架空世界では俺の青春ラブコメは間違えない?   作:0ひじり0

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Ep.2

はじまりの街の広場に集められたプレイヤー達の真ん中に赤いローブを着た奴が浮いている。

 

そいつはこのゲームの開発者、茅場だと名乗ったと同時にゲームのクリア方法を告げる。

 

曰く、このゲームにログアウトはない。

曰く、体力が自分の命。

曰く、それが尽きればゲームオーバー。

曰く、ゲームオーバーは現実世界での死を意味する。

 

100層まであるこのゲームを、デスペナルティがリアルでの死とイコールである状態で行えというのだ。

クリアさえすれば、このゲームから解放されるらしい。

 

ある種のテロ行為である。ありえないがその言葉が真実とみて行動した方が良さそうだ。

 

そして配布された鏡を使用するとリアルの顔に戻ってしまった。え?架空世界でもこの目と付き合わないといけないの?なにそれ絶望的じゃねぇかよ。

 

ハチマン「てか、こんなアホな事より皆を探さねぇと。」

 

俺はそうぼやきながら走り出した。

 

――――――――――

 

あれから1ヶ月がたった。死者はすでに2000人を越えてしまっている。

あの時に見つけられたのは小町と一色だけだった。

 

しかし第一階層の攻略会議が行われると聞き、残りの三人が集まるかもしれないと二人を連れて参加した。

 

ディアベル「はーい。じゃあ、始めさせてもらいます。」

 

集まった広場には沢山の人で溢れている中、中央にある祭壇のような所で男が声をあげる。

 

ハチマン「あん?」

 

コマチ「どしたの?お兄ちゃん?」

 

ハチマン「いや、この声どっかで聞いたような…。」

 

コマチ「お兄ちゃんの知り合い…なわけなよね。」

 

ハチマン「おい。お兄ちゃんのHPはもうマイナスだよ?ポリゴン化しちゃうよ?」

 

可愛そうな目で指で目元を拭う小町。涙でてないし。そんな演技は要らんわ。

 

イロハ「…あっ!!先輩。あの人ですよ。ほら、あの……ざ…ざ……ざざざさんですよ!」

 

ハチマン「いや、お前ざしか言ってねぇし。何なの?壊れかけなラディオなの?」

 

良い曲だよね。あれ。

 

イロハ「うー…。」

 

俺の言葉に頬を膨らます一色。リスかよ。かわいいからやめろ。

 

ハチマン「あざとい。」

 

イロハ「もう!意地悪しないでください!!ほら、あの指に穴が空いた手袋して季節関係無く暑苦しいコート着たデブですよ!」

 

うん。本人が聞いたらショック死するな。これ。

 

ハチマン「あぁ、材木座か。うわっ!思い出したらあいつの顔が材木座に見えてきた…。」

 

なんだよ。こんなとこでも出てくんのかよ。俺のこと好きなの?キモすぎだわ。

 

とりあえず帰ったら一発殴る決心(※八つ当たり)をして話をそこそこで俺達は中央で仕切ってる材山(仮)からは少し離れた所でその話を聞いていた。つか、なんか顔と性格は劣化版葉山みたいだなあいつ。

 

イロハ「うわー。なんか葉山先輩のダメなバージョンみたいな人ですね。先輩。」

 

ハチマン「確かにそうだな。つか、考える事は一緒かよ。」

 

イロハ「はっ!?もしかしてそうやって口に出して俺とお前は通じあってるぜ。的な事を伝える魂胆ですか?遠回し過ぎますし、ムードとかもあったもんじゃないですからもっと直接的にムードを作ってから出直して来てください。ごめんなさい。」

 

うん。早口過ぎて全く意味がわからんかった。途中で聞くのを放棄するレベル。

 

ハチマン「いやいや。だから俺は何回フラれたらいんんだよ。てか、噛まずによく言えるな。」

 

俺なら一文も言えずに噛んで噛みまみただな。なにそれ?キモいな。

 

コマチ「……ゴミいちゃんめ。」

 

ハチマン「いや、俺は悪くないよね?」

 

しまいには小町までも呆れる始末。意味がわからん。

 

材山(ディアベル)「それじゃあ、6人でチームを組んで下さい。」

 

出たよ。ソロプレイヤーに優しくない提案。やっぱりあれだな、全人類がぼっちになったら人類が補完されて平和になるな。ぼっち最強。ぼっち万歳。

 

ユイ「ヒッキー!!コマチちゃーん!!イロハちゃーん!!」

 

脳内でぼっち会議(勿論議員は俺1人)を繰り広げていると聞きなれた声が聞こえた。

 

コマチ・イロハ「「ユイさん(先輩)!!!」」

 

声の方を向くと此方に向かって走ってくる由比ヶ浜が見えた。小町と一色は直ぐに走りだし、抱き締め合う。

 

ユイ「えへへ…1ヶ月ぶりだね。」

 

コマチ「はい…心配しましたよ。」

 

イロハ「わたしもすっっっごく心配しました!」

 

三人は涙を浮かべてお互いを確かめ合う様に声を掛け合う。

 

ハチマン「まあ…なんだ………その…おかえり。」

 

自分の顔が赤くなるのがわかり、そっぽを向きながら由比ヶ浜の頭をポンポンと撫でる。

 

ユイ「ヒッキー…うん!!ただいま!!!」

 

満面の笑みを浮かべる由比ヶ浜。それはまるで太陽に向かって満開の花びらを広げる向日葵の様で見とれてしまう。

 

キリト「あ、いたいた。」

 

少しの間見つめあっていたら由比ヶ浜が走って来た方から少年とフードを被った人が走ってくる。

 

キリト「急に走って行ったからびっくりしたよ。」

 

ユイ「あ!ご、ごめんなさい。」

 

走って来た男が由比ヶ浜に話しかけると、しゅんと項垂れた由比ヶ浜が謝る。

 

ハチマン「ユイ。誰だ?」

 

いくらゲームでも流石にいきなり話しかけられる訳もなく由比ヶ浜に聞く。

 

ユイ「あ、紹介するね?1ヶ月前に助けてくれたキリト君とさっき仲間になったアスナちゃんだよ。」

 

ニコニコと紹介する由比ヶ浜。なるほど、命の恩人って訳か。

 

ハチマン「なんだ。ツレが世話になったみたいだな。ありがとう。俺はハチマンだ。」

 

軽く頭を下げながら自己紹介をする。

 

コマチ「コマチです!お兄ちゃんのリアル妹です!!」

 

ビシッ!!と音がなりそうな敬礼をする小町。

 

イロハ「イロハです。よろしくお願いします♪」

 

一色は営業スマイルで自己紹介をしていた。

 

キリト「いや、こんな状況だし、持ちつ持たれつだから気にするなよ。」

 

ハチマン「そう言ってもらえるとこちらもありがたい。所でパーティーは三人なのか?」

 

キリト「あぁ、そっちもか?」

 

俺の問にキリトは軽く頷きながら答える。

 

ハチマン「こっちも三人だ。合わせたら6人だから他に宛がないなら俺達とパーティー組まないか?」

 

キリト「いいぜ?よろしくな。」

 

キリトは承諾し軽く握手をかわす。おぉ、なんか青春っぽいな。

 

キリト「じゃあ、ボス討伐までは時間があるし、連携とレベリングも兼ねて軽くモンスターでも狩りにいかないか?」

 

ハチマン「そうだな。働きたくはないがお互いに実力は見たいしな。」

 

俺達6人はフィールドに向かって歩き出した。

 

この世界でこんだけ働いたんだから帰ったら専業主夫でもいいよな。…………ダメ?




次回は6人でレベリング&ボス戦です。

今回2500文字だったのですが、途中から詰め込んだ感じになってしまいましたので少しだけ文字数を上げて3000~4000位に変えさせていただきますね。
大変申し訳ありません。

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