ぎるがめっしゅ叙事詩 ~よくわかる人間と星の乖離~   作:檻@102768

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 まず最初に、人が星から離れる経緯から。


第一話:独立編

 むかしむかし。太陽系のあるところに、【地球】といういろんな生命が暮らしている星がありました。

 その星の生命業界最大手、株式会社『世界』に勤める「人間」くん。端的に言うならエリートです。

 でもなんだか浮かない顔だ~。どうしたんだろう?

 

 

人間「俺、このままでいいのかな……」

人間「大企業ってことで確かに安定してるけど、こんな社会の歯車で一生を終えるのか……?」

 

人間「……よし、決めた! 独立しよう!」

人間「新しく『人間』の会社を旗上げして、裸一貫からのし上がってみせる!」

 

 

 ドタドタ…………

 

 

人間「社長! 失礼します!」バタン!

地球(社長)「…………なになに? いきなりそんな大声で」キーン!

人間「あの、いろいろ考えたんですが……私、独立します! 今までお世話になりました!」ペコッ!

地球「これはまた藪から棒に……。まーそこまで決意固いんならいいよ」

地球「でも最初は子会社ってことでやってみなさい。いきなり独立しても右も左もわからんし」

地球「独立しようがなんだろうが私の子供みたいなもんだし、遠慮しちゃだめだよ?」

人間「はい、ありがとうございます! じゃ!」シュバッ!

地球「……若いって、いいなぁ(ほんわか)」

 

 

 そこからしばらく。

 人間はその莫大な欲望をモチベに変換し、大手故成長が緩慢でもやっていけた『世界』を遥かに上回るペースで業績を上げ、初めはちっぽけだった会社はどんどん発展していきました。

 

 

人間1「ん? ここって不便だよね! なら改善する機械作ろー! やってやるぜ!」カーンカーン

人間2「俺こっちやるわー。ここ直せばもっと便利になるぜ!」カチャカチャ

人間3「んじゃ俺はこれ手ぇ付けてみようかなー」ペタペタ

 

人間4「社長ぉー。もう俺たちも本気で独立しちゃっていいんじゃないですか?」

ルガルバンダ(『人間』の社長。以降ルガ)「あーそれもいいかもねー」

ルガ「今まで『世界』に仕事もらってたけど、もう自分らでもなんとかなりそうだし。検討の余地ありだなー」

 

 

神1(『世界』幹部)「……ね、あいつら最近調子乗り過ぎじゃね?」イラッ

神2「だよねー! あれだけ可愛がってやったのに、恩知らずにも出てったくせに生意気ー!」バタバタバタ!

神1・2「「アヌ様はどう思いますー?」」

 

アヌ(『神』のトップ)「ん? んー確かにそうだね。今はまだ子会社だけど、このままだと本気で独立しちゃうかもだし」

 

 

 

アヌ「…………ちょっと小細工で縁談でも持ちかけてみようかな」

 




 補足です。

・ルガルバンダ:ギルガメッシュの父親で当時の人間の王
・アヌ:イシュタルの父親で神々の王


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