【習作】キヨシ投獄回避ルート   作:PBR

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第12話 仄暗い部屋の中から

 

 キヨシにおしっこをかけられてから数日、花はほとんど部屋から出ずに引き籠もっていた。

 授業は持って来てもらったモニター越しに受けているが、カーテンを閉め切って太陽の光が入って来ないようにしているせいで、まだ放課後になったばかりだというのに部屋の中は薄暗かった。

 そうして、今日も授業時間を終えたことで毛布を被ってベッドの上で丸まっていると、扉をノックする音が聞こえて誰かが扉越しに話しかけてきた。

 

《花、私よ。体調はどう?》

「会長……」

 

 万里の声が聞こえてきたことで、花は毛布から頭だけをひょっこりと出して言葉を返す。

 

「すみません、まだちょっと……」

《そう。何があったのかはやっぱり話してくれないのね?》

「はい、ゴメンなさい」

 

 あの日、トイレで何があったのかは誰にも話していない。否、話す事など絶対に出来ない。

 キヨシが退学するのは構わないが、自分があの男のおしっこを全身に被ったと他の者にまで知られれば、この学園にいる間はずっと影でおしっこ女と呼ばれるに違いない。

 それだけで済めばいい方で、尾ひれがついて自分から浴びせて貰ったなどという噂が立てば、一生変態のレッテルを貼られて生きることになる。

 進路については大学進学としか考えていないけれど、どこから噂が漏れて伝わるか分からないので、情報の拡散を防ぐため花はあの日のことを誰にも話すつもりはない。

 ここ数日、裏生徒会の仲間がお見舞いに来るたび事件の真相を訊きたがり、相手が自分を心配しているからこそ知りたがっているのが分かるだけに、真相を素直に話せないことが辛かった。

 だが、この秘密は墓まで持っていかねばならない。そうして申し訳ないと謝りながら花が毛布の中に頭を引っ込めようとしたとき、まだ扉の前にいた万里が今度は別の話題で話しかけてきた。

 

《アナタが最近あまりちゃんと食事を取っていないと聞いたから、軽いオヤツなら食べられるんじゃないかと思ってドーナツを持ってきたんだけど、少し食べないかしら?》

「ドー、ナツ――――っ!? オエッ、うっぷ」

 

 名前を聞くだけであの日の記憶が鮮明に蘇り、花は急激な吐き気に襲われて嘔吐(えず)く。

 好きだった、大好きだったドーナツ。キヨシが買ってきたときにはやるじゃないかと褒めてやりたくなった。

 しかし、あの惨劇が起きた日に食べていたせいで記憶が関連付けられ、今では名前を聞くだけでもダメになってしまったのだ。

 ただおしっこを浴びただけならばまだ大丈夫だったかもしれない。人肌と同じ熱いとも温いとも言えない中途半端な温度の温水に濡れてシャツが肌にひっつくのは不快だったが、運動後に汗で髪の毛やシャツが肌に張り付いたのと似たようなものと思えばまだ我慢出来る。

 けれどあの日、キヨシは花の口にまでおしっこをかけてきた。

 完全には閉じていなかった唇の隙間から侵入した黄金水。苦い様なしょっぱい様な、とりあえずそんな味だなんて知りたくもなかった。

 そのくせ、直前にジュースとドーナツを食べていたことで、少しドーナツっぽい甘い匂いがしたのだ。糖分を取り過ぎて濾過しきれずに尿に混じったのかもしれないが、そんな物を浴びせられた花としてはドーナツなど当分食べられそうもない。

 相手が善意で持ってきてくれたと分かっていても、全身が拒絶反応を示す以上それは持って帰ってもらうしかないため、嘔吐いて目に涙を滲ませながら花は言葉を返した。

 

「うぷ……はぁ、すみません食べれそうにないです。ちょっと気分が悪いので、申し訳ないですけど休みますね」

《そう。もし何か必要な物があったら呼んでちょうだい。気分が悪くて動けないなら、夜中だろうと電話をかけてくれていいから》

「はい、ありがとうございます」

 

 返事を聞くと万里は帰って行ったようで足音が遠ざかって行った。

 そしてまた一人になった花は、ベッドの傍に置いていたスポーツドリンクを少し飲んでから、再び頭まで毛布の中に引っ込めて丸くなると日課となりつつある思考に耽る。

 

(私はおしっこをかけられた……もう…………普通の人間じゃ……ない)

 

 部屋に籠もっているのは傷心だけが理由ではない。おしっこをかけられ普通の人間ではなくなった自分が、どんな顔で仲間や友人と会えばいいのか分からないのだ。

 キヨシとだったら会える。彼はおしっこをかけただけでなく、わざと顔や胸や股間にまで浴びせてきた変態なので同じく普通の人間ではない。

 ただ、いま会ったところで何の意味もない。花がいま現在考えているのは、普通の人間ではなくなった自分がどうすれば再び外を歩けるようになるかということだ。

 

(おしっこをかけられて普通じゃなくなったなら、私もやり返せば関係はリセットされるのか?)

 

 時間を巻き戻す事が出来れば問題は解決する。しかし、そんな事が不可能なのは分かっている。

 もしかしたら、現代に未来からのタイムトラベラーが来ていたとしても、花は相手がそうだとは認識できないし、上手くコンタクトが取れて過去を改変したとしても、それは改変によってここにいる花の消滅を意味するので論外だ。

 故に、花が思い付いたのは条件をイーブンにすることで関係のリセットを図るという方法だった。

 

(そう、おしっこを見られたからアイツにも見せろと言っていたんだ。そうすれば、私たちは対等な立場になっていた。なら、おしっこをかけられたなら、今度は私がおしっこをかければいいだけのこと)

 

 今日の自分は冴えている。考えながら花は薄く笑って『自分浄化計画』を念入りに考えていく。

 普段の精神状態ならば前提が間違っていることに気付けたかもしれないが、スタートが見られたから見せろといった発想だった彼女なら、やはり気付かずにそのまま間違った方向へ全力で突っ走って行った気もするのは御愛嬌。

 方向性を決めた花は、次々とアイデアが浮かんできて楽しくてしょうがないとばかりに口元を吊り上げる。

 

(先ずはおしっこを見て、次に私のおしっこをアイツにぶっかける。そうそう、ぶっかけるときに少し飲ませるのも忘れちゃダメだ)

 

 男と違ってホースパーツがないため軌道をコントロールする事は出来ないが、それでも絶対にここは譲れない。相手が執拗に唇を狙ってきたことはハッキリと覚えているため、あれで飲ませるつもりがなかったと言われても信じるつもりはない。

 普通にぶっかけても飲ませることが出来ないのなら、最後らへんにキヨシの顔を股で挟んでほぼゼロ距離で流し込んでやればいい。

 一般人からすれば常軌を逸した思考でも、キヨシへの復讐と自分が普通の人間に戻る方法を考えている彼女にとっては、自分の考える方法こそが唯一の正解だった。

 

(あ……アイツそういえば、突き飛ばしたときに私の胸を揉んでたわよね)

 

 やられたらやり返すをモットーに、ノリノリで彼への復讐を考えていた花は、大切な事を忘れていたと自分の胸に触れながら思い出した。

 あの日、キヨシは花を突き飛ばす際、思いっきり胸を押して突き飛ばして来たのだが、そのとき彼はドサクサに紛れて胸を揉んでいた。

 やった本人は気付かれていないと思っているだろうが、突き飛ばすためにパーの手で押しておきながら、あの僅かな時間で素早く三回も指を曲げてくれば誰だって気付く。

 言い逃れできないほどのセクハラ行為で警察に突き出してやりたいが、キヨシを刑務所送りにしてしまうと自分浄化計画が出来ないので、胸を揉まれたことも復讐項目の方に取り入れる。

 だが、それを復讐項目に入れたところで、花はふと疑問を覚えた。

 

(私もキヨシの胸を揉み返すのか? いや、泳ぐときに海パンいっちょになる男が胸なんて触られてもダメージはないはず)

 

 ハンムラビ法典宜しく同刑罰によって復讐を果たそうと思っていたが、女の胸と男の胸では価値が全く異なっていると花は気付く。

 胸を揉むことにこだわるなら、太った男の胸を揉めと言えばキヨシにもダメージを与えられそうだが、それでは関係のない人間の協力が必要になるため、自分とキヨシだけで完結させたい花は再び考え込む。

 

(女の胸と対になる男のパーツ……そうか、チンコだ!)

 

 そして、ここ数日の中で最高の閃きをもって彼女は真理に辿り着いた。

 

(女子が胸の大きさで一喜一憂するみたいに、男子はチンコの大きさで勝ち組負け組が決まるって雑誌に書いてあった。つまり、男にとって女の胸にあたるのがチンコなんだ)

 

 女子高生向けの雑誌にはたまに変な特集が書かれていることがある。花はそういった記事は流し読む程度に済ますが、その中で女子が胸のサイズで色々ある様に、男子は男性器のサイズで悩むといったような事が書かれていたのを彼女は覚えていた。

 

(そうと分かったら簡単ね。私はキヨシのチンコを揉む)

 

 そのときはくだらない特集だからとほとんど飛ばして読んだが、ちょっとした雑学として『女子にとっての胸=男子にとってのチンコ』という公式は頭に残っていたらしく。花はこれで行こうとしっかり頷く。

 だが、方針は決定したと頷いてから、花は自分の考えがちょっとずれていることに気付き頭を振って落ち着けと言い聞かせた。

 

(いや、待てアタシ。チンコを揉むってなんだ。そもそもチンコって揉めるのか? オプションパーツの玉の方は揉めても、形状がソーセージに似たチンコは揉めない気がする。うん、じゃあ握るにしとこう)

 

 揉もうと思えば揉めるだろうがそれは何か違う気がする。そう考えて形状に合った方法を模索し、最終的に最も適した方法として彼女は“握る”をチョイスした。

 怪力という訳ではないが空手をやっていることで、一般的な女子よりは腕力にも握力にも自信はある。

 流石に潰すと可哀想なので痛みを感じる程度に済ますつもりだが、おしっこを見て、おしっこをぶっかけて、おしっこを少し飲ませて、チンコを握ると決めた彼女は、毛布から出るとカーテンを僅かに開けて久しぶりに日の光を浴びて心の中で宣言した。

 

(フフッ。キヨシ、私が復活するまでチンコ洗って待ってなさい)

 

 花が復活するまでまだもうしばらく。

 

◇◇◇

 

 自分の変態行動によって花が悪い方に加速したことを知らぬ少年は、そのとき理事長室を訪れていた。

 先日、ケイトにサインを貰った書類と一緒に、みつ子に分けて貰ったローズヒップティーを持参して部屋に入ると、事前にアポを取っていたことで部屋にいてくれていたダンディな紳士が、窓の外を眺めて立っていた。

 

「失礼します。連絡していた書類にサインを頂きに来ました」

「ああ、書類はみよう。だが、せっかく来たのだから少し話をしない……かね?」

 

 振り返り素敵な笑顔を見せてきた紳士はこの学園の理事長であり、キヨシの想い人である千代の父親でもある。

 千代の父親ということは、つまり裏生徒会会長の万里の父親でもあるのだが、想像していたよりも接し易そうな人物であることにキヨシは内心で安堵の息を吐く。

 そして、ソファーに座るように言われ、向かいに理事長が腰を下ろしたところで、キヨシは書類を入れたファイルを渡し、さらに持ってきたポットの中身を同じく持参していたカップに注いで理事長の前に置いた。

 

「表生徒会の先輩に分けて頂いたローズヒップティーです。よろしければどうぞ」

「ローズヒップ……ただ単にヒップと呼ぶ事もある薔薇の実のことだね。私も好きなお茶だ。是非いただ……こう!」

 

 やけに言葉尻を強調する話し方をする人物だなと思いながらも、キヨシはカップに口を付けながら書類に目を通す理事長を見る。

 お茶の淹れ方はまだ勉強中だが、それでも普通に飲める程度の味には出来ているつもりだ。

 理事長は香りを楽しみ、ゆっくりと味わってカップを置くと、満足気に頷いて笑顔を向けてきた。

 

「美味しいお茶をありがとう。聞いた話によれば君はガーデニング同好会に入っているということだったが、ローズヒップは育てていないのかね?」

「ええ、卒業生の残してくれた分に初心者向けのハーブを足したくらいなので、まだそういうのは育ててないですね」

「それは残念だ。だが、また美味しいお茶が手に入れば是非誘ってくれたま……え!」

 

 この学園は教師を含めても男はほんの数人しかいない。その内、男子生徒の四人が監獄送りになっていることで、余計に希少な男子生徒との会話を楽しみ理事長は笑う。

 家族である万里や千代との会話ならば気を遣わずに済むだろうが、男子と女子ではやはり違うものだ。年頃であろうと変に気を張らずに話せるというのは楽に違いない。

 立場的に教師側であっても、女性だらけという条件は同じであるため、同じ苦労を知っている身として不思議なシンパシーを感じながらキヨシが笑い返せば、理事長は自分も同じ気持ちだとばかりに一度頷いてから書類をテーブルに置き。机から万年筆と理事長印を持ってきた。

 

「さて、書類に関しては問題ない。竹ノ宮君が許可を出したなら私も判を押そう。しかし、この書類を作成しようと思ったのは、万里……いや、裏生徒会長の布いた規則が理由……かね?」

「はい。覗きの一件以来男子の立場はかなり悪い物になっていますから、少しでもリスクを減らそうと思ったんです」

「なるほど、覗きは確かに悪い事だが、彼女たちの行為が少々行き過ぎていることは私も確認している。せっかくの高校生活に窮屈な思いをさせて申し訳……ない」

 

 男子の監獄入りは更生を目的としたものだ。けれど、今の裏生徒会は更生目的とは思えぬ様な暴力を男子に振るっている。

 もっとも、副会長からの折檻には男子らも喜んでいる節があるので大目に見るが、それでも休日を取り上げるなど、少々きつく当たり過ぎではないかと理事長からも万里には言っていた。

 そして、覗きをした男子を毛嫌いした女子から、一人残ったキヨシも冷たい視線を向けられ、裏生徒会の布いた規則によって女子と話せないことで辛い学園生活を送っている。

 全寮制である以上は規律が重視され、規則には従わねばならない事は勿論分かる。ただ、目の前の少年に辛い思いをさせている元凶である裏生徒会長の父親としては、それついて一言詫びを入れなければと思っていた。

 沈痛な面持ちで理事長が頭を下げれば、キヨシは苦笑して首を横に振った。

 

「いえ、女子校だからと安心して子どもを預けている親御さんもいたでしょうから、そこで共学になってすぐに男子が問題を起こせばある程度はしょうがないです」

「そう言って貰えると助かる。ところで話は変わるが……君は尻と胸、どちらが好きかね?」

「尻と胸? それは女性のという意味でよろしいですか?」

「無論……だ!」

 

 真面目な話をしていたかと思えば、このオッサンは唐突に何を言っているのか。

 ダンディな雰囲気に誤魔化されそうになるが、キヨシは目の前の男が紳士ではなく変態紳士であると即座に理解する。

 そして、ならばとキヨシも一瞬でオーラを纏い決め顔になると、低めのイケメンボイスでしっかりと答えた。

 

「胸が好きです」

 

 胸、正確にいえばおっぱい。キヨシは尻よりもおっぱいの方が好きだった。

 夏の薄着で見える谷間も、冬にセーターが伸びて見える美しいラインも、おっぱいに貴賎なしと断言するほどに大好きだった。

 そう、少年はおっぱいが好き“だった”のだ。

 

「と、以前の俺なら断言していたと思います」

「……ふむ、何かあったのかね?」

「はい。俺はこの学園に来てから素晴らしい尻と出会いました。先に誤解のない様に言っておきますが、それは理事長の娘さんたちとは別の方ですから安心してください」

 

 おっぱい派だった少年を尻好きに引き込みかねないほどの衝撃の出会い。

 カラスのヒナを助けたあの日、キヨシは最高の桃尻を目にした。

 

「色白で、まるくて、柔らかそうで、その尻を見たときに俺は言いようのない何かを胸の奥に感じました。あの尻との出会いがなければ俺は胸と断言していましたが、今の俺は自分がどちらを好きなのか分からなくなってしまったんです。中途半端な答えですみません」

 

 ジャージと縞パンを下ろして露わになった花の尻を見たとき、キヨシは心の奥底で撫でてみたいと感じた。

 張りのある柔らかそうな白い肌に指を食い込ませ、わし掴んでみたいとも思った。

 人によってはそれをただの性欲だというだろう。だが、そんなことを言う者がいれば、キヨシは相手を何も知らぬチンケな野郎だと鼻で笑ってやることが出来た。

 あれは性欲ではない。心の奥深く、いや遺伝子に深く刻み込まれた本能による衝動。理性を得たことで人間が忘れてしまった、熱いパトスがあのときの気持ちの正体に違いない。

 それを知ったが故に、自分が本当はどちらが好きなのか分からなくなってしまったと、中途半端な答えしか返せないことをキヨシは詫びた。

 すると、その答えに幻滅するとばかり思っていた相手は、優しい瞳でキヨシを見ながら恥じることはないと笑った。

 

「謝る必要はない。私の人生のモットーの一つに、尻好きに悪い人間はいないというものがある。そして、素敵なヒップとの出会いは、それまでの価値観をガラリと変えかねないほどの衝撃を生むことがある。君にとってはそのヒップがまさにそうだったんだ……ろう!」

 

 尻に限らず、自分の価値観を変えかねないほどの出会いというものは存在する。

 そして、そういった物との出会いは突然であることが多い。自分に受け入れる準備が出来ていようといまいと出会いは急に起きるのだ。

 

「悩むのは若者の特権だ。頭で考えるのではなく、己の心に従い出した答えをまた聞かせてくれたまえ。そして、もしも出した答えが私と同じであれば……そのときは君を同好の士として歓迎しよう」

 

 キヨシの悩みは本物だ。一朝一夕で答えが出るものではない。

 それを男として感じ取ったからこそ、理事長はよく悩めと笑顔で彼の背中を押した。

 仮に胸好きになろうと責めはしない。中々語れそうな見所ある少年が相手だけに、寂しい気持ちはあるだろうが、そのときには異文化交流として胸と尻の良さをお互いに伝えればいいだけだ。

 サインと理事長印を押した書類を差しだし、理事長は立ち上がると前途有望な少年を入り口まで見送る。

 

「今日はどうもありがとうございました」

「私も楽しかったよ。また時間があれば話をしよう。そのときは、テキーラ……ではなく、ローズヒップティーでも酌み交わしながら……ね!」

「ええ、是非お願いします。そのときには俺も心に従った答えをはっきりと言えるようになっておきます。今日はありがとうございました。失礼します」

 

 年齢も立場も関係ない。ただの男として語り合った二人の間には、この日、女には理解出来ない確かな絆が生まれた。

 

 


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