「もすもすひねもすー!ちーちゃんおっはー!」
『なんだ、お前から電話とは珍しいな。どうかしたのか?』
「いやー宇宙を満喫してるんだけどふと考えたことがあってね」
『ああ、それはよかった。思い付いたこと…ろくでもないことじゃないだろうな?』
「違う違う、それは私が保証する」
うん、たぶんこれはちーちゃんも悩んでることだよ。
でも、なかなか解決できない…色々としづらい問題のこと。
『そうか、でどんな用件だ?』
「ちーちゃん…マドカって妹いたでしょ?」
『ッ!…ああ』
「しかも最近見かけた、くーちゃんとかーくんと一緒に」
『そうだな…それがどうかしたのか?』
どうかしたのかも何も…私が夢を叶えて満喫するなかでちーちゃんは家族のことで悩み続けてるのもなーって。
「ちーちゃん、まどっちと会って話をしない?ううん、家族に戻りたくない?そのことでこの頃ずっと悩んでない?」
『………はぁ。ああ、話したいとも思ってるし…家族についてはアイツがどう思ってるかもわからんからハッキリとは言えないが、私は戻れたら嬉しいよ』
「ちーちゃんとまどっちに何があったか知らないし調べもしないけど。うん、わかった。なら束さんがその機会をつくるよ。今度の土曜日は大丈夫?」
『なに…?出来るのか!?ああ、大丈夫でなくてもあける!』
「いえーす!くーちゃんとかーくんがまどっちと友達でね、メールやり取りしてます」
『そ、そうなのか…』
「では《まどっちをちーちゃんに会わせよう作戦》開始!」
『ちょ!たば』
通話終了!かーくん!くーちゃん!作戦会議だよー!
まどっちとちーちゃんの姉妹復縁のために話し合いの機会をもうけるのだ!!
▽▽▽▽
へーそんなこと千冬さんと話してたんですね。
「でマドッチとどこで話させるんですか?」
「織斑家だよ」
「…マドカさんを織斑家に誘導するんですか?」
「うん!かーくんとくーちゃんよろしく!」
「結構難易度高い気するなぁ…あ、いやアレだ」
「アレです、ファンタを上手く使えば。いえファンタの名を出せば…」
いけるっ!かもしれない。ぶっつけ本番しかないかな?
まあやれるだけやってみよう。
その後マドッチにメールで土曜日遊ばないか聞いたところオーケーが貰えたのであった。
そうして迎えた土曜日、昼間は普通に遊んでいいので夕方頃に連れてきてほしいとのこと。
「やっほーマドッチ、おはよう」
「もう昼前だがな、どちらかというとこんにちわ…?」
「こんにちわマドカさん」
マドッチがいきなり何時までおはようで何時からこんにちわなんだ…?とか頭を捻らせている。相変わらずのようで安心した。
「で今日は何処に行くんだ?」
「すぐ後ろの遊園地に行こうかと、どうでしょうか?」
「いいな!ジェットコースターや観覧車に乗ってみたいぞ!」
「おれも初めてだし色々乗ってみたいな」
「あ、かーくんさん私もです」
「ん、二人もなのか?私もだぞ?」
「全員初めてと…まあ適当に回ろうか」
さて行こっか、くーちゃんの言う通り真後ろが遊園地だ。集合場所を目的地にする手抜き感!いいじゃん時間の短縮になるしさ。
「ウハハハハハ!!ジェットコースターは気持ちいいな!」
「きゃぁぁぁぁ!?」
「次はコーヒーカップ?」
「回しますよ!」
「うぇ……コーヒーカップ酔う」
「ああ…回しすぎた」
「そうでしたか?」
「お化け屋敷かぁ、入るか」
「うお!?…なんだ落武者か」
「そんな格好でご苦労様です」
「くーちゃんその反応はお化け屋敷には合ってないよ」
「そうですか?」
「おおー、観覧車はいいな。景色がいいぞ」
「そうだねぇ…そしてゆっくりできる、今日思ったけどこの3人はお化け屋敷には向いてないね」
「そうですね、それ以外はおおかた楽しかったですが」
こうしてまとめて振り返るとお化け屋敷は間違いだった、お化けの人がなんか可哀想になってきたし…他は楽しかったけど。
「そろそろ時間ですね…マドカさん帰りに寄りたいところがあるのですがよろしいでしょうか?」
「ん?なんだ」
「ファンタが用意してあります」
「さあ、行くぞ!ぐずぐずするな!」
…うーん、マドッチ相変わらずなんだけどなぁ。相変わらずだからこそなー…いや束先輩、くーちゃんすまんね。
「マドッチー、ちとごめん。先に話があるんだけど」
「かーくんさん!?」
「なんだ?今じゃないとダメなのか?」
「うん、今から行くとこに関しての話。めんどくさいこと全部はしょるけどさ」
「ああ構わんが…」
「今からマドッチ連れていこうとしてたの織斑さんの家」
「なっ!?…どういうことだ」
いやーここでまだ怒らずに話聞いてくれるあたりマドッチはやっぱり優しい娘だよね。束先輩にゃ怒られるかもしれないけど話してよかった。
「束先輩と千冬さんが話してね…要約すると和解しないかってなったみたい。少なくとも千冬さんはしたがってるみたい」
「………それでお前たちが」
「うん、連れていこうとした…んだけどマドッチに任せるよ」
「…はぁ、そうですね。すみませんでしたマドカさん、今かーくんさんが仰った通りです。マドカさんの判断で行くかどうか決めてください」
「…………………」
マドッチもさすがに即答せずに考えている。
「ま、行くか。わざわざお前たちが話してくれたんだ、悪いようにはならないんだろう?私は友達は信じるぞ」
「くーちゃん、心が痛い。こんないい子騙して連れていこうとしてた自分が偉く汚れて見えるよ」
「かーくんさんは自分から明かしたからいいじゃないですか。私はどうなるんですか今までで一番自分が嫌になりました…」
マドッチは笑いながら来てくれると言った、そしておれとくーちゃんは何かえらく自分がダメな奴に思えてブルーである…自業自得なんだけどね。
「そ、そんなに気にするな!私自身もいつかはけりをつけないと思っていたしな…ほら行こう」
「そ、そうですか。では行きましょう、外でタクシーが待ってるはずです」
「そうか…ふー、緊張するな」
「大丈夫、おれたちもいるから。汚れたおれたちだけどいるから、泥よけくらいにはなれるよ…」
「どれだけ引きずってるんだお前!?」
いえいえ、空気を戻そうかと。それじゃー行きましょっか!
「やっほー束先輩、マドッチ来てくれましたよ」
「おー、ありがとうね。まどっち中に入ろっか、ちーちゃんといっくんが待ってるよ」
「ああ、わかった…」
そうしていざ対面、織斑一家。なんだか織斑一夏がマドッチだけじゃなくこちらも気にしてる気がするけどマドッチに集中してほしい。
「…マドカ、久しぶりだな」
「久しぶり姉さん…まあつい最近学園で会ったけど」
「そうだな…」
「えーと取り敢えず飲み物でも取ってくるよ、何がいい?」
「ファンタ」
「お、おう。わかった」
まあ雰囲気は固いけど何とかなりそうな空気ではある。
「束先輩そろそろ引き上げましょうか」
「そうだね、じゃあちーちゃん後はゆっくり話し合ってね」
「ああ、ありがとうな束」
「マドカさんもこの際思ってることを言い切って、それで出来たら和解してください。家族はいるといいものです」
「うん、ありがとうなクロエ」
そうして織斑家から退散したおれたちだった。その後マドッチと千冬さんたちは和解、今は亡国についてどうするか話してるらしい。
ここまで読んでくださった方に感謝を!
マドッチを織斑さんちと和解させたかっただけのお話。
すこーし真面目、特にネタなし。ホントただ織斑家と和解させたかっただけ…
このあとファンタばかり飲んでると身体に悪いという一夏とファンタは命の水だというマドッチで一騒動あるのは別の話。