鴉の生きざま   作:バナナサンデー

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今回は主人公と一夏かとの出会いとか、
主人公の目標とかそんなものです。

正直主人公を女にしたのは男のままではISを動かせる
理由が思いつかなかったからです。

自分の技量不足に無念。


第一話

「またこの夢か…」

 

体を起こし、汗でじっとりと濡れたシャツを脱ぐ。

時刻はAM6:00学校に行くへすこし早い時間帯だ。

 

(これは《私》への戒めなのだろうか…)

 

この世界に生まれ変わってから幾度となく見てきた夢、

それは私のレイヴンとして意思を幾度となく再認識させてきた。

そう生まれ変わったのだ、この世界にレイヴンは存在せず

ACもない。まったく別の異世界にて私は二度目の生を受けていた。

 

 

インターネサインでの死闘。

あれは思っていた以上に体に負担がかかっていたのだろう。

壊れかけの機体を必死に動かしインターネサインを脱出したその時

緊張の糸が切れたせいかそのまま俺の意識は飛んでしまった。

なんとも情けない話だ。彼女の最後の言葉、

この俺を(レイヴン)であれとした呪いの言葉。

やっと見つけられたと思った俺の答え、

たとえ他者から与えられた物だったとしても

空っぽの俺にとっては大事なものだったのに。

 

戦いの先に(レイヴン)を見ていた彼女の信念を、

それを自らの物としこれから唯一人のレイヴンとして

最強で有り続けようと願っていたのに、

何もせずそのまま事切れてしまったのだから。

 

最後の思いは無念の一言だった。

 

 

 

 

 

そして気が付いたらこの世界に生まれ変わっていた。

所謂転生という奴だろうか、

この世界で私の名前は有烏渡利(うからすわたり)

どことなく因果を感じさせる名前だが気に入っている。

両親は健在だ。

正直いって生まれたころから明確な意識がある私は不気味な子供だっただろう、

だが両親は愛情を注いでくれここまで育ててくれた。

感謝してもしきれない。

この恩は必ず返そうと思っている。

 

 

 

私はこの世界に生まれてからずっと考えてきた、

この世界でレイヴンとして生きていくにはどうすればいいのか…

答えはすぐには見つからなかった。

 

―――レイヴン―――

 

依頼を達成し報酬を求め常に最強で有り続ける。

それはこの平和な国では到底成しえないものだった、

 

だが、それは唐突に起こった。

 

数年前に起こった白騎士事件、世界は驚愕し俺は歓喜した。

IS 〈インフィニット・ストラトス〉それはまさしく驚異的であり

その性能は既存の兵器を上回っていた。

私はその時に確信した、ISに乗り最強と呼ばれる存在まで

のぼりつめれば私はまたレイヴンとして生きられるだろうと。

そして自らの幸運に感謝した、今生での性別が女性であることに。

 

 

「渡利、そろそろ支度しないと遅れちゃうわよ」

「分かりました母さん」

 

一階から母の声が聞こえそれに答える。

すこし考えにふけすぎたようだ、

なんせ今日は中学校生活の初日だ、送れるわけにはいくまい。

私は制服に着替え肩まで伸びた髪を整えると朝食を取りに下へと降りて行った。

 

 

「では行ってきます母さん」

「行ってらっしゃい、心配ないだろうけど気を付けてね」

 

母に見送られながら玄関をでる。

父親は単身赴任のため現在は一緒に暮らしていない。

別れの挨拶の時に本気で泣いていたのが印象的だった。

まったく合おうと思えばいつでも会えるだろうに。

軽く走りながら学校へと向かう

学校までの距離は少しあるがこれでも鍛えてはいるので20分もすれば付くだろう。

前世とは性別の違うこの体、初めは戸惑ったが今ではもう慣れたものだ。

 

 

AC乗りは基本的に筋肉質だ、

それは機体制御時に振り回せれないためにはある程度の力が必要だからだ、

私も前世では体を鍛えておりその名残で今生でも体は鍛えてきた、

初めはACもないこの世界で体を鍛えてもあまり意味があるか疑問だったが

今ではやっていて良かったといえる。

ISを動かすにも体は鍛えてあるに越したことはないだろうから。

 

 

 

学校に付き振り分けられたクラスにに入ると中はだいぶ賑わっていた。

クラス全体を見回すとどの人物も皆緊張していたりわくわくしていたりと

落ち着きのない様子だった。

まあ初めてのクラスで初めての中学生活だ緊張もするだろう、

その時教室の扉が開き教師が入ってきた。

恐らくこのクラスの担任だろう

 

 

「はい、みなさん静かにしてください。

 今日から皆さんの担任になった鈴木健一です、よろしくね」

 

それから担任は一通り中学校生活での注意点などを説明すると

クラス内での自己紹介が始まった。

 

 

「それじゃあ出席番号順からしていってね」

 

その言葉どうり教室のはじから順番に自己紹介をしていく、

 

 

「相田隆盛って言います、趣味は読書で……」

「織斑一夏です。小学校までは剣道やって……」

「木村真一でーす。好きなものは……」

 

一通り名前と顔を覚えていく。

これから同じクラスで学ぶのだ友好関係を築くのは悪くないだろう。

周りを見てみるとあの織斑一夏という男に女子の視線が行っているようだ。

なるほどなかなかに良い顔をしている、それに体も鍛えてあるのか

細く見えるが力はありそうだ。なんとも女子が好みそうなやつである。

そんな事を考えているうちに自分の番が回ってきた。

大丈夫だ内容はすでに考えてある。

 

 

「有烏渡利だ。目標としているのはIS乗りとして最強になることだ、

 また何か依頼があれば引き受けよう、その時は私に言いに来い。

 出来うる限り遂行しよう、ただし報酬はいただくがな」

 

完ぺきだ、伝えるべきことは全て伝えられた。

 

 

「「「………………………」」」

「なんだ?私の番は終わったぞ。次の奴、自己紹介をしたらどうだ?」

「そ、それじゃあ、次の、えーっと大蔵さんお願いします」

 

何だ?担任まで何か不思議な物をみるような眼をして、

どこか不備があっただろうか。

そんな事を思いながら私の中学校生活はスタートしたのだった。

 

 

 

 

 

side 織斑一夏

 

驚いた、何に驚いったって自己紹介の内容にだ。

IS乗りとして最強になるってのはまだわかる。

世界にISが出来てからそれは憧れの的だ、

それを目指す子がいるのは不思議じゃない。問題はそのあとだ、

依頼ってなんだ?あれか?

ジュース買ってきてとかそういうことをしてくれるのか?

訳が分からないがあの子の目は真剣だった。

それこそ剣道の試合中の対戦相手みたいな真剣さだった。

そしてもっと驚いたのはその美貌にだ、

今まで会った子の中でも特別に美人だった。

すらっと伸びた鼻先、大きな目、その綺麗な黒髪、

カラスの濡れ羽のようなとか、艶やかなとか、

そんな言葉しか出ないけどとにかく俺はその髪に、彼女に心が引き込まれていた。

ふいに彼女がこちらを見た。

 

 

「っ!!」

 

急いで目線を逸らす、って別にそんなに慌てなくてもいいじゃないか。

別にただみていただけでやましい事をしていたわけじゃないし。

そう思ってもう一度彼女のほうを見ると彼女もこちらを見ていた。

 

 

「うっ…」

 

自分の顔が赤くなるのが分かる、

なんでこんなにドキドキしているんだろう。

…だけどまあ、いやじゃない。

これから中学生活は楽しくなりそうだ。

こうして俺はこれから始まる中学生活にわくわくしていた。




主人公の容姿は特に決まっていません、
しいて言うなら髪は黒髪、胸はそこそこ程度、ぐらいでしょうか。

今作の主人公は生身での戦闘ではそんなに強くありません、
恐らく箒と剣道勝負をすれば負けてしまうでしょう。
正直AC乗りはACが壊されてしまえばその時点でゲームオーバーです、
なので実際に生身で戦う機会などほとんどないと私は思います。
まあそれだとあまりに主人公が弱いので彼女にはある特技がある設定に
なっております。まあレイヴンに必要かどうかはわかりませんが、
そこはロマンです。

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