彼女の秘密を知った俺は逃げられない   作:whiterain

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どうも、こんばんはwhiterainです。

さて、テスト編も終わって新章が始まります。

とりあえず、新キャラが増えていくと思いますが、頑張っていこうと思うのでよろしくお願いします。
まぁ、Keyさんの後書きで既に後輩の登場が分かってしまっていますが・・・(-_-)
というより次話で出る保証も出来ないのですが・・・

また、別件ですがファイアーエムブレムのスマホアプリがリリースされましたね!
自分もやっています。
ですので、いままでずっとサボっていましたが、これを機にもう一つの凍土の剣の方も
もう一度更新し始めたいと思います。
ちょっと考えていた内容やら設定やらが抜けているところもあるので、色々ミス等も
あるかと思いますが、こちらの方もよろしくお願いします。


8話 ストーカー編ー1

土曜日、午前9時30分に俺こと悠木陽詩は駅前で人を待っていた。

 

羨ましいか?可愛い女の子と2人で買い物だぜ?

俺も、遂にリア充デビューだぜ!

 

と真面目に言える日を迎えたかった訳だが、そんな上手く日常を遅れなかったわけで。

 

『確かに可愛い女の子と2人で買い物なのは間違いないんだけどなぁ・・・』

 

1つ俺には懸念事項があるわけだが・・・

 

皆さんも覚えているだろうか俺が宮瀬祈と初めて会った時のことを

 

あの深く被った帽子、似合わないサングラス、怪しいマスク着用、更には時季外れのコート

どう考えても通報モノのあの不審者を。

 

まぁ、きっと宮瀬もさすがにあの格好は自重してくれると信じて

 

「お待たせしました」

 

『おぅ、そんなに・・・ハァ・・・』

 

いや、予想はしてたんだけどなぁ。

それでも、僅かな期待を込めてたんだ。

 

その期待はいまこうして目の前にいる不審者に裏切られたわけだが・・・

とりあえず、

 

『あっ、自分知らない怪しい人には着いていくなって子供の頃に教わったんで』

 

自分の間違えに気付いて貰うべく宮瀬をスルーしておこう。

 

「何を言っているんですか悠木さん?」

 

『いや、なんで自分の名前を知っているのかわからないですけど俺そんな不審な人知らないんで』

 

「・・・そうですか、良い度胸してますね?潰しますよ?」

 

さすがにここまでこれ以上弄ると後が怖いので、ここまでにしておくが。

 

『だってよ・・・お前はその格好でいつも歩いてるから、慣れてるのかもしれないけどさ

 さすがに俺にその格好の人と歩けってのはさすがに・・・キツい』

 

これは俺に限った話しじゃ無いだろうよ。

想像して欲しい!

 

誰かと2人で歩くとして、片方があからさまな通報モノの不審者。

間違いなく歩く人はこの宮瀬を見るだろう、というか俺でも二度見する。

 

そして、その宮瀬を見れば必然的にその横を歩く俺も見られる。

1日に多くの人々に見られ、ヒソヒソと話される。

俺みたいなチキンハートには耐えられない。

 

「じゃあ、私に正体をバラせと言いたいのですか?」

 

『いや、そこまでは言ってねーじゃん?

 たださ、帽子の中に髪の毛仕舞って、服装も少し変えればだいぶマシになるだろ?』

 

「念には念を押すモノでしょう!?」

 

『いや・・・とりあえず、まずこっち来い!』

 

「きゃっ!」

 

宮瀬の手を引いて、人気の無いコインロッカーの方に連れて行く。

 

「何をするんですか!?

 襲うんですね!エロ同人みたいに!」

 

『ちょっと、その口を塞げ!!』

 

何いきなり言いやがる!

ちなみに間違いの無いように言っておくが、宮瀬の言っているようなことは考えていないぞ

あの格好の宮瀬と話していたら段々視線が痛くなってきて耐えれなくなっただけだ。

 

『とりあえず、その怪しい格好なんとかしろって!』

 

「だから、それでは私の正体が・・・」

 

『そんな格好のやつと一緒に歩けるか!

 今日1日俺に付き合うってことで良いじゃないか?』

 

「どういうことですか?」

 

『俺は学校では隠してるけど、別に外でまで気を使ってない』

 

実際、俺の格好はそりゃ少しは気を使ってはいるけど宮瀬が気付いたように俺と付き合う人なら気付ける。

 

『だから、最悪俺に付き合ってる程度に振る舞えば良いだろ?

 俺を彼氏だと思って、彼氏の趣味に理解のある彼女と思って行こうぜ!』

 

「うーん・・・彼氏とはとても思えませんが・・・」

 

何だろう?

表面でも毒が少し出てきてるけど、内面は身の程を知りなさいと思われる気がする。

 

『とりあえず、そういうものを買うなら会計とかは俺が持って行ってやるから

 だから頼むからその格好を変えてくれ』

 

「・・・仕方ないですね・・・その代わりしっかりと私を守ってくださいね」

 

『・・・・おぅ///』

 

あんな感じに守ってくださいねって言われたらさすがにグッと来るもんがある。

男って単純だぜ・・・

 

「ちょっとこれをコインロッカーに置いてきます」

 

『おぅ・・・了解』

 

良く考えると俺って宮瀬の私服初めて見たんだよなぁ・・・

白いシャツワンピースに、クリーム色のトレンチコート、今はハンチングキャップに髪を仕舞って

隠しているが、この格好で普通に髪を出している状態を見たかった!

 

いや、このままでも十分可愛いと思うんだけどな!

 

「さて、どこから行きましょうか?」

 

『とりあえず、どこに行こうかね

 おっ、ちょっとこれ見てくれよ?』

 

そう言ってスマホを宮瀬に見せる。

 

(で、どこに行きたいんだよ?)

 

勿論、俺にどこに行こうか聞かれても答えれる訳がない。

今回のお出かけはあくまでも宮瀬への付き添いで来ているんだから。

 

だけど、これを直接言ったり、どこへ行きたいかを口に出させるとまた文句を言われると事前に察してみた。

いや、いつものパターンからの推測だけど。

 

「ええ、結構良い感じですね」

 

(まずは、新作のライトノベルと適当にグッズを・・・)

 

宮瀬はスマホに入力してからこちらへ渡す。

 

『お、案外高評価?』

 

(となるとア○メイト?)

 

「良いとこ突いてますよ」

 

(妥当ですね)

 

周りに知り合いもいないのに無駄な演出をしている気がする。

この努力が無駄になるとは思わないけどさ

 

『それじゃあ、行こうか』

 

「はい」

 

そのまま、宮瀬と連れだって歩き出す。

 

「・・・・・・」

 

そのときはまだ、今のやりとりを見ていた人がいることに気付いて居なかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「着きましたね!」

 

『テンション上がるの早いわ!』

 

本人に隠す気があるのか不安になってくるぜ。

いや、隠す気あるのは分かってるし、好きな物を前にして興奮を抑えきれなくなってるのはわかるんだけど。

 

あくまでも俺の付き添いという立場出来てるんだから。

 

「仕方ないでしょう・・・久々なんだから」

 

『若干、混ざってきてるぞ?』

 

「っ!慣れない場所だから緊張しますね」

 

むしろ、俺より絶対通ってるはず。

だから、恐らく

 

『はぁ・・・とりあえず、すいません!』

 

「はい、なんですか?」

 

店員を呼び止めて、今のうちにやっておきたいことを。

 

『少し聞きたいことあるんですけど、ここで良く不審な人見ませんか?』

 

「悠木さん!?」

 

「不審な人ですか?」

 

店員さんが怪訝な表情をしているが、宮瀬の反応からして間違いなく、

 

『ええ、帽子を深く被って、サングラスにマスク、夏でもコートを着ている、丁度彼女くらいの身長だと思うんですけど・・・』

 

「あぁ・・・あの女性の方ですか、確かに良くお見かけしますね。

 私たちの間でも有名な人ですよ?ですけど、特に見た目にそぐわず悪い方ではありませんよ」

 

やっぱり、有名人でした。

 

『なるほど・・・忙しいところすみませんでした』

 

「・・・ひゅーひゅー」

 

そっぽ向きながら、吹けてもいない口笛をして誤魔化している。

見るからに動揺しているのがわかる。

 

『宮瀬さんや・・・・』

 

「・・・・・」

 

『祈さん?』

 

「・・・はい?」

 

良く考えると初めて名前で呼んだ気がする。

ドラマチックなことも無ければ、別に仲が深まった訳でもないけどな!

 

『自分の不審者具合分かりました?』

 

「でもですね、そう思われたとしても私だと言うことがわからなければ!」

 

『いや!?まず、一歩間違えたら警察に止められるからな!

 というか一種の有名人だということに危機感覚えろって!』

 

「その問題は良いんです!」

 

『良いって・・・お前なぁ』

 

学校では一応才色兼備の少女とかマフラー少女とか言われているのに、一歩外出てこういうところに来たら

不審者としての有名人。

さすがに、不審者扱いされる方法で正体を隠すのはなぁ・・・

俺と状況も違うし、そこまで宮瀬の事情に詳しい訳でも無いから考え方が違うのかもしれないけど。

 

「良いんです!それに今日は楽しむ為に来たんですよ」

 

『まぁ・・・そうだよな』

 

確かに、こんなこと言うのは学校でもいい話か。

今日は宮瀬に付き合うって決めたんだから、俺も今は置いておくか。

 

「デートなんですから、張り切って行きましょう」

 

そう言って、流れる動きで俺の腕を取った宮瀬は

 

『お、おい・・腕なんか組んで、どうし・・・俺の腕はそっちに曲がらないーーー!!!』

 

宮瀬が、そんなに甘い訳無かったぜ・・・

こんな風に、彼女っぽく振る舞う演技をした時点で気付くべきだったぜ・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「反省しました?」

 

『うぃっす・・・』

 

あの後、店を出るまで反射的に叫び声を上げない程度の力で関節を決められ続けた。

俺の腕が生きてて良かった・・・

 

「それで、次はどこへ行きましょう?」

 

『とりあえず、ランチタイムに近いということで、モール内を見てまわる感じでどう?』

 

「ええ、良いですよ」

 

宮瀬とショッピングモール内を歩いてると、不思議な感覚になる。

小豆と歩いているのは家族と歩いているような感じだし、美夏と歩けば、ただ美夏に連れ回される。

いや、素の宮瀬ならきっともっと連れ回してくるか・・・

 

「悠木さんはペットとか興味無いんですか?」

 

『ん?無くはないけど』

 

宮瀬が視線を向けてる先にあるのはペットショップ。

 

「猫と犬・・・どっちが好きです?」

 

『まぁ・・・猫の方が好きかな』

 

ちなみにペットが居ないかと言えば今の家には居ないが、親父のところへ行けばいる。

母親が親父のところへ行く際に連れて行って猫が。

 

さすがに、俺1人で住む家に猫を置いておくわけにもいかなかったしね。

学生1人じゃ何があるか分からん。

 

「あっ、一緒ですね!」

 

『宮瀬も猫好きなの?』

 

「はい!ちょっと見ていっても良いですか?」

 

『おぉ、良いよ・・・それと申し訳ないがその間にちょっとお手洗い行ってくるわ』

 

「わかりました」

 

宮瀬を置いていくことに一抹の不安がないわけでも無いが、ペットショップなら大丈夫だろう。

髪を仕舞っていても美少女、性格はアレでも美少女だからなぁ・・・

1人にしても面倒な奴に絡まれても困るし、早めに戻るか

 

『・・・・・・・あぁ』

 

早めに戻ったのが仇となったらしい。

いや、絡まれてるわけでもないんだけど、面倒そうな匂いがする。

 

「にゃあ?にゃにゃにゃ」

 

満面の笑みで子猫に話しかけている宮瀬。

 

「にゃ、にゃあ」

 

『あの、宮瀬さん?』

 

いつ終わるのかもわからないから、ちょっと怖いものも感じるが話しかけざるおえなかった。

ただ、どうせやられるなら余計なことをしてしまうのが俺という男の残念なところ。

 

「にゃお?・・・・あっ・」

 

パシャ

そのまま、手まで猫の真似をして振り返る宮瀬さん。

スマホを向けて写真を撮った俺。

 

『あぁ、何かごめんな宮瀬さん・・・いや宮瀬ニャン』

 

「な!なななな//////」

 

『いや邪魔するつもりはなかったんだけど・・・』

 

「撮ったんですか!?////」

 

『いや、なんだ・・・めっちゃ可愛かったよ?』

 

「悠木さん!!!」

 

固まっていた手を下げ、猫の真似をやめた宮瀬がプルプルと震えている。

あっ、これはヤバイ!

 

『今のは仕方ないと思う!』

 

身を翻し、迷わず走り出す。

そして、すぐに宮瀬は俺を追って走り出した。

 

「写真を撮ったのが悪いんです!!」

 

『だから、可愛かったって言ってるじゃ無いか』

 

「そういうこと言ってるんじゃないですよ!!」

 

 

この命を賭けた?追いかけっこは昼時を迎えるまで続くこととなる。

周りから見たら、微笑ましい光景だっただろう

 

追いかけ回される当人の気持ちはさておいてだが・・・




こんにちはKeyです!
家で育てている植物がおおきくなりすぎて困っています(-o-;)
鉢を変えてみたはいいもののすぐにいっぱいになってしまいました。笑


【挿絵表示】


皆さん挿絵は見てくれたでしょうか?
ちょっと自分の考えていたような感じではなくなってしまいました。絵というのは難しいですね〜。
うまく描けれるように頑張ります!!
次は後輩の予定です
では皆さんまた次回で!

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