「ん、ふぁぁぁ」
「あら、おはようオータム」
「おはようスコール、朝飯にタコス食べてくる」
「待ちなさいオータム、寝癖が酷いし貴女下着のままよ!?待ちなさいって!」
スコールは相変わらず細かいことを気にするな、タコスに比べればどうでもいいってのに。まあそんなスコールも好きだけどな。
「ちょっとこっち来なさい、寝癖整えてあげるから…櫛はどこにやったかしら…あ、あったあった」
「うあー、スコールに髪を鋤かしてもらうのはやっぱいいな…今日はなにか仕事入ってるのか?」
「ええ、ある人物の尾行なんだけど…」
「めんどそうだなぁ」
「……場所がメキシコなの」
「行ってくる!」
「ストップ、オータム!まだ寝癖もなおってないし話も途中よ!」
メキシコか!メキシコと言えばタコス、タコスと言えばメキシコ。スコールがなにか言ってるけど聞こえない、いやー楽しい一日になりそうだぜ!
「オータム聞いてる?」
「ああ!」
「じゃ、服を着てからお願いね」
「おう!フフッフーン、ヘイ!タコッスー」
「……失敗を視野に入れといた方がいいかしら」
「じゃあスコール、行ってくる!」
「はいはい、行ってらっしゃいオータム。警官には気をつけなさいよー」
おー!
私は空港にてふとあることに気づいた。ん?スコールから通信が来たな。おお、ちょうどよかった。さすがスコールだぜ。
『オータム聞こえるかしら?』
「ああ、聞こえるぞスコール。そういや誰追いかければよかったっけ?」
『そうよ、貴女ターゲットの概要も写真も見ずに行ったじゃない…今メールで送るわ』
「まあ、スコールもそのまま見送ったんだけどな…おお、来た来た」
なになに…脂ぎった女だな気持ち悪い、権利団体の人間で亡国の末端と繋がりがあるがこの頃動きが不穏ねぇ。
「これ資金を横領してブクブク太ったんじゃないのか?」
『尾行目的もそれを疑ってよ』
「へー、ボコればいいのか?」
『違うわよ!?尾行して怪しければ報告してちょうだい、お願いだから』
「わかったよスコール、そろそろ飛行機に乗るから切るぜ」
『いえ、これは飛行機でも使用可能なーー』
電源OFFっと、飛行機内ではたしか通信機器の電源を切らないといけなかったよな。スコールが最後になにか言ってた気がするけどメキシコに着いたらまた聞くとしよう。あー眠い、どーせあの豚も飛行機内ではなにもしないだろ…寝よう。
そして目覚めるとタコスの地、メキシコへ着いていた。
「お、おおおお!私はメキシコへ来たぞ!あっ、スコールに通信しないと」
『ーータム、オータム聞こえてるかしら?』
「聞こえるぞスコール」
『ああ、よかった。貴女がさっき切ったときにはもう繋がらないかもと覚悟したわ』
いくらなんでも言い過ぎだスコールは、タコスも好きだがスコールも好きなんだ。ま、他の人間なら忘れてるけどな。
「じゃターゲット脂ぎった女、略して
『あ、脂…まあ頼んだわオータム』
「それにしても脂め、上から下までブランドもので宝石のはまったネックレスや指輪をしてやがるが勿体ねぇ。同じものでもスコールが身につけた方がウン兆倍綺麗で映えて見えるぜ?」
豚に真珠というよりタールにダイヤ、廃棄油にルビーだ。ホントにギトギトしてそうだなアイツ…
『そ、そう。ありがとうオータム、貴女は不意に誉めるから敵わないわ…』
「あ?」
なにを言ってるんだスコールは。私はいつも心の中でタコスとスコールが大好きだと絶え間なく思っているというのに…
『…でターゲットに動きはあったかしら?』
「脂は今空港から出て町に着いたところ…まずいなスコール」
『どうしたのオータム?尾行に気づかれた?』
「いや、違う。そんなどーでもいいことじゃねぇ」
『いえ、どうでもよくないわよ?むしろ最重要よ?それで何があったのかしら』
「スコールここは天国か!?至るところにタコスを売ってる店があるぞ!」
『ちょ、オータム落ち着いて。ターゲットは、脂はちゃんと追ってる!?』
「
『今タコスって書いてターゲットって呼んだわよね!?』
さすがスコール以心伝心だな、うおーウマウマ…やっぱり本場が一番だよな、日本のもアレはアレでまたうまいけどな。
「あーうまい。…あん?スコールゥ、なんか脂が黒スーツの男と話して小切手受け渡ししてるぞ」
『あ…一応ちゃんと見てたのね、黒スーツの方の男の写真を撮って送ってくれるかしら?』
「おー、スマホスマホっと」
スコールに写真を撮るように言われたのでスマホのカメラで撮る、パシャッ、パシャッとシャッターを切る音がなり男の写真を撮ったがカメラの音ってなんかいいよな。私は結構好きだ。
『ねぇ?オータム、今シャッターをきる音が聞こえたのだけど貴女消音カメラを使わなかったの…?』
「あ、やべ…い、いや大丈夫だスコール!周りもガヤガヤしてうるさいから向こうまで聞こえてなかったって!」
『そう、次から気を付けてね…これで17回目よ、因みに気づかれて結局のさないといけなくなったのが13回』
「ふぐっ…わ、悪い」
『まあ写真は届いたわ…ああ、この男が亡国の末端ね。本部に伝えておくわ。小切手の受け渡しの写真があれば完璧だったけど、まあこれで十分でしょ』
「モグモグ…ふあ?ほのはひんはははふほ?」
『ごめんなさいオータム、何言ってるかわからないから口の中のもの処理してから話してもらえるかしら?』
おー悪い悪い。つい我慢できなくて…っと食えた食えた、ごちそーさん。
「いや、だから受け渡しの時のならあるぞ?」
『え?』
「二枚撮ったんだけど一枚目で脂も写っちまって…」
『貴女のそういうとこ素敵よ、愛してるわオータム』
「お、おう。私もだぜ!…でいるのか?」
『ええ、送ってちょうだい。あともう脂の追跡はいいわ』
「お、そうか…よし、タコス食い放題だぜ!」
『じゃあ楽しんでねオータム』
「ああ!全タコス制覇してやる!」
『お腹壊さないようにね?』
――ハハッ、スコール何言ってるんだよ。タコスで腹壊すわけないだろ?
ここまで読んでくださった方に感謝を!
タコスの一日って昨日の感想で要望的なものがあったので勢いで書いてみました。
なに気に上代初めてまったく出なかった回。