もしくは何かの任務を何個か挟むかもしれない。(低確率。なぜなら思い浮かばないから。オリキャラの適役は作りたくない、かといって原作に出てきた適役で年代が合っていて、いい感じの敵が思い浮かばないということで中々難しいかも。)
もしくは日常パートを挟んでいくか。
シスイとイタチを絡ませておきたいんですよね。
読者に感情移入させたいんです。「イタチとシスイは兄弟みたいだなぁ」風に。
中忍になると庇護下から抜け出して難しくなっちゃうから、やっぱりここで絡ませる話を、と思うけれど、グダる気がするんですよね。
・・・難しい。
それから三か月が経過した。
ヒビキ達は着々と任務をこなしていき、今ではCランクからBランク任務を行うのが常となっていた。
そんなある日、シスイのもとにとある男が訪ねてきた。
「順調なようだな、シスイ。」
「フガクさん、こんにちわ。」
うちはフガク。
イタチとサスケの父親であり、現うちは頭領かつクーデターにおける首謀者でもある。
「わざわざ家にまでご足労いただくとは申し訳ない。
仰っていただければ此方からお伺いしたのですが。」
「前置きは良い。
申し訳ないが、いろいろと忙しくてな。
手短に済ませたい。」
「そうですか、それで、ご用件は?」
呆けるシスイに若干の苛立ちを込めてフガクは写輪眼状態で睨む。
「飄々としているお前の態度にも些か飽きた。
いい加減に真面目に聞け。
分かっているだろう?
クーデターの件だ。」
「それは再三にわたってお断りしたはずです。
俺はクーデターに加担するつもりは微塵もない。」
「なぜわからないっ!?
このままではうちはは蔑ろにされたままなのだぞっ!?
薄々ではあるが年々、里のものが我らに対し壁を作り始めているのは分かっているだろう?
いずれ・・・より肩身が狭くなっていく可能性も低くはない。」
フガクがクーデターを行うのは当然ながら一族のためだ。
昨今、警備に関する部分を担う、うちはに対し反感が出てきた。
当然ながら警備をするうえで犯罪者を取り締まる彼らの仕事は逆恨みを受けやすい立場にあり、なおかつうちはは『エリート』とされる一族であり、嫉妬や妬みの対象になりやすく、少ないながらもうちは一族の子供が逆恨みで殺されるという事件が年々増えつつある。
それに対してうちはとて黙っていられるわけがない。
元々、愛情が深い彼らは子供を殺されて黙っていられる性質ではないのだ。
なぜそんなことをするやつらを守るために恨み役を買って出なくてはならないのだろう?という疑問視の声も当然、上がっていた。
警備に関することを丸々任されている、もとい権力が強めという部分からそこに増長も加わって、今ではフガクですら抑えきれないレベルに膨れ上がっている。
それでもなんとかクーデターが起きてないのはそれすなわりフガクの手腕に他ならない。
が、それも爆発するのを引き延ばすのがせいぜいである。
そしてさらにはうちは一族の減少もまたそれに拍車をかけた。
うちははなまじ能力が高いだけに戦争でも矢面に立たされる機会が多く、それによって死んだうちはもバカにはならない。
里に対する影響力や、立場が弱くなっているのを危惧しているのだ。
こういった様々な理由から彼はクーデターを起こさなくては、いや、起こさざるを得ない状況になってきているのである。
当然、フガクとてそんなことをすれば様々な部分で良くないことが起こるのは分かっているのだ。
分かっているが。
なまじ愛情深いだけに家族を、身内を殺された部下たちに対して『そこをこらえてこその忍だろう』などという声をかけることはおろか、励ますことすらできなかった。
もしも自身の息子が殺されたら、妻が殺されたら?
そんなことを言われて止まれるはずがない。
何よりも、何よりもだ。
うちはであれば、クーデターの成功率が低くはないということが一番の理由だった。
なまじ可能性があるから夢を見たがる。
見てしまう。
ここでクーデターの成功確率が低ければただただ涙を呑んで、必死に堪えていただろう。
さしものうちはとて、さすがにそこまでの阿呆ばかりが集まっているわけではない。
しかし現実として成功できるビジョンが見える。
ビジョンが簡単に思い浮かべることができる。
実に困った話だった。
フガク個人としても許せなかったのだ。
戦争で、そして逆恨みで殺された同胞たちのためにもこのままうちはが衰退していく経過を見ていくなど耐えられなかった。
一族としての誇り、情や義理。
様々なしがらみゆえに彼はクーデターを起こすことを決めた。
「俺は今でも反対です。
そんなことをしてどうなるんですか?
里全体に身内を失ったという悲しみを広げるだけです。
そんなの・・・ダメなことだってことぐらい・・・」
「分かるとも。
だが、止まれんのだ。
・・・俺はな。
子を失った部下にかける言葉が分からない。
恋人を失い、自暴自棄になった女にどうすればいいのか分からない。
師を亡くした同朋に何を報いてやればいいのか分からない。
それらすべてが里に、里が強いたことだと里のせいにする仲間たちに対する説得の言葉にどう反論すればいいのかわからんのだ。
いや・・・まだ、な。
まだ、うちはに対して里が真摯に努めてくれるならば良かったさ。
が、現実は違う。
疎ましく思われてる。
結果死人も出ている。
命を懸けてまでも報われなかった同朋に俺はなんといえばいい?
挙句の果てにはうちはの衰退だ。」
「・・・。」
「バカな真似をしているという自覚はある。
あるさ。
けどな、これだけは言っておくぞ、シスイ。」
「・・・。」
「どうせなら殺してくれ。
・・・ほとんどの遺族が言った言葉だ。
こんな辛い思いをするくらいなら死んだ方がマシだってことだ。
むしろ死にたいからこそこんなことをしでかすのかもしれないな。」
「間違ってる・・・そんなの間違ってるでしょう?
本気でそんなのを認める気なんですかっ!?」
「じゃあ、お前がどうにかして見せろ。」
「・・・っ!」
フガクのセリフにびくりとするシスイ。
「情けない限りだがな、俺には同朋の意を汲んでやるのが精一杯なんだ。
本当に、情けない限りだが。
まさか俺が何もしてないとも?
当然、したさ。
考えうるだけのことはした。
恋人を失った女には新しい男を紹介してやったし、子を失った部下には長い休みを与えた。
師を亡くした奴には俺自身が師になってやった。
里のせいにする奴らにも、それは違うって真摯に、丁寧に、熱心に、これでもかってくらいに、しつこくねちっこく何時間もかけて、何度も何度も説得した。
でもな。」
フガクは今にも泣きそうな顔で淡々と言った。
「
「・・・っ。」
最後にフガクは言ったのだ。
「同朋の一人も救えないこんな俺でも・・・俺はうちはの頭領なんだ。
火影じゃない。
里かうちはかを選べといわれれば、うちはを取る。
当然の帰結だな。
あいつらを見捨てられるものか。
切り捨てれるものか。
・・・ゆえにどうにかしたいというのなら、無力でお飾りな俺に言うのはお門違いだ。
お前が一人ひとり説得しろ。
チャレンジするだけならタダだ。」
その言葉を聞いて、シスイの頭にはタダよりも高いものはないという言葉がふと浮かんだ。
確かにその通りだ。
お金で解決できるなら何年かかってでも、それこそ死に物狂いで里の予算並みに稼いできてやるつもりだった。
が、これはどうにもそれよりも簡単だとは思えなかった。
「一応、できる限り爆発するその
とはいってもそれは長くない。
あと4、5年だ。
せいぜいがそのくらい。
それを頭に入れて動け。
話は終わりだ。
邪魔したな。」
と言って去るフガクが消えた後には無力感に苛まれるシスイが残るだけであった。
今回の話はシスイメイン。
原作ではシスイがクーデター阻止しようとしてた、みたいな話があったのでそれの動機的な立ち位置を書きたかった。
まえがきではいろいろ書いたけど、次回はイタチ視点(三人称なのは変わらない)で書きたいとも思っていたり。