Fate/kaleid stage   作:にくろん。

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おき太は結局来なかったよ…
師匠も来ないのにアンメア宝具2になりました。あ、アタランテも来ました。


そういえば、友人と話していたんですがダイジェスト版でもこのプリヤでの第四次聖杯戦争って書いた方がいいですかね?
たぶんやるとしてもツヴァイのクロ編最終話に挟むか、そのあとに第四次編としてやるかになるので相当先ですけど…

あ、前話に凛視点を加筆しました。
流れは変わってないので、そのまま続きを読んでくださっても大丈夫です。


5話 敗戦、そして

 

 

 

 

5分後。

 

・・・

・・・・・・

 

 

 

負けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って早すぎるよね!?

最新話冒頭がいきなりこれって!

 

とりあえず状況を説明しよう。

 

 

 

鏡面界へとやって来た私たちを待ち受けていたのは空一面に展開された魔法陣とその担い手(英霊)だった。

 

 

 

 

「な…」

 

 

 

 

 

言葉も出ない私たち。

そりゃそうだ。転移したら頭上一面に自分たちへと狙いを定める魔法陣が敷き詰められているのだ。

 

 

「ねえルビー、これって…」

『ええ。どうやら向こうは……戦闘準備万端だったようです』

 

 

ルビーの言葉が終わると同時に降り注ぐ魔術。

隙間なく降り注ぐソレは確実に私たちの命を狙っていた。

 

 

「きゃああッ!」

 

 

一撃一撃が重い…っ!

魔術障壁を最大にしてもここまでの威力って…っ!

 

「ひぁぁーっ!?」

『魔力障壁の展開規模を最大まで拡大!離れたら死にますよ凛さん』

「じょっ…冗談じゃないわ!」

 

凛姉のことはイリヤたちが守ってくれているみたい。この弾幕相手だと厳しいところもあるけど、生身よりかは確実に安全なはずだ。

 

 

 

『はくのんどうする?相手の弾幕を見る限り僕たちの魔術障壁でも突破されるかもしれないけど』

「突破される前に反撃に出たいよね…。この状態で動ける?」

『動けないことはないよ』

「じゃあイリヤのところまで行こう。イリヤに守ってもらっているうちに反撃してみる」

『おっけー』

 

障壁を維持したままイリヤのそばまで行く。

 

「ハ、ハクノ!?大丈夫?」

「なんとか!それよりイリヤ、私も障壁に入れてくれる?タイミングを見て反撃してみる!」

「わかった!」

 

 

ルビーの障壁に入り、魔力をチャージする。

 

 

 

『あらー、ちょっとまずいですね。エメラルド、障壁に少し魔力を回せますか?』

『どうしたの赤姉さん?』

『私のランクA魔術障壁でも受けきれないんですよ。もう持ちそうにありません』

「ッッ!ラルド!ルビーの障壁を強化できる?」

『任せて!』

 

 

そんな!

これじゃ役割分担して戦う意味が…!

 

球体で全方位に張られた障壁に薄緑の魔力が通る。

 

仕方がない、これでもう少しはもつだろう。残った魔力を確実にチャージする事に専念しよう。

 

 

 

「最大出力…!砲射(シュート)!!」

 

 

 

と、横から特大の魔力砲が発射された。

美遊さんの魔力砲!?私がイリヤと二人掛かりでやっと撃てそうなのに、一人でやったの!?

 

「ミユさん!」

『すかさず反撃ですか。やりますね』

「遠距離戦なら望むところですわ!撃墜(おち)なさい!」

 

さすが自信満々に一人でカード回収をするって宣言するだけのことはある。一人でもあそこまで正確に反撃できるなら充分な自信と戦力だ。

 

 

英霊めがけて飛んで行った魔力砲————たぶん私の通常弾よりも強い。イリヤの最大砲射(フォイア)よりかは少し威力が下がるみたいだけど————はそのまま魔法陣の奥に構える英霊へと直撃——する前に防がれた。

 

 

 

「……っ!」

「そんな!」

「なっ…弾いた!?」

 

ウソでしょ!?

あの威力の魔力のカタマリを瞬時に防ぐなんて!

 

 

魔力砲の当たったあたりの空間には、平面上の新たな魔法陣が展開されていた。

 

 

って、なにあの規模…。転移して見た攻撃魔法陣はまだ準備をして待ち構えていたんだって思えば理解できる。

でも、今現れた魔法陣は間違いなく無かった。

つまり、美遊さんの攻撃(・・・・・・・)を目視して(・・・・・)即座にあの規模(・・・・・・・)で展開した(・・・・・)ということだ。

 

「でたらめだ…」

「あれは…魔力指向制御平面!?まさかこれほどの規模で…!」

 

 

 

でも、おかげで弾幕が薄くなった。

この密度なら抜ける!

 

 

「最大収束…爆射(バースト)ッッ!」

 

 

苦し紛れに使った前回とは違う。

しっかりと最大まで魔力を収束させ圧縮した。これならたとえ外れたとしても爆発の余波で多少なりともダメージが見込めるはず!

 

 

 

 

でもそんな思惑はかき消された。

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■—————…」

 

 

 

 

 

 

 

私たちの理解できない言葉で、魔術師の英霊は詠唱する。

 

 

 

 

 

風が吹き荒れ、私の放った魔力砲を飲み込み、そのまま私たちを閉じ込める結界となる。

慌てて起こした爆発も、荒れ狂う風に飲み込まれる。

 

 

 

 

「くそ…っ!!」

「たっ…竜巻!?」

「まずっ…閉じ込められた!」

『あ、イリヤさん。上見てください上』

 

「う、え?」

 

ルビーの声に一同頭上を見上げる。

 

 

 

「う…ええぇぇぇー…」

 

 

 

 

 

竜巻の中心部、そこにはいまだ詠唱を続ける英霊と、尋常じゃない大きさまで展開された一つの大きな魔法陣だった。

 

 

 

 

「こっ…これはもしかしなくてもDieピンチ?」

『完全に詰みですね―これは』

「竜巻で逃げ場を塞いで、その中心に大規模な術式を展開って…この敵、意地悪すぎるでしょ…」

「悠長に話している場合かー!」

「ててて撤退ですわ撤退ーッ!」

 

 

 

「早く!早く早く早く!」

 

 

 

 

 

 

 

「早く————————ッッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして私たち目掛けて発射された魔術を目前に—————

 

 

 

 

 

————転移が間に合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてギリギリのところで元の世界に戻ってきたのだった。

…まあ、放たれた魔力の余波で全身ボロボロだけどね。

 

 

 

にしてもどうしよう…。あんな敵、想定外すぎる。

弾幕の間を縫って射撃しても、あの魔力反射平面?の前では私たちの攻撃なんて無力すぎるし…。

 

 

「まるで要塞でしたわ…。あんなの反則でしてよ」

『もう魔術の域を超えていましたしね。おそらく神代の魔術…そりゃ障壁で相殺できる範囲をかるーく突破してきますよね』

「あの魔力反射平面も問題だわ。あれがある限りこっちの攻撃が届かない」

『攻撃陣も反射平面も座標固定型みたいだから魔法陣の有効範囲外、つまり魔法陣の上まで飛んでいければ戦いにはなると思うけど…』

「練習もなしにいきなり飛ぶなんて、ねえ…」

 

「あ、そっか。飛んでいけばよかったんだね」

 

 

 

 

 

………

ん?

イリヤ、今なんと?

 

 

 

 

「え?な、なに?」

 

フワフワと浮かぶながら首をかしげるイリヤ。

え、なんで飛んでるの?

 

「ちょっと!なんでいきなり飛べるのよ!?」

 

あ、凛姉が代弁してくれた。見ればルヴィアさんも美遊さんも唖然としている。

私?もちろん驚いている。驚きすぎて逆に落ち着いているくらいだ。

 

『すごいですよイリヤさん!高度な飛行をこうもサラッと!』

「そんなにすごいことなのコレ?」

「わ、私もルヴィアも丸一日練習してようやく飛べるようになったのよ!?」

「強固で具体的なイメージがないと浮くことすら難しいというのにいったいどうして…」

 

 

 

あ、でも練習すれば飛べるんだ…ってことは!

マンガやアニメみたいに空を縦横無尽に駆け巡ったりできるってこと!?

くっ、そうと決まったら———飛ぶ!私は飛ぶんだ!I can fly!!!そうだ!

 

 

「どうしてと言われても…魔法少女って空を飛ぶものでしょ?違うの?」

((なっ…なんて頼もしい思い込み…ッ!))

 

凛姉とルヴィアさんの心の声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

—————ふむ。

要は強力な思い込みさえあれば飛べる、と。

ならば話は簡単だ。意識しろ。

イメージするのは常に最強の自分(空を飛び回る魔法少女)—————

 

 

 

 

「くっ…負けてられませんわよミユ!あなたも今すぐ飛んでみなさい!」

「人は……飛べません」

「なっ…なんて夢のない子供…ッ!」

 

 

 

 

周囲のことは意識の外に、目を閉じ、自分の中へと埋没する。脳裏に浮かべるのは空を飛ぶ自分の姿。

イメージは実を結び実体を伴う。そして、今ここに強固な幻想と成す——————ッ!

(*あくまで白野のイメージです)

 

 

 

 

 

 

「そんな考えなのだから飛べ————…へっ?」

 

 

 

 

 

目を開けると私は宙に浮いていた。

 

 

 

 

 

やっっったああああ!!!

 

飛んだ!飛べたよ私!

伊達にマジカルブシドーを見ていないよ!ついに!この!私が!飛んだ!鳥だ!鳥になった気分!いや!鳥なんざ甘い!今日から私はTUBAMEだッ!

 

 

 

 

 

「…白野まで…って、この子がここまではしゃぐって」

「…はっ!私もハクノも飛べたってことは—————まさか!マジブシごっこ空中戦Ver.ができるってこと!?」

 

 

 

「「「……は?」」」

 

 

 

「そうだよイリヤ!これで二人で感想を言い合ってシーンを再現しようってなってもあんなことにはならない!遊具の上からハイジャンプする必要なんてなくなったんだよ!」

「やったよハクノ!!!」

 

 

周囲の視線が痛い気もするけど気にしない——気にしないよ!?

これでヘンなケガをして士郎兄に怒られることがなくなるなんてこれっぽっちも————いや、これっぽっちしか思っていないんだから!

 

 

 

 

「…ミユ。帰って特訓ですわ。あんな二人に負けててよろしいの?」

「…それでも…!人は…っ!飛べません…っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

深夜、教会の周囲を探ってみる。

 

 

 

 

 

………ここも、異常はないみたいだ。

 

おかしいな、学校に異変があった以上聖杯戦争縁の場所は怪しいと思ったんだけど。

 

自転車を漕ぎながら考える。

ほかには、郊外の森か?それならここからも近い。ついでに見に行ってみよう。

 

 

徒歩で回るには遠いが、幸い自転車もあることだし。

 

 

 

 

 

 

 

森に着いて後悔した。

意識しないとわからないが、地脈が確実に歪んでいるのがわかったからだ。

 

「まいったな…」

 

そのまま森を軽く探索した結果、明らかに原因らしき歪みがある場所を発見してしまった。

こういう時、世界の異常に敏感なのがありがたいのかそうじゃないのかわからなくなってくる。

 

このまま見過ごすわけにはいかない————けど、地脈の正常化なんて専門外もいいところだ。

俺の魔術は異端に特化したものなんだから。

 

と、そこまで考えてふと思う。

 

「固有結界で上書きした後に、世界からの修正を受けたら一緒に正常化できるんじゃないのか?」

 

ふむ、そうと決まれば実践————したいところだけど、正直今の俺の魔力量じゃ固有結界を展開した後が続かない。

もしそんなときにこの事態を引き起こしている魔術師だか何だかが攻撃してきたとしたら————碌な反撃もできないだろう。

 

「世界を切り裂く剣、なんて弓兵(アイツ)の知っている乖離剣くらいしか思いつかないしなあ。あれは複製できないし」

 

切れ味がいいだけなら簡単なんだけど、とぼやきながら結界内を検索する。

だがめぼしい結果は返ってこない。そりゃそうだ、あったとしても世界を切り裂く、なんて神造兵器の域だ。複製なんてできないだろう。

 

 

—————ん?ああ、この剣だと…境界は切れるかもしれないけど、現状可能性は低い…かな。

 

 

 

仕方がない、セラリズにこの場所を報告して有効な手段を考えてもらおう。

 

 

 

 

 

 




無限の剣製内の剣群考えるのって超ムズイ。
いいじゃないか、偽・螺旋剣Ⅱとか干将莫耶、赤原猟犬とか原作で出てきたやつばっかりでも!
というか、ほぼほぼこれだけなんだよなあ出てきたの…ルルブレとかアイアス、エクスカリバーイマージュ、ナインライブス…

少ない。。。


あ、前書きの第四次関係については活動報告で集計します。
感想にアンケ関連は違反らしいので書かないでください。

普通に感想は感想欄で大丈夫です。
誤字脱字などの指摘、感想待ってます。

……士郎の出番は、もう少し待ってね

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