もしそのキャラのファンの方がおりましたらお許し下さい。
現在俺は、ユーノがいるであろう動物病院に向かって夜の街の中を走っている。
しかし戦闘が起きた場合全くと言って良いほど役に立てる気がしないので、動物病院に直接は向かわず、多少遠くから事の成り行きを見守るつもりだ。
多少離れていても、暴走体が暴れれば見つけられると思うしね
もう少しで動物病院に着くという所になって、俺は道に落ちている変な石を見つけた。
...........ていうかこれジュエルシードじゃん
原作でこんなところにジュエルシードが落ちている設定なんてあったけ?
しかしまあ、あるもんはしょうがない
原作知識があるとはいっても、ちゃんとアニメを見ていたわけでもないし、この世界での年齢を加味すれば10年近く前の知識になる
そもそも原作に俺という存在はいなかったわけだから、もしかすると原作にも描かれていなかっただけで、ここにはジュエルシードはあったのかもしれない
そんなことを考えながら発動していないジュエルシードを拾う。
しかし拾ったはいいが、このジュエルシードをどうするかな......
当然だが、俺にジュエルシードの封印処理なんてできるわけがない。
まあ、高町に任せればいいか
と、結局は将来の白い悪魔に全てを丸投げすることを決めた。
明日あたりに高町に見つかりやすいところに置いておくことにして、一旦ジュエルシードをポケットに入れた。
その瞬間
ジュエルシードが光を放ち始めた
「何でだーーーーーーーーーーーーー!!!!!!????????」
ヤバいと思い、慌ててポケットの中にあるジュエルシードを掴んで遠くに放り投げようとしたが時すでに遅し
ジュエルシードの輝きはすでに先ほどとは比べ物にならないほど強いものとなっており、俺の意識も朦朧としてきた
やっぱり家で寝てれば良かった
そんなことを思いながら俺の意識は闇に包まれた。
..................そして今に至る。
目覚めたら原っぱのど真ん中に寝ていた俺は、現実逃避の意味もこめて暫くボーっとしながら、緑に囲まれた素晴らしい場所ならではの空気の良さを味わっていた。
しかし、いつまでも現実逃避をしているわけにもいかないので、ため息を吐きながらその場から立ち上がった。
腹が立つことにこんなことになった原因のジュエルシードはポケットの中にしっかりと納まっている
まず、ここはどこだ
辺りの様子からここが海鳴市じゃないことは分かるが、それ以外のことは全く分からん
ジュエルシードの力なら時空間移動だってできる気がするし
とりあえずは人の多いところに行ってみるかと思い、人がいるほうへと足を向けて歩き出した。
とりあえずここが地球じゃないことはわかった
書かれている言葉は何語かも分からん言語だし、何よりもよくよく見たら太陽がないという衝撃的な事実がここが地球ではないということを語っていた。
にも関わらず、他の人が日本語で喋っているのはどういうことなんだ?
釈然としなかったが、喋っている言葉まで分からなかったら完全に詰んでいたので、まあいいかと思いながら町の人にここがどこか聞こうとした。
「君どーしたの? 何か困ってる?」
突然話しかけられたことで変な言葉が口から洩れかけたが、すんでのところで踏みとどまった。心を落ち着けて話しかけてきた人のほうに顔を向けるとイケメンが立っていた。
何でこの世界にはこんなにイケメンが乱発してるんだよと心の中で悪態をつきながら、その人に向かってこう言った。
「イケメンなんて滅びればいいのに」
「君は何を言っているんだい?」
「すいません、間違えました。こちらの話です」
どうやら色んなことがありすぎたせいで、思っていることを喋ってしまったようだ。
「ここがどこか教えてもらえませんか?」
「ここ?ここは時空管理局本局だよ」
当たり前のことを聞いてきてどうしたんだろうと思っていることが伝わってくるイケメンの表情は目に入っていたが、俺はそれどころではなかった。
もし俺の心が読める人がいるのなら、この場で大声を上げなかった俺を褒めてほしい
『それもこれも全てこいつの......』と思いながら俺のポケットにあるジュエルシードをにらみつけたが、全くの無駄なので直ぐに止めた。
「何か困っているの?もしもそうなら話してくれないかな?僕は管理局で働いているから、何か力になれることがあるかもしれないし」
どうやら心の中でジュエルシードに文句を言っていた俺の姿を見て深刻な悩みを抱えていると勘違いしているらしい。
だがまあ、これは不幸中の幸いだろう
困っていることは事実だし、何よりこのイケメンは管理局で働いているらしい。
せっかくだから事情を話して管理局に地球まで送ってもらおう
「いやー、実は変な石を拾ったら、急にその石が光りだして気づいたらこの辺りにいたという話でして。でもここって全然知らない場所なんで困ってたんですよ」
これがその石ですと言いながらポケットの中に入っていたジュエルシードを見せる。
するとそのイケメンは優しい目つきから一転厳しい目つきになり、ジュエルシードをにらみつける
しかしすぐに優しい目つきになり、俺に語りかける
「なるほど事情はわかったよ。詳しい話を聞きたいから、本局まで来てくれないかな?」
ひどいことはしないからさと言いながら、俺が女の子であったら即座に惚れてしまうような笑顔で俺に手を差し出してきた
どうやらここまでのイケメンになると容姿につられて行動までイケメンになるらしい
「ん?どうしたの?」
どうでも良いことを考えていた俺の姿に心配になったのかイケメンが話しかけてきた。
その言葉にはっとなった俺はどうでもよい思考を即座に振り払い、返事を返した。
「いえ、何でもありません。では、本局まで案内してもらっても構いませんか?」
もちろんだよと言いながら手を繋いで案内をしてくれるイケメン
このイケメン良い人だなーと思いながら、黙って歩く俺に向かってイケメンが話しかけてきた。
「そういえば、君は何て名前なの?」
言われて初めて自己紹介をしていないことに気が付いた
「長峰雄太です。イケ、お兄さんの名前は?」
俺がそう聞くと先ほどと同じの素晴らしい笑顔でこう言った。
「雄太君か。僕の名前はティーダ・ランスターだよ。よろしくね」
それが俺とティーダさんの出会いだった。