東方天邪録 転生したら天邪鬼 作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神
さてさて、荷造りOK
心の準備Ok
「うぅ.....あたしは寂しいよ.....」
留守番、OK!!
観光の準備はできた。
見てわかるとおり正邪ちゃんは留守番です。
正邪ちゃんにはやっぱり家を守ってもらわなきゃ。
変な妖怪が家を『もっと燃えるがいいや!!』とかして来た時の為のセコムとして。
小僧派手にやるじゃねぇか!!
そのさい正邪ちゃんにはドーピングをしておいた。
以前チルノちゃんにやったあれだ。
所謂EX化である。夢があるね。
元がどれ位かも分からないし、今も測れないけど、まぁ心配する程じゃないと思う。
「それじゃあ行ってくる」
「あぁ。気を付け.....なくても大丈夫か。ご先祖なら」
この子は俺を何だと思ってるんですかねぇ.....。
俺はただの天邪鬼だぜ。
「土産はあれば持って帰ろう」
「土産話だけでも良いけどね」
そう軽く交わして、俺は飛んだ。
前ほど馬鹿みたいな速度じゃない。
気付かれない様にこっそり(爆速)と行っている。
数秒もせずに到着。
さて、どうやって入るかだが。
「.......気まずいんだよなぁ」
あの、天井ぶち破っちゃったし、メイドさんは吊り上げちゃったし.....。
そこに天啓が。
「ピロピロ!!」「ピロピロン♪」「ピロロン!!」
元気に庭をお掃除する妖精達が外からも見える。
「.....zzzz」
オマケに眠る門番も。
俺が思いついた作戦はこれだ。
「私の姿はこの様な物じゃない。あの妖精と瓜二つだ」
そう!!メイド妖精として忍び込むのだ!!
「ピロピロ」
普通の言葉が喋れなくなった。
手や足も小さくなった。ほっぺは柔らかい。
上手く妖精になれたので、早速侵入しよう。
館の中に上手く入り込んだ。
前も来たが壁も床も真っ赤だな。
少し気分が悪くなりそう。
適当に漂っていると、前からメイドさんが歩いてきた。
「......貴女、どこの掃除担当かしら?」
「ピロピロ」
「何を言っているかわからないわ」
そりゃそうだ。妖精だもの。
「.......まぁ、貴方達に何を言ってもわからないわよね」
軽くため息を付くメイドさん。
確か名前は咲夜さんだっけ?
「早めに戻るのよ?」
そう言って行ってしまった。
とりあえずバレずに済んだ。
それでは安心して探索を続けよう。
大きな扉を見つけた。
開けてみると、莫大な量の本と本棚が並んでいた。
ここは.....『大図書館』か。
となるとここに居るのは十中八九.....。
「......。」
紫色の髪をしている女性が静かに本を読んでいる。
パチェリー・ノーレッジ。別名『七曜の魔女』
または、『動かない大図書館』『ムキュー」
声を掛けてみよう。
「ピロピロ」
「......。」
無視しているのか気付いて無いのか。
これ以上邪魔するのもあれなので出よう。
次に来たのは、階段を上がった上にある扉の前。
開けてみると。
「おねーさまー♪」
「ちょ、フラン!?今仕事中なのだけど.....」
「......おねーさまのお仕事って鏡の前でカッコつけることなの?」
「うぐっ!!そ、それは、あの、そう!!紅魔館の主としての威厳を!!ね!?」
「はいはい」
百合百合が展開されていた。
扉をそっと閉じた。
館の中をあらかた散策し終わり、門の前に来た。
未だグースカ寝ている門番が1人。
伝えたいことがあるので起こさせてもらおう。
「ピロピロ」ペシペシ
「ムゥ......。咲夜さん.....?」
目を擦りながら寝ぼける門番。
......少し驚かせてやろう。
「ん?妖精ですか?」
「ピロピロ」
心の中で念じる。
私の姿は妖精ではない。以前の物だ。
「え?」
「あのメイドに伝えて置いてくれ。今度は、客人として招かせてもらおうとな」
そうして飛び去った。
後ろから門番の絶叫が聞こえてくる。
さて、次はどこに行こうか!!
紅魔館になると調子が悪くなる作者である。