近未来科学の申し子がF.A.にトリップした先が、例の彼処だった件。 作:憂夜
さて、5話目です。
学校で、内容考えたりするんですが、ニヤけてきちゃって、自分が変人になり始めている気がしますね。
他人にニヤニヤが、ばれてないことを願って。
作戦開始まで、あと30分になった。
時間は、夜?(寝てない私にとって) 朝?(一般常識だと) の、6時半。
少し心が浮ついてる。
新しい理論を発見したときのような気分だ←
今、部屋には一人。
自分の必要な物を布製の箱に入れてる。
今、 それを見ても、部屋がやっと綺麗に片付いたようにしか見えない。
でも、その布製の箱は、一瞬で錬成によって、バックになる。
今の私の格好は、白で縁取った襟のついた、形がしっかりしている紺のワンピース。スカートは、ふんわりしてるけど、しっかりした生地でめくれることのないような物。その上に、いつものように白衣を着てる。
いつも着ているこの白衣は、向こうの、家が隣で幼馴染みの子が私の為にと、"使いやすさ"と、"白衣っぽく無さ"をコンセプトにデザインしたもの。
幼馴染みは、デザイナー 一家だったから。
科学者がなぜ白衣を着る必要があるんだろう?なんて思いながらも、両親が着ている白衣にあごがれ、普通の白衣を着ていた。
才能のある子の才能は、伸ばそう。
という考えなのか、小学生の頃から学界で名の通っていた私は、小中高一貫学校で専用の実験室を与えられていた為、365日ほとんどずっと制服に白衣で過ごしていた。
ただ、どうしてもよれっとしてまう白衣を許せなかったらしい幼馴染みは、11歳の誕生日に私 専用にと白衣をデザインしてくれ、それから3回ほど誕生日に白衣をもらった。
私が、学校にずっと通えて入れば、きっと今でも仲の良い幼馴染みだったんだろう……。
その最後にもらったデザインが、今着ているもの。
同じデザインで、素材だけ新素材にして白衣をオーダーメイドで作ってもらっていた。
だから、私ピッタリのサイズで、私の欲しい所に欲しいサイズのポケットがある白いトレンチコートよう。
この白衣は、この世界でも、私を私で居させてくれる支えであり、私の科学に対する覚悟の現れ。
真理くんって、本当に何でも知ってるね。
これを、サイズピッタリにしてくれるなんて。
これを着ている限りは絶対何でもやり通す!
ってことで、この脱出もやる!!
ヒタヒタ、ヒタヒタっ
うわんっ。
なんでこんなときにこの足音!
まぁ、来ることほぼ確信してたんだけど。
やっぱり、やだ。
ラストが良かったよ!
んんんーー。
「エンヴィー?何しにきたのー?」
「まだ、起きてたの?イタズラしにきたのにさ。アヤってほんと不健康な生活してるよね。人間なんだからねなよ?」
「エンヴィーがいるところで寝るわけないでしょう?もう、今日は寝るつもりないよ。」
「ふーん、残念」
なんて、全く残念そうではない顔で言う。
あれれ?
なんで、さらに近づいてくるんだ。
なんて、おもったとき、エンヴィーは椅子に座っていた私の手を引き、立たせると、自分がその椅子に座る。
私に文句を言う隙を与えないまま、私のお腹に手を回すと、後ろに引っ張られ、エンヴィーの足の間に座らせられる。
「えーーぇ! 赤くならないなんて、つまらないよ!アヤー。」
「はぁ。流石にね、何十回も、何百回も、後ろから抱きつかれてたら慣れるよ。」
「ふーん。何回もされてなければいいんだぁー、ね?」
「はい?……え、ちょっ……。」
かぷって耳を甘噛みし、そのままぺろっと舐められる。
ぱぁーーーっと顔に熱が集まったのがわかる。
「わぁー、耳まで真っ赤どーしたの?」
後ろを睨みながら見ると、ニッコリなんて効果音が聞こえてきそうな綺麗な笑みを浮かべている。
はぁ。
無駄とは知ってるんだけどね。
「……何すんの。エンヴィー。」
首が痛くなりそうだから、前を向いて、呆れたように言う。
言わずにはいれない。
はぁーーー。
向こうでの最後の数年は、人と会うことなんてほとんどない生活をしていたのに、いきなりこんなに文字どうり触れ合うことになるなんて!
そんなことを後ろから抱かれたまま考えていたら、回された腕の力が強くなる。
「それは、このエンヴィーのセリフだから。
……ちょっと、怒ったような声。
良くない気がする。
とっても良くない。
……何しようとしてる、アヤ」
完全に怒気を孕んだ声。
断定になってる疑問文。
あーぁ。やっぱり。
「流石よね、エンヴィーって。バレちゃった。」
また前を向いたまま、息を吐くように言う。
「で、何しようとしてんの?」
私の肩に顎を乗せ問われる。
「わかってるくせに。ここから脱走するの」
「へーぇ、できるとお「3時間くらいかな、消えるの」
「は?」
腕の力が緩んだ隙に立ち上がり、エンヴィーの前に立つ。
「貴女たちホムンクルスの前から消える。3時間だけ」
「きっと、3時間もしないうちに見つかったって連絡があるからさ。そしたら、会いにでもきてよ、エンヴィー。
……3時間以内に連絡がなかったら、見つけ次第、殺すなり、犯すなり、好きにしてくれていいからさ、私のこと。」
「ふーん、本当に"オモチャ"にしていいんだ。」
その一言には、なにも言わずに続ける。
「もう少し、自由な生活をしようと思って。この国を見て回りたくてね。"約束の日"には、戻ってくるよ。」
ーーーお父様からこの国と"道具としか思ってないもの"を奪うために。
「逃げるのは、見逃してあげるよ。アヤの逃げ方にも興味があるし。
それに、アヤは、逃げられない。
君には、もう、完全な自由なんてないからね」
もともと、私に自由なんてないんだ。
……何処にも。
「そう、ありがと」
笑みを浮かべて答える。
「先に、謝っておくね、エンヴィー。」
手を合わせバックを錬成する。
エンヴィーは、初めて見る"手合わせ錬成"と、私に言葉に驚いたような嬉しそうな不思議な表情を浮かべる。
もう一度、そっと、手を合わせる。
そして、金属の玉に、白衣のポケットの中でそっと触れる。
「ごめんね。エンヴィー。
貴方、一回死ぬとおもう。」
そう、近づいて耳元で呟き、さっきのお返しに、首元にキスをする。
一歩、後ろに下がり、壁に手をつき、片手に持った金属の玉と駅に置いた玉を、"輪"の形に錬成する。
駅に置いた玉は、練丹術を利用して。
人が通れるほどの輪。
……向こうで作ったテレポートのための機械。
直接空間に対して錬金術を使うのはできなかった。
それに、この機械を人間に使ったことはない。
理論上は成功するのだけど。
少し、ドキドキしながら、輪に荷物を入れる。
消えた荷物に吃驚しているエンヴィーの顔に微笑みかけながら、輪に飛び込む。
「またね、エンヴィー」
一瞬、真っ白い光に包まれ目を瞑る。
パッと目を開けると、目の前には、扉。
無事、セントラルの駅のトイレだ。
……ちょうど、蓋のしまった便器の上に座っている。
やった!!
人間のテレポート成功!!
脱出成功!!
現在は、午後7時すぎ。
さて、中央司令部に行こう!
……さっきまで、中央司令部の地下にいたというのになんて面倒な!
中央司令部の地下。少女がいなくなり、真っ黒になった部屋。黒焦げだった死体が、赤い光に包まれながら、再生する。"死ぬってこれか。分析されないように起爆装置つけやがって"そう言いながら、少女との再会を思い、口元を歪めた。
やっと、白衣の説明ができた!
テレポートの説明は、次ですかね?
彼女の過去とか色々触れたいのに、文才が!
では、次の更新で。