とある休日IS学園にて。
「なあマドカ、俺と上代って同じ世界で二人しかいない男性IS操縦者なのにまともに話したことがないんだ」
「いきなりなんだ……いや私にそれを言ってどうするんだ?」
いや、マドカと上代って友達で今まで何度も会ったりしたって言ってたじゃないか。俺も会いたいんだよな、束さんが宇宙に行く前やマドカと和解するときに顔を合わせたことはあれども話したことはないから一度世界で二人しかいない男性IS操縦者同士会って話してみたい。
「まあ友達だしクロエも一緒にだが色々遊びにいったりもしたな、遊園地とか」
「どうして俺も誘ってくれなかったんだマドカ……俺も一緒に行きたかった!」
「無茶言うな。姉さんや一夏と和解する前に行ったんだ……いや、それにお前は男と遊園地とか行きたいのか?」
「え?普通に一緒に遊びに行きたいぞ、男同士なら気兼ねなく遊べるだろうしな」
「……そうか」
他に一緒に行くべきやつがいるだろうに……ってマドカが呟いてるが聞こえてるぞ?他に一緒に行くやつって弾とか数馬か?アイツらとも遊びたいと言えば遊びたいがそうじゃないのだ、お互い男性IS操縦者だからそこら辺で思ってることとかも話し合って共有してみたいんだ!伝われこの思い!
「一夏、お前は何故そうなのだ……!」
「遊園地などいくらでもお付き合いいたしますのに……!」
「へぇ、私と遊ぶより見知らぬ男と遊びたいんだ?」
「……一夏ったら僕より男とデートしたいだなんて」
「全く、嫁はどうしていつもいつも……!」
「そっか一夏は男が好きなんだ……」
何やら後ろの方で箒たちがブツブツ言っているようだが聞き取れない、まあ今はそんなことは置いといて上代翔のことだ。
「それで私にどうしろと?」
「メールでやり取りとかしてるんだろ?メアドを教えてもらったりは……」
「断る、無断で他人のメアドを教えるほど馬鹿ではない」
「……ファンタを出しても?」
「…………………………断る、ファンタは金を払えば買えるが友達は何に変えても手に入らんしな。そもそも物で売る関係なんて友達とは言わない」
くっ、かなり葛藤があったみたいだが普通に正論で返された。ならばこちらも正攻法で行くしかないか!
「じゃあ上代に一回俺にメアドを教えていいか聞いてみてくれないか?」
「ファンタ5本だ」
「2本!」
「5本だ」
「よ、4本!」
「さて、そろそろ部屋に戻るか」
「わ、わかった!5本だ、だから頼む……!」
「今さらだが必死だな……仕方ない、今から聞いてみよう。【一夏がお前のメアドを教えてほしいそうだが教えてもいいだろうか?】っと送信」
くそぅ、ここぞとタカられた。あと必死にもなるさ、入学して数日で2人目の操縦者が見つかったと聞いて会えると思ってたら……もう半年以上たってるのに未だにまともに会話すらしてないんだぞ!?もうそのうち一年がたちそうだ。
「お、返信が来たぞ」
「あお!何だって?」
差出人:上代翔
タイトル:夏が俺を知りたがってる?
本文:マドッチ、
「うん、そもそも一夏の名前を忘れているな。」
「ノゥ!?嘘だろ!?」
「いや、ひとなつと読まれてるぞ?」
最悪でも束さんが宇宙行くときに俺の名前聞いてたはずなのに忘れられてた!?
▽▽▽▽
現在、日本へこっそり宇宙から帰ってきている束先輩、くーちゃんとおれだったのだけれど先ほどマドッチからメールが来た。
「夏にメアドを教えていいかって……どういうことだろ」
マドッチのメアドは教えてもらわなくても知ってるし夏って季節にメアドは教えれないし、いやポエム的な何かにしてもかなり変だよなぁ。
「かーくん変な顔してどうしたのさ?」
「いえ、マドッチからひとな……お、マドッチからまたメールだ」
差出人:マドッチ
タイトル:無し
本文:すまん、一夏とは季節じゃなくて織斑一夏の方だ。
「あー、そっちか。そういやそんな名前だった」
「かーくーん、どうしたんだってばよー」
「口調が微妙に渦巻くラーメンの具みたいになってますよ?いえ、マドッチから織斑くんにメアドを教えていいか聞かれて……」
「いっくんに?いいんじゃないの?」
「いや、他人にメアドを教えるってのも、なんかなーって思いまして。あくまでも織斑くんって束先輩の親友の弟ってポジションで要するに他人なんで……って建前は置いといて織斑くんの名前をヒトナツって読んでて意味がわかってませんでした」
「哀れいっくん名前を忘れられているとは。まあでもいっくんが悪い子じゃないのは束さんが保証するよ?教えるかどうかはかーくんしだいさ」
さてはて、どうしようか。メアドくらい別にいいんだけどマドッチは律儀だなぁ……一応なんで知りたがってるのか聞いてみようかな。
「まあ教えていいですけど理由聞いてみます、届けおれの思い!」
「メールなんだから、そりゃ届くよ」
「ですよね。そういや、くーちゃんが見当たりませんけど」
「くーちゃんは買い物に行ったよー、適当にふらふらするついでに食材がもうないから買ってきてくれるって」
「おー、くーちゃんに感謝。あ、返信来た」
差出人:マドッチ
タイトル:無し
本文:お前と会ってみて遊びたいそうだ、遊園地とかで。
「……男二人で遊園地とか嫌だ!最低でもくーちゃんとかマドッチ誘うわ!」
「あー、いっくん変わってないなー……」
「もういいです、ちょっと直接電話します」
「まあそれが一番手っ取り早いよね」
男同士遊園地に行きたいとかどれだけ男に餓えてるのか織斑くんよ。いや女しかいないとこに入れられたらそうなってもおかしくない……のか?
▽▽▽▽
……翔に遊園地とか行きたいと言ってたことをメールしてから返信がないな。あ、電話きた。
「もしもし、マドカだ」
『やっほーマドッチ、上代翔だよ。で織斑くんはなんなのさ、男と遊園地行きたいとかそっちの気ない?大丈夫だよね?』
「ない……はずなんだがスマン、この頃自信がなくなってきたところだ」
『おふ、まあたぶん大丈夫でしょ。今度遊びにいこうか……マドッチたちも一緒に』
「おい言いながら不安になっただろ。まあいいが、恐らく一夏も喜ぶ」
『じゃあいつ行こうか?基本的にいつでもいいけど』
「なら明日でも行くか?急だが私たちも明日なら特に何もないからな」
『オッケー、じゃあ今晩くらいまでには集合場所とか決めよっか』
「ああそれじゃあまた明日」
明日遊びに行く約束をつけ手短に挨拶を済まして電話を切る。
ふぅ、まあ何だかんだでいいと言ってくれるとは思っていたが遊びに行く約束までしてくれるとはな。
「な、なあマドカどうだった?」
「明日遊びに行くかと言っていたぞ、私も一緒だが」
「本当か!?ありがとうなマドカ!」
「ファンタを忘れるなよ、詳細はまた夜に伝えるから早くに寝てしまうなよ?」
「勿論だ!よっしゃ!ようやく上代翔にまともに会える、楽しみだなぁ。何話そうか……マドカは上代が好きそうな話題とか知らないか?」
「うん?そうだな、そんなこと考えずに話してたから改めて言われるとわからんな」
「そうか、仲がいいんだなマドカは」
「まあな、アイツとクロエは私のはじめての親友だからな」
それにしてもいつになくやる気というか関心を向けているな。そろそろ後ろにいる箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、簪の6人の不満が天元突破しそうだぞ?
「何故いつも私のことは興味なさげに流すと言うのに一夏め……!」
「一夏さんは男同士の方が楽しそうに見えますわ……最悪お相手の方を去勢しないといけないかもしれませんわ」
「フフフそうね、私との約束はセシリアに代わりに来させたりしたくせに一夏ってばあんなに楽しみして……」
「アハハハ、二人とも物騒だよ…………やるならバレないようにしようか」
「嫁ぇ、どうしてお前というやつはそう男友達と遊ぶときが一番嬉しそうなのだ?」
「一夏は……そっち系なのかなぁ」
…………翔、どうやら明日はただでは終わりそうにないぞ。私も全力で抑え回避できるようにするけど一夏のことになったアイツらは中々手に終えんしな。
まあ最悪また前のようにクロエを含めた3人で逃亡しよう。
――姉さんに比べれば恐れるものなど何もないのだから!!
ここまで読んでくださった方に感謝を!
相変わらずノリだけで書いた話。そろそろ一夏も会いたがるかなと……季節的には本編のあとだから……冬かな?
特にふんわりとしか考えてないので続くかは不明です。