それとタイトルもにじファン時代のに戻しました。多分。
ワードのタイトルはご都合主義を〜になってるのですが、ネットでどこかに保管的なことされてないかな〜と調べていたら、うちは一族として生き残るがタイトルだったらしい。
確かにそうだった気がする。
と言うわけですでにお気に入りにしている方には混乱させてしまいますが、そのようにご理解ください。
「・・・はぁ、今日もまた修行か。」
毎日のように演習場に通い詰めるヒビキ。
今日は写輪眼で盗み見たイタチの手裏剣術の模倣が目的だ。
写輪眼はありとあらゆる忍術、体術、幻術を見切ることが出来るがゆえに見切った技を真似ることが出来る。
が、これにはもちろんそれを成しえるだけの下地があって初めて可能なこと。
チャクラを大量に消費するならチャクラが無ければ無理だし、手先の器用さが求められるならそれだけの器用さを持ち合わせて無くてはいけない。
ただ写輪眼で見切ったからと言ってもうちはなら誰でもすぐにコピーできるというのはお門違いなのだ。
だからこそ千の忍術を模倣(コピー)した忍者としてカカシは有名になったのである。
普通はそこまでの数を模倣するのはうちはでも無理だ。
つまり何が言いたいかと言えば、模倣眼としての側面も持つがそれは不完全なものであるため、一度見た技でも多少成りの練習が必要であると言うこと。
手裏剣術を始めて一週間。
かなり様になってきた。
やはり手先の微妙な動きすらも見切る写輪眼さまさまといったところだろう。
普通に見るだけでは年単位の修練が必要だった。
ただこうも小さな頃からずっと修行だと元日本人である彼にとって若干以上に飽きてくるのは仕方が無い。
しばらく休むのもいいかなぁとか思っても、こうしてる間にもイタチが強くなっている!とか考えてしまいろくに休めない。落ち着かない。
であるならばいっそのこと修行していた方が有意義であろうとのことだ。
そして今日も演習場に来ている。
もう半ば強制的であるがゆえになおのことやる気が沸かない。でもやらないと死ぬ。
うんざりしながら今日も特訓し続けるのである。
早くイタチとマダラが襲ってくる日になって欲しいと思う反面、もっと遅くなって修行する時間を稼ぎたいと考えながら案山子に向かって手裏剣を投げる。
スコンスコンと軽快な音を発てて、演習場の案山子に手裏剣がささる。
イタチの当て投げ投法も結構な命中率になってきたと思うが、これが動く的だったらまず当たらないというレベル。
常に写輪眼は使っているので、どう投げるとどう飛ぶかが分かっている。それでも難しいのがイタチの手裏剣術。
真面目な話、彼が火影でもいいくらいだ。戦闘力という観点だけで言うならばだが。
なんてことを考えながら特訓をしていると。
「・・・こんにちは、ヒビキ。」
「ん?うん。こんにちは。」
演習場で特訓しているヒビキに声をかける人影があった。
うちはタマモである。
「・・・今日はアカデミーもないよね?」
「休みだけれど、それが?」
「えと・・・ううん・・・別に。」
「そ。」
会話終了。
あまり喋りたがらないヒビキと自身の劣等感(コンプレックス)のせいか内気な人間であるタマモ。
当然の結果である。
ヒビキは話しながら手裏剣を投げ続ける。
ちなみに当て投げはしない。
まかり間違ってイタチにそれが伝わり、「俺以外にも強くなろうとしてるヤツがいるのか。俺も負けてられないな」みたいなやる気を出されたら叶わない。
もう最近はイタチを見るたびいっそのこと殺して・・・みたいなことを思ってしまうから考え物だ。結構追い詰められていることを自覚してきたヒビキである。
多少のゆとりを持った方が良い。
「あの・・・」
「見ての通り忙しいんだけど?」
「・・・ご、ごめんなさい。」
「・・・何?」
何か言いたそうにしてたタマモを見て、手裏剣を投げるのをやめて向き合うヒビキ。
たまには誰かとゆっくりおしゃべりするのも良いかもしれない。
「い、忙しいならいいよ。ご、ごめんね。」
「別に忙しくないよ。」
「いや、でも今・・・」
「じゃあ言い方を変える。忙しくなくなった。だから・・・えと・・・お喋りでもする?」
「う、うん!」
嬉しそうに答えるタマモだった。
お喋りの内容は日々の他愛の無いこと。
修行のこと。写輪眼についてなどもろもろだ。
「・・・その・・・えと・・・手裏剣の投げ方を教えてください。」
「・・・私に聞くより親に・・・ああ、今はまだ戦後処理が忙しい時期か。」
例えヒビキがうちはであろうと今の段階ではさすがに大人の忍にはあらゆる点で見劣りする。
ゆえに親に聞いた方が良いとおもったのだが、今はまだ戦後処理で忍は引退した者まで借り出される始末。
ヒビキの親と同じで彼女の母親も忙しいのだ。
「・・・分かった。いいよ。」
「ほ、ほんとっ!?」
「まず手裏剣を構えて。」
タマモは嬉々として手裏剣を構える。が、興奮して刃の部分を持ってしまったのかブッツリと指を切ってしまった。
「っあう。」
「・・・何やってるのさ。」
「ご、ごめんね。」
「私に謝られても・・・どんくさいなぁ。」
「ご、ごめんなさい。」
「だから謝ることじゃなくて・・・」
「・・・。」
笑顔から一点、悲しげに顔を伏せるタマモ。
ヒビキはため息を吐きつつ。
「ほら、もう一度構えて・・・」
「ほんとにごめんね・・・。」
そのまま走り去ってしまった。
再度ため息を吐くヒビキ。
「謝るくらいなら僕の善意を無碍にするなと言いたい・・・。」
呆然と走り去るタマモを見ていたのだった。
特訓する気勢も削がれ、みたらし団子を買って帰るのだった。
☆ ☆ ☆
次の日、アカデミーをタマモは休んだ。
何かおもうところでもあるのか、はたまた単純に風邪でも引いたのか。
「ヒビキ、俺と組み手しないか?」
「おことわる。気分が向いたらね。」
「そうか・・・残念だ。」
この前の組み手以来、こうして組み手を誘ってくるイタチ。
こちらとしてもイタチの力量を測れる機会なのでイタチが奮起しない程度に戦う分には構わないのだが、比喩ではなく戦えば戦うほど強くなるイタチ相手にあまり組み手をしたいとも思えず、なんだかんだで一週間に一回の頻度くらいが大体だ。
それが分かっているくせに毎日誘ってくる目の前のイケメンを意に介さず、ヒビキはアカデミーを出て行く。
そのまま帰りにみたらし団子を買って向かった先はうちはタマモの家だった。
うちはを追放されたとして有名であるから家の大体の位置は分かるのだ。
「ごめんください。」
呼び鈴が無かった。
付けとけよと思いつつ。さらに言えば家自体もかなり古めかしい。
もしかして呼び鈴をつけるお金も無いのだろうか?なんてことをちょっと思った。
「あら?
いらっしゃい。」
「あ、えと・・・」
「タマモのお友達かしら?」
「・・・そうです・・・多分。」
知人の方が正しかっただろうが、多少表現が過剰になるだけと思い肯定した。
違うとタマモ本人から言われたら言われたで、前言撤回すれば良いだけの話。
「多分?
わざわざ娘が休んでいたのにも関わらずやってきてくれたのよね?
赤の他人が来てくれるとも思わないし・・・」
タマモと同じちょっとウェーブした髪の毛を揺らして首を傾げるタマモ母と思われる人物。
「うちはヒビキです。
それで風邪ならと思って見舞いに来たのですけど・・・」
実際は昨日のことでちょっとモヤモヤとした部分を解消しようとしてやってきただけに過ぎない。
なんというか、あんな感じに帰られると誰だって後味が悪いだろう。
「ああ、ごめんなさいね。ちょっと引越しをしようと思っていて、それで娘にも手伝ってもらっていたの。」
「引越し?」
「ええ、少し纏まったお金が入ったものだから・・・」
悲しそうに言う。
纏まったお金とは保険金的な物だ。
夫が死んだことで里から殉死した尊い犠牲に報いるものをみたいな感じで纏まったお金がもらえた。
別に今まで越すための金が無かったわけではないが、これを機に新しい家に引っ越そうと言うのだ。
今まで使っていた家では死んだ夫を強く思い出すということで。
中にはむしろ忘れたくないと考える遺族もいるだろうが―ヒビキ一家がそうである―今回彼女達、母娘は去ることを選んだのだろう。
「・・・心配して損した。」
風邪の時は弱気になる。
もしくは昨日の一件でアカデミーに行きたくないとか言われたら寝覚めが悪い。
励ますというほどの意志はないけれど、謝られる筋合いは無いと言いに来たのだが無用な心配だったようだ。
勝手に心配してるだけだろ?と言われてしまえばそれで何も言い返せないけれど、多少の不満が沸いてくる。
「あ、ヒ、ヒビキ君。こんにちは?
どうしたの?こんなところまで来て?」
「たまたま通りかかっただけ。そしてなぜ君付け?」
風邪か気負いか。
とりあえず精神的に参っていただろうから、お見舞いの団子まで用意したと言うのに空ぶった。
サッと団子を隠したヒビキである。
そして通りがかった際にちょっと気になってという体を作った。
タマモ母はニヤニヤしている。
「え?
ご、ごめんなさい・・・ヒビキさんは・・・いえ・・・そのつい・・・」
「ついって何だよ。」
「下手な男の子よりも振る舞いが男らしいから・・・」
「・・・女らしくないと?」
「ご、ごめんなさい!」
「別に怒ってないよ。・・・むしろ嬉しい。」
「え?」
「何?」
「あ、いえ・・・なんでもないです。」
振る舞いが男らしい。
中身男であるヒビキにとってこれほど嬉しい事は無い。
自分の男らしさは女になっても内から溢れ出てくるということである。
「どんなところが男らしい?」
無表情を心がけているヒビキにしては珍しく笑顔で聞くヒビキ。
顔が近いのもあって、ちょっと照れたのか頬を赤くして答えるタマモ。
「あ、えと・・・言葉がぶっきらぼうなところとか・・・」
「・・・さいですか。」
一気に落胆するヒビキ。笑顔が一瞬で無表情に切り替わった。
男らしいと言うのは結構単純なところから来ていて、身から溢れ出る男オーラなんてものは無かったようだ。
はしゃいだせいか、団子の入った袋がタマモの目に入る。
あっと気づいたヒビキはこの際だから押し切ってしまうことにした。
「私はもう食べ過ぎたからいる?みたらし団子。嫌い?」
「だ、大好きですけど・・・良いんですか?」
「食べ過ぎてお腹一杯。これ以上食べたら太る。というわけで食べてくれたら嬉しい。」
「でも悪いですし・・・」
「じゃあ言い方を変えよう。
食べてくれると嬉しい。」
「・・・は、はい。」
こうして2人はちょっとだけ仲良くなったのだった。
感想の疑問について。
>うちはは六道仙人から精神エネルギーを受け継いだのであって身体エネルギーは多くないのでは?
a.確かにそういう設定がありますが、一般的な忍よりは身体エネルギーも高いと言う解釈をしています。いくら精神エネルギーがあっても天照だのなんだのとを連発させるうちはの身体エネルギーが一般の基準より低い訳がないと言う考えです。
>九尾事件の時、イタチは五歳だ!
a.作者の確認不足です。
生まれたばかりのサスケをあやしてるイタチの、見た目から判断した年齢です。
14あたりで暗部に入ると言う点は変えないつもりです。