鴉の生きざま   作:バナナサンデー

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今回の話ではインフィニット・ストラトスのイの字も出てきておりません。
またこの作品の主人公はラストレイヴンとなりますがその機体構成などは
あまり深く考えて作られておりません。

またどの程度の文章量がいいのかなども分からずに描いております。
また改行などもどの程度でやればいいかも分かっておりません。
よろしければ何方かご指示お願いします。


プロローグ

俺は生まれてきてからただ淡々と依頼をこなしてきた。

何かほしい物があったわけじゃない、金も、権力も、女も、ただそうするしか知らなかったからだ。

企業からでも個人からでも依頼はどんなものでもやってきた、その中で様々な人と出会ってきた。

 

弱者を虐げる者、

争いで金を儲ける者、

戦いにしか生を見いだせない者、

世界の安定を願う者、

レイヴンを憎む者、

最強を目指す者、

世界を管理し安定を望む者、

 

そんな彼らと出会い、戦い、そして倒していった。

彼らは目的のために常に全てを賭けていた、金を、力を、そして自らの命さえも。

彼らには意思があり信念があった、俺にはない明確な信念が。それが俺には羨ましかった。

彼らは自らの目的のために全力を賭け後悔などせず誇り高く(レイヴン)として生きていたのだろう、だが俺は違った。

俺には信念などなくただ依頼された事をするだけだった。

そこに俺の意思はなく依頼者の言われた通りに仕事をこなすだけの飼い鳥(レイヴン)がいるだけだった。

依頼され、成功し、また依頼され、また成功させ、報酬は積み上がりそれと同じだけ手も血に染まっていった。

俺は自らの意味を探し続けていた、それは戦いの中にあるのか、それすら分からない。

だが俺にはそれしか出来なかった。

 

 

戦って、戦って、戦って、戦い続けた。

 

 

 

世界は混乱していた。ジャック・Oが予告したアライアンス襲撃までタイムリミットは24時間、残されたレイヴンは22人。

俺もそのうちの一人だった。そんな中でも俺は戦った。

任務のためにレイヴンを殺し、また新たな任務の中でレイヴンを殺した。

いつしか俺は最強と恐れられていた。最強?ただの飼い鳥(レイヴン)である俺が?

分からない、ただジャック・Oはこの俺に最後の依頼をしてきた。「中枢突入」

それがジャックの依頼してきたミッションだった。

 

 

 

 

インターネサインの中枢にて施設の供給システムを破壊する。

あっけないものだ。24時間の激闘の終わりがこの程度のものとは。

 

「予想どうりね、施設機能は完全に停止したわ」

 

オペレーターの声が聞こえる。思えばこのオペレーターも物好きなものだ。

なんせどの勢力にも付かずに唯依頼された内容をこなすだけのつまらない奴に

最後まで付き合ってくれたのだから。一度だけ「なぜ俺になんぞ付き合うんだ?」と

聞いたことがあったが笑ってこう答えていたか「あなたはお金になるんですもの」と、

思わず笑みが出る欲望に忠実なその言葉は俺にはないものだから。

 

「お疲れさま、これでやっと…」

 

その言葉を聞き張りつめていた神経を解こうとしたときにそれは感じた。

今までで一番の緊張感、死と隣り合わせの感覚。レーダーに熱源反応がでる。

これはACか……甲高い音が聞こえてきた、間違いないACのブースター音だ。

そうしてレーダーの反応が示すほうにメインカメラを向けるとそこから紫のACが降りて来た。

 

 

「お前か…、やはりな…そんな気がしていた」

 

彼女の声がオープンチャンネルで伝わってきた。

 

「私たちの存在…それが何を意味するのか、これでわかる気がする」

 

決してレーダーでは感じ取れない独特な雰囲気……

濃密な死の気配が部屋中に充満する。戦場の感覚だ…

 

「お前を倒し、最後の一人となった…」

 

きっと彼女にも成すべきこと、貫く信念があるのだろう。

その機体からは今まで出会った者たち以上の者を感じる。

誇り高い(レイヴン)の感覚を…

 

「その時に!!」

 

彼女の機体が青白いブースターの炎を吹き、その重い鋼鉄の塊を動かす。

速い!距離を取らなければ一瞬でハチの巣にされてしまうだろう、

そう判断した俺は機体のブースター吹かし自らの機体を後ろへと下げ

円を描くように旋回する。

 

「戦闘は避けられないわ、迎撃して」

 

そんな事は言われなくても分かっている!

そう思っている間にも彼女はレールガンとデュアルミサイルを織り交ぜながら

トップアタックを仕掛けてくる。

こちらも牽制気味にマシンガンを放ちながらとにかく距離をとることに専念する。

幸いレールガンの弾速は速くない、この距離ならば十分に避けられるだろう…

しかし問題は肩に付いているパルスキャノンだ。

この機体では数秒間その弾丸に晒されただけで溶けるように撃破されるだろう。

その時彼女の機体が突然急接近してきた、なんて機体だ……

あんな速度を出していては強化人間どころの肉体改造ではすまないだろう。

そんな事を考えているうちにみるみる距離は近づいていき彼女のパルスキャノンが起動するのをカメラが捉えた。

まずい!俺はとっさにマイクロミサイルを放ちその射線から逃れようと急旋回する、しかし彼女はそれを許さなかった。

まるで俺の動きを見通すかのように正確にこちらを狙ってくる。

このままではこちらが削り切られて終わってしまうだろう。

俺は肩のレーザーキャノンを起動させながら機体を急転換させ

一気にブースターを吹かし距離を引き離す、

そして振り向きざまにレーザーキャノンを放つ。

彼女はそれすらもかわしまたこちらへと距離を詰めてくる。

なるほど……相手がそのつもりなら俺も同じ土俵で戦うことにしよう。

俺はミサイルとレーザーキャノンをパージしマシンガンとレーザーブレードを構える。

軽くなった機体は彼女の機体と同じだけのスピードを出しえるとは言えないが今までよりはマシだろう、

その分体への負担は増えるが仕方ない、どのみちこの戦いに負ければ死ぬだけだ。

俺はブースターを吹かせながら彼女の機体へと向かっていった……

 

 

 

 

 

 

 

「私はただひたすらに強くあろうとした…」

 

彼女の機体が膝をつく、全身には火花が立ちすでに指一つ動かすのも叶わないだろう。

戦いはまさしく死闘だった、こちらの機体もすでに大破寸前。

頭部は完全に壊され、左腕はどこかへ落としてきてしまった。

 

 

「そこに私が生きる理由があると信じていた…」

 

 

それは彼女の独白だったのだろうか?

 

 

「やっと追い続けた者に手が届いた気がする…」

 

 

レイヴンとして生きるとは何なのか、

それを求めて走り続けた彼女がたどり付いた物は何だったのか。

 

 

(レイヴン)…」

 

 

それが彼女の答えだったのだろう、

気高く、誇り高く生きていた彼女は最後にそう言って死んだ。

 

 

「その称号は…、お前にこそふさわしい…」

 

 

この飼い鳥(レイヴン)(レイヴン)という羽を与えて……




次回からはISの世界が舞台となる予定です。
正直ACの主人公とはプレイヤーが違えばどんな主人公にも見えると思います。
今作の主人公は彼女の最後の言葉が探し求めていた信念となるので
その信念に恥じぬように生きていこうと決意します。
なのでカッコイイ主人公をかけたらいいなあと思います。

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