孤高の王と巫女への讃歌   作:grotaka

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前書き XIV巻 「八人目の神殺し」

………そんな馬鹿な


第二話 「王と媛巫女、そして女王」

 ――絶対法則(ルール)

 

 

  一、まつろわぬ神は基本、殲滅対象である。

 

  二、神との戦闘に一般人(神殺しでない人間全て)を巻き込まない。

 

  三、神殺し相手に迂闊な戦闘は仕掛けない。民に甚大なる苦痛を与える存在であれば即刻断罪。

 

  四、誰にも本性を晒してはならない。ただし“同族”は例外。

 

  五、"真実"を知らない他者を臣下に迎えてはならない。

 

  六、――誰を愛し、愛されてもならない。

 

 

 

  ◯ ◯ ◯ ◯

 

 

 

  【清秋院恵那】

 

 

  清秋院恵那は、孤高なる少女である。

 

  自分はズレている――そう自覚したのは、物心ついて間もない頃だったろうか。

 

  幼少の頃から五感が鋭く、大人でも気づかないような事に敏感に反応しては他人を惑わせ。また理屈を抜きに物事を判断出来る第六感は、周囲からは異常と捉えられた。

 

  だが、そんな風に、自分と他者とを遠く隔てる壁があった所で、恵那は何一つ苦悩しなかった。自分が周囲と違うのは必然と、そう幼心に割り切りが出来て――否、割り切るまでもなく、漠然と認識していたからだ。

 

  万里谷祐里という友人がいる。沙耶宮馨という上司がいる。素戔嗚尊という庇護者がいる。他にも何人かの媛巫子仲間がいる。恵那からすれば、これだけの交流関係があれば充分だった。

 

  とはいえ、密かに憧れるものもあった。それは、自分と同じように、常人の識に囚われないズレた存在。或いは、自分達異常者すらも驚嘆させる存在だ。

 

  そしてこの世界には、それらを同時に体現する存在がいる。それこそが、人類史上唯一無二の奇想天外――神殺しの君、カンピオーネ。

 

  そのカンピオーネたる軍谷伊織と出会ってからというもの、恵那の鼓動は高鳴ってばかりだった。

 

「稲妻よ、天なる神の怒りの化身よ!司祭たる我が汝に命ず、疾く駆け我が主の敵を討て!呵責無き裁定を地上に下せ!」

 

  高らかに唱えられる言霊、それに従い天より降る雷電が、蛇の如く鬼に喰らいついて焼き尽くす。

 

  結果として、伊織の前に立った神獣全てが暗天を引き裂く稲妻によって黒炭と化した。神使として絶大な力を持つはずの神獣達が、まるで木っ端のようだ。

 

  己を神殺しと名乗った彼が、自分の前で見せる力。それは恵那の想像など遥かに上回っている。恵那の心が歓喜を覚えない筈がなかった。

 

  対し、伊織はと言えば、退屈さを少しも隠さず、天を睨んでいた。

 

「ああ、全く――イザナミといえば、人類の死の起源であり、神道において重要な意味を持つ冥府の主だというのに……こんな紛い物しか放っていないのか。興醒めだ、これじゃ殺し甲斐がない。悪であるという貴様らの存在意義を見せてくれなきゃ、全然猛れやしない……!」

 

  戦闘の気配を嗅ぎつけ、鬼の神獣は絶え間無く現れる。それを流れ作業で潰していく内に、初めは凄絶な笑みを浮かべていた伊織も、飽き飽きしてきたらしい。

 

  稲妻を呼ぶ魔術(恵那には解らなかったが、西洋式の中級儀式魔術だ。これを一人で行使するあたり、さすがはカンピオーネと言うべきだろうか)を放ち終えると、彼は大義そうに伸びをした。一分程ストレッチのようなを続け、そして不意に、

 

「――清秋院」

 

「ぇ、 ……ふぇっ!?な、なに!?」

 

  前兆無しの唐突な振りに、柄にも無く慌てふためいてしまった。いけない、完全に呑み込まれてしまっていたらしい……。

 

「清秋院、君はよく平気でいられるな。俺はまだまだ、本腰入れちゃいないけど。それでも普通、ここまでぶっ飛んだのを見れば逃げ出すぞ?だのに気楽に観戦とは……剛胆なんだか鈍すぎるんだか……何にせよ、はっきり言って異常だよ君は」

 

  そんな呆れ返った顔で言われても。恵那からすれば、20体越えの神獣を一掃出来る伊織の方がよほど異常なのだが。

 

  でもまあ、恵那が全く恐怖していないのは、

 

「怖くないよ。むしろワクワクしちゃった……!王様達ってこんなに凄いんだねェ!」

 

  思った事をそのまま口にする。ひそかに求めていた、超常の光景。それを目の当たりにして、どうして興奮せずにいられようか?恐怖など入りようのない歓喜で、恵那の顔は輝かんばかりだった。

 

  が。目を輝かせながらの賞賛に、伊織はまるで違う反応を見せた。

 

「………ッ」

 

  余裕に満ちた、王者然とした態度。それが一瞬で消え失せた。小さく息を呑み、目には何か信じられないものを見たような、驚愕の色がありありと浮かんでいる。

 

  伊織がそんな風だったのは一秒に満たなかった。すぐにハッとして顔を引き締めると、呆れ返ったような表情に戻る。見間違いかな、と恵那は内心で首を傾げた。

 

  そんな恵那の前で一瞬にして表情を切り換えた伊織は、端から聞けば能天気過ぎる発言に対し、対しため息混じりの苦言を呈した。

 

「清秋院………もしかして君、俺のやってきた事とか知らない?軍谷伊織がいかなる存在か、聞いた事も無いのか?」

 

「えっ、ううん、そういう訳じゃないよ?」

 

  かつて何度も読まされた、歴代神殺しについての資料(確か著者はエリック何とかだった)。その記録に従うならば、伊織は現時点で一二を争う危険人物だ。

 

  11柱もの神々との戦いを初めとして、数々の争乱に関わって来た神殺し一の「戦闘屋」。魔術にも造形が深く、かの有名な神速の貴公子、"黒王子"アレクと結託してまつろわぬ神の眠る遺跡を調査、ヨーロッパ全土を騒然とさせるなど、どの“同類”にも劣らぬ活躍っぷりを見せている。

 

  これだけ聞けば伊織は他のカンピオーネと大して変わらないように聞こえる。が、資料曰く、彼の本質は他のカンピオーネのどれとも違うらしい。

 

  通常のカンピオーネが、本能を以て権能を研ぎ澄ますなら、黒王子アレクは策謀を以て権能を研ぎ澄ます。伊織はこれらとは一線を画しており、曰く、「本能にて運気を、運気にて才能を、才能にて叡知を、叡知にて武と魔術を、そして武と魔術にて権能を研ぎ澄ます」。

 

  存在そのものが違う、という訳では無い。だが明らかに他とは異なる流儀を、誰に教わるでもなく貫き通すが故に、彼は異質なのだ。

 

  恵那の様子から真偽を見抜いたか、伊織はわずかに頬を引きつらせた。その顔に浮かぶのは明白な呆れと驚きによる引きつった微苦笑だ。

 

「し、知っててそれか……。本来なら畏れ多い降臨術を何の畏怖もなく扱うあたり、相当な恐れ知らずだな君は。そのふてぶてしさ、間違いなくカンピオーネ級だよ」

 

  明らかに皮肉な発言だったが。恵那にとっては、何より最高の褒め言葉だった。

 

  えへへと笑う恵那をさらに引き顏で見てから、伊織は咳払いする。話を仕切り直すようだ。

 

「さて……清秋院、さっき聞いた通り、君の目的は『現状の調査と報告』という訳でいいんだな?」

 

「うん。編纂委員会の中で、神様が顕現してる場所に潜入できるのは恵那だけだからね」

 

  武術なら、恵那以上の使い手は大勢いる。だが、神がかりを含めた“術”の領域において、自分を上回るものはいない。さらに持ち前の野生の勘で危機回避能力も高い。カンピオーネを除けば、恵那は日本で唯一の“対神”要員なのだ。

 

「解った、じゃあ途中までは同行を許可しよう。可能な限りでなら護衛の紛い事もしてやるよ」

 

「それはありがたいけど……わざわざ協力してくれるの?」

 

「君らの苦労も、俺はよく解ってるつもりだからな。まつろわぬ神やらカンピオーネやらが戦うだけで、費用が数億は飛ぶんだろ?迷惑掛ける側がいうのも何だが、せめてものお詫び……みたいな?」

 

「はあ……」

 

「まあいい、とにかくだ。途中までは俺もそう動こう。――けど、まつろわぬ神から500メートル圏内に入ったら、君はそこで待機だ。いいな」

 

「え?待機って、でも――」

 

「待機だ。いいな」

 

  伊織の纏う雰囲気が変わった。語調は強く厳粛で、表情も同様。恵那に有無を言わせまいとしている。

 

  その威圧感に圧され、無言で何度も首肯する。それで伊織の豹変は消え去った。

 

  ますますよく解らない人だ。恵那は内心で首を傾げた。

 

  レポートを読む限りでは、恵那ですら、軍谷伊織は人間として褒められたものではないように思える。傲岸不遜、そして強欲。暴君と呼ぶのが相応しい振る舞いだ。

 

  が、ここまでの言動を振り返ると、彼からはまるでそんな様子は無く、知性的な青年という印象ばかり。そして今は厳格な王のようだ。どれが本物かまるで解らない。

 

  何より。恵那はあの一瞬が頭に焼き付いて離れなかった。まだ出会って一時間も経っていない、この謎めいた王が見せた驚きの表情――それが、恵那には彼の本心に見えた。

 

  こうして、恵那が伊織の人間性であれこれ悩んでいるのも、ひとえに彼の本心が読めないが為だ。表面上は好青年でも、それが上っ面だけのものだと自分には解る。どこまでも無機質な、しかし何かに己を煮えたぎらせる存在――。それ故に、伊織が見せた“本心”を、恵那は忘れられなかった。

 

「……さて」

 

  そんな恵那の内心など知らず、伊織は前――東の方角を睨んだ。

 

「イザナミの奴、ようやく目が覚めたらしいな。さっきから進んでも進んでも辿り着けなかった“死”が、すぐそこまで来てるじゃないか」

 

  どういう事だろうと思った直後には、答えが向こうからやって来た。

 

「え、ちょ――っ!?」

 

  木々の間に満ちる闇。その奥深くから、さらに濃い闇が押し寄せてきた!

 

  本能的に感じ取った――あれは“死”だ。伊織の言う通り、死の呪力が津波のように迫って来たのだ!

 

  恵那は反射的に背中の刀袋を掴んだ。だが、神がかりがあるといっても人間の自分に、あれはどうにかなるものなのか……?

 

  そんな風に恵那が惑っている間に、しかし隣の青年は動いていた。しかも、火山の噴火とでも言うべき、強烈な呪力の迸りと共に(・・・・・・・・・・・)

 

「我は言の葉にて刃を紡ぎ、邪なる者を打ち破る!"刃"の神言よ、奔れ!」

 

  伊織の身体から溢れ出した無色の呪力が、言霊に従い奔った。空気を歪ませるそれは、端から見れば鎌鼬を思わせる。そしてそれは木々を諸共に両断しながら、迫り来る闇を切り裂いて霧散させた。

 

  先程まで振るっていた魔術とは違う。これが神殺しの権能か――!

 

  だが、残念ながら今気にすべきなのは、

 

「お、王様、今のは……」

 

「俺の権能の一つ、トトの“言霊”だ。使い方は色々あるが、今回は呪力破りの"刃"を創り出してみた」

 

  ……それも気になるがそうじゃない。というか、こんなに軽々しく自分の手の内を語って大丈夫なのだろうか?

 

  恵那がその旨を(本来の質問込みで)伝えると、伊織は「あ、しまった」という具合に渋面になった。無意識(?)だったらしい。

 

「…………、まあ、あれはイザナミの警告だろうな。ここから先は自分の領域(テリトリー)だ、とさ」

 

  そう言って、伊織は再び東を見据えた。

 

  今なら恵那にも微弱ながら感じられる。その視線の先に居るだろう存在……まつろわぬイザナミの呪力が。

 

「じゃ、ここからは別行動だ。余波が飛んで来る可能性もあるから、気を抜くんじゃないぞ」

 

「え、もう?まだ500メートルも近づいてな―――」

 

  皆まで言い切るより先に、伊織は素早く走り去ってしまった。その速さは、恵那でも追いつけそうにないほど俊敏で軽やかだ。

 

  置いてきぼりを喰らった恵那は、その場に立ち尽くす他なかった。

 

 

 

  ◯ ◯ ◯ ◯

 

 

 

  【軍谷伊織】

 

 

「さすがに着いて来ない……か」

 

  狼の如く森を駆け抜けながら、伊織は背後の気配を探り、そして安堵の溜息をついた。

 

  とんでもない女だった。つくづくそう思う。

 

「まさか……、会って一時間もしない内に、俺の本音を晒すことになるなんてな……」

 

  二年前の“あの時”以来。伊織はとある理由から、特定の存在を除いて本音や本心を明かす事はなかった。そしてその鉄則は破られた事はない――あの瞬間を除いては。

 

  既視感(デジャブ)という言葉がある。ある一連の光景を見て、それを前にも見たことがあると錯覚する現象の事である。それに似たものを、伊織は恵那に視てしまっていたのだ。何の縁もないはずの彼女に。

 

  今まで演じて来た“噂通りの戦闘好き”が、あの瞬間崩された。神獣を歯牙にも掛けていない、という風に見せていた“演技”も逆効果に終わった。

 

  確かに伊織にとって神獣など敵ではないが、それでも片手間で倒せる相手ではない。放った魔術の全ては、“ある権能”による強化と相性によってあれほどの威力によってもたらされたものだ。

 

  それをやっているように見せる事で、彼女を無意識に自分から遠ざけようとしたのだが……まさか裏目に出るとは。

 

「けどまあ、もうさすがに来ないか。それで正解だよ、ここから先は『次元が違う』んだからな」

 

  ここから先、立ち入る事を許されるのは超常の者達のみ。神がかりの巫女など歯牙にもかけぬ、神話の世界だ。

 

  “気配”を間近に感じ、伊織は歩を止めた。敵はすぐ傍だ。あと数十メートル行けば接敵するだろう。

 

  周囲を油断無く見渡し、それから懐に手を差し込む。そうして取り出したのは、小振りなペンダントだった。蒼い宝石の嵌った、銀の装身具。それを伊織は静かに見つめ、そっと口づけた。

 

  死に満ちた森の静寂が、ただ辺りを包み込む。

 

  そして直後、それを凄まじい闘気が踏み砕いた。

 

  伊織の放つそれは、まるで波動のように大気を揺らし、ゴゴゴゴゴ……という鈍い音を、何の形容でもなく本当に発生させている。

 

  そして、瞳の色も完全に変調した。

 

  イザナミの気配を感じ取った時の変調。あれを上回って、伊織の眼光が血色の深紅に染め上げられる。それは冥府の闇の中でも際立つ程だ。

 

  二年前のあの日から、伊織は戦闘体制に入ると眼色が変わるようになった。それが心境の変化によるものなのかは、彼自身にも解らない。

 

  だが、この瞬間より。軍谷伊織は完全に“仮面”を捨て去った。今の彼は、二年前と同じ……殲滅の権化だ。

 

「竜蛇を喰らう聖なる翼よ。日輪の如く輝き、闇を悉く吹き散らせ」

 

  言霊を唱え、右手を前方にかざす。その掌が黄金色に輝き、

 

  ――ズガッッ!!!!

 

  放射線状に放たれた衝撃波が、伊織の前方にある全てを消し飛ばした。

 

  鬱蒼と茂っていた木々も、その間を満たしていただろう“死”の呪力も、未だに巣食っていたであろうイザナミの眷属達も、全て。塵一つ残さず、消滅させたのだ。

 

  だが、これで終わった訳ではない。伊織は前方の土煙を睨み据えた。

 

  ――来る。全身の昂りが最高潮に達し、呪力の巡りが爆発寸前まで高まる。

 

「……無粋な挨拶ですわね。ヒトの王よ」

 

  声がした。慈母のように柔らかく、賢母のように落ち着いて。しかし女王のように厳格な、女性の声だ。

 

  不意に風が渦巻き、土煙が晴れる。黒炭化した地面が露わになり――そして、伊織の目が女王の姿を捉えた。

 

「ふふ………地上に再臨して早々に、神殺しの王が妾を討ちに参るとは……。そこまであの御方は、妾を嫌っておしまいになったのですね」

 

  周囲に黒い闇を従え、岩の上に立つ、日本人の女性……の姿をした人外――まつろわぬ神だ。

 

  飛鳥時代の女性が着るような、簡素な衣服を纏った女性だった。色は雪のように……否、死人のように白く(・・・・・・・・)、長い黒髪は蛇のように背中でうねっている。そして妖艶さすら感じられる女王の美貌。

 

「外つ国より出でて我が眷属となったあの者達を、ああも容易く蹴散らすとは……並びに先程の突風、天竺の《鋼》の神鳥の気を感じました。地母神たる妾にとっては天敵とも言える存在……その力を持つ貴方が来たという事は、いよいよあの御方は本気なのね」

 

「……お前の言う『あの御方』というのは、伊邪那岐尊の事だろうが。生憎俺は神に遣わされた訳じゃない。俺は俺の意志で、お前を潰しに来た」

 

「おや、そうでしたの。まあ良いでしょう。………さて。よくぞ参りました、ヒトの王よ。妾は伊邪那美命(イザナミノミコト)。冥府を統べし女王にして大地の母です。特別に拝謁を許しましょう。さあ、貴方も名乗りなさいな」

 

  妖艶な笑みを崩さず、傲岸不遜に、華々しく。女王イザナミは名乗りを上げた。彼女の名乗りに呼応するように、彼女に付き従う“死”がうねる。

 

  対して伊織は、無表情で、淡々と、しかし王者に相応しい威厳を持って名乗り返した。

 

「神殺しが七人目、かつての"王の軍勢(レギオン)"が主にして"災厄を運ぶ者"……」

 

  彼の周囲を、黄金色の火燐が舞い始める。それは伊織の長身から発されたもの。彼の昂りを表すものだ。

 

「――軍谷伊織。これより断罪を執行する」

 

  "孤高の王"が、今、静かなる雄叫びを上げた。


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