遊戯王ARC-Ⅴ 混沌統べる覇者 -舞網チャンピオンシップ・バトルロワイヤル編- 作:咲夜泪
『――デュエルが開始されます。デュエルが開始されます。ルート上の一般車両は直ちに退避して下さい。繰り返します――』
『シンクロ次元』特有の迷惑システムが大々的に実行され、『セキュリティ』の花形、『デュエルチェイサー』とコモンズの無法者のライディングデュエルが執り行われていた。
上空には『トップス』の生中継ヘリが飛翔し、デュエルをリアルタイムで放送している――本来ならば全人口の1%にも満たない『トップス』の娯楽の為の、最初から勝敗が決まった見世物だったが、此処最近は状況が違った。
「――さぁ、またしても始まりました、『セキュリティ』の花形『デュエルチェイサー』と『謎のDホイーラー』との手に汗握るライディングデュエル! 今日こそは『セキュリティ』は『謎のDホイーラー』を逮捕する事が出来るのか、はたまた『謎のDホイーラー』が『セキュリティ』を打ち破ってしまうのか!」
『謎のDホイーラー』――赤いライダースーツに、赤いD・ホイールに乗り、連夜連戦連勝して不敗伝説を築き続けている性別不明の無法者。
今日こそは『セキュリティ』に恥をかかせ続けている社会不適合者をデュエルで拘束すべく派遣された『デュエルチェイサー』は全力で意気込む。
「先行は『デュエルチェイサー』、初ターンからシンクロモンスターを召喚しましたが、果たして……!?」
――在り得ない事に、既に『トップス』のトップリポーターは『セキュリティ』が『謎のDホイーラー』に挑むのだと――立場が逆転している事を無意識の内に示していた。
「私のターン、ドロー! 魔法カード『炎熱伝導場』発動! デッキから『ラヴァル』と名のついたモンスター2体を墓地に送る。私は《ラヴァル炎火山の侍女》と《ラヴァルのマグマ砲兵》を墓地に送る――《ラヴァル炎火山の侍女》の効果発動、自分の墓地に《ラヴァル炎火山の侍女》以外の『ラヴァル』と名のついたモンスターが存在し、このカードが墓地へ送られた時、デッキから『ラヴァル』と名のついたモンスター1体を墓地に送る事が出来る。その効果で私は2体目の《ラヴァル炎火山の侍女》を墓地に送り、効果発動、3体目の《ラヴァル炎火山の侍女》を墓地に送ってまた効果発動、2体目の《ラヴァルのマグマ砲兵》を墓地に送る」
シンクロ次元特有、本場の『不動性ソリティア理論』が今開始される。
「魔法カード『成金ゴブリン』を発動、自分のデッキからカードを1枚ドローし、相手は1000回復する――更に2枚目の『成金ゴブリン』発動、1枚ドローし、1000回復、3枚目の『成金ゴブリン』発動して1枚ドロー、相手は1000回復する」
3枚連続で使用されてライフが7000となるが、『デュエルチェイサー』は苦い顔をする。
相手にライフを与えるなど、と小馬鹿にした前任者は全治三ヶ月の上に懲戒免職、社会的な地位を完全に失っており――不幸な事に、この展開を邪魔するカードは彼の手元に無かった。
「魔法カード『無の煉獄』発動、自分の手札が3枚以上の場合にデッキからカードを1枚ドローし、このターンのエンドフェイズ時に自分の手札を全て捨てる。2枚目の『無の煉獄』発動、1枚ドローし、3枚目の『無の煉獄』発動、ドローする」
流れる動作でデッキ圧縮を繰り返し、目当てのカードを引き当てたのか、ヘルメットの下から唯一覗ける口元がにやりと歪む。
「魔法カード『真炎の爆発』発動! 自分の墓地から守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される――現われろ2体の《ラヴァルのマグマ砲兵》と3体の《ラヴァル炎火山の侍女》!」
???
LP4000
手札5→6→5→4→5→4→5→4→5→4→5→4→5→4→5→4
《ラヴァルのマグマ砲兵》星4/炎属性/炎族/攻1700/守200
《ラヴァルのマグマ砲兵》星4/炎属性/炎族/攻1700/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
魔法・罠カード
無し
髪が炎じみて揺らぐ少女3体と岩石の砲台を二門背負った機兵2体が『謎のDホイーラー』場に一気に並ぶ。
「レベル4の《ラヴァルのマグマ砲兵》にレベル1のチューナーモンスター《ラヴァル炎火山の侍女》をチューニング! シンクロ召喚! 仲間との絆の証! レベル5《TG ハイパー・ライブラリアン》!」
???
LP4000
手札4
《ラヴァルのマグマ砲兵》星4/炎属性/炎族/攻1700/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
魔法・罠カード
無し
皆大好き鬼畜魔導師が飛翔しながらシンクロ召喚され、テレビの向こう側の者達は「来た、来た……!」と興奮しながら呟いた。
「このカードがフィールドに表側表示で存在し、自分または相手がこのカード以外のシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した場合、デッキから1枚ドローする」
『デュエルチェイサー』の顔が苦いものとなる。
これこそ全ての起点、シンクロ召喚という可能性そのモノというカードであり、『謎のDホイーラー』は未知なる可能性に手を伸ばす。
「手札からレベル1の《ヴォルカニック・バレット》を通常召喚し、レベル1のチューナーモンスター《ラヴァル炎火山の侍女》をチューニング! 集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光差す道となれ! シンクロ召喚! 希望の力、シンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》!」
スピードの世界にシンクロ召喚された《フォーミュラ・シンクロン》は生き生きとした様子で決闘疾走する。
「シンクロ召喚に成功した事で《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドロー、更に《フォーミュラ・シンクロン》のシンクロ召喚に成功した時、デッキから1枚ドローする!」
???
LP4000
手札4→3→5
《ラヴァルのマグマ砲兵》星4/炎属性/炎族/攻1700/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
魔法・罠カード
無し
「墓地に落ちた《ヴォルカニック・バレット》の効果発動、このカードが墓地に存在する場合、自分のメインフェイズに1度、ライフ500払ってデッキから《ヴォルカニック・バレット》を1枚手札に加える」
通常召喚権を使った今、もう《ヴォルカニック・バレット》は必要無いが、まだもう1枚デッキの中に眠っている為、事故要素にならない為のデッキ圧縮を兼ねている。
「レベル4の《ラヴァルのマグマ砲兵》にレベル1のチューナーモンスター《ラヴァル炎火山の侍女》をチューニング! シンクロ召喚! 《ラヴァル・ツインスレイヤー》! シンクロ召喚に成功した事で《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドローする」
???
LP4000→3500
手札5→6→7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
魔法・罠カード
無し
炎を背にする灼熱の戦士が召喚され、その合計レベルに誰もが目を行く。
「お~っと、早くも場のシンクロモンスターの合計レベルは12! これは終わったかぁ~!?」
中継ヘリからトップリポーターが囃し立てる中、『謎のDホイーラー』はまだまだ終わらないと口元を笑顔で歪ませた。
「2枚目の『真炎の爆発』発動! 墓地の《ラヴァルのマグマ砲兵》と《ラヴァル炎火山の侍女》を特殊召喚する」
「此処でもう1枚目の『真炎の爆発』だとぉ!? あのシンクロモンスターをシンクロ召喚する前に……!?」
???
LP3500
手札7→6
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
《ラヴァルのマグマ砲兵》星4/炎属性/炎族/攻1700/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
魔法・罠カード
無し
「レベル4の《ラヴァルのマグマ砲兵》にレベル1のチューナーモンスター《ラヴァル炎火山の侍女》をチューニング、2体目の《ラヴァル・ツインスレイヤー》をシンクロ召喚する! シンクロ召喚に成功した事で《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドローする」
???
LP3500
手札6→7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
魔法・罠カード
無し
「レベル5のシンクロモンスター《ラヴァル・ツインスレイヤー》2体にレベル2のシンクロチューナーモンスター《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング! ――星よ集え、未来を救う絆を照らす! 光差す道となれ! リミットオーバーアクセルシンクロオオオオオオオオォ! 進化の光、降誕せよ《シューティング・クェーサー・ドラゴン》!」
先頭をひたすら疾走する『謎のDホイーラー』の姿が消失し――あろう事か、後方を走る『デュエルチェイサー』の更に後方から現れて一瞬にして抜き返す。
そして現れるは純白の恒星龍、主無き決闘龍の咆哮が世界に轟き渡った。
???
LP3500
手札7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
魔法・罠カード
無し
「――ななな何と、今回は《TG ハイパー・ライブラリアン》を残した状態で《シューティング・クェーサー・ドラゴン》を出してきたぁ~! これはこれはひょっとすると、ひょっとするかもっ!」
トップリポーターは興奮収まらぬ声で実況する中、それと敵対しなければならない『デュエルチェイサー』の顔に早くも絶望が見え隠れする。
「このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚出来ない。このカードはこのカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事が出来る。1ターンに1度、魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし、破壊する事が出来る。このカードがフィールド上から離れた時、《シューティング・スター・ドラゴン》1体をエクストラデッキから特殊召喚する事が出来る」
そう、この時点で恒星龍からのニ連打で終わりなのである。
もはや観客の関心は『謎のDホイーラー』がどれほど『過剰殺傷(オーバーキル)』を決めるか、コモンズからの賭け内容も其処に焦点が合わせられている。
「《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドロー――まだだ! まだ私は満足しちゃいない! こんなんじゃ満足出来ねぇ! 魔法カード『暗黒界の取引』発動! お互いのプレイヤーはデッキからカード1枚ドローし、その後、手札を1枚選んで捨てる。私が捨てるのは《暗黒界の術師 スノウ》、効果発動、このカードがカードの効果によって手札から墓地に捨てられた場合、自分のデッキから『暗黒界』と名のついたカードを1枚手札に加える。私が加えるカードは『暗黒界の取引』、更に2枚目の『暗黒界の取引』を発動! 1枚ドローし、1枚捨てる。墓地に捨てた《暗黒界の狩人 ブラウ》の効果発動、このカードがカード効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする!」
???
LP3500
手札7→8→7→8→7→8→7→8→7→8
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
魔法・罠カード
無し
「3枚目の魔法カード『真炎の爆発』発動! 墓地の守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する! 蘇れ《ラヴァル・ツインスレイヤー》《ラヴァルのマグマ砲兵》《ラヴァル炎火山の侍女》!」
???
LP3500
手札8→7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
《ラヴァルのマグマ砲兵》星4/炎属性/炎族/攻1700/守200
《ラヴァル炎火山の侍女》星1/炎属性/炎族/攻100/守200
魔法・罠カード
無し
最後の『真炎の爆発』を使用し、場がまた一気に埋まる。
「レベル4の《ラヴァルのマグマ砲兵》にレベル1のチューナーモンスター《ラヴァル炎火山の侍女》をチューニング! シンクロ召喚! 《A・O・J カタストル》! シンクロ召喚に成功した事で《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドローする」
???
LP3500
手札7→8
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
《A・O・J カタストル》星5/闇属性/機械族/攻2200/守1200
魔法・罠カード
無し
「お~っと、レベル5のシンクロモンスターが3体も並んだぁ~! だが、しかし、肝心要のレベル2のシンクロチューナーが場に居ないぞぉ! 今回はこれで打ち止めかぁ!?」
上空で中継するヘリからのトップリポーターが煽り立ててくるが、この手札枚数、当然、此処で終わりの筈が無い。
「魔法カード『アイアンコール』発動! 自分フィールド上に機械族モンスターが存在する場合、自分の墓地のレベル4以下の機械族モンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。蘇れ《フォーミュラ・シンクロン》!」
???
LP3500
手札8→7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《ラヴァル・ツインスレイヤー》星5/炎属性/戦士族/攻2400/守200
《A・O・J カタストル》星5/闇属性/機械族/攻2200/守1200
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
魔法・罠カード
無し
「レベル5の《A・O・J カタストル》と《ラヴァル・ツインスレイヤー》にレベル2のシンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング! リミットオーバーアクセルシンクロ! 招来せよ《シューティング・クェーサー・ドラゴン》!」
――そして、2体目の《シューティング・クェーサー・ドラゴン》が見事シンクロ召喚を果たす。
???
LP3500
手札7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
魔法・罠カード
無し
「来た来た来た来ましたっ! あの《シューティング・クェーサー・ドラゴン》が2体場に並んだぁ!」
トップリポーターの興奮した声が『謎のDホイーラー』まで届き、口元を更に歪ませる。
「《TG ハイパー・ライブラリアン》の効果で1枚ドロー、魔法カード『死者蘇生』発動、フィールドに蘇らせるのは《A・O・J カタストル》!」
???
LP3500
手札7→8→7
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《A・O・J カタストル》星5/闇属性/機械族/攻2200/守1200
魔法・罠カード
無し
「これはまさか……!?」
そう、そのまさかである。既にキーカードは引き当てていた。
「魔法カード『魔法石の採掘』発動! 手札を2枚捨てて自分の墓地の魔法カード1枚を手札に加える。私が加えるのは当然『死者蘇生』! 発動、蘇れ《フォーミュラ・シンクロン》!」
???
LP3500
手札7→6→4→5→4
《TG ハイパー・ライブラリアン》星5/闇属性/魔法使い族/攻2400/守1800
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《A・O・J カタストル》星5/闇属性/機械族/攻2200/守1200
《フォーミュラ・シンクロン》星2/光属性/機械族/攻200/守1500
魔法・罠カード
無し
「レベル5の《A・O・J カタストル》と《TG ハイパー・ライブラリアン》にレベル2のシンクロチューナー《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング! リミットオーバーアクセルシンクロ! 降誕せよ《シューティング・クェーサー・ドラゴン》!」
???
LP3500
手札4
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
《シューティング・クェーサー・ドラゴン》星12/光属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
魔法・罠カード
無し
「テテテテレビの前の皆様、その眼でご覧になられたでしょうか……! ワンターンスリークェーサーです! まさかまさかの事態ですっ!」
最後まで完走出来た事に『謎のDホイーラー』は大満足し――圧巻されて開いた口が塞がらない『デュエルチェイサー』に容赦無く死刑宣告を下す。
「――バトル! 《シューティング・クェーサー・ドラゴン》で攻撃ッ! 天地創造撃・ザ・クリエーションバースト! ロクレンダァッ!」
『……ワンターンスリィクェーサー』
やけに良い発音で『混沌』は満足気に呟いた。
結局、どの世界にいようが『混沌』は『混沌』であり、禁止制限を破ろうが守ろうが酷い事に変わりない事実に、とある『モンスターカード』は色々と含んだため息をつく。
『ならば、あの『スタンダード次元』での『私』は――』
「私のターン、私は魔法カード『召喚師のスキル』発動! デッキからレベル5以下の通常モンスター1体を手札に加える。私が加えるのはレベル5のペンデュラムモンスター《クリフォート・アセンブラ》」
???
LP4000
手札5→4→5
無し
魔法・罠カード
無し
『クリフォート』が誇る万能サーチカードをサーチしなかったのは、既に手札にあったからだ。
そもそもこのデッキは極限までドローカードとペンデュラムモンスターで埋め尽くされ、1ターンでとあるモンスターを召喚する為だけに全身全霊を賭けるデッキである。
「手札から《クリフォート・ツール》をペンデュラムゾーンに設置、ライフ800支払って効果発動、1ターンに1度、デッキから《クリフォート・ツール》以外の『クリフォート』カード1枚を手札に加える。私が加えるのは《クリフォート・アーカイブ》」
???
LP4000→3200
手札5→4→5
無し
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《クリフォート・ツール》PS9
「更にペンデュラムゾーンに《クリフォート・アセンブラ》をセッティング、これでレベル2から8の『クリフォート』モンスターが召喚可能! ペンデュラム召喚! 現われろ《クリフォート・アーカイブ》《クリフォート・アーカイブ》《クリフォート・アセンブラ》!」
???
LP3200
手札5→4→1
《クリフォート・アーカイブ》星6/地属性/機械族/攻2400/守1000
《クリフォート・アーカイブ》星6/地属性/機械族/攻2400/守1000
《クリフォート・アセンブラ》星5/地属性/機械族/攻2400/守1000
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《クリフォート・ツール》PS9
《クリフォート・アセンブラ》PS1
「《クリフォート・アーカイブ》はリリース無しで召喚出来るが、特殊召喚・リリース無しで召喚した場合、このカードのレベルは4となり、元々の攻撃力は1800となる」
???
LP3200
手札1
《クリフォート・アーカイブ》星6→4/地属性/機械族/攻2400→1800/守1000
《クリフォート・アーカイブ》星6→4/地属性/機械族/攻2400→1800/守1000
《クリフォート・アセンブラ》星5/地属性/機械族/攻2400/守1000
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《クリフォート・ツール》PS9
《クリフォート・アセンブラ》PS1
「3体のモンスターをリリースして――《アポクリフォート・キラー》をアドバンス召喚する!」
このデッキの全てはこの超弩級モンスターを1ターン目で降誕させる為だけに構築されている。
天空より現れし超巨大な機械仕掛けの『神』、天空に浮かぶ鋼鉄の城は見る者を圧感させながら存在していた。
「このカードは特殊召喚出来ず、自分フィールドの『クリフォート』モンスター3体をリリースした場合のみ通常召喚出来る。通常召喚したこのカードは魔法・罠カードの効果を受けず、このカードのレベルよりも元々のレベルまたはランクが低いモンスターが発動した効果も受けない。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、特殊召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は500下がる。――効果発動、1ターンに1度、相手は自分の手札・フィールドのモンスター1体を墓地に送らなければならない。この効果は自分のメインフェイズのみ発動出来る」
???
LP3200
手札1→0
《アポクリフォート・キラー》星10/地属性/機械族/攻3000/守2600
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《クリフォート・ツール》PS9
《クリフォート・アセンブラ》PS1
「ターンエンド、そしてエンドフェイズにペンデュラムゾーンの《クリフォート・アセンブラ》の効果発動、アドバンス召喚に成功したターンのエンドフェイズ、このターン、自分がアドバンス召喚の為にリリースした『クリフォート』モンスターの数だけデッキからドローする。私がリリースした『クリフォート』モンスターは3体、よって3枚ドローする」
???
LP3200
手札0→3
《アポクリフォート・キラー》星10/地属性/機械族/攻3000/守2600
魔法・罠カード
無し
ペンデュラムゾーン
《クリフォート・ツール》PS9
《クリフォート・アセンブラ》PS1
尚、ペンデュラムゾーンの《クリフォート・ツール》を破壊せずにターンを渡してしまえば、即座に《クリフォート・ツール》から2体目の《アポクリフォート・キラー》がサーチされ、2体目の《アポクリフォート・キラー》の降臨を許す事となる――。
『――凄いなぁ、まさに『神』を冠するに相応しい究極の完全耐性。さながら原作の《ラーの翼神竜》を使っているような気分だ。……でも何故だろう、胸にぽっかり空いた穴が物凄く寒々しいのは……』
……おそらく、涙が出る機能があれば、血の涙を流している勢いである。
そう、『混沌』は原作さながらの『神』のようなモンスターを使いたい訳ではなく、数多の決闘者から『神』と讃えられた本物の《ラーの翼神竜》を使ってみたかっただけである。
かける言葉が見当たらない中、とある『モンスターカード』は『スタンダード次元』にはペンデュラム召喚だけでなく、もう一つの、古くからの召喚方法があったと思い至り――。
「――チェーンして罠カード『針虫の巣窟』発動、自分のデッキの上からカードを5枚墓地に送る」
自分のデッキを無条件に5枚削る罠カードに対戦相手は困惑する。
デッキ破壊は基本的に相手に行うものであって自分に行うものではなく――罠という初動の遅さを顧みてもこれだけで『おろかな埋葬』5枚分の効果だと、この罠を選んだ決闘者はそう高評価する。
「私のターン、ドロー。墓地の光属性《開闢の騎士》と闇属性《宵闇の騎士》を除外し、《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》を特殊召喚する!」
???
LP4000
手札4→5→4
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
魔法・罠カード
無し
返しのターンで最初から『究極の超戦士』と名高い混沌制する使者が降臨する。
「このカードは通常召喚出来ない。自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ除外した場合に特殊召喚出来る。――1ターンに1度、以下の効果から1つ選択して発動出来る。1つ、フィールド上のモンスター1体を選択してゲームから除外する。この効果を発動するターン、このカードは攻撃出来ない。2つ、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、もう1度だけ続けて攻撃出来る」
余りの単体性能の強大さに長らく禁止制限行きになっていたが――今は時代が追いついたのか、制限カードとして1枚だけデッキに投入する事を許されている。
「除外された《開闢の騎士》と《宵闇の騎士》の効果発動、墓地の《開闢の騎士》が除外された場合、デッキから儀式魔法カード1枚を手札に加える――私は儀式魔法『超戦士の儀式』を手札に加える。墓地の《宵闇の騎士》が除外された時、デッキから『儀式モンスター』1体を手札に加える――私が加えるのは《超戦士カオス・ソルジャー》だ」
除外した2枚のカードから2枚のアドを得るという良からぬ動きをし、儀式魔法カードと儀式モンスターを同時にデッキからサーチする。
「墓地に置かれていた儀式魔法『超戦士の儀式』の効果発動、自分の墓地からこのカード及び光属性モンスター1体と闇属性モンスター1体を除外して効果発動、手札から『カオス・ソルジャー』儀式モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する、この効果はこのカードが墓地に送られたターンには発動出来ない。――降誕せよ、古の超戦士《カオス・ソルジャー》!」
???
LP4000
手札4→6→5
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
《カオス・ソルジャー》星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500
魔法・罠カード
無し
『初代決闘王』が使ったという幻の超戦士が今、フィールドに降臨する。
「そして手札から儀式魔法『超戦士の儀式』発動、自分の手札・フィールドからレベルの合計が8になるようにモンスターをリリースし、手札から『カオス・ソルジャー』儀式モンスター1体を儀式召喚する。レベル4の《開闢の騎士》とレベル4の《宵闇の騎士》を墓地に送って、新誕せよ《超戦士カオス・ソルジャー》!」
???
LP4000
手札5→4→2→1
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
《カオス・ソルジャー》星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500
《超戦士カオス・ソルジャー》星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500
魔法・罠カード
無し
赤い朱色がかった紅蓮の鎧に身を包み、古の超戦士が新たな力を得て新生する……!
「儀式召喚のコストに使われた《開闢の騎士》と《宵闇の騎士》の効果発動、このカードを使用して儀式召喚した『カオス・ソルジャー』モンスターは以下の効果を得る。《開闢の騎士》の方は1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を除外する。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し、墓地へ送った時、もう1度だけ攻撃出来る。《宵闇の騎士》の方は1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を除外する効果と、1ターンに1度、相手の手札をランダムに1枚選び、次の相手のエンドフェイズまで裏側表示で除外する効果だ」
除外する効果は被っている為、3つの効果が付属される事となる。
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》とは違って、この効果で除外しても攻撃出来る処が最近のインフレ具合を象徴しているようである。
「《超戦士カオス・ソルジャー》は『超戦士の儀式』により降誕する。このカードは1ターンに1度しか特殊召喚出来ない。――このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し、墓地へ送った場合、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地に送られた場合、自分の手札・デッキ・墓地から《暗黒騎士ガイア》モンスター1体を選んで特殊召喚する」
つまり、今の儀式召喚された《超戦士カオス・ソルジャー》には――。
第一の効果、1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を除外する。
第二の効果、戦闘で相手モンスターを破壊して墓地に送った時、もう1度だけ攻撃出来る。
第三の効果、1ターンに1度、相手の手札をランダムに1枚選び、次の相手のエンドフェイズまで裏側表示で除外する。
第四の効果、戦闘で相手モンスターを破壊して墓地に送った場合、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
第五の効果、このカードが戦闘または相手の効果で破壊され、墓地に送られた場合、自分の手札・デッキ・墓地から《暗黒騎士ガイア》モンスター1体を選んで特殊召喚する。
という、絶対に文章に収まりきらないほどの効果を持ち得ているのである……!
……しかし、この効果、相手に攻撃力2999以下の表側攻撃表示のモンスターが1体いるだけで6000ダメージも通す事に等しく、更には任意でモンスター1体を除外出来る上に相手の手札をランダムで1枚エンドフェイズまで除外してハンデスするという、殺意に漲った超戦士となっている。
あと1000ポイントぐらい攻撃力を上げれば、相手に表側攻撃表示のモンスターが1体いるだけで8000ライフでも1ターンキルが容易に出来るのだが、これ、本当に大丈夫だろうか――?
「墓地の光属性モンスター《開闢の騎士》と闇属性モンスター《宵闇の騎士》を除外し、《混沌帝龍 -終焉の使者-》を特殊召喚する!」
???
LP4000
手札1→0
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
《カオス・ソルジャー》星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500
《超戦士カオス・ソルジャー》星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500
《混沌帝龍-終焉の使者-》星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
魔法・罠カード
無し
とどめと言わんばかりにエラッタされて禁止指定から制限へと釈放された混沌を制したドラゴンが特殊召喚される。
「このカードは通常召喚出来ない。自分の墓地から光属性と闇属性モンスターを1体ずつ除外した場合『のみ』特殊召喚出来る。このカードの効果が発動するターン、自分は他の効果を発動出来ない。――1ターンに1度、1000LPを支払って発動、お互いの手札・フィールドのカードを全て墓地に送る。その後、この効果で相手の墓地へ送ったカードの数×300のダメージを相手に与える。まぁ使わないがね」
随分と使いづらくなったが、また彼等を使える事を心から嬉しく思う。
「――バトル! 全員でダイレクトアタック!」