とある六位の無限重力<ブラックホール>   作:Lark

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お久しぶりの方にはお久しぶりですと伝えておきます。
Larkです。
以前、にじファンのほうで活動させていただきました。
細かいところで修正しつつ、活動再開です。

宜しくお願いします。はい。


第壱章  その二人、超能力者
序章


 

 

 

 

  学園都市。

 一部を神奈川や埼玉に及ばせながら東京都の中央三分の一を円形に占めている巨大都市。

 「記憶術」だの「暗記術」という名目で「脳の開発」を行っていて、ここにしかないモノがある。

 それは、『超能力』。

 レベル0からレベル5まで存在するが、まだ見ぬレベル6も視野に入れた研究が進行されている。

 

 暗躍する手のもとで。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 ――――二月。

 

 凍える空気へと吐く息が白く染まるこの季節。

 子供は風の子、という風潮があるが、耐えられないものは耐えられない。陽もない夜は尚のこと。

 学園都市の二割ほどは受験間近の学生で、暖をとりつつ机に向かっていることだろう。

 そんな中、年齢上そのカテゴリーに当てはまるであろう少年が二人。どちらかの自宅でもなければ、図書室や学習塾でもない。ありふれたファミリーレストランの席に腰を下ろしていた。

 

 

「お前よくそれで生きているよな、一方通行(アクセラレータ)

 

 片側の席。コーヒーカップを片手に目の前の少年に一言。

 一方通行、という明らかに本名とはかけ離れた敬称を使われたのは、学園都市の誰もが夢見る超能力者(レベル5)の一人。

 しかも序列は第一位。

 雪にも負けない白色をもつ髪。血に染まったような赤い瞳。肉が付いていないカラダ。一睨みで相手を威圧できる形相。

 そんな少年が、同じくコーヒーカップを脇に、不健康なほど肉の塊を食していた。

 

「うるせェなァ、美影。そういうテメエは何にも食ってねェじゃねェかよ」

 

「お前が無理やり呼び出す前に食べるものは食べたんだよ」

 

 対する憂いの言葉をかけた少年は大して珍しくもない栗色の髪、それと同系色の瞳。顔は整っている方で、第一印象を善として受け入れられるのはこちらであろう。

 名は御坂美影《みさかみかげ》。彼も超能力者の一人で序列は一方通行にかなり劣る第六位。

 こちらは手にするコーヒーカップ以外では何もテーブルの上に置かれては無い。ただし、封筒がひとつ、彼が座っている席の横に置かれていた。

 

「そういやそれはナンなンだ?」

 

 軽く見渡した一方通行の眼に飛び込んだ封筒が気になったのか、尋ねる。

 

「ああ、これ?」

 

 美影は封筒を手に取り、テーブルの上に置いた。

 そして重大発言をする。

 

「お前の入学申込書」

 

「はァァああ!?」

 

 特に想定はしていなかったが、突発的な想定外な発言に、店内に響くほどの大声をあげた。コーヒーカップに口を付けていれば盛大に吹いていただろう。その反応は美影にとっては想定内だった。

 近くの席の客とは違い、冷静なままで説明を続ける。

 

「俺たちって来年度から年齢的に高校生だろ? 俺も()()()()()に学生生活送りたくなったから、ついでにお前も付き合え」

 

 勝手すぎることを言う美影は、一方通行と同様、現在学校に通ってなどいない。学力的には十二分に問題の無い二人だが、社会的にはそうはいかない。しかるべき学生生活は何物にも変えがたい宝である。

 と、感じたわけではないが、美影は来年度から学生生活を再開することに決めたのだ。

 

「ふざけンな!! ナンでオレまでンなことしなきゃいけねェ!?」

 

 全力で反論するが美影は考えを変えることなく、

 

「まあ、いいじゃん、高校生ぐらい普通にやっても。でないとお前、ずっとニートみたいなものだろ?」

 

 眉をあからさまに曲げ、馬鹿にする様に言う。

 

「テメエ、ケンカ売ってンのか?」

 

「お前と喧嘩なんて二度としたくないよ」

 

 少し言い過ぎた、と反省することなく美影は即答した。その仕草には序列第一位相手であっても余裕すら見られる。

 さほど挑発にのったわけでもないのか、一方通行は手を出してはこない。

 

「チッ、よこせ」

 

 興味が僅かながらもわいたのか、手を前に差し伸べ、封筒を求める。

 その手に封筒を置いた美影の顔はどこか嬉しそうだ。

 乱暴だが正確に封筒を破り開けた一方通行は中の書類に目を通す。

 

「へェ、長点上機学園か」

 

 書類を見て彼が口にした学園名は、学園都市の第19学区にある超が付くほどの名門校。学園都市全体で行われる体育祭、大覇星祭において、今年度優勝した学園でもある。

 

「お前が納得するところはそこぐらいだろうからさ。因みに来年度は第二位と第七位も入学するって情報が入っているぞ」

 

 追い討ちをかけるようにとっておきの情報を報告した美影の心境は、ほぼ確信へと迫っていた。

 

「第二位、ねェ……」

 

 その証拠に、一方通行の口の端がつり上がっている。

 ペラペラと、適当にめくっていくが、驚くことに彼は全てを一字一句と間違えることなく記憶している。

 読み終わり、何か言い出す前に美影は決定した。

 

「んじゃ、そういうことで。書くこと書いて、送っておけよ」

 

「って勝手に決めてンじゃねェ!」

 

 と反論を再開したが、内心、

 

 

(…………まァ、偶にはいいか、)

 

 満更でもない気分でいた。

 日ごろ余りに余った暇が潰せるかもしれないのだから。

 

 

 

 

 この物語は、超能力者(レベル5)、序列第一位と、第六位の入学から始まる。

 

 

 






短いですが、第一話はこんな感じです。
駄文で申し訳ありませんが、これから頑張るつもりです。


そしていきなりですが、アンケートを実施したいと思います。

にじファン時代でもさせていただいた、『オリキャラ』の名前です。

重要人物、脇役、超脇役、などの使い方は私次第になりますが、どうぞ宜しくお願いいたします。

アンケート期間は、今のところ決まっておりません。
それなりの数が集まりましたら、勝手に打ち切らせていただきますのでご了承を。

万が一、名前以外の設定(能力などなど)を考えていただいた際には、もしかしたら、もう一度言いますがもしかしたら使わせていただくかもしれませんので。



では、宜しくお願いいたします。


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