THE COCKPIT 隻眼パイロットのその後   作:放火後ティータイム

9 / 11
精神科行ってたんで投稿が遅れました。
今回は食事の価値観についてのお話です。
集中力が持たなかったんで前編と後編にわけました。




第八話 「食事事情」 前編

土方の歓迎会ということで厳つい妖精と野郎共に浴びるように酒を飲まされ土方は

翌日頭痛とラッパの音にたたき起こされ目を覚ました。朝の点呼を終えると

土方本人より多い酒を飲み干したはずなのにピンピンしている野郎共に連れられ

食堂へと連れ込まれた。

 

食堂は大きなホールだった。

縦長いテーブルと椅子が10本の列を作っていた。

ざっと見ても500人以上が一度に食事を取れるくらいの大きさである。

 

「でけぇ…」

 

医務室で食事を済ませてきた土方は一度も食堂に顔を出したことがなく

食堂そのものを見るのも初めてである。

艦娘、妖精、職員が飯を貰うために並ぶ列の最後尾に並ぶ。

 

割烹着を着た女性に朝食ののったトレーを受け取り席についた。

白米、茄子の味噌汁、鮭の塩焼きに沢庵

土方にとってこの食事は贅沢そのものである。病院食である粥すら贅沢品である。

戦時中の食事は味わうのではなく生きるためにかっ食らうものである。

 

白米は麦飯に、汁物は味が薄く、おかずなんてたまにめざしが出ればいい方だ。

最後に贅沢をしたのはいつかすら覚えていない。腹一杯食ったのはいつだったか……

 

「いただきます」

 

具だくさんの味噌汁は汁物であるのにも関わらず食べごたえがあり

塩焼きや沢庵はほどよい塩気と酸味でほんのり甘い白米によく合う。

 

旨かったが質素な食事に慣れている土方にはこの食事は味が濃く感じ

おかわりをせずに食事を終了した。

周りを見るとおかわりをしている者がたくさんいた。

艦娘なのだろうか、土方よりも若い女性がどんぶりに盛られた天高くそびえる

白米にかっつく者もいた。

この食事をきっかけに自分の世界とこの世界が別物だということを認識させられた。

 

 

 

 

鎮守府内に正午を伝える短いサイレンが響いた。

 

「もう昼だから先に飯を食いに行きな。俺ぁもう少しこいつらをシゴイてくるからよ」

 

「了解」

 

「おう行ってこい。……オラァ!!ちんたらしてると飯が食えんくなるぞぉ!!」

 

土方は隊長妖精に挨拶を済ませると食堂へと急ぐ

妖精の機体は副作用が強いので、人間、もとい退院したばっかりの土方に

戦闘機の操縦なんてさせてもらえる訳もなく

専用の訓練機ができるまで筋トレや見学続きなので早めの休息をとっている。

 

「この世界の価値観は俺の価値観とは全然違う……」

 

食堂に向かう土方はふとそんなことを呟いた。

それはこの世界と生前の価値観の差である(主に食事事情)

例を挙げるとするならば食事に出された米である。

病人食にすらふんだんに米を使用したお粥が出てくるし

朝にみた朝食の風景を思い出すだけで頭が痛くなる。

 

ちらっと見たメニューに関してもそうだ。

昼食は学食のように好きなものを選べるこの鎮守府ではあるが

それも土方を追い詰める言葉の暴力のオンパレードだ。

ラーメンに麻婆豆腐、ハンバーガーにオムライス等々

生前に食すことも…いや…名前すら聞くことがなかった料理名がズラリ。

味、形、香り、色などが全てが未知の料理である。

普通にリアクションできるのならそうしたいところだがそうはいかない。

異世界人兼過去の人間である土方は混乱を避ける為にこの事は自分と提督、

秘書艦の加賀の三人だけの秘密である。

大きなリアクションをすれば何らかの疑問を持たれかねない。

そういうことを避けるため知っているかのように振る舞わなければならないのだ。

 

「どうしたものか……」

 

そうこうしている内に食堂の入り口見えた。土方にとっては地獄の入り口だが…

覚悟を決めて土方は食堂の扉をくぐった。

 

 

 

 

 

-おまけ-

 

食堂の扉「ハハハw地獄への一方通行へようこそ」

※土方が聴いた幻聴

 

「はは……俺は疲れてるんだ……疲れてるに決まってる。」

【完】

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お嫁さん候補を聞いたところ予想以上に多くの要望があってびっくりです。
まとめてみると

第一候補 夕張さん 第二候補 加賀さん 第三候補 翔鶴姉

第四候補 ブッキー(吹雪) 第五候補 祥鳳さん

となりました。

まだまだ募集してます。

ネタが切れてもうひとつの作品が全然進まん(泣


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。