Fate/kaleid stage   作:にくろん。

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あけましておめでとうございます(遅い

一月はすみませんでした。レポートやら課題やらテストやらピックアップやらで時間が取れず…お月見と宝物庫AP半減とバレンタイン脳死周回とほんと時間ばっかりかかって…

福袋?山の翁?巌窟王?ばれんたいん?
晩鐘は私の財布を指し示しているようだ…

そんなわけで2017年初更新です。
短めです。ごめんなさい。

あ、遂に初のガチャ☆4の宝具が5になりました。メディアリリィめ…イアソンはどこじゃ…
アンメアも4まで来たし、騎金時の立場がやばい


34話 物語の続き

 

「イリヤ!!!」

 

みんなが、イリヤの元へと走る。

私たち三人はお互いに視線を交わし、噛みしめるかのように歩を進める。

 

「ミユ。ハクノ…」

 

三人で、無言で見つめ合う。

魔力の残滓が、黄金の塵のように舞い散る。

 

「…泣いてるとこ、初めて見た」

「「え…?」」

 

思わず、美遊と顔を見合わせる。

 

美遊の目には、溢れんばかりの涙が溜まっていた。

 

「ハクノも、ほんとに無事でよかった…。並行世界だとか、なんだって関係ない。二人とも私の友達なんだから…もっと頼ってよ…」

「イリヤ…」

 

私にも向けられたその言葉。

重く、温かい友達の言葉。

 

『美遊様!!ひどいです!私を置いていくなんて…!』

「サファイア…うん、ごめんね」

 

「はぅ…」

 

転身を解いたイリヤが崩れ落ちる。

 

「イリヤ!?大丈夫…?」

「えへへ…平気。ちょっとめまいがしただけ」

「ならいいんだけど…」

「うん。クロも、ごめんね?」

「…ふん」

 

「白野…大丈夫だった?」

「美遊が言う?お互いみんなに迷惑かけたね」

 

「ほんとに!もう!」

 

凛姉まで我慢ならないとばかりに叫んできた。

 

「白野!あんたが何か抱え込んでいたなんて、私もルヴィアも知っていたのよ!?あんたが話してくれるまで待とうって思ったけど、こんなタイミングで暴露することないじゃない!」

「あー、はは…」

 

返す言葉もない。

 

「しかも美遊も白野も二人そろって並行世界!?あーもう!宝石翁の思惑のまんまじゃない!」

「しかも、エメラルドを限定的に使ったってことは、シェロもですわよね…?」

「そうよ!衛宮くん!?説明しなさい!!」

 

うがーと吼える凛姉。

 

「ミユ。ハクノ。私ね、わかってたんだ」

 

なだめる士郎兄を尻目にイリヤが話しだす。

 

「2人が何か大きな秘密を抱えているって。ミユは付き合いが短かったし、ハクノに至ってはクラスカード回収まで魔術を知っているなんて思いもしなかった。魔術に関わっていく中で、ハクノたちが何か抱えてるって気付いても、わかっていたのに踏み込めなかったんだ。その秘密に触れちゃったら…もう元の関係に戻れない気がして…」

「そんなこと!私だって、こっちでも魔術に関わるなんて思いもしなかった!まさか、イリヤが関わるなんて、ましてや美遊みたいに同じような状況の人に出会うだなんて!」

「私も…!自分の事しか考えていなかった!イリヤたちを巻き込みたくなかった!だって…だって…!」

「…さっきハクノにも言ったけどね。二人とも私の友達だから、友達が苦しんでるなら…もうほっとかない!覚悟しててよね!!」

「「うん…うん…!!」」

 

自分の目に涙が浮かぶのがわかる。視界が滲む。

 

『あらー?絶対ひっぱたくんじゃなかったんですかー?』

「あはは…そのつもりだったんだけど、こんな二人の顔見ちゃったらできないや」

 

私も、ちゃんと説明しよう。

並行世界で生き抜いた、岸波白野(彼ら)の人生を。戦い抜いたその一生を。

 

もう迷いはない。

だって、彼女たちは受け入れてくれるという確信があったから。

 

ここから、もう一度やり直そう。

岸波白野(わたし)の人生を。

 

「ほら、帰ろう?私たちの家に———!」

 

イリヤが両手を出してくる。

バーサーカーのクラスカードを回収した時みたいに、美遊と二人でその手を取ろうとする。

 

いつの間にか、士郎兄たちは喧嘩を止めてこっちをほほえましそうに見ていた。

士郎兄のことも聞かなきゃね。

 

そうして、激戦を終えてようやく日常に帰ろうとする私たちを

 

 

 

 

 

 

”割れた空が覆いつくした”

 

 

 

 

 

 

「なっ…何が…ッ!?」

 

空が裂け、割れた欠片から紫電が降り注ぎ全員の動きが阻害される。

 

「みん…な…!」

 

轟く雷で耳が鳴る。

周囲の状況が確認できない。

 

夢幻召喚(インストール)

 

そんな中でも、やけに耳に付く声が聞こえた。

 

降り注ぐ雷が止み、明滅する視界で動く影。

その肢体を、踏まれたカード(・・・・・・・)から魔力が奔り転身する。

 

「なんなのよ…こいつら…!」

 

「はン!ようやく見つかったと思ったら、何だかおまけがウジャウジャいるんですけどー?」

「捨て置け。今は最優先対象のみを回収する」

 

ようやく見えるようになったその姿。

一人は巨大な鎚を持ち、全身を包帯のような帯で装飾した少女。

もう一人は言うまでもない。英雄王を夢幻召喚(インストール)した白野と同じような姿をした女性がいた。

 

「お迎えに上がりました美遊様」

「嫌…!戻りたく…ない…ッ!」

 

まさかとは思ったけど、この人たち…!

 

「…そんな口を利けるとは。ですが、バカンスはもう終わりです」

 

美遊が捕らえられる。

視界の端で、バゼットが特攻しようとしているのが見える。

 

だが。

 

「揺り戻しだ」

 

空の亀裂がさらに大きく広がり———いや。

世界が割れた(・・・・・・)

 

鏡面界のような隙間が広がったかと思うと、さらにそれを覆いつくすかのように世界が白に染まる。

 

「真っ白に…!?」

「なにも見えな…」

「ハクノ…ミユ…!!」

 

そして、全身の感覚が遠くなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————interlude3—1—————

 

カツン、カツンと靴音だけが鳴り響く。

暦の上では夏のはずなのに、外は一面の雪景色。

数年前には異常だったこの事態にも慣れてしまった。

 

「首尾はどうだ?」

「うーん…どうだろ」

「自信満々、とはいかなさそうだな」

「当たり前だ。俺は元々こんな柄じゃない。たまたま縁あって、ここに居るんだから」

「…そうだったな。土壇場でこそ輝くのが君だったな」

「勘違いするなよ?彼はともかく俺自身はそこまで大層な人間じゃない。お前こそ、世界を救うのはお手の物じゃないのか?」

「フ。君こそ勘違いは止めたまえ。俺にできることなんざたかが知れてる。精々、徒労に終わることを願うよ」

 

礼装の手入れをしながらの応酬。

会話を交わす二人の男の間には緊張はなく、それなりに親密な空気があった。

 

「で、だ。彼はその…どうだった?」

「覚悟を決めていたよ。さすが、死に損なっただけのことはある。他の死者の人格を置換しただけの自動人形(オートマタ)とは文字通り違ったよ」

「そうか…よかった。彼が健在で俺がいるなら、使える手も増える」

 

暖炉にくべてある薪が崩れる。

 

「行くぞ」

 

窓から覗くどんよりとした雪雲———いや、冬木の(ソラ)を見て呟いた。

 

「揺り戻しがきた。———エインズワースに反撃の時だ。聖杯を、獲るぞ」

 

 

 

男の手には、一つの指輪が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




お待たせしておいてこのクオリティーに泣ける。

ドライは、めちゃくちゃオリジナルです。
やりたい展開全部盛り込もうとしたら、友人に収集つかんぞと止められました。

それでも!選んで盛り込みます。
だって、自分が見たいシーン書きたいよネ!

誤字脱字などの指摘、感想、評価などがありましたらよろしくお願いします。
本年も、拙作をよろしくお願いします。

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