ダンジョンに池袋最強の男がいてもいいのだろうか   作:バキュラø

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戦闘描写が固くなってしまいました。上手い人がいたら教えてほしい……


少し直す…かもです。






モンスターと静雄って結局、どっちが強いの?

 静雄達が会場へ向かっている頃、闘技場内、とある場所にて

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰だ、お前‼‼そこで何を何をしている‼仲間たちに何をした‼‼‼」

 ガネーシャファミリアの団員である彼女は、モンスターの檻の見張りを交代するためにここへやってきたが、そこで仲間たちがフードを被る人物に、一人残らず倒されていることに気が付いた。

 彼らの表情をよく見れば、倒された、というのには少し語弊があるかもしれなかったが。

 

「あら、まだ一人残っていたのね」

 

「ッ‼‼」

 彼女は、何の気なしに発せられた一言で、辛うじて、フードの人物が女性であると判断することが出来た。だが、突然頭の中に撃ち込まれた甘い痺れのような感覚に、それ以上、考えを巡らせることが出来なかった。

 

「そうね、少しこの奥にいる子たちに用があるの。通してもらえないかしら」

 

「こ、この先には…モンスター達しか……い、いない。お引き取り…願おう」

 彼女は徐々に増してくる痺れに抗いながら、どうにか言葉を紡ぐ。

 

「悪いわね。私が、用があるのはその子たち(モンスター)なの。通してもらえるわよね」

 

「え、あっ…………んぁ…………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼‼‼‼‼」

 そう言い、いつの間にか近づいていたフードの人物に頬を触れられ、彼女は、与えられた強い快楽によって意識を手放すことになった。

 

「少し、やりすぎてしまったかしら。でも、彼の成長には必要なことなの。フフフ、駄目ね。見ているだけにしようと思っていたのだけれど………手を出したくなってしまったの。ごめんなさいね」

 

 そう言い、フードの人物は奥へと歩を進め、その場には倒れたガネーシャファミリアの団員たちが残されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何か、下の方が騒がしくないかしら?」

 一方、闘技場に見物に来ていた彼女たちは、周囲の異変に気付き始めていた。

 

「え~おねーちゃん、私何も聞こえないよ~レフィーヤは何か聞こえる?」

 

「わ、私も、何も聞こえてないと思いますけど………でもガネーシャファミリアの団員の方たちがさっきからあわただしいですね」

 

「少し様子を見に行きましょうか。ティオナ、レフィーヤ行きましょう」

 

「えーまだ来たばっかりなのに~」

 

 

 

 

 

「いったいこれはどういう騒ぎなの?」

 

「うぉ‼怒蛇(ヨルムガンド)⁉」

 

「バカ、失礼だろうが‼‼すいません、うちの若いのがしつれいしました。状況が状況ですので、ロキファミリアのお三方にも協力をお願いしたいのですが」

 

「…何が、あったんですか?」

 

「調教用に連れてきていたモンスターが何者かによって、脱走させられました」

 

「「「‼‼‼」」」

 怪物祭ということで都市外からも大勢の人が足を運んでいるこの日に、モンスターが放たれたという事実に彼女たちは驚きを隠せなかった。

 

「今のところ、近くにいた冒険者の方々に協力を要請しており、ロキファミリアからは剣姫殿がすでに動いています」

 

「アイズが?」

 

「はい。うちの団員も含め、何体かは討伐に成功していますが、まだ、すべてのモンスターは討伐できていません」

 

「しょうがない。私たちも行きましょう」

 

「わかりました」

 

「むー。邪魔された恨みはモンスターに晴らしてやる‼‼」

 そうして、彼女たちも討伐に動き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モンスターもあらかた片付いたみたいだし、これで終わりかしらね」

 彼女たちは、トロールを難なく片付け、そう言った。

 それもそのはずで、彼女たちはここ、オラリオの最強派閥の一つ、ロキファミリアの一員であり、その中でも上位クラスの実力者達なのである。

 

「意外と呆気ないものでしたが、住民に被害が出る前に終わりそうで良かったです」

 深層を探索する彼女たちにとって、中、上層にいるモンスター、それも迷宮(ダンジョン)の外にいるものに後れを取る筈もなかった。

 

 そう、その(通常の)モンスター達だけ、ならば………………………

 

「ねぇ、おねーちゃん、レフィーヤ?なんか地面揺れてない?」

 

「え?そんなはずは……揺れてますね」

 

「いけない‼‼何か、下から来るわ‼‼‼みんな、避けてッ‼‼‼‼」

 その言葉に、三人やガネーシャファミリアの冒険者は、その場から飛びのいた。

 

「………なに、あれ?」

 

「植物型のモンスター………でしょうか?」

 

「呆けてる場合じゃないわよ。さっさと武器を構えて‼‼レフィーヤは魔法で支援ッ‼‼」

 

「「分かった(分かりました)‼‼」」

 

 

 

 

 

「こいつ、うねうねしてて、刃が上手く通らないよ‼‼」

 ティオネ達、前衛組は各々の武器を使い、斬りつけるが思うように攻撃を通しきれていなかった。

 

「ティオナのウルガもないし、レフィーヤの魔法(火力)が欲しいけど………二体目なんて聞いてないわよ‼‼‼……このクソモンスター共ガアァァァァァァァッ‼‼‼‼‼‼‼」

 

「おねーちゃん、地が出てる…」

 

 

「準備出来ました。開けてください‼‼‼」

 その声に反応し、冒険者たちがモンスターから飛びのき、街道にいる人たちを庇いつつ、道を開ける。

 

「【繋ぐ絆、楽宴の契り。円環を廻し舞い踊れ】」

 

「【至れ、妖精の輪】」

 

「【エルフ・リング】」

 

 歌うように詠唱されるそれは、同胞の魔法に限り、詠唱及び効果を完全に把握したものを己のものとする、彼女が二つ名、千の妖精(サウザンド・エルフ)を得るに至った魔法。

 

 

「【--終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に風を巻け】」

 

 

「【閉ざされる光、凍てつく大地】」

 

 

「【吹雪け、三度の厳冬-我が名はアールヴ】‼‼」

 詠唱を終え、冷気が植物型のモンスターを襲い、氷像へと変える。

 

 

 

「これで…………倒せましたか?」

 

「やった‼」

 ふたりは喜んだように声を上げたが、

 

「待ちなさい‼‼‼一匹やられてないのがいるわ、避けて‼‼‼」

 

「え?……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼」

 魔法を放った直後と倒したという油断から、横なぎに振るわれたツタによってレフィーヤは壁に叩きつけられる。

 

「レフィーヤッ‼‼このッ‼‼‼‼」

 

「バカ‼待ちなさ…………グッ!」

 ティオナは怒りに身を任せ、拳をモンスターに振るうがツタによって弾かれてしまい、レフィーヤを助けに向かうティオネを巻き込み、地面に打ち据えられた。

 

「しまった‼‼‼逃げて‼‼‼‼‼」

 それによりできた一瞬のスキを突き、モンスターは、近くの街道から出て来ていた二人組に襲い掛かった。

 

 

 それが、モンスターにとって、自ら断頭台に飛び込む行為だとも気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リューは、自分達が街道から出た為、襲い掛かるツタに気付くのが一拍、遅れてしまった。それが静雄と、二人で避けるには致命的な遅れだった。

 

 リューが取った行動は簡単だった(自らが犠牲になる)

「おい、急に引っ張んな…リュー…………?おい‼‼何やってんだ‼‼‼」

 

「シズオ……………にげ、逃げてください…私でも見切るのが遅れた。あれは、恐らく深層のモンスター…です。神々の恩恵(ファルナ)を授かっていない貴方では………勝てない…」

 リューは、握ったままの静雄の手を引き、背に庇い、身を挺してツタをずらした。

 その行動で、静雄は少し服が破ける程度で済んだが、リューへのダメージは無視できないほどのモノだった。

 

「………」

 

「幸い、私はこれぐらいでは死にません…………だから…」

 私を置いて、逃げてほしい。そう言おうとして、遮られた。

 

「ハァ、心配なんて幽ぐらいにしかされたことねーし、まして、庇われるなんてこたぁー初めてなんだが………………それは、聞けねーな…」

 そう言いつつ、地面に横たわるリューを守るように前に出た。表情は見えないが、声色が

 怒りを帯びているかのようにリューには感じられた。

 

「な…‼‼‼」

 

「あいつが、先に手ェー出してきたんだ…だったら………………オレにブチ殺されても、文句はねーなぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」

 

「………………」

 そうして、モンスターに向かって駆け出した静雄の背に、口にした心配に反して、リューはモンスターは倒れていないのにも関わらず、なぜか安堵を覚え、そこで気を失うことになった。

 

 

 

 




リューさんが自罰的になってしまった。




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