遊戯王ARC-Ⅴ 混沌統べる覇者 -舞網チャンピオンシップ・バトルロワイヤル編-   作:咲夜泪

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「何!? トークン系はシンクロには使えるが、エクシーズには使えないのか!?」

 トークンはフィールドから離れた瞬間に破壊される扱いなので、エクシーズ素材に出来ない。よってエクシーズ召喚は出来ない……!
 修正しました。


02/狂戦士の魂

「馬鹿、な――我が、負ける、だと……!?」

 

 仰向けに倒れ伏し、心底信じられないようにドン・サウザンドは言葉を漏らす。

 だが、不思議な事にあんな96000もの超過ダメージを受けたのに関わらず、自分の存在が消えておらず――『混沌』のデュエルディスクに設置されていたカードは独りでに片付けられ、高速でシャッフルされる。

 

『――何勘違いしてるんだ? まだデュエルは終わりじゃない。さぁ次だ』

 

 敗北すれば勝者の『糧』となる――ドン・サウザンドが信仰するデュエルの摂理に反して、彼の身は何一つ欠損無く完璧であり――敗者に顧みる事すらしない勝者の究極的な傲慢さを目の当たりにしたドン・サウザンドは身を焼く屈辱を晴らすべく再戦に乗り出す。

 

「――我のターン! 我はこれでターンエンドだ……!」

 

 普通ならば、先行を取ったのに何もせずにターンを受け渡す事は「逆に何かある」と相手の決闘者に非常に重いプレッシャーを与えるが――。

 

『事故ったのかな? 私のターン、ドロー』

 

 彼の『ヌメロン』デッキにおいて、先行1ターン目は何もしないのではなく、何も出来ない事を知っている『混沌』は目に見えて嘲笑する。

 顔も表情も何も無い身で自身を嘲笑う超存在に、ドン・サウザンドは歯軋りを鳴らす。

 

 ――もっとも、彼は空虚な存在、全てが忘却の彼方に屠られた存在、そんな彼から映し出される感情のようなものは『混沌』自身のものではなく、対戦者たる決闘者のものに過ぎない。

 

 『混沌』が邪悪に見えるのはその決闘者の心が邪悪に染まっているからであり、嘲笑っているように見えるのはその決闘者の心が生み出した闇がそのまま映し出されているからである。

 

『魔法カード『天使の施し』発動、3枚ドローして2枚捨てる。……書き換える?』

「……ふん、通しだ」

『そっか。――ならば、終わりだ』

 

 そして『混沌』は向けられる憎悪に対して憎悪で返す。性質の悪い事にそれは『混沌』自身の裡から生じた感情ではなく、『混沌』以外の決闘者に頗る影響される。

 

『墓地の光属性《異次元の女戦士》と闇属性《処刑人-マキュラ》を除外し、《混沌帝龍 -終焉の使者-》を特殊召喚する』

 

 ???

 LP4000

 手札5→6→5

 《混沌帝龍 -終焉の使者-》星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

 魔法・罠カード

  無し

 

 『カオス』を制した究極のドラゴンが1ターン目で嬉々と召喚される。『混沌』の宣言通りこのデュエルは終わりである。

 

『《混沌帝龍 -終焉の使者-》の効果発動、1ターンに1度、ライフポイント1000支払い、お互いの手札・フィールドのカードを全て墓地に送る。この効果で墓地へ送ったカードの枚数×300のダメージを相手に与える』

「……は?」

 

 このカードが無慈悲な処は『墓地に送る』という記述であり、あらゆる耐性を突き抜けて全体除去を執行する。

 

「わ、我はフィールド魔法『ヌメロン・コード』の効果を――」

『無駄だ。チェーンして手札から永続罠『王宮の勅命』を発動する』

「手札から罠カードだとォ!?」

 

 ……この時のドン・サウザンドの狼狽を目の当たりにした『混沌』は『何言ってんの?』と心底白けた視線を向けたのだった。

 

『……相手ターンにデッキから魔法カードを発動させようとした輩が何故手札から罠カード程度で驚く?』

 

 Q.インチキ効果を使ってくる相手にはどうすれば良いですか?

 A.インチキ効果にはインチキ効果で対処すれば良い。

 

『『天使の施し』で墓地に送った《処刑人-マキュラ》の効果で私はこのターン、手札から罠カードを発動する事が可能となっている。永続罠『王宮の勅命』の効果、このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の魔法カードの効果は無効となる』

 

 またこのカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に700ライフ支払って維持するか、破壊するか、自由に選択する事が出来る。

 

 ……言うまでもないが、永続罠『王宮の勅命』は問答無用の禁止カードである。

 

『墓地に送る枚数は合計11枚、よって3300のバーンダメージだ。終焉発動――セメタリー・オブ・ファイヤー』

「ぐぅっ……! 『ヌメロン・ネットワーク』が……!」

 

 ドン・サウザンド

 LP4000→700

 

 ???

 LP4000→3000

 

 《混沌帝龍 -終焉の使者-》は全てを無慈悲に壊し尽くし――ドン・サウザンドの残りライフは700になったが、手札も何もかも墓地に送った『混沌』はもう何も出来ない。

 一から立て直しに迫られるのは両者同じ事であり、先にドローフェイズを迎えられる自分の方が遥かに優勢――そのドン・サウザンドの分析は、『全盛期カオス』に対して余りにも甘すぎる希望的観測は、あっさり裏切られて事切れる。

 

『手札から墓地に送られた《クリッター》の効果発動、このカードが墓地に置かれた時、自分のデッキから攻撃力1500以下のモンスターを1枚手札に加える。私は攻撃力200の《八咫烏》をサーチする』

「攻撃力200のモンスターを何故……?」

 

 此処で700のモンスターをサーチすればダイレクトアタックで終わった筈なのに――ドン・サウザンドは『混沌』の悪辣過ぎる悪意に気づかない。

 

『《八咫烏》を通常召喚――バトル。ダイレクトアタック』

 

 ドン・サウザンド

 LP700→500

 

 出現したのは紫色の鴉であり、そのダイレクトアタックのダメージは矮小な小鳥に嘴で突かれた程度の些細なものであった。

 

 ――禁止制限に叩き込まれてから一度も釈放される事無く永久投獄されているこのカードが数多の決闘者を絶望のどん底に突き落としたのは、戦闘ダメージが通った後の効果である。

 

『このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた場合、次の相手ターンのドローフェイズをスキップする――なお、このモンスターは召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。ターンエンド』

 

 ……何かの聞き間違えだろうとドン・サウザンドが絶句する中、自動的にドローフェイズが訪れ、ドロー出来ないままスタンバイフェイズに移行し、手札が0枚のままメインフェイズになる。

 

「……な、何だこれは……!?」

 

 ――場のカードは全て除去され、手札もゼロ、おまけに豪華特典でドローすら出来ない、こんな状態で一体何をすれば良いのだ……!

 

『気分はどうかな? 『神』さま。――ああ、出来る事が無いのならばさっさとターンエンドを宣言してゆっくり嬲り殺されてね』

 

 ドン・サウザンド

 LP500→300

 

 ドン・サウザンド

 LP300→100

 

 ドン・サウザンド

 LP100→-100

 

 デュエルの終わりを告げるブザーの音は、いつも切ない。

 

 

 

 

『私のターン。魔法カード『大嵐』発動、フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する』

「っ、我はフィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』の効果発動! 1ターンに1度、デッキの『ヌメロン』カードを墓地へ送り、その効果を発動させる!」

 

 また無言で貼られていた『ヌメロン・ネットワーク』に正義の鉄槌を下すべく初手『大嵐』だったが、そうはさせないとドン・サウザンドは『ヌメロン・ネットワーク』の真の力を解放させる。

 

「――罠カード『ヌメロン・リライティング・マジック』を墓地へ送り、効果を発動! 自分のモンスターカードゾーン及び魔法・罠カードゾーンにこのカード以外のカードが存在しない場合、相手が魔法カードを発動した時、その魔法カードの発動と効果を無効にして発動条件を満たす魔法カード1枚を相手フィールドに発動させる!」

『へぇ、一体どの魔法カードを発動してくれるんだい?』

 

 ……尚、今現在『混沌』のデッキで発動条件を満たしている魔法カードは以下の通りである。

 

 『おろかな埋葬』×1(制限カード)、万能の墓地肥やし。

 『生還の宝札』×1(禁止カード)、万能のドロー増強カード。

 『神縛りの塚』×1(事故要因)、先程選んで死因となった。

 『ブラック・ガーデン』×1(事故要因)、召喚するモンスター全て攻撃力半減。

 『手札抹殺』×1(制限カード)、墓地肥やして更に手札チェンジ。

 『天使の施し』×1(禁止カード)、万能のドロー&墓地肥やし。

 『強欲な壺』×1(禁止カード))、万能のドローカード。

 『苦渋の選択』×1(禁止カード)、万能のサーチ&墓地肥やし四枚版。

 『簡易融合』×1(制限カード)、カップ麺、旧神出てきて死ぬ。

 『押収』×1(禁止カード)、ハンデス三種の神器。

 『いたずら好きの双子悪魔』×1(禁止カード)ハンデス三種の神器。

 『強引な番兵』×1(禁止カード)、ハンデス三種の神器。

 『ハーピィの羽根箒』×1(制限カード)、大嵐の完全上位互換。

 『魔力倹約術』×1、魔法のライフ支払いが踏み倒せる。相手は結果的に死ぬ。

 

「――な、なんだこのインチキ効果の数々は!?」

『現在進行形でインチキ効果使ってるヤツの台詞じゃないぞ?』

 

 『混沌』は首を傾げながら、『何でセルフ『苦渋の選択』をしてるんだろう?』とドン・サウザンドの正気度を疑う。

 

「我は『手札抹殺』を選択する……!」

 

 悩みに悩んだ末に選んだカードは『手札抹殺』、四枚の墓地肥やし&手札四枚チェンジであり、当然の事ながら今回の敗因である。

 

『墓地に落ちた《処刑人-マキュラ》の効果発動、このカードが墓地に送られたターン、このカードの持ち主は手札から罠カードを発動する事が出来る』

「またか……! またそれかッ!」

 

 自分で落としておきながら酷い言い草である、と『混沌』はちょっと拗ねる。

 

『手札から罠カード『第六感』発動。1から6までの数字の内、2つ宣言する。5と6。相手がサイコロを1回振り、宣言した数字が出た場合、その枚数分ドローする。外れた場合、出た目の枚数デッキの上からカードを墓地へ送る。――カードは書き換えられるようだが、サイコロの方はどうかな?』

「ぐっ、我を舐めるな……!」

 

 何処ぞの『盗賊王』のように超常的な力でイカサマしようものなら、容赦無く懐かしの『罰ゲーム』をしようと『混沌』は心から楽しみにして見届ける。

 『神』と名乗る者がダイスロールする様は中々シュールであるが――出た目は『5』である。運命にも見放されているようである。

 

『出た目は5、よって5枚ドローする』

 

 3枚から一気に8枚まで手札補充し、今回の1ターンキルが確定する。

 

『《召喚僧サモンプリースト》を通常召喚する。このカードが召喚・反転召喚に成功した場合、このカードを守備表示にする。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードを生贄に出来ない』

 

 ???

 LP4000

 手札5→4→3→8→7

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 魔法・罠カード

  無し

 

 「どっこいしょ」と言わんばかりの気怠さで胡座をかいた爺の魔法使いが参上する。

 これがこの時代の『混沌』のデッキに入ったシンクロ専用ギミックの内の1枚。更に言うならば、攻撃力800の為、《クリッター》からサーチ可能である。

 

『《召喚僧サモンプリースト》の効果発動、1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事でデッキからレベル4モンスターを1体特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃出来ない。私はデッキから《召喚僧サモンプリースト》を特殊召喚する』

「レベル4のモンスターが2体……来るか!」

 

 ???

 LP4000

 手札7→6

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 魔法・罠カード

  無し

 

 エクシーズがあるならば、この時点でランク4のエクシーズが出来るが、今の『混沌』のエクストラデッキにエクシーズモンスターは1体もいない。

 

『2体目の《召喚僧サモンプリースト》の効果発動、魔法カード1枚捨てて《レスキューキャット》を特殊召喚する』

 

 ???

 LP4000

 手札6→5

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 《レスキューキャット》星4/地属性/獣族/攻300/守100

 魔法・罠カード

  無し

 

 安全ヘルメットを被った可愛らしい猫が召喚され、ドン・サウザンドが「レベル4のモンスター3体でエクシーズか?」と警戒する中、1枚で《シューティング・クェーサー・ドラゴン》のシンクロを可能とする永久禁止カードの力の一端が披露される。

 

『《レスキューキャット》の効果発動、自分フィールド上の表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体をフィールド上に特殊召喚する。この方法で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される――私がデッキから特殊召喚するのはチューナーモンスター《X-セイバー エアベルン》2体だ』

 

 ???

 LP4000

 手札5

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 《召喚僧サモンプリースト》星4/闇属性/魔法使い族/攻800/守1600

 《X-セイバー エアベルン》星3/地属性/獣族/攻1600/守200

 《X-セイバー エアベルン》星3/地属性/獣族/攻1600/守200

 魔法・罠カード

  無し

 

 これが数多の決闘者の希望を打ち砕いたシンクロ時代の絶望の呪文『サモサモキャットベルンベルン』であり、(決闘者の屍で)一時代を築いた『猫シンクロ』の力の一端である。

 なお現在のカードプールでは《森の聖獣 ユニフォリア》という星1の獣族で、墓地のモンスターが獣族のみの場合、このカードをリリースして手札・墓地から《森の聖獣 ユニフォリア》以外の獣族モンスター1体を選んで特殊召喚し、幾らでも《レスキューキャット》の効果を使い回しながら大量展開出来る為、《レスキューキャット》は制限に緩和する事すら絶対許されないレベルの禁止カードなのである。

 

 ――そして、これから繰り出されるレベル7のシンクロモンスターと言えば、当然――。

 

『レベル4の《召喚僧サモンプリースト》にレベル3のチューナーモンスター《X-セイバー エアベルン》をチューニング。闇から出でよ、鉄血の翼! 黒き暴風となりて、全ての敵に死を与えん! シンクロ召喚――現われろ、シンクロが生み出した世界の破壊者! 《ダーク・ダイブ・ボンバー》!』

 

 『D(誰が)D(どう見ても)B(ぶっ壊れ)』な機械族モンスター《ダーク・ダイブ・ボンバー》がエラッタ前の全盛期効果でエントリーだ!

 

『同じくレベル4の《召喚僧サモンプリースト》にレベル3のチューナーモンスター《X-セイバー エアベルン》をチューニング。世界の平和を守る為、勇気と力をドッキング! シンクロ召喚――愛と正義の使者《パワー・ツール・ドラゴン》!』

 

 続いて現れるは『シグナー』の双子星、兄の方が使うシンクロモンスター、ホッチキスとドライバーの手を得意げに振り回す機械的でユニークなドラゴン族……ではなく、機械族シンクロモンスター。

 勿論、今回は世界の平和を壊す為、悪さをする為に参上である。

 

 ???

 LP4000

 手札5

 《ダーク・ダイブ・ボンバー》星7/闇属性/機械族/攻2600/守1800

 《パワー・ツール・ドラゴン》星7/地属性/機械族/攻2300/守2500

 魔法・罠カード

  無し

 

『《パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動、1ターンに1度、デッキから装備魔法カードを3枚選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。選んだカード1枚を手札に加え、残りのカードをデッキに戻す――さぁ選べ』

 

 まだ(次のターンを迎えれるという)儚い希望を抱くドン・サウザンドの前に表示された3枚のカードはこれだ。

 

 装備魔法『早すぎた埋葬』

 装備魔法『早すぎた埋葬』

 装備魔法『早すぎた埋葬』

 

「貴様ァッ、ふざけるなッ! 選ぶも何も3枚とも同じカードではないかッ!」

『知ってた。私は装備魔法『早すぎた埋葬』を手札に加える』

 

 ……ぶっちゃけ、『混沌』のデッキに装備魔法はこの3枚と『強奪』しか入っていない。

 

『装備魔法『早すぎた埋葬』を発動、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。このカードが破壊された時、装備モンスターを破壊する。私は墓地の《混沌の黒魔術師》を選択する』

 

 ???

 LP4000→3200

 手札5→6→5

 《ダーク・ダイブ・ボンバー》星7/闇属性/機械族/攻2600/守1800

 《パワー・ツール・ドラゴン》星7/地属性/機械族/攻2300/守2500

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600

 魔法・罠カード

  装備魔法『早すぎた埋葬』

 

『《混沌の黒魔術師》の効果発動、このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地から魔法カード1枚を選択して手札に加える――私は魔法カード『突然変異』を選択する』

 

 悲しいかな、ライフが4000である以上、この時点で終了である。

 尤も、初期ライフが8000でも先行1ターン目で吹き飛ばすのは余裕であるが――。

 

『《ダーク・ダイブ・ボンバー》の効果発動。自分フィールド上のモンスター1体を生贄に、そのモンスターのレベル×200のダメージを相手ライフに与える』

「何だと……!? そ、その効果は1ターンに1度、なのだろう……?」

『HAHAHA、何を言ってるんだ。エラッタ後ならともかく、エラッタ前にそんな記述など無い。カードは書き換えられる前だ』

 

 絶望的な死刑宣告が下され――。

 

『私のフィールド上のモンスターのレベルの合計は7+7+8=22。よって4400のバーンダメージだ。――やれ《ダーク・ダイブ・ボンバー》!』

 

 ドン・サウザンド

 LP4000→2600→1000→-400

 

 エラッタ前の永久投獄犯の《ダークダイブボンバー》は嬉々と場のモンスターを自分すら含めて射出し、今日もまた一人の決闘者を無残に爆殺したのだった。

 

 

 

 

『私のターン。フィールド魔法『ブラック・ガーデン』を発動。――通す?』

 

 忌々しげに睨みつけながらも、ドン・サウザンドは無言で通す。

 尚、既にいつも通り、『混沌』のドローフェイズ時にまた無言で『ヌメロン・ネットワーク』を発動済みである。

 

『《エフェクト・ヴェーラー》を通常召喚する。この瞬間、フィールド魔法『ブラック・ガーデン』の効果発動』

 

 シンクロ召喚しないのに《エフェクト・ヴェーラー》を通常召喚するという舐めプに、未だに《エフェクト・ヴェーラー》の本当の効果を知らないドン・サウザンドは気づかず――彼の何も無いフィールドに《ローズ・トークン》が1体生えてしまった。

 

『このカードはこのカード以外の効果でモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、そのモンスターの攻撃力を半分にし、そのモンスターのコントローラーから見て相手のフィールド上に《ローズ・トークン》(植物族・闇・星2・攻/守800)1体を攻撃表示で特殊召喚する』

「なん、だと……!?」

 

 『ヌメロン』カードに共通するインチキ効果の発動条件はそのカード以外のカードが存在しない事。もうこの時点でドン・サウザンドにやれる事は『神』に祈るだけである。

 

『魔法カード『苦渋の選択』発動、自分のデッキからカード5枚選択し、相手はその中から1枚選択する。選択した1枚を手札に加え、残りのカードを墓地に捨てる。私が選択した5枚はこれだ』

 

 《混沌の黒魔術師》

 《混沌の黒魔術師》

 《混沌の黒魔術師》

 《クリッター》

 《黒き森のウィッチ》

 

 どれを選んでも地獄、まさに『苦渋の選択』である。

 

「っ、我は《クリッター》を選択する……!」

 

 落ちたらまず確実に《召喚僧サモンプリースト》をサーチされて《ダーク・ダイブ・ボンバー》での爆殺ルートが確定してしまう為、一分の望みを託してドン・サウザンドは《クリッター》を選択する。

 

『墓地に落ちた《黒き森のウィッチ》の効果発動、このカードが墓地に置かれた時、デッキから守備力1500以下のモンスターをサーチする。私が選択するのは守備力1000の《ダーク・アームド・ドラゴン》だ』

 

 ???

 LP4000

 手札5→4→3→2→4

 《エフェクト・ヴェーラー》星1/光属性/魔法使い族/攻0/守0

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『ブラック・ガーデン』

 

『手札から永続魔法『生還の宝札』発動、自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする事が出来る』

 

 またもや現れた万能のドロー増強カードにドン・サウザンドの顔が歪みに歪む。

 

『魔法カード『死者蘇生』発動、自分または相手の墓地のモンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。私は《混沌の黒魔術師》を選択。《ローズン・トークン》が君の場に1体特殊召喚され、『生還の宝札』の効果で1枚ドロー。《混沌の黒魔術師》の効果で魔法カード『死者蘇生』を回収する』

「なっ、『死者蘇生』で復活させて『死者蘇生』を回収だとォ!?」

 

 ???

 LP4000

 手札4→3→2→3→4

 《エフェクト・ヴェーラー》星1/光属性/魔法使い族/攻0/守0

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800→1400/守2600

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 フィールド魔法『ブラック・ガーデン』

 

 インチキ効果にインチキ効果が合わさって更なるインチキ効果になり――まだ1ターン目、このまま展開されれば大量ドローの上に場に《ローズ・トークン》で埋め尽くされるだろうが、次のターンに魔法カード『ブラック・ホール』などで片付ければ反撃の機会はあると、必死にドン・サウザンドは自分自身に言い聞かせる。

 

 精々調子に乗って展開し続けて、自分の首を締めるが良い――。

 

『――ボチヤミサンタイ。私の墓地には闇属性のモンスターが《混沌の黒魔術師》《混沌の黒魔術師》《黒き森のウィッチ》の3体のみ。よって手札から自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚出来る《ダーク・アームド・ドラゴン》を特殊召喚する』

 

 三体目の《ローズ・トークン》がドン・サウザンドのフィールドに生える。

 

 ???

 LP4000

 手札4→3

 《エフェクト・ヴェーラー》星1/光属性/魔法使い族/攻0/守0

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻1400/守2600

 《ダーク・アームド・ドラゴン》星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800→1400/守1000

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 フィールド魔法『ブラック・ガーデン』

 

『魔法カード『死者蘇生』、2体目の《混沌の黒魔術師》を蘇生して『死者蘇生』回収して1枚ドロー、また『死者蘇生』で3体目の《混沌の黒魔術師》を復活させて『死者蘇生』を回収して1枚ドロー』

 

 ???

 LP4000

 手札3→2→3→4→3→4→5

 《エフェクト・ヴェーラー》星1/光属性/魔法使い族/攻0/守0

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻1400/守2600

 《ダーク・アームド・ドラゴン》星7/闇属性/ドラゴン族/攻1400/守1000

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800→1400/守2600

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800→1400/守2600

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

 フィールド魔法『ブラック・ガーデン』

 

 4、5体目の《ローズ・トークン》が並び、次のターンが訪れれば、大量展開したモンスターを全て屠られ、自らの傲慢さで滅びる事になるだろう。ドン・サウザンドはほくそ笑む。

 無論、このドン・サウザンドの心の声を聞いていたのならば、『混沌』は即座にこう返すだろう。『――それはどうかな?』と。先行1ターン目にも関わらず、次のターンなど無いと言わんばかりに。

 

『カードを2枚セットし、魔法カード『突然変異』を発動。自分フィールド上のモンスター1体を生贄に捧げ、同じレベルの融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する――私が生贄に捧げるのはレベル8の《混沌の黒魔術師》、現われろ、レベル8《重爆撃禽 ボム・フェネクス》』

 

 ???

 LP4000

 手札5→3→2

 《エフェクト・ヴェーラー》星1/光属性/魔法使い族/攻0/守0

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻1400/守2600

 《ダーク・アームド・ドラゴン》星7/闇属性/ドラゴン族/攻1400/守1000

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻1400/守2600

 《重爆撃禽 ボム・フェネクス》星8/炎属性/炎族/攻2800→1400/守2300

 魔法・罠カード

  永続魔法『生還の宝札』

  伏せカード2枚

 フィールド魔法『ブラック・ガーデン』

 

 至高の黒魔術師から突然変異して現れたのは、全身炎に包まれた不死鳥であり――。

 

『《重爆撃禽 ボム・フェネクス》の効果発動、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時、フィールド上に存在するカード1枚につき300ポイントのダメージを相手ライフに与える。この効果を発動するターン、このカードは攻撃する事が出来ない。フィールド上に存在するカードは15枚、よって4500のダメージだ』

「何だと……!? ぐああああああああああああああああああぁっ!?」

 

 ドン・サウザンド

 LP4000→-500

 

 

 

 

「っ、我はこれでターンエンド……!」

 

 この『ヌメロン』の最大の弱点、それは先行1ターン目に何も出来ない事にある。

 それでも凡百の決闘者には無きに等しい猶予なのだが――『混沌』のデッキの場合、九割九分九厘の確率で後攻1ターンキルしてくる。

 かと言って、『混沌』が先行の場合は六割以上の確率でバーンダメージによる先行1ターンキル、残り4割は『ヌメロン・ネットワーク』を破壊した上で手札全ハンデスという地獄絵図であり――。

 

『私のターン、ドロー。魔法カード『ハーピィの羽根箒』を発動。相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する』

「我はフィールド魔法『ヌメロン・ネットワーク』の効果発動! 罠カード『ヌメロン・リライティング・マジック』を墓地へ送り、魔法カード『ハーピィの羽根箒』をフィールド魔法『神縛りの塚』に書き換える!」

 

 たった2枚しか入ってない魔法・罠カード除去をどうしてこう高い頻度で手札にあるのか、余りの理不尽さに嘆きたい。

 早速『ヌメロン・ネットワーク』の1ターンに1度の妨害を使ってしまったが――今回は手札に効果モンスター《ヌメロン・ウォール》がある。このカードは戦闘ダメージを受けた時、手札から特殊召喚してバトルフェイズを強制的に終了させるカード。

 

 これで次のターンへ『希望』を繋げたい、繋げたいが――。

 

『魔法カード『苦渋の選択』発動。私が選んだ5枚はこれだ』

 

 《混沌の黒魔術師》

 《混沌の黒魔術師》

 《混沌の黒魔術師》

 《クリッター》

 《エフェクト・ヴェーラー》

 

「ぐ……! 我は《クリッター》を選択する……!」

 

 《混沌の黒魔術師》が墓地にある状態でクリッターが落ちれば《召喚僧サモンプリースト》をサーチされ、絶望の呪文『サモサモキャットベルンベルン』で《ダーク・ダイブ・ボンバー》にバーンダメージだけで1ターンキルされるだけに、絶対に《クリッター》を墓地に送らせる訳にはいかない。

 

『魔法カード『死者蘇生』発動、《混沌の黒魔術師》を復活、効果発動で『死者蘇生』を回収し、ループして3体並べて『死者蘇生』を回収する』

 

 ???

 LP4000

 手札5→4→3→4→3→4→3→4

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600

 《混沌の黒魔術師》星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『神縛りの塚』

 

 一瞬にして墓地から3体の《混沌の黒魔術師》が立ち並ぶも、《ヌメロン・ウォール》がある限り、1体目のダメージでこのターン凌げる……! ハンデス三種の神器で手札から墓地に捨てられなければ――。

 

『3体の《混沌の黒魔術師》を生贄に――』

 

 場から離れた《混沌の黒魔術師》は全て除外され――その3体のリリースが必要なアドバンス召喚に身震いする。

 また《邪神アバター》を出されては2ターン、魔法・罠が使用不能になるが――いや、他にモンスターがいないのならば攻撃力100のモンスター、それぐらいは耐え忍ぶ事が可能であると結論付ける。

 

 ――尤も、召喚されるのが《邪神アバター》ならば、であるが。

 

『このカードを通常召喚する場合、3体のモンスターを生贄に召喚しなければらない。このカードの召喚は無効化されない。このカードの召喚時には魔法・罠・モンスターの効果は発動出来ない。――降臨せよ『三幻神』が一柱、破壊神《オベリスクの巨神兵》!』

 

 超空間を震撼させて顕現するは蒼き巨神、攻撃力4000の最上級モンスターである。――そう、よりによって攻撃力4000である。

 

 ???

 LP4000

 手札4→3

 《オベリスクの巨神兵》星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『神縛りの塚』

 

 この時点で無慈悲な後攻1ターンキルが確定する。が、『混沌』は止まらない。

 

『まだだ、まだ行ける! 魔法カード『簡易融合』発動、1000ライフ支払い、《旧神ノーデン》を融合召喚扱いで特殊召喚し、その効果で《エフェクト・ヴェーラー》を復活させる』

 

 ???

 LP4000→3000

 手札3→2

 《オベリスクの巨神兵》星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

 《旧神ノーデン》星4/水属性/天使族/攻2000/守2200

 《エフェクト・ヴェーラー》星1/光属性/魔法使い族/攻0/守0

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『神縛りの塚』

 

『レベル4の《旧神ノーデン》にレベル1の《エフェクト・ヴェーラー》をチューニング! シンクロ召喚! 集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。強き闇よ光を照らせ! シンクロ召喚! 希望の力、シンクロチューナー《アクセル・シンクロン》!』

 

 ???

 LP3000

 手札2

 《オベリスクの巨神兵》星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

 《アクセル・シンクロン》星5/闇属性/機械族/攻500/守2100

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『神縛りの塚』

 

 出てきたのは闇属性のシンクロチューナー《アクセル・シンクロン》であり、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》以外のシンクロモンスターを目指す際に出される。

 

『魔法カード『死者蘇生』発動、蘇らせるのは当然《旧神ノーデン》、そして《エフェクト・ヴェーラー》!』

 

 再度場に並んだ《旧神ノーデン》と《エフェクト・ヴェーラー》に、早く終わってくれと言わんばかりの諦観しか思い浮かばない。

 そんな対戦者の事など知らぬ、管轄外だと言わんばかりに『混沌』は無視して続ける。

 

『レベル4の《旧神ノーデン》にレベル1のチューナーモンスター《エフェクト・ヴェーラー》をチューニング。シンクロ召喚! 現われろ《転生竜サンサーラ》!』

 

 ???

 LP3000

 手札2→1

 《オベリスクの巨神兵》星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

 《アクセル・シンクロン》星5/闇属性/機械族/攻500/守2100

 《転生竜サンサーラ》星5/闇属性/ドラゴン族/攻100/守2600

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『神縛りの塚』

 

 これが、この時代に《転生竜サンサーラ》を採用している理由である。

 

『――レベル5の龍族《転生竜サンサーラ》にレベル5の闇属性チューナー《アクセル・シンクロン》をチューニング! 冥界を流るる嘆きの河より亡者の激流を逆巻き浮上せよ! シンクロ召喚! 《冥界濁龍 ドラゴキュートス》!』

 

 《アクセル・シンクロン》の躯が崩れて5つの円環となり、その中心を《転生竜サンサーラ》が潜り抜けて極大の『闇』となる。

 

 ???

 LP3000

 手札1

 《オベリスクの巨神兵》星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000

 《冥界濁龍 ドラゴキュートス》星10/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守2000

 魔法・罠カード

  無し

 フィールド魔法『神縛りの塚』

 

 胴体の異形の顔が咆哮を轟かす。冥界の龍が、紫電を迸りながら降誕する。

 2体目の星10モンスターであり、その攻撃力はまた4000であり――出すのが一苦労のシンクロモンスターに辿り着いて、『混沌』は大満足と言った感じだった。

 

 ……出す必要性が欠片も無かったが。

 

 なお、今回微塵も活用されない《冥界濁龍 ドラゴキュートス》の効果は、戦闘では破壊されない破壊耐性、戦闘で相手モンスターを破壊し墓地に送った時、もう1度だけ相手モンスターに攻撃出来る連続攻撃効果、自分スタンバイフェイズに相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象に、そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分だけバーンダメージを与える豪華特典がある。

 

 現状ではフィールド魔法『神縛りの塚』もあるので、効果の対象にならず、効果による破壊も無効という、下手な『神』よりも完全な耐性を持つに至る。

 

『バトル――《オベリスクの巨神兵》と《冥界濁龍 ドラゴキュートス》でダイレクトアタック。ゴッド・ハンド・クラッシャー! 冥界の幽鬼奔流(ゴースト・ストリーム)!』

 

 ドン・サウザンド

 LP4000→0→-4000

 

「――ぬおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!?」

 

 一撃で仕留められれば《ヌメロン・ウォール》の効果など何の意味も無い。

 全てを打ち砕く『神』の拳を直接その身に受けて、更に追撃の龍のブレスを受け、何度もバウンドしながら遥か彼方に吹き飛ばされたのだった――。

 

 

 

 




 本日の禁止カード

 《八咫烏》
 スピリットモンスター(禁止カード)
 星2/風属性/悪魔族/攻 200/守 100
 このカードは特殊召喚できない。
 召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
 このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた場合、
 次の相手ターンのドローフェイズをスキップする。

 未来永劫、永久に解き放ってはならない禁止カード。
 それはKONAMIも同じ意識だったのか、通常罠『八咫烏の骸』から伺える。
 手札が0枚の時にダイレクトアタックが決まればCPUさえ即座にサレンダーする『八咫ロック』状態になる。
 これを喰らって動けるのは全盛期『征竜』ぐらいである。マジ頭おかしい(褒め言葉)

 《レスキューキャット》
 効果モンスター(禁止カード)
 星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
 自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、
 デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体をフィールド上に特殊召喚する。
 この方法で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

 登場時は見向きもされなかったが、シンクロ時代に入って奴は弾けた。
 シンクロ召喚の台頭と共に環境を荒らし尽くし、『猫シンクロ』で一時代を築き、最終的に禁止制限入りとなった。
 尚、今の時代にコイツがいれば一枚で《シューティング・クェーサー・ドラゴン》が立つ。可愛いけど超怖い。

 絶望の呪文『サモサモキャットベルンベルン』

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