悪魔の名前がグレモリーと言った気がします。オカルト研究部の部長が悪魔と同じ名字。オカルト研究部の拘りで名前を変えているのかとも思いましたけれど、本名とのことですし。もしかすると、私と同じように彼女も転生して生を受けていたりするのでしょうか?機会があれば確認したいところですね。

 

 




よくある性能表記のコーナー

クラス:一般人(憑依型)
真名:アルトリア・ペンドラゴン
性別:女性
身長:157㎝
属性:秩序・善
▼パラメーター
筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:EX 幸運:B 宝具:EX

 神様転生でハイスクールD✖Dの世界へ飛ばされた一般人。性能はアルトリア・ペンドラゴン。可愛い。アヴァロンが有る限り15歳から老化しない不老不死。
 目標は平和に生きる。神様も「平和に生きろ」と言った。ただし神様のいう平和は「平和(笑)」である。『最強クラスであれば平和になるよね』とは神様の談。

 基本的に一般人であるため、ヘタれる、逃げる、現実を見ないなどの行為は普通に行う。自分命が一番大切。ただし時々浪漫に生きる。かっこよく決めることもある。良くも悪くも一般人。

▼クラス別能力
対魔力・神聖(偽):A 現実世界に生きる彼女に神秘は通じない。でも時々引っかかる。仕方ないよね、一般人だもの。
騎乗:C 学生の自転車の速度を甘く見るなかれ。学生は一分一秒を大切にするのだ。
常識:B どんな状況に置かれても一定の見識を維持する。別名「苦労人」。ただし常識を外れた事が起きすぎると、効果が無くなる。

▼保有スキル
直感(偽):A 的を得ているようで外すものの大体あってる。
魔力放出:EX 神様がこのファンタジーの世界で平和に生き残れるよう竜の心臓にブースト。魔力切れは無い。やったねアルトリア。聖剣エンドレスブッパが出来るよ!
転生:EX 前世の記憶を所持している。忘れないとは言っていない。

▼宝具

『風王結界』
ランク:C
種別:対人宝具
本人は所持している事に気づいていない。
使いこなせれば、加速、防御、攻撃、隠匿と使い道の多い宝具。
でも本人は気づいていない。

『エクスカリバー』

ランク:A++
種別:対城宝具
レンジ:1〜99
最大捕捉:1000人
人ではなく星に鍛えられた神造兵装であり、人々の「こうあって欲しい」という願いが蓄えられ、星の内部で結晶・精製された「最強の幻想ラスト・ファンタズム」。かっこいい。
主人公曰く『大量破壊兵器』。魔力EXの主人公が使えば辺り一帯が消滅する。

魔力を込めなければ切れ味の良い剣。スイカとか大根を切るのに最適らしい。

『エクスカリバー・モルガン』

ランク:A++
種別:対城宝具
レンジ:1〜99
最大捕捉:1000人
黒くなったエクスカリバー。なぜか威力が弱くなっている。だが、その代償として力の制御が精密に可能であるため、主人公のメイン武器。これでかつる。
実は主人公の魔力を込めてフルパワーで放つと、エクスカリバーと変わりはない。

こちらも魔力を込めなければ切れ味の良い剣。ただ、エクスカリバーに比べると剣先が気持ち鋭く、鮭など大型の魚を捌くのに便利らしい。

『アヴァロン』
ランク:EX
種別:結界宝具
対象:少数名

「効いたよね、早めのアヴァロン」でお馴染み、アーサー王が持つ世界最強の守り。不老不死を体現するエクスカリバーの鞘。別名最強の引きこもり部屋。金色と黒色がある。

『ロンゴミニアド』
世界の表層を繋ぎとめる「光の柱」を本体とするとんでもない宝具。本来宝具として存在しちゃいけない逸品。
ただ、ロンギヌスの槍と混在されているせいか、主人公の持つ槍はイエス・キリストに由来する「治療不可の傷」をつけることが可能。この槍で出来た傷は、この槍から滴り落ちる血を塗りたくらないと一切治癒しない。
 見た目は血の滴るグロい聖槍。主人公は使い所に悩んでいる。

『ひみつかりばー』(かつてないマルチプルパルス)
本人は気づいていない。てか気づかせちゃいけない。そこまでにしておけよ主人公。
実際の性能は、エクスカリバーの極光乱打である。相手は死ぬ。周りも死ぬ。てか街が消える程度ならまだ生易しい。問答無用の凶悪宝具である。
一応威力を抑えれば、普通のマルチプルパルスになる。どっちにしろ相手は死ぬ。周りも死ぬ。

 なお、魔力を込めなければ乱切りやみじん切りの親戚である。絶対に魔力を込めちゃいけない。込めさせると世界がやばい。

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