おはこんばんちは!
ただいま、料理の最中で御座います。
いやー、久々の休みに何しようかなと思いまして料理をすることにしました。
まぁ、料理と言っても燻製肉なんですけど!
現代と違い食べ物関係ではやはりと言うべきか少し劣ってしまいます。
カレーやハンバーガーは勿論、炭酸飲料もジュースもないです。
最初の頃は本当にきつかったですね……。
満足に食べれず、食べ物も水も合わなくて無気力になりました。
あの時は生きる為に村の人に受け入れられるのに必死で……。
華佗達がいなかったら生きていなかったでしょうね。
とまぁ……俺の昔話は置いといて燻製肉ですね。
この時代のは燻製と言うか干し肉なんですけどね。
なんの味付けもない肉を干しただけなんで、現代人の自分には少々物足りません。
ビーフージャーキーとまでは言いませんが、それなりのを食いたいです。
荀彧様との飲み会の時のツマミは果物関係とかが多くて多くて……。
枝豆、刺身に馬肉が食べたいです。
まぁ……どれも無理なんですけどね。
故に燻製肉ぐらいはと思っていましてのこれです。
燻製肉なんですけど……。
塩と肉だけで済むので安上がり! ……とはいかないんですよ。
この時代、塩は国が管理販売をしてまして価値が高いんです。
少量でもそれなりの値段でいやはや参りますね。
本格的に作りたい所ですが、自分の記憶だと一週間ほど冷蔵庫で寝かせないといけなかったと思います。
勿論、この時代に冷蔵庫なんてあるわけもなく作り方なんて知りませんので簡単な物にします。
買って来た肉に小さな穴を幾つも開け、塩を塗りこみます。
塗り込んだら竹の葉などで包み密閉して少し置きます。
この際になるべく涼しい所に置かないと腐りますので注意。
暫く置いたら、水の張った鍋に突っ込み塩抜きをして風通しの良い所で乾燥。
いい感じになったら適当に作った燻製専用機に突っ込んで下にお手製のチップもどきを入れて発火。
後は適当に燻して出来上がりですねー。
実際は温度とかあるんでしょうけど、温度計とかありませんし、適当です。
まぁ、作ったのは初めてで記憶も薄れてるのですが、それなりにはなるでしょう。
冷蔵庫とか欲しいな。
げふん、げふっ……ちょっと手違いが合った模様。
煙が凄いっす!
げふげふ……でもいい感じに燻されて良さ気だと思うな!
「……な! じゃないわよ。大馬鹿者!」
……。
煙がもくもくと上がる燻製肉作るぜ!君一号を眺めていたら、頭から水を掛けられた。
雨かと思ったが、まるでバケツを引っくり返したような雨量で驚きます。
「馬鹿なの死ぬの? いなくなる? 火事だと思ったじゃない!」
……こんばんは。荀彧様。
というか火事じゃないと分かった時点で俺に水を被せる理由は……。
「重かったし、有効に使わないと勿体無いでしょ」
俺に被せるのは勿体無くないんですね。
何事かと後ろを見れば呆れた表情で桶を持っている荀彧様が居た。
桶を此方に被せ、怒りながら両手を腰に当て頬を膨らませている。
大変可愛らしいです。
「それであんたね……城の隅っこで何をしてるのよ!」
何って……料理してました。
「はぁ!? 料理って……アホなの? 一回死ね!」
死にません、肉を燻して燻製肉を作ってるんです。
というか、昨日隅っこ使わせてくれるように許可頂いたじゃないですか!
「したけど、火事にでもなったらどうするのよ! というか物を燃やすな!」
あぁ……やっぱり駄目でしたか。
今現在お城の隅っこを使用してます。
家でこんな事を出来るわけもなく、調理場ですれば大惨事。
故に外でと思うのですが、いい場所が見つからず、こうして隅っこをお借りしてました。
ちなみに借りる際に何に使うのかを言ってないので言い返せません。
「取り合えず、やめなさい」
はーい。
「はいは、伸ばさない!」
撤収を命じられ素直に応じる。
既に辺りは真っ暗、昼からずっと燻していたので既に出来上がっている。
というより夜になって煙が目立ちバレた模様。
おー出来た。
「……カッチカチじゃない」
これでいいんですよ、保存食ですし。
燻製肉を取り出し、確認する。
お肉は水分が完璧になくなり、棍棒のようにカチカチだ。
それを少しナイフで削り食べてみる。
しっかりと塩味が効いていてただ干しただけの肉より美味しい。
うまうま。
「へー……塩を使ったのね」
気付けば、荀彧様も『男の癖に生意気ね』と言いつつ、ナイフで削り勝手に食べている。
人の物を! と思うも美味しそうに食べてるのでよしとします。
というか、この人男性が作った物大丈夫なんですね。新たな発見。
それはそれで、燻製肉の出来のよさに今日はこれをツマミに一杯やるもいいなと夢がひろがりんぐ!
何より塩を使い、水分を飛ばしてるので保存が長く利きます。
冷蔵庫がない時代では優秀な食べ物です。
さてと……食べますか。
「こっちを食べるんじゃないの?」
そっちの硬いのは、チビチビとやる用です。
今日はこっちの水分が抜けきってないほうを食べます。
取り出したのはカチカチのにより時間を少なく燻した物。
簡単に言えば、ベーコンもどきである。
「むっ……」
匂いは普通にいいな。
残った火で軽く炙ればいい匂いが辺りを包む。
油も滲み出し、肉汁がじゅわっとあふれ出す。
燻してあるので軽く炙り、一口口に入れる。
うへへ……美味い。
「……九十九」
何ですか?
「これ少し貰うわね」
へぁーー!?
ベーコンもどきを食べていれば、何時の間にか荀彧様も食べていて、そんなことを言ってくる。
なんと言う横暴。
たえと上司と言えどもそれは、まかりとおりません!
断固として男らしく拒否させていただきましょう。
残念ながらそれは……。
「あんたね……調理場以外のところから煙が出てるのに騒ぎにならないと思ったの?」
……。
「あと華琳様に今日飲みに誘われてたのよ。丁度いいわね、これ」
……少しだけですよ?
「普通、華琳様のお口に男が作った物なんて入らないんだから光栄に思いなさい」
いや、あの人普通に食べますけどね、美味しければ。
「なんか言った?」
何も言ってません。
どうやら迷惑をかけていた模様。
許可を得たとはいえ少しやり過ぎたかと反省し献上する。
流石に上司に更に曹操様に出すというなら断れないのもある。
ただ……曹操様って美食家ですよね?
「そうね、味に五月蝿いわね」
怒られません?
「怒られたら九十九が献上したというわ」
酷い!?
俺が居なくなったらこれはもう作られませんよ!?
「作り方だけ置いていなくなればいいじゃない」
この人、最後の最後まで搾り取る気だ。
というか、レシピがあれば俺をいらないと言ってるのが本気過ぎる表情で怖い。
『こいつは何をいっているんだ?』とばかりに不思議そうに首を傾げてます。
しかも先ほどからずっと硬いほうの燻製肉を食べている姿が更に恐怖をまします。
というか、気に入ったんですか? それ。
「保存食と言ってたけど、どのぐらい持つのかしら?」
さぁ? 覚えている記憶で初めて作った物なのでわかりません。
「使えないわねー」
はっはっは。
「なら作り方とどれ位持つのか資料にまとめて寄越しなさい」
はい?
「使えるようなら、保存食として戦に持っていくわ。進言もしてあげる」
あっはい。
「それじゃね、後片付けしっかりとやりなさいよ」
……。
仕事が増えたー!
休日にツマミを作ってたのに仕事が増えた。
何でだ、意味がわからない。
ついでに少しと言ったのに半分持ってかれてる。
とほほ……。
その後、片づけを行い。
部屋に戻り残った半分でちびちびとお酒を飲みました。
大変美味かったです。
「それで……今日は何をしてるのかしら」
一晩寝たら中華鍋を使って行なえる燻製を思い出しまして、作ってます。
「ふ~ん……ちなみに隠して作らないと私に取られるって分かってる?」
荀彧様の顔を見て今思い出しました!
食べないで!?
その後、無事に作れたベーコンチックな食べ物をおかずに二人でご飯を食べました。
現代のベーコンとは違いますけど、それなりに美味しかったです。
荀彧様の好み的に今度はドライフルーツに挑戦してみようと思います丸
ベーコン食べたい