近未来科学の申し子がF.A.にトリップした先が、例の彼処だった件。   作:憂夜

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お気に入りが3っつついただけで喜びましたね。

もっと増えることを願って、






【2】現在進行形で命の危機ですが⁉︎ 真理さん!

ギシッ……

 

く……んっ……。

 

うわー、目を開けたらコンクリの天井ってのは嫌だね。

 

できたら、今までのことが全て夢で、自宅のあの真っ白い天井と漫画と専門書の同居した棚が壁を覆うあの部屋がよかった。

 

 

 

ガシャっ

 

ガシャ?

 

あー。

足に鎖ついてる。

 

まぁ、とらわれの身だけど、生きてるだけましか。

 

 

ヒタ……ヒタ……。

 

 

うん。

 

なんか、足音するしもう一眠りしよう!

 

……ガシャン。ギー。

 

 

……。

 

「アレー? 君、寝たふりなんて酷いなぁー。そんなお嬢さんは、僕のキスで起きるのが、お望み?」

 

は? キス?

 

「いやいや、寝たふりなんてしてませんよー、エンヴィさん。ちょっと体が痛かったんで横になっただけですから。」

 

「……ふーん。君、本当に僕の名前知ってるんだね?ねぇ、お嬢さんいろいろ聞かせてもらおうか。まずはそーだなぁー、なんでここに現れたのか?」

 

……ははは。ですよね。

 

楽しい楽しい尋問の始まりですよね!

 

ここまできたらもう、去勢でも張ってやろう。

事実と虚実を混ぜて、保身に走ろう!そうしよう。

 

嘘に本当のことを混ぜると、信憑性がでるっていうしね。

 

……何をしても殺されてしまう気がするけど。

 

うーん。よし!

 

「いつだったかはっきりした記憶がないんですが、私は真っ白い格好の顔を隠したよくわからない人に捕まり(うん、これはあながち嘘でもないね。真理くん真っ白だもん)ました。状況のわからないまま何日経った頃に、陣が描かれていたので多分何か錬金術の生贄?材料?にされたんです。雷のような嫌な感じの雷に包まれた所からは、よくわかりません。で、もう死んだと思ったらさっきの所にいたんです。

アメストリスの中心( .........)に。」

 

 

「ふーん。」って感じで、あまり面白くなさそうに聞いていたエンヴィー。

 

自分で聞いたくせに!!

 

でも、最後の一言で、一瞬びっくりした顔になったが、直ぐに玩具を見つけた子供のようでありながらどこか妖艶な笑みを浮かべた。

 

「へぇー。まぁ、君の出生とか、どーでもいいや。それよりー、なんで、名前とか、ここのこととか知ってんの?」

 

最初は適当に、でも最後の方は、背筋にツーっと悪寒が走るような雰囲気を漂わせ、終始笑顔のまま聞かれる。

 

そう。ここが、問題なのだ。

なぜ知っているのか?

 

どーせ、名前を知ってることはバレているのだからと思って、場所のことも言ったが、

 

言わなきゃよかったー。(遅い

 

どー言おう。「はーい、実は、私は異世界人なんです!」なんて言ったら、その瞬間、体のどっかが、なくなる気がする。ぶちって、一気にもぎ取られて、

 

うん、考えるのやめよう。

 

さて、どうしたものか。

 

白い人が、教えてくれた?

いやでも、生贄とか言ったから、それは、変だ。生贄に重要な情報を与えるなんて。それにここは、確か、テレポートなんて、錬金術はないはずだ。

 

そんな、ここに飛ばされました。みたいのはおかしい。

 

もー、いっそのこと「それは、言えません」とか言っとくか。自分より他人を守る的な。

 

あ、これって、エンヴィーが嫌いであって、憧れてたことだ。人とのつながり的なの。

 

まぁ、それは、どーでもいいや←

 

……言えないことにしよう。

 

どのみち殺されるのだろうし、いや、でも

 

「そろそろ、話してくれない?そんなに気、長くないんだけど」

 

怒気を孕んだ声で、さっきよりも口元を歪めてエンヴィーが聞くが、

 

あ。そっか、うん、そうだ!

 

「聞いてる?」

 

「へ?あ、はい。聞いてますよ?」

 

彩は全く聞いていなかった。

 

「ふーん。じゃ、答えよっか?」

 

「……それは、言えません。」

 

「言えない?へぇ、君もバカだねぇ。本当に、人間ってやつはバカだよ。自分が、死ぬかもしれないのにそーゆーこと言うなんてさ。誰か人質でも取られたわけ?」

 

笑いながら、バカにしたように言い

 

「で?君は、殺されたいんだ?」

 

最後に怒気を孕んだようで、どこか楽しそうの言われる。

 

でも、

 

いいえ( ...)。全くもってこんな薄暗い地下の牢なんかでは死にたくありませんね。私、殺される気なんてありませんよ?」

 

「ふーん。随分強気なお嬢さんだ。で、どーやってここから逃げるつもり?」

 

「逃げも、しませんよ。とっても、逃げたいですけどね。まぁ、私は、あなた方ホムンクルスに生かしてもらえる存在のはずですから

人柱候補( ....)として」

 

「は?」

 

「私、錬金術の生贄として利用された話ししましたよね?先ほどは、よくわからないと言いましたが、本当は、覚えていますよ?真っ白なただ真っ白な空間に自称"真理"の真っ白な人形のモノと真っ黒く、大きな扉がありました。扉の中にひきずこまれた所で記憶が途切れていますが、私には人柱候補(仮)ほどの価値ならあるのではないですか?ここの様子的にまだ、人柱候補はホーエンハイムさんくらいなのでしょう?」

 

 

手足が氷のように冷たくなりながらも、さっき行き着いた"私が生かされる可能性"について、余裕そうな堂々とした態度で、最後にニッコリと微笑みをつけ、話した。

 

 

真理の扉の中のことはハッキリ覚えているけどね!

 

 

倒れた理由の一つだし。

 

あー。あの真っ白真理くんに塩酸でもぶっかけてやりたい。いやもーあれで、人体?実験でもしてやりたい気分だ。

 

科学の実験がしたいのになぜいきなり、命の危機なんだ!!

 

こう、国語的なことを考えなければならないのだ

 

理系なのにぃーっ

 

 

 

 

 

すーっ、ふう。

 

 

 

 

 

……あと、ついでに今がどのくらいの時期なのかを確認したい。

 

 

エドとアルはもう人柱候補なのかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

……って、そろそろ、エンヴィーさん話してくれないかなー?

 

なぜか、何か楽しい悪戯を考えているような表情のまま話してくれない。

 

じぃーっとエンヴィーを観察してみよう!と思い、ホムンクルスというモノを観察していたら、触ってみたくなってきた……。

 

 

まぁ、死ぬかもしれないし、私は、科学者。

 

 

ホムンクルスって物には、興味がある。

 

 

科学者の好奇心のなせる技って怖い!!なんてバカのことを考えながら、エンヴィーの服?を着ていないお腹あたりに触れ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

 

ナンデコウナッタ。

 

 

 

 

 

 

 

伸ばしていた手は、今、自分の頭上でエンヴィーの手によってベッドに縫い付けられている。

 

 

 

ベッドのヘリから足をぶらーんとさせ座りながら話し……尋問を受けていた私の上半身は、足はベットから落ちたまま斜めにベットに寝ている状態。

 

 

そして、私をベットに押さえつけ、私の上を跨いでかぶっさているエンヴィーは楽しそーな笑みを相変わらず浮かべている。

 

 

 

え、なにこの襲われてるみたいな状況。

 

 

 

「君って、本当になんでも知ってるよね。ホーエンハイム"一人"しかまだ人柱がいないの事まで知ってんだ。で、君は、真理を本当に見たの?それなら、陣なしの錬金術で、攻撃すればいいのにさ。あ、記憶がないんだっけ。なんでも知ってると、真理の中のことも知っていたように思えて、信じられないなぁー。

 

でもー、その態度気に入っちゃった。生かしてあげるよ。イシュバール以来、僕暇で。それに、君は、僕に触れたかったみたいだし?暇つぶしに僕から触れてあげるよ」

 

それは、もう、とびっきりの妖艶な笑顔で宣言された。

 

どうやら私は、生きれるらしい。

 

 

それは、よかった。

 

 

でも、なんか、危機迫ってない!?

 

 

初めてではないけどさ!

 

 

これ、とっても危機的状況だよね!?

 

 

 

 

 

 

「アハハハッ。君本当に面白いや。強気な態度のくせに、表情コロコロ変えたりして。」

 

 

ここまで言うと妖艶な笑みを一層深め、

 

 

「今日は、これで許してやるよ」

 

 

耳元で、そう、さっきよりも低い声で呟く。

 

 

チュッ

 

 

軽くリップ音を立てて首元にキスをした。

 

 

パッと手が解放され、エンヴィーが上から退くと、手を首にあてて、エンヴィーを見る。

 

 

真っ赤であろう私の顔を満足げに見て、微笑むと何かを思い出したかのような顔をした。

 

 

他に何があるっていうんだ!

 

 

「話し次第では殺すつもりだったから聞いてなかったや。

 

お嬢さん、お名前は?」

 

名前。エドワード・エルリックだから、

 

「アヤ・リンドウよ。

これから、まで、"宜しく"とお父様と腐った役人、ウロボロスの刺青を持った7人に伝えといてエンヴィー」

 

これは、今の私ーーができる最大級の抵抗。

 

それに、エンヴィーは今日何度目かの驚いた顔をした後

 

「アヤね。君は本当になんでも知ってるね。アヤのそういうところが気に入ったよ。それに、人間を殺さないように嬲るのは楽しいから。女で良かったね?男は痛めつける以外面白いことないからさ。また、明日来るよ。朝食は何がいい?」

 

「……パンとオレンジジュース」

 

それを聞くと、新しい玩具を見つけた子供のように楽しそうにエンヴィーは、出て行った。

 

また、起こしていた体をベットに倒し、目に腕を置いて目を閉じる。

 

はぁ、エンヴィーは見つけたのだ私という玩具を。

 

何をされることやら。

 

 

まぁ、私は私のしたいことをしてやろう。

 

 

明日、エンヴィーが来たら、科学の道具でも揃えてもらおう。

 

そうしよう。

 

時間はわからないけど、今日はもう、疲れた。

 

寝よう。

 

そう思ってすぐ、私は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある、何もない街で、軍服を着た黒髪の青年は、今までに見たことのない、錬成反応の光を、その漆黒の瞳に移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




自分が、書いているのに、なぜ勝手に喋り出すのでしょう彼らは。

彩ちゃんって意外と神経太いですよね。

あ、いや、鈍感なだけかも。

一回目の投稿が、微妙な時間だったせいで、彼女の誕生日は、8月17日に決定しました。
これからも投稿が時間は、PM8:17分で。



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