グランドオーダー……早く新しいステージを解放してほしい。
ウェイバーは、
英霊たちが奏でる歌によるものだ。
それらまとめて出来が悪く、破壊を生む大合唱となって地面を抉り、コンテナを吹き飛ばし、衝撃波を発生させている。
「ははははは!!ダレイオスよ、どうした?その程度かッ!!!」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」
ライダーはこの聖杯戦争において、かつて生前彼の前に幾度も立ちふさがった彼がまた立ちふさがることに喜びを得ていた。
そしてバーサーカーも同じく、己の国を侵略しようとしたライダーと巡り合うとは思っていなかった。生前は敗北したが、今回は負けない。そんな気持ちを狂った体に秘めて、ライダーへと拳を放つ。
ライダーも拳を放ち、お互いの放った拳がぶつかり合い、衝撃波を発生させて地面を抉りとる。それはまるで大太鼓が奏でるような激しい音だった。
お互い武器は無粋だと既に投げ捨て、拳で語り合っている。拳が体に当たるたびに相手の思いが、意思が理解できる。ソレは両者にとっては———特にライダーにとっては快い時間だった。
だが、何事にも終わりはある。
突然バーサーカーが停止して、霊体化したのだ、それは彼のマスターである間桐雁夜の体が限界だった為だ。彼は元々魔術師としての適性はなく、聖杯戦争に参加する事は不可能だったのだ。だが、桜という少女を救うために刻印虫という虫に己の体を蝕ませ、疑似的な魔術回路を作ることにより魔術の行使を可能としたのだ。だがソレは魔力を使うたびに刻印虫が体を喰らい、とてつもない激痛が襲うという代償がある。
故に今回は撤退させた。憎き時臣のサーヴァントをバーサーカーで倒すはずだったが、バーサーカーはどういうわけかこちらの指示には全く従わずに、ライダーへと襲い掛かった。そしてバーサーカーが動くたびに己の体が喰われ、激痛が走るのだ。
このまま戦わせても仕方がないと、撤退させた。
残されたライダーはつまらなさそうに、だが笑顔で頭をぼりぼりと掻く。
「ぬう……ダレイオスのマスターはそこまで豪気な人物ではなかったようだな……まあいい、これはまだ一回戦。この先で戦えば良いか」
ライダーVSバーサーカー:バーサーカーのマスターが限界な為、持ち越し。
セイバーはスキル
それ故にランサーは剣の間合いが測れずに、攻めきれずにいた。だがそれも過去の話だ。何度も、何度も武器を交わすうちに、間合いを学び理解していた。セイバーもそれを理解していた。
そして遂に――――ランサーの槍の切っ先がセイバーの頬を掠める。
「よし、テメエの剣の間合い、大体分かったぜ!」
「――――ぬかせ。一度掠っただけでで私の剣を見ただと?だとしたらそれは思い上がりだぞ?ランサー」
「――――ハッ!だったら俺の槍を躱してみろや!『
それはランサーの宝具。燃費が良いため、何度でも連続して放つことが出来る。
因果逆転の槍はセイバーの心臓を貫こうとするが、セイバーは直感により、それを躱すがアサシンのように軽傷とはいかなく肩を負傷した。
彼女の後方に控えているアイリスフィールの魔術による治癒を行うが、一向に傷が回復する様子はない。
「治癒が効かない!?」
「恐らくは回復不能の呪いでしょうね……」
セイバーはその現象を把握し、改めて剣を構えるが、ランサーは憤怒の表情であった。
「……俺の槍が二度も躱されただと……ハハハ!!いいじゃねえか!」
「クッ!?」
だが瞬時、ランサーはセイバーに向かって笑いながら切りかかる。彼にとっては誇りをなじられたようなものだが、聖杯戦争に参加する動機は「強い奴と戦いたい」というものだ。そして参加してみればどうだろう。現在真名が分かっているだけでも、アーサー王、イスカンダル。ダレイオス。佐々木小次郎。と名だたる英雄たちが集っている。槍を躱されるということは、それだけ戦う相手が強いということだ。
自分よりも強い存在。それだけで十分に楽しめる!!
「いくぜええぇぇ!!騎士王ッ!!!」
「いいでしょう、光の御子よ!」
そして剣戟は更に一層激しく、美しい音色を奏でる。
彼らが活躍する傍ら、舞台裏で潜む者がいた。彼は目立たないように闇に紛れて銃を構えていた。彼はセイバーのマスター、衛宮切嗣だ。
彼の構える銃の先には、ランサーのマスターであるケイネスがいる。切嗣はインコムでパートナー……いや、己の部品である久宇舞弥と通信していた。
「ランサーのマスターを撃つ。こちらのタイミングに合わせてくれ」
『了解しました』
「それじゃ行くぞ……カウント3、2、1、ゼロ!!」
切嗣のカウントがゼロになった瞬間、切嗣と舞弥の構える銃の引き金が引かれ、弾丸がケイネスに迫る。
殺気も音も完璧に隠した。このままケイネスの頭を弾丸が打ち抜く————ハズだった。二発の弾丸は銀色の壁により、止められていた。その銀色の壁の正体は、ケイネスが誇る魔術礼装。
これは水銀を使用した魔術礼装であり、自在に形を変更させることができる防御・攻撃の両方を賄えるという恐ろしいものだ。
「フン――――今のは銃か。魔術師の面汚しめが。このケイネス・アーチボルト自ら誅伐してやろう。『自動索敵』!」
ケイネスの詠唱と共に、水銀が細い線となって辺りを這いずり回る。それは索敵。敵を見つけ出して仕留めるための下準備だ。
「『
そして水銀が鞭―――薄い刃となって切嗣と舞弥を襲うが、両者ともこれを回避する。
『キリツグ。どうしますか?』
「二手に分かれてかく乱する。そして制圧射撃だ」
『了解』
最低限の指示。長年一緒に戦ってきた彼らにはそれだけで事足りる。
そして水銀から逃れるように、コンテナの上を走り回りながらケイネスにマシンガンを撃つが、すべて水銀により防がれている。
切嗣は自身の体内の時間を操作することで水銀の猛攻を回避しているが、舞弥はそうはいかない。彼女は魔術はある程度かじってはいるが、それは基礎的なものだけだ。
「グッ!?」
故に————水銀の刃を躱すことは不可能。水銀の刃は舞弥の脇腹を抉った。だがそれでも動く、走る。ここで一歩でも止まると死ぬのだから。
マシンガンで弾丸をばら撒きながら移動するが、やはり弾丸は水銀の盾によって防がれる。
「フン、衛宮切嗣か、貴様の様な奴を雇い入れるとはアインツベルンも地に落ちたものよ」
「……」
ケイネスは切嗣を侮蔑する。魔術師のエリートであるケイネスにとって切嗣は、魔術師という存在を汚すような不愉快極まりない存在だ。科学というものを使い、魔術を追及しようとはせずに純粋な殺人の為に使う。魔術師としての誇りを全く持ち合わせていない。だから殺す―――いや、これは魔術というものを汚す存在に対しての誅伐だ。
ケイネスは改めて切嗣を確実に殺すと、己の意思に、魔術師の誇りに誓った。
だが切嗣もむざむざとやられるつもりはない。とにかくマシンガンを使い、手当たり次第に弾丸をばら撒く。
そしてケイネスは弾丸を水銀で防ぎ、攻撃を加える。その攻撃を切嗣が避ける。先程からこれを繰り返すのみだ。
だが、切嗣は淡々とチャンスを狙っていた。自分の切り札を使うチャンスを。
そして、切嗣は銃を別の物に持ち替えた。その銃は30-06スプリングフィールド弾というものだ。
それはマシンガンみたいに連続して撃つものではない。今までのマシンガンの乱射はこれを効率的に使うための布石。
ケイネスは弾丸を防御するとき水銀を薄膜化させていた。30-06だが、スプリングフィールド弾の破壊力はマシンガンものとは破壊力が高いのだ。そして引き金を引いて、それは撃たれた。ケイネスは水銀で防御しようとするが、薄膜化している水銀では防御しきれずに、弾丸はケイネスノ肩を貫いた。
「おのれッ!薄汚い狗風情がァ!この私に傷を負わせるだと!?『
ケイネスは激昂する。魔術師の面汚しに!銃などというふざけたモノに!己を傷つけられるとは、それはプライドが許さなかった。
そして舞弥と切嗣はマシンガンをばら撒く。
そして、切嗣は己の切り札を懐から出す。それは切嗣の起源、『切って紡ぐ』というものを利用した弾丸。この弾に当たった魔術師は、電気回路に水を垂らされたように、魔術回路が粉々に破壊されるという恐ろしいものだ。
そして―――撃つ。ケイネスは、水銀で防御しようとしたが、一瞬思いとどまる。何故ならば、先ほどはマシンガンとは別の銃を使って打ってきた。その弾は水銀の膜を貫いて、肩を負傷させられた。ならば、この銃は?先ほどのものとはまた違う銃。何らかの仕掛けがあると見て良いだろう。そう短い時間で高速思考したケイネスが取った選択――――それは避けること。
「何!?」
切嗣は己の必殺が避けられたことに驚愕し、歯噛みする。タイミングも、狙いもばっちりだった。だというのに、避けられた。そんな切嗣を見て、ケイネスは笑う。
「ふふん、やはりアレには何かしらの仕掛けがあったか。まあいい、死ね」
「グッ!?」
ケイネスは水銀の刃で切嗣の胸を斜めに切る。それでも生きていたようで、とどめに首を切ろうとしたが、それは叶わなかった。セイバーがいつの間にか切嗣を庇うように移動していたのだ。
「ランサーのマスターよ。これ以上切嗣に手をだすならば、私にもそれ相応の対応をしなければならない」
「ぐっ……!」
さすがにサーヴァント相手では、分が悪い。己のサーヴァントであるランサーは何をやっているのだと、見るとセイバーに斬られたのか、胴体に斜めの傷が入っていた。
「……ッチ!役立たずめが!撤退するぞ!」
「オーケー、手厳しいなぁ。セイバー、次は俺がテメエを斬る!」
ケイネスはプライドが邪魔して暫く思考したが、このまま戦っても負けるのはこちらだという結論を出して、仕方がなく撤退した。
セイバーvsランサー:切嗣負傷。ランサー負傷の為、持ち越し。
弾いた財は横に、後ろに、前に、向かってくる財にぶつけて相殺。偶にアーチャーに向けてはじくといった神業を見せていた。通常ならばその威力に押されて殺されるハズなのだが。アサシンはそれらを卓越した剣技で弾いていた。それだけではない、偶にだが真っ二つに切断していたりもした。
「……おのれ!雑種風情が!我が財を斬るか!?」
「フン、斬られたくなければ投げるなよ?」
アーチャーは激昂した表情で吠える。だがアサシンはそれを鼻で笑うだけだ。
アーチャーとアサシンは同盟を組んではいる。だが実際に対面するのはこれで初めてなのだ。それはなぜか。アサシン……佐々木小次郎は暴君。正確には理不尽なものを押し付ける存在が大嫌いだったからだ。
ギルガメッシュは暴君であり、理不尽が歩いているようなものだ。時臣はこういった事態を懸念して、合わせることはないようにしていたのだが、それも今は遅い。
「フン、死に急ぎたいようだな、雑種が」
「やれやれ、雑種はそっちだろう?神と人間の血が混ざった
「貴様ァ!吠えたな!!」
アーチャーはアサシンの挑発に美しい容貌を、歪めて怒る。そして先ほどまでとは比べ物にならない量の財宝がアーチャーの背後から顔を見せていた。それらが発射されれば、この港は本格的に壊滅するだろう。だがアサシンは余裕の表情で刀を構える。
それら全てを弾き、斬るといわんばかりだ。
だが、お互いこれ以上動くことは出来なかった。何故ならば彼らのマスターによって令呪が行使されて、止められてからだ。
そのことにアーチャーはアサシンを見下し、己のマスターを憎む。
「おのれ時臣よ、大きく出たな……まあいい、そこな雑種よ。
そしてアーチャーは霊体化して、残されたアサシンは念話にて己のマスターに謝罪する。
「すまない、マスターよ。次回からはこのような事がないように善処しよう」
そしてアサシンもその一言だけを告げて霊体化する。アサシンのマスターである綺礼は、己の師であり、同盟相手である時臣に謝罪していた。
「申し訳ありません。師よ、私のアサシンの粗相で令呪を一画消費させることになりまして……」
『いや、良い。アレは相性上仕方のないことだ。アサシンはセイバーとランサー二騎を相手に互角に戦う戦力を持っている。次回からはアサシンを効率的に使用する為のプランを立てよう』
「……ハ」
アーチャーvSアサシン:お互いのマスターに止められて保留。
ライダーもセイバーもこれ以上はやることがないと、解散して港に残ったのは破壊の跡だけだった。そこは文字通り爆撃され、もはや原型はなくなっていた。
聖杯戦争史上、最も激しい一回戦はこれで幕を閉じた。
そして水晶玉に映された光景を見てはしゃぐ人物が一人。
「スッゲエよ!旦那、アレCGでもなんでもないんだろう?プレステなんて目じゃねえ!」
彼の名は龍之介。イカれた連続殺人鬼であり、キャスターのマスターである。だが彼のサーヴァントである当のキャスターは水晶玉に映された光景には、なんの興味もなく何処か遠くを見ている。
「どうしたんだ?旦那」
「―――――じる」
「え?」
「感じるぞ!はるか遠きフランスにおいて我が聖女、ジャンヌ・ダルクが降臨なされた!――――しからば、聖女がこの地に来る前に聖女に相応しい
キャスターは感極まったと言わんばかりに、目を涙で濡らす。
彼の真名は、かつてジャンヌ・ダルクと共に戦場を駆け抜け、ジャンヌ・ダルクが処刑された後は、ジャンヌ・ダルクを陥れた神への報復のために黒魔術に手を染めて、数多くの子供を虐殺した男、
「おお!何だかよくわからねーけど、面白いことをするんだな?」
「ええ、聖女を迎えるにあたって、相応しくないゴミを片付けにいって参ります。リュウノスケは少々お待ちを」
キャスターはそう言い、不気味な目をギョロリ。と移動させて水晶玉を見る。そこに映されていたのは、ランサーとそのマスターであるケイネスとソラウであった。
キャスターの旦那が本気だした!どうなるのコレ!?
作者は無事風呂敷を畳めるのか!?(多分ムリ)
真名:佐々木小次郎
クラス:アサシン
筋力:C 耐久:C 俊敏:A⁺⁺
魔力:E 幸運:A 宝具:EX
スキル
気配遮断:-
明鏡止水に含まれるため、消失。
剣の極み:EX
剣を一定の範囲で極めたものに与えられるスキル。
EXともなるとそこらの英霊を軽くあしらう。
心眼(真):A⁺
修行・鍛錬によって培った洞察力。
相手の動きを予想する。
明鏡止水:A
自身の心を波一つない湖の如く鎮める。
気配遮断B、透化A、宗和の心B⁺を持つ。
不可視の斬撃
刀を振るうのが早すぎて見えない斬撃。
九頭竜閃
人を確実に殺す為に編み出した斬撃。
燕返し
燕を斬るために編み出した斬撃。
宝具
佐々木小次郎究極ノ斬技・空間・時間
ランクEX 対人宝具
レンジ:1~2人 最大捕捉:1~2人