THE COCKPIT 隻眼パイロットのその後   作:放火後ティータイム

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音速雷撃隊を見て書きたくなりました。
後悔は……めっちゃしてる……
漫画は見たことはなく、OVAをみただけです。


第一話 「墜落」

『右上方30度に敵機!全機、戦闘体勢にはいれ!!』

 

始まりは突然だった。

昭和20年8月6日

零戦、紫電を含む直衛機40機を護衛につけた桜花特別雷撃隊は

沖縄に展開する米機動部隊を叩く為に出撃した。

しかし敵艦を発見する前に、米軍のレーダーに探知され襲撃をうけたのだ。

 

直衛の零戦が増槽を切り離し迎撃に向かう。

すぐさま乱戦となり、味方が次々と墜ちていった

 

(野上!野上!野上!あいつは何処にいる!)

 

直衛の戦闘機パイロットの土方は桜花搭乗員である野上少尉の乗った機体を探していた。

彼は前日、野上に誓った言葉を思い出していた。

 

【今日のことはすまなかった。だが明日は何がなんでも完全に護衛するつもりだ。】

 

【例え敵機に体当たりしてでも……!!】

 

前日の戦闘で見えなくなった右目の代わりに残った左目をじっくり凝らし

必死に探し続けるが見えるのは堕ちる味方。そして敵機、敵機、敵機。

味方を貪り、次の獲物を求め自分に飛来するヘルキャットは後を絶たない。

 

「邪魔だぁぁ!!」

 

しかし土方はひたすら前に突き進む。

時には機銃で敵を蹴散らし、時には雲を利用し逃げ切った。

操縦席を覆うガラスをぶち抜き、右腕に銃弾が命中した。

そんなことも構わずただひたすら前に突き進む。

次第に弾も尽き、無理に動かしたからだろうかギシギシと音をたてる

今にも空中分解しそうな愛機の零戦だけが残った。

 

回りを見渡せば味方は半分以下に数を減らしていた。

さっきまでは味方によって水色の画用紙に緑の絵の具を垂らしたような空だったのに

今では堕ちる火の赤とヘルキャットの青に染められている。

一式陸攻はたったの2機、土方に最悪の展開が頭に浮かんだ。

 

(いや……弱気になってどうする!…誓ったじゃないか!諦めるな!)

 

その時、雲の隙間から火が見えた。

隙間から見えるのはシルエットは、一式陸攻そのものだった。

 

「……!!見つけた!」

 

土方はギシギシ音をたてる愛機のことなど気にもとめず、操縦桿を壊れんばかりに引っ張る。

 

そこには一機のヘルキャットに追われる一式陸攻があった。

 

(あの機体番号……間違いない!野上だ!)

 

しかし一式陸攻は既に炎に包まれかけていた。今飛んでるのが不思議なほどの損傷だった。

 

(まだ機体は生きてる……!!ならば俺のすべきことはただひとつ!!)

 

土方の手にギュッっと力が入る。革手袋が擦れてキュッと音がなった。

操縦桿を操り斜め上まで飛翔し、相手に狙いをつける。

 

(後は頼んだぞ……野上少尉!!)

 

「うわああああああ!!!」

 

操縦桿を前に倒し、体当たりした。

グシャっと機体同士が潰れあい、大爆発を起こした。

 

二重の窓越しに見える驚愕した米軍のパイロットの顔に満足しつつ土方の意識は飛んだ。

 

1945年(昭和20年) 8月6日 土方少尉 戦死

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも通り艦娘達の艦娘達の声で賑わう鎮守府に突如警報が鳴り響いた。

 

「何事だ!!」

 

「鎮守府付近を警戒中の彩雲より入電です!『我、零戦ト思モワシキ物ヲ発見ス!

鎮守府ニ向カイ落下。注意サレタシ。マタ、通常サイズノ零戦ダト思ワレル』

 

「通常サイズ!?まあいい!!早く回線回せ!!」

 

 

鎮守府は騒然としていた。

突如鳴り響く警報が恐怖を煽るからだ。

余程の事態がない限りこの警報がなることはない。

すると突如、放送がはいった。

 

『提督だ!たった今彩雲より入電が入った!零戦と思わしき物が鎮守府に向かい落下中とのこと

報告によると通常サイズのものであるとのことだ!!人が乗っている可能性が高い!!

訓練中の艦娘は艤装を着けたまま待機!、その他の艦娘ならびに鎮守府職員は救護の用意を!!

何としてでもパイロットの命は救え!!いいな!!』

 

 

 

 

訓練中だった加賀は救助活動の指揮をとっていた。

 

「………!!見えた!!いつでも出れるように準備して!!」

 

その瞬間、航空機が不時着した。

かなりの高さから落ちたものの、奇跡的に操縦席は無事で、右翼が折れる程度ですんでいた

 

「……!!」

 

駆けつけた加賀と艦娘達は驚いた。

そこには血のにじむ包帯を右目に巻き付けた、パイロットがいたからだ。

右目だけでなく、操縦席はまるで無事なのに、至るところから血を流していた。

 

「彼は私が運びます!!皆周囲を警戒して!」

 

加賀がそう言うと皆急いで鎮守府に向かう。

 

男の胸元には土方という文字が書いてあった。

 

 




アニメでは名字しかわからず、階級や下の名前がわからなくてめっちゃ困ってますww
山岡中尉によれば護衛の戦闘機は紫電と零戦としかいってなかったので、彼の乗ってた
機体がよくわからないので零戦にしたのですが、誰か知っている人がいたら教えてください。
お願いします。

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