Fate/kaleid stage   作:にくろん。

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触媒にストロベリーハーゲンダッツ準備完了。
…サーバー重すぎ…







15話 万華鏡の劇場

 

唸る斧剣。

弾ける空気。

衝撃波はそれだけで脅威となり、ギリギリで躱す私たちには余裕はない。

 

今、私たちが生き残っているのはバーサーカーを挟んで屋上の対角線の場所をキープしているからでしかない。片方に攻撃が集中している間に準備を整え、出来る限り援護をする。するとターゲットが入れ替わり、お互いの役割も逆転する。

相方の回避能力を信じないと成功しないこの作戦は、いつ切れるかもわからないほど細い綱渡りの様相を呈してきた。

 

 

『く、っそう!転移する暇も、ましてや並行世界(パラレル)限定接続(コネクト)をする暇もない!本気でやばい、よっ!』

 

ラルドからの魔力供給を身体能力の強化に注ぎ込み金の斧剣を避け続ける中、焦れたようにラルドが叫ぶ。

そんなこと言われても、この状態は壊せない。

美遊も私もギリギリの状態で維持している均衡。いや、明らかな劣勢。些細なことで崩れるこのバランスは私たちの寿命をわずかながらにも延ばしているんだから。

 

 

そんな奇跡のような天秤も、あっけなく崩れ去る。

 

「が—————っ」

 

本当に、些細なことだった。

金の斧剣を躱し、距離が詰められすぎたと感じた私は、小柄な体を生かして至近距離から死角を縫い離脱しようとした。

バーサーカーがこの状態になってから初めての試み。失敗した時のリスクを考えるとできなかった回避行動だけど、そんなことを言っている余裕はなくなっていた。

 

惜しむらくは————バーサーカーの巨体の影を黄金の鎖が追従していたことか。

 

さっきまでは無かった鎖。

それは先ほどのバーサーカーの復活と共に現れていた腕輪から延びていた。

 

潜り込んだ腕の下、真正面からその鎖に当たった私は抵抗する暇もなく吹き飛び————屋上の入り口に叩き付けられ屋内へと崩れ落ちる。運悪く、屋内の階段をも転げ落ちた。

 

『はくのん!?はくのん!!!』

 

ラルドが呼んでいる。

でも私は、ぜひゅー、と荒い呼吸を繰り返すのみで、答えらえない。

息をするのが辛いとは思わなかった。

視界もチカチカとホワイトアウトする。

鎖が当たった箇所は痛さを通り越して感覚がない。

 

頭が真っ白になる。

もう何も考えられない。

 

 

————そんなわけないだろう。

 

 

無理やりにでも状況を確認する。

体を預けている地面から振動が断続的に伝わってくる。

 

 

————全く、君らしくもない。

 

 

振動が伝わっているということはまだ美遊は無事だ。

私がいなくなって劣勢には違いないけど、まだ生きている。

 

 

————この程度で諦めるのか?

 

 

なら、助けないと…!

いつかの自分の死を思い出す。あんな冷たい恐怖、友達に味わわせるわけにはいかない———!

 

 

————ふッ、それでこそマスターだ。

 

 

沈んでいた意識が覚醒する。

体力は戻っていないけど、まるで水中から上がったように体の重さが抜けている。

体が動くなら問題ない。

 

「ラル、ド。いくよ———!」

 

 

 

全身に力を込めて屋上へと舞い戻る。

そこでは今まさに、振りかぶられた斧剣が美遊へと振り下ろされる瞬間だった。

 

「あ、ああああぁぁぁあああ!!!」

 

なけなしの魔力をラルドに込めておいてよかった。

全力で放った魔力砲は金の斧剣に直撃し、軌道が逸らされた斧剣は美遊のすぐ横の地面に当たり屋上が陥没する。

足を怪我していた美遊はその崩落に巻き込まれ階下へと落ちていくが、美遊なら大丈夫だろう。

 

 

「■■■■———」

 

ゆっくりと斧剣を構え、狂戦士は私を睨めつける。

私もラルドに魔力を籠め、ひるまずに叫び返す。

 

「もう!これ以上私の友達を傷付けさせない!!」

 

はったりだ。

私だってもう限界に近い。

でも、この気持ちは本当だ。

 

美遊を、イリヤを、凛姉を、士郎兄を、ルヴィアさんを、もう傷付けさせない。

 

気炎を上げ、不退転の覚悟を決める。

 

 

そんな私を

 

「よく言った」

 

頭上から降り注ぐ刀剣と魔力砲と共にねぎらう声が聞こえた。

狂戦士は剣群に貫かれながら、魔力砲で足場を崩され落ちていった。

 

 

 

 

 

時は少し遡る。

 

 

 

 

遠坂達をビルで見張り番に残し、自宅に向かい全力ダッシュをしていると、

 

「お、お兄ちゃん!?」

 

上から声がした。

見ると転身し、ピンクの衣装を身に纏ったイリヤが降り立つところだった。

 

「イリヤ!?その恰好…ってそれどころじゃない!白野たちが危ないんだ!」

「私も聞きたいことが…って、え!?」

 

イリヤの手を取り、来た道を引き返す。

 

「…その恰好。決心はついたんだな?」

 

走りながら問いかける。

昨日の弱々しさはイリヤから感じられない。

何かを決意したような、芯の通った力強さを感じる。

 

「———うん。私のせいでミユにもハクノにも迷惑をかけたから。それでね…ママにも後押しされたんだ」

 

アイリさんが帰って来ていたのか。

イリヤに何を話したのか気になるところだけど、今、妹の決心が揺らぐようなことは聞きたくない。

 

「だって二人とも私の…私の大事な友達だから…っ!もう…もう私のこのチカラからは逃げない!二人を助けるためなら、なんだってする!」

「————よく決心したな」

 

本当に。

兄として妹の成長が嬉しくもあり、少し寂しくもある。

 

「じゃあさ。まずは仲直りしないと、な」

 

走りながら微笑みかける。

何故かイリヤは赤くなっているけど、しっかりと頷いた。

 

「うんっ!」

 

さあ、ビルが見えてきた。

 

 

 

 

ビルの屋上までイリヤに運んでもらう。

俺が階段を上がるよりもよっぽど早い。

 

「来たわね」

 

そこで遠坂達は準備万端とばかりに待ち構えていた。

 

「待っている間に考えた作戦を説明するわ。私たちの宝石魔術じゃ一度はバーサーカーを殺せても、その先がない。だから、私たち二人はいざという時のための補助要員よ。主な役目は帰還、退避用の魔法陣を作れる場所の確保と退避時の時間稼ぎ。衛宮くんは美遊と白野を回収している間の囮を頼むわ。…悔しいけど、貴方の近接戦闘の技量はこの中で一番よ。少しでも長く時間を稼いでちょうだい。それで…イリヤ、貴女は戦えるの?」

「うん。もう、逃げません」

 

力強く返すイリヤ。

 

「…いい返事ね。なら、鏡面界に残っている二人とできるだけ早く合流なさい。それが衛宮くんへの最大の補助になるわ。三人揃ったらあなたたちの判断に任せるわ。二人の傷の具合によっては即刻退避よ。無理だけは禁物。いいわね?」

 

「———はいっ!」

 

 

ルビーから魔法陣が展開される。

 

「…悪いわね、衛宮くん」

「何が?」

 

申し訳なさそうに話しかけてくる遠坂。

 

「貴方に一番危険な役目を任せちゃって。貴方の魔術がどんなのか把握もしていないのにそんな立ち位置を任せちゃって」

 

そう言う遠坂の顔は苦々しい。

横のルヴィアもいつにもまして不機嫌そうで————なんだ、二人とも自分の力不足を呪っているのか。

 

「いや。遠坂達の作戦が一番現実的だ」

「でも!…無茶だけはしないでよね」

「もちろんだ。それにな、遠坂」

 

魔法陣が反転し、境界面へと到達する。

 

「囮って言っていたけど、別に倒してしまっても構わないだろう?」

 

きょとんとする遠坂。

その顔がだんだんと崩れていき————

 

「ええ!勿論よ!!」

 

 

さあ、開戦だ。

 

 

 

 

 

 

 

イリヤの魔力砲と共に投影した不死殺しの刀剣類を降らす。

それは確実にバーサーカーの肉体に突き刺さり、傷を与えた。

 

さっき退避するまでとは様子が違う。

バーサーカーの手には金の斧剣が握られ、その巨体を装飾する武具を身に纏っていた。

明らかに強化されている。

 

狂戦士は階下から跳び上がり、崩落した穴から屋上へと舞い戻ってくる。

 

「士郎兄!!!」

 

屋上の入り口付近から白野の声が聞こえる。あそこなら遠坂達に近いな。

あれは美遊だろうか。崩れ去った屋上から覗く、階下の廊下に積みあがった瓦礫の山の陰にうずくまっているのが見える。

 

「お兄ちゃん」

 

イリヤが俺の横に並び立とうとするのを伸ばした左手で遮る。

 

「イリヤ。お前は先にやることがあるだろう?」

 

くい、と白野たちを指し示すが、イリヤはそちらに行くのを渋っている。

 

「信用しろ。妹たちが仲直りする時間くらい稼いで見せるさ。それにな」

 

右手を肩に、聖骸布の結び目に手をかける。

 

「案外簡単に倒しちゃうかもしれないぞ?」

 

拘束を、解き放つ。

目の前にいるバーサーカーは、かつて()が敵わなかった大英雄。

俺が死に物狂いで、文字通り自分の存在をかけてトドメを刺せた大英雄。

 

それが、あの時(俺と私の記憶)以上に強力になっているのだ。

 

迸る魔力は膨大で。

元からほぼ存在していなかった理性はさらに削ぎ落とされ。

それでもなお圧倒的な存在感を放つヘラクレス。

 

ああ、こいつに勝てば。

この聖骸布(戒めの証)から解き放たれるのかもな。

こいつを超えれば、それは確実にあの時の自分(イメージする最強の自分)を超えられる。

 

そう思いながら一歩踏み出す。

 

同時に、大英雄が世界を揺るがす咆哮を上げた。

 

 

 

 

 

撃鉄を上げる。

魔力回路は最初から全開だ。

 

手に持つ双剣は夫婦剣干将莫耶。

隙を見て放つのはハルペーなどの不死殺しの剣。

 

斧剣を、拳を、腕を、足を、鎖を避け、いなしながら一秒先の未来を勝ち取る。

突き、薙ぎ払い、斬り降ろし、殴り、蹴り、突進を躱し、2秒先の未来で生存する。

 

確実に傷を与える事が出来るのは不死殺しの概念が宿った剣群のみ。

しかしそれは、慣れていない俺が振り回すのには適していないから、干将莫耶で防ぐ。

圧倒的な暴力に正面からぶつかって勝てるわけがない。全力で強化した体を操り、攻撃を逸らすことに神経を注ぐ。

 

————視ろ。

 

狂戦士の動きを読み切れ。

待機させた剣を投擲する最高のタイミングを。

 

————視ろ。

 

次の攻撃を読み取れ。

1%でも生存率を上げろ。

 

狂戦士の動きに合わせ、俺の動きも最適化されていく。1秒先で生き残ったらそのまた1秒先の未来を勝ち取る。

高速域での戦闘は、確かな死の未来を曖昧に変化させていた。

 

「フッ!」

 

壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)は使わない。

至近距離での剣戟でそんなことはできない。

 

代わりに、空いた分の思考を使い更なる投影品の設計図を準備する。

 

 

前世において俺が操った狂戦士の宝具。ほぼ同時に急所へと叩き込む九つの剣閃。

 

俺が勝つ上で一番現実的であり、かつ実績がある技だ。

 

 

————だが、それで足りるのか?

 

一抹の不安がある。

この狂戦士からは、かつて敵対したイリヤのバーサーカーが誇っていた数々の武芸は失われている。しかし、それを補って余りある魔力を保持している。

 

どうする。

 

鼻先をかすめる斧剣を無視し、己の中に埋没する。

 

体は剣で出来ている。

 

()(オレ)を探すのに、目の前の剣群を蔑ろにすることはない。軌道を読み、躱し、いなす。避けきれないものは剣を盾に少しでもダメージを減らし、逸らす。

無理な反撃はしない。守りに徹し、確実なタイミングでのみ、投影射出による攻撃を重ねる。

 

————あった!

 

アイツの経験を掘り起こし、発見すると同時に、躱しきれなかった拳が交差した夫婦剣に突き刺さり爆散する。

 

あまりにもの衝撃に距離が離される。

息が止まりそうになるが、無理やり呼吸する。

 

 

 

「————投影(トレース)開始(オン)

 

開いた距離を幸いに、新たな武器を作り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「イ、リヤ…?」

 

瓦礫の山から這い出してきた美遊が、イリヤに肩を貸されながら呟く。

 

 

「行ってきなさい」

 

いつの間にか近くにいた凛姉とルヴィアさんに見送られ、イリヤたちのすぐそばまで移動する。

 

 

「どうしてここに…」

 

無理やり連れだされたのか?

私たちが士郎兄たちを逃がしたせいで。ここまで追い詰められているから。

 

美遊も同じ気持ちなのか、どことなく不甲斐無さそうな面持ちをしている。

 

 

 

「ごめんなさい」

 

 

唐突に、イリヤが頭を下げた。

思わず美遊と顔を見合わせる。

 

 

「わたし————バカだった」

 

 

屋上から聞こえていたはずの激しい戦闘音が遠ざかった気がした。

 

 

「何の覚悟もないまま、ただ言われるままに戦ってた。戦っていても、どこか他人事だったんだ。親友と一緒に魔法少女になって、空まで飛んで、まるでアニメの中の魔法少女みたいだって。こんなウソみたいな闘いが現実に起こるはずもないって…」

 

 

イリヤの声が震える。

 

 

「その、”ウソみたいな力”が自分にもあるってわかって……急に…全部が怖くなって…」

「イリヤ…」

「ハクノが、親友がそれでも何も言わずに戦い続けて。美遊は、友達は私を巻き込まないよう戦いから遠ざけて…そんな二人に甘えて…」

 

 

ぐし、と目尻を拭うイリヤ。

 

 

「でも、本当にバカだったのは、逃げ出したことだ!」

 

 

イリヤの慟哭が響く。

 

 

「”友達”を見捨たままじゃ、こんな”親友”に甘えてばかりじゃ、前へは進めないから…ッ!」

 

 

三本のステッキが共振する。

 

 

「だから私は!自分の意志で戦うって決めたんだ!」

 

決意の籠った強い目で、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは立ち上がった。

 

 

 

 

 

「…行こう」

 

美遊がイリヤに右手を伸ばす。

 

「…そうだね。終わらせよう」

 

私はイリヤに左手を伸ばす。

 

 

「—————うんっ!」

 

そして、イリヤは両手で————私たちの手をしっかりと掴んだ。

 

 

 

 

 

 

三人そろって屋上に上がる。

 

 

そこでは苛烈な戦いが繰り広げられていた。

圧倒的な力を、死の隙間を縫うように生き延びる士郎兄。時々飛来する剣は狂戦士に突き刺さり、ヘラクレスの姿をまるで武蔵坊弁慶のようにしていた。

 

 

「す、すごい…」

 

 

剣の何本かは関節部に突き刺さり、狂戦士の駆動を妨げる。そして生まれたわずかな動きのブレが士郎兄の生存率を上げる。

 

 

「————投影(トレース)開始(オン)

 

 

士郎兄の詠唱が聞こえる。

 

両の手でしっかりと掴むのは豪奢な黄金の剣。

どことなくセイバーの聖剣に似ている。

 

 

「――――憑依経験、共感終了」

 

 

構える士郎兄の存在感が増した気がした。

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん!」

 

イリヤの声が聞こえる。

ちら、と視線を向けると、3人でしっかりと寄り添い立っていた。

 

————そうか、無事に仲直りできたんだな。

 

3人の目が、力強く訴えかけてくる。

この攻撃を以ってトドメを刺そうと思ったけど、ここは————。

 

兄として、妹たちの露払いを務めることを決意する。

 

どくん、と胸にしまっていたカードが熱を持つ。

 

「え—————」

 

ひとりでに浮き上がるのはArcherと書かれたクラスカード。

なにかご利益があるかも!と一人バーサーカーに向かう前、イリヤと遠坂に押し付けられたクラスカードだ。

 

黄金の剣を手に、憑依経験により狂戦士の経験だけを憑依させている俺の前で発光するクラスカード。

その光は俺を包み込み—————

 

「え…」

 

新たな装いへと変わっていた。

左手首に巻き付いているのはさっき解いた聖骸布の一端のままだが、体と足に武士風の赤い甲冑と脛当てが装着されている。腰布はあの赤い弓兵の外套のような布が巻かれ、白い羽織が肩にかかる。

 

それは偶然か必然か。

クラスカードが士郎の魔力と共鳴し、この一瞬だけ十分な魔力を士郎に与えていた。

 

 

勝利すべき黄金の剣(カリバーン)を構える。

本来はこの剣の技ではない。しかし、この剣は弓兵が俺だったころにヘラクレスを打ち破った剣だ。この剣で、彼の技を模倣する。

 

過去の経験が積み重なる。

 

自分自身で放った過去。

斧剣から読み取ったことのある経験。

今、その経験だけを憑依させている狂戦士の記憶。

相棒と共に此の剣で放った黄金の一閃。

 

 

 

 

 

「■■■■———ッッ!!」

 

 

バーサーカーが渾身の力を込めた斧剣がうなりをあげながら接近し、

 

 

 

 

 

是、射殺す百頭(ナインライブスブレードワークス)!!!」

 

 

 

勝利すべき黄金の剣(カリバーン)によって放たれた絶技と交差する!!!

 

 

 

その一瞬にも満たない交錯は、

 

 

 

 

 

 

バキィィィイイイン

 

 

 

 

 

互いの得物の柄を残し打ち砕いた。

 

 

 

 

 

 

 

溶けるように士郎兄の姿が元に戻る。

 

私たちの視線を受けた士郎兄の狙いが変わるのがわかった。

多分、直接バーサーカーを倒すんじゃなくて、私たちのために武器を壊したんだ。

 

ならそれに応えないと。

 

 

 

 

 

キィィィィイイイン

 

 

 

 

 

ステッキの共鳴音が高まる。

 

「これは…」

「うん。できるよ。私たち三人なら」

 

三本のステッキが交差し、中心にセイバーのクラスカードが浮かび上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

————”並列限定展開(パラレル・インクルード)”。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

———それは、得物を無くした獣が私たちへと突進しようとするのと同時のこと。

 

 

 

 

鏡面界に再び薔薇が咲き乱れ、風と共に舞い上がる。

 

 

 

 

 

鏡面界が塗り替わり、舞台は燦然と輝く黄金の劇場へ。

 

 

 

 

 

佇む主役は三人。それぞれの手に聖剣を携え巨人に相対する。

 

 

 

 

舞台の上で、主役に祝福を与えんとばかりに燦爛と輝く、その一二本の黄金の光はまるで————

 

 

 

 

 

 

万華鏡(kakeidoscope)————」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「——————————!!!」」」

 

 

 

 

 

 

太陽が闇を貫き、黄金劇場は終幕を迎える。

 

 

 

 

 

 

そして。

 

 

長い長い、私たちの夜が終わった。

 

 

 

 

 




満を持して無印戦闘終了。

ご指摘があったので少し解説を。
士郎が是、射殺す百頭をカリバーンで使えたのは、HFルートにおいて士郎自身がこの剣技を使用したからです。斧剣から生前のヘラクレスの経験を読み取ったのではなく、自分に憑依させたヘラクレスの経験と、自分が一度放ったという経験、それをもとに勝利すべき黄金の剣で彼の絶技、是、射殺す百頭(ナインライブスブレードワークス)を再現しました。

わかりづらくてすみません。

士郎の一時変身はコミックウォーカーでプリヤ最新話を読んだらやらないといけない気がした。ついでに後で使うかも?

あと一話で無印終了です。
賛否両論あるとは思いますが、よろしくお願いします。


誤字脱字などの指摘、感想、評価などがありましたらよろしくお願いします。

日曜日か月曜日に無印最終話投稿できるといいな。

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