彼女の秘密を知った俺は逃げられない   作:whiterain

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どーもwhiterainです

この物語の進まない感
無駄に引っ張ってる?
そんなことはありませんよ・・・・

今回のkeyさんの挿絵に出てくる謎な生物。
あれを自分には可愛いと思えないぜ・・・

更に、私とkeyさんの打ち合わせミス?というわけではありませんが今回の話しに
登場しません!。
次話には出てくるかと・・・(^_^;)




4話 テストー3

帰り道、勉強会のために7人で俺の家に向かう。

 

俺、小豆、ミスター、美夏、正紀、絵里香はよくあることとまではいかないが割と俺の家に来たりも

するから、違和感は無い。

 

しかし、ここに才色兼備の猫を被った少女たる宮瀬 祈が混ざるだけで違和感しか生まれない。

 

『どうしてこうなったかねー』

 

思わず、ため息をつきたくなる。

 

「陽詩さん、ため息ばかりついてると幸せが逃げますよ?」

 

『そう言われてもな・・・』

 

今は、これからの勉強会を無事に乗り切ることしか考えてない。

 

「これを期に正紀から逃げ切ってみせるぜ!」

 

「何を言っているんだか・・・お前のパートナーは、お前の相手は俺だろ?」

 

ヤレヤレとミスターの肩に腕を回す正紀。

たまに正紀に危ない雰囲気を感じさせる。

 

『なぁ、絵里香』

 

「はい、何ですか?」

 

『正紀って、そのアッチっていうか、絵里香のことも大事にしているからそれは違うと思うけど

 どっちでもいけるってことはないよね?』

 

 

「あっち?どっちでも?あっちやどっちでもと言われましてもどの方角でしょうか?」

 

頭に?がいっぱい見える。

お嬢様というかたまに暴走するらしいが、純粋で心が綺麗な人を地でいく絵里香には通じなかったか

 

「あはは絵里香ちゃん、陽詩は正紀がホモなのか、バイなのか聞いてるんだよー」

 

『お前、直接的に言うやつがあるかよ!』

 

自分の婚約者は男が良いですor男も行けます。

俺なら、即婚約解消レベルだ。

 

「ホモというと男性同士で・・・って無いです無いです!私はそう信じてます!正紀さんが男性が好きなんて」

 

『あっ、絵里香声がデカい!』

 

「あちゃー、今のは間違いなく聞こえちゃったね」

 

絵里香の思わずでた大きな声は、ミスターと戯れていた正紀の耳にも届き、正紀は凄い形相でこっちを見ている。

訂正、睨んでいる。

ついでに、正紀に肩を組まれていたミスターの顔も腕が首に回って絞まり凄いことになっている。

 

「ひ・な・た!?」

 

ミスターをそのまま、横にポーンと投げ、そのままミスターが無様に倒れ伏す。

そのミスターを放置して、近づいてくる。

威圧感やべー!

 

『いや、お前が頻繁に怪しい言動を取るから悪いんだろ!?』

 

なぁ、美夏と言ってそっちを見れば、

 

「陽詩、そんな事言ったら失礼じゃない、駄目だよ?」

 

『お前はこっち側だ!』

 

さっきまで正紀がミスターにやっていたように美夏の首に腕を回して引き寄せる。

 

「きゃー、陽詩のエッチー!」

 

『適当な声音で言ってんじゃねー!』

 

「安心しろ、俺は男女平等主義だ」

 

『「あっ」』

 

美夏とそんなやりとりをしているうちに正紀は目のまで腕を組んで立っていた。

 

「あはは・・・」

 

『逃げるタイミングを見失ったな・・・

 仕方ない、正紀・・男女平等主義と言ったが、男としてやはり守らなければならない一線はあるだろう?』

 

「ほう、遺言か?聞いてやろう」

 

このわずかな時間、チャンスを俺はつかみ取る。

 

『男として、手を出してはならない存在とはどんな存在か?

 守らなければならない物とは何か?

 何が言いたいかと言うとだな・・・やるなら1人にしろ?』

 

「陽詩・・・何だかんだとやっぱり」

 

俺の腕の中に捕まっている美夏に目を向けてから、もう一度正紀に目を向け、

 

『やるなら、やるなら美夏だけにして俺は助けてやってくれないか?』

 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

冷たい視線が突き刺さる。

様子を伺っていた絵里香や、さっきまでこっちを見ていなかった小豆と宮瀬までがこっちを見てドン引きしていた。

 

「きっと言い間違えたのだろう?

 特別にもう一度だけ言わせてやろう」

 

「陽詩、もう間違えないでよ?」

 

確かにさっきのは間違えたのかも知れない。

頭の中でしっかりと整理して、深呼吸をして、心を落ち着かせてもう一度

 

『俺ではなく、美夏だけをやるんだ!』

 

「・・・・・・」

 

「陽詩・・・お前は美夏を助けて、自分が責任を取るんじゃないのか?」

 

『何を言ってるんだ・・・俺は痛いのが嫌いだ』

 

「私だって嫌いだよ!」

 

『大丈夫・・・美夏は痛い子だから』

 

「陽詩くん、さすがにそれは・・・」

 

「だから、お前に彼女が出来ないんだよ・・・」

 

うるせぇ、今更お前らに気をつかってどうするんだって話しだ。

 

「なんか、殴る気が無くなったな」

 

何か、冷ややかな目が止まらないし、未だ腕の中にいる美夏も固まっている。

 

とりあえず、助かったのだから良しとしよう。

 

『やったな美夏、俺たちの友情の勝利だ!』

 

「そんなわけ無いでしょバカ!」

 

『痛っ!』

 

腕を振りほどかれ、貰ったのはスナップの効いた良いビンタだった。

 

『ふふ、良いビンタだ・・・これなら世界を狙えるだろう

 だが、こんなんじゃまだまだ俺は止められんぞ!

 さぁ、俺にお前の気持ちをぶつけてみろ!』

 

「陽詩さん、せめて起き上がってから言ったらどうでしょう?」

 

「今のお前、スゲー格好悪いぞ」

 

『うるせ・・・』

素で返してくれる絵里香と呆れる正紀。

未だ、プリプリ怒ってる美夏の方を恥ずかしくて見ていられなくなり

横を見れば、静かなミスターが横たわっていた。

どおりで、声が聞こえないわけだ。

 

『こいつ、まだ復活してなかったのか』

 

安らかな顔して眠ってやがる。

とりあえず、ポケットに入っていたペンで落書きをしておく。

 

これが、俺の精一杯だ。

 

 

 

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「いつも、こんな感じなんですか?」

 

私は、今まで悠木たちのやりとりを見て、隣にいる柏田さんに尋ねた。

 

「あはは・・・お恥ずかしいところを見せました」

 

小豆さんは言葉とは裏腹にそれは楽しそうな顔で私にそう言った。

 

「でも、楽しそうですね・・・羨ましいです」

 

最後の声は思わず小さく漏れ出たものだった。

私にはあんな風にバカをやれる友達はいない。

 

私にもありのままで居られる友達が出来るのだろうか?

いや、ありのままを見せればきっとまた嫌な思いをすることになる。

私はもうあんな思いはしたくない。

 

「えっ、最後なんて言ったんですか?」

 

「いえ、何でも無いですよ」

 

私は完璧な優等生。

このキャラを崩すわけにはいかない。

じゃないと、思わずボロが出てしまう。

 

「悠木さんの家は遠いんですか?」

 

「ここまで来たらそんなに遠くも無いですよ、もうすぐ見えてきますから」

 

「そういえば、悠木さんと幼なじみ何ですよね

 ということはやっぱり家も近所なんですか?」

 

「はい! 陽詩くんの隣が私の家です」

 

「ふふ、陽詩さんの話しをするときは、柏田さんも嬉しそうですね」

 

「そ、そんなこと無いですよ・・・」

 

そうは良いつつも、顔を赤くして可愛らしい。

 

「そう言えば、宮瀬さんは陽詩くんと春休みに会いました?」

 

「!!?」

 

聞かれたことに嫌な想像が広がってしまう。

もしかして、既に知られてしまっていたの?

あいつは私との約束を破っていたの?

 

思わず、悠木の方を思い切り睨み付けてしまった。

そうしてから、ハッと今の状況を思い出す。

 

私はあんな表情を表に出してはならない、それにまだバレた決まったわけじゃないわ。

 

「確かに会いましたけど、悠木さん何か言ってましたか?」

 

「ううん、ただ陽詩くんは宮瀬さんのことを知らなかったみたいだから

 マフラーを着けた女の子を知ってるか聞かれたの」

 

私の名前を知らなかったということは、この話しがされたのは新学期が始まる前ってこと。

でもそれじゃ、責められない。

いや今、肝心なのは悠木が誰かに話したのかどうかという一点だけだわ。

 

「そうなんですか・・・あら、ちょっとすいません」

 

そう言ってスマホを取り出す。

送り先は一択だ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『もう、そんなに怒らなくても良いじゃん』

 

「陽詩にはこの私の傷ついた乙女心がわからないんだよ」

 

「美夏は乙女か?」

 

「乙女よ!」

 

「何でか横腹が猛烈に痛い・・・悪いな正紀」

 

「なに、どうということはない」

 

どうにか復活し起き上がって、ミスターも脇腹を抑えながらその原因の人物に支えられて歩いている。

顔の落書きは消えることなく、残っていた。

 

はは、どうしようやばいな

ミスターの顔に油性で書いちまった。

 

まぁ、ミスターなら良いか?

いや、大丈夫大丈夫、ミスター以外なら問題だけどミスターなら大丈夫だ。

きっと、ミスターなら許してくれるさ。

それよりも問題は、美夏が未だに、プリプリしながら歩いているということ。

それでもこの場から立ち去らない辺り本気でという訳でもないだろう。

 

『いや、さすがに巫山戯すぎたのは謝るからさ・・・ん?』

 

最近、鳴るとあまり良い思いが無いスマホを取り出す。

 

まぁ、さすがにこんな至近距離で送ってくるわけが・・・あったぜ

 

[いっぺん、死んでみる?]

 

『怖っ!!』

 

「どうしたんだ陽詩?」

 

『い、いや悪い何でもない』

 

スマホから、目を離す。

これはきっとどこかの地獄少女から間違って届いてしまったのだろう。

そういや、送り主の名前も見間違ったのかも知れない。

 

もう一度恐る恐る見てみれば

 

宮瀬 祈

[いっぺん、死んでみる?]

 

『・・・・・・』

 

何も変わらなかった。

 

え、マジで何もしてないと思う。

ちょっと、ああやって巫山戯たのすら認めて貰えないの?

 

悠木陽詩

[わたくしめが何かしたでしょうか?]

 

送り返したあと、宮瀬を見れば、スマホを持ったままこちらを見ていた。

 

宮瀬 祈

[急ぎ、聞きたいことがあるの

 あなた、柏田さんに私のこと話したかしら?]

 

宮瀬のことを小豆に?

そんなことを話した記憶は無いな。

わざわざ話すような事でもないし、リスクが高すぎる。

 

悠木陽詩

[別に話した記憶はねーな

 いや、初めて会ったときにマフラー少女を知ってるかって聞いた気はする]

 

打ち込んでて思い出す。

でもあれは、宮瀬と約束する前の話だからセーフだと思う。

 

宮瀬 祈

[後で詳しく聞くわ]

 

悠木陽詩

[危ないことは何も言ってないので、是非お手柔らかにお願いします]

 

マジで宮瀬信じて無いんじゃないかな?

これ、俺このあとの勉強会大丈夫か

いや、初めから大丈夫な要素はあんまり無いんだけど

 

「何かあったか?」

 

『うん?別に大したことはねーよ・・・はは』

 

ただ、この先の勉強会が更に憂鬱になりそうなだけのこと。

 

「美少女からか!?」

 

『お前は欲望に素直過ぎなんだよ!』

 

「大丈夫だ、俺は一途だからな美少女に」

 

『いや、そういう話しじゃねーよ

 つーか、括りが大きいわ!』

 

エロスで阿呆。

この点が無くなれば、いや阿呆でもこの欲望に素直過ぎるところだけ無くなればこいつなら

彼女出来ると思うんだが

いや、出来ても阿呆過ぎてすぐ別れるか。

 

『くそっ、そんなこと言ってるうちに帰って来てしまったか・・・』

 

「陽詩くん」

 

『ん?いま開けるけどどうした?』

 

俺が開けなくても小豆もうちの母親から合い鍵をもらってるから開けれるのだが。

 

 

「私、教科書とか足りないだろうから一度取りに戻るね」

 

『あぁ、今日の授業あったやつは持ってるけど、残りの教科に関しては無いもんな』

 

俺の分しかない。

他の面子を考えても、持っていそうなのは宮瀬と絵里香くらいだろう。

ミスターと美夏は言うまでもなく、正紀も無駄なものは持つタイプじゃない。

 

『そしたら、小豆が来るまで待ってるよ』

 

「うん、すぐに戻るから」

 

そう言って小豆は隣の家に走っていく。

 

『さて、明日に向けて頑張る準備は出来たか?』

 

鍵を開ける前に確認する。

 

正紀、絵里香、宮瀬はすぐに頷く。

 

駄目な子2人は

 

「「無理!」」

 

『あ、お疲れ様でした』

 

鍵を素早く開け、3人を家に押し込みドアを閉める。

 

「ちょっと待ってー!!」

 

「俺をのけ者にするなー!」

 

『いや、どうせしないなら良いじゃん』

 

今更語る話だが、この2人が来ると食費がかさむ。

そして、絵里香と正紀が来ると逆にお金が増える。

 

この4人が来ると収支は0になる。

 

「あの、良いんですか?」

 

そのままリビングに入ってきた俺に宮瀬が問いかける。

 

『大丈夫だ、どうせ少しすれば小豆が開けてくれるだろうから』

 

「柏田が来るまで、どうせやらないしな」

 

『そういうこと、始まるまでのしばしの休憩を楽しんでくれ

 俺は飲み物とお菓子でも持ってくるさ』

 

「あっ、私も手伝います」

 

『じゃあ、お願いするわ』

 

小豆が来るまで、10分くらいはあると思うから。

その間に準備できたら上出来だろう。

 

『正紀は机出しといてくれよ』

 

「言われなくてもわかってる、何度来てると思ってる?」

 

「あの、私に手伝うことは?」

 

『おっと、宮瀬は待っててくれ

 今日が初めてのお客様だ』

 

他の奴らは良く来るから手伝わせても良いだろう。

 

さぁ、テストに向けた勉強会を始めよう!




こんにちはKeyです!この頃寒くて布団から出るのがつらいです……

前回のあとがきに書いたとおり新キャラも追加させてもらいました!可愛いもの好きということでぬいぐるみっぽい生き物を描きました!何かに似ているのは気のせいですよ〜!笑


【挿絵表示】


次回の挿絵については特に決まっていません!それ以前に次回に間に合うかどうかわかりません……あとがきだけ書く事にならないようにしたいです
それでは皆さんまた会いましょう!

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