やっぱり、銀様は最高ですね
「こちらへどうぞ」
「うむ」
ギルガメッシュは悪魔の男女の案内を受け、とある部屋に来ていた
「汚い場所ですが、どうぞ」
「いや、構わん」
女は汚いと言っているが、ギルガメッシュは汚いとは思わなかった
隅々まで掃除されており机も散らかっていない、寧ろ綺麗にしている方だとギルガメッシュは思っていた
「そういえば、我に何か用事があってきたのだろう?手短かに話せ」
「はい、羽川白音さんについてなんですが…」
「ん?白音がどうかしたのか?素行が悪いならば、注意してもらっても構わんが」
「いえ、そういう事ではなくてですね……白音さんは妖怪ですね?」
「そうだが?どうかしたのか?」
あっさりとギルガメッシュが認めた事に、悪魔の女は面食らったようだ
「えっ?会長?どう言う事ですか?さっぱり話が掴めないんですけど…」
「おい、そこの少年、名前はなんと言う?」
「えっ?あっ!匙元士郎と言います!」
「…元士郎、わかりやすく言えば、悪魔の他に人外がいたという事だ」
「えっ?ここって悪魔の領地じゃ…」
匙と名乗った少年が言いかけると
「おいおい、元士郎…一つだけ教えてやる、ここは悪魔の領地では無い、この世の全ては我の物だ、ここも魔王から懇願されて貸してる事に過ぎん」
「何を………」
「これは、名を名乗る事を忘れていた、我の名はギルガメッシュ、古代メソポタミアの王であり最初の英雄である!」
ギルガメッシュはそう名乗ると
「ッ!…失礼しました!私の名はソーナ・シトリーと申します」
「うえっ?会長?どうしましたか?」
ソーナと名乗った女は理解したのか、直ぐ様に膝をついて頭を下げる
元士郎は理解が出来ていない様だ
「匙!粗相をしてはいけません!粗相をしたら悪魔が消え去ると思いなさい!」
「えっ?えええええええっ!?」
「ソーナとやら、楽に構えて良い…そこまで固いとたまったものでは無い」
「いや、しかし」
「崩してくれ……」
ギルガメッシュが、そう言うとソーナは立ち上がるが、まだ動きが固い
「いや、会長?どういう事ですか?」
「匙、私達の先祖が封印された指輪を知っているわね?」
「はぁ……ソロモン王の指輪でしたっけ?」
ソロモン王、ギルガメッシュは久しぶりに懐かしい名前を聞いた
「イスラエル王国の三代目の王様でしたよね?確か、悪魔を使役していた王様って、会長が言っていましたよね?」
「その通りです、そしてソロモン王が使っていた指輪の本来の持ち主が」
「まさか、この人なんですか?」
匙はギルガメッシュをチラリと見る
「ははっ!これの事か?」
ギルガメッシュは掃除したばかりの宝物庫から、一つの指輪を取り出し、ソーナに渡す
「会長……なんですがそれ……」
「匙……これがソロモン王が持っていた指輪です」
ギルガメッシュの前にいる二人の悪魔は顔を青く染める、それはそうだ、使っていたソロモン王はギルガメッシュが知る魔術師の中でもトップに近い人物、その魔術師の魔力の残影を食らえば一溜まりも無いのだ
「ははっ!」
ギルガメッシュは顔が青い二人の手から指輪を取ると、宝物庫に入れる
「ソーナ・シトリー、君に頼みたい事がある」
「は、はい!何でしょうか!」
「うちの白音は…なんと言うか、縁が出来ぬ限り…手は出さない、これは断言しよう、しかし手を出せば……」
「出したら…どうなるんでしょうか……」
「五臓六腑を撃ち砕かれて、苦しむ間も無く死ぬと断言しよう」
ギルガメッシュは思い出した、何年前の事だったが、風呂に入ろうとした時に既に全裸の白音がいて、謝罪しようとしたら我が友人エルキドゥが怒った時と同じ悪寒がして、悪寒と共に意識が暗転して、起きたら腹の筋肉と内臓と骨が粉砕されていて、死ぬ程の激痛に苛まれた事を思い出す
「だから、関わらない方が良い、こちらからも関わらない事にしている」
「は、はい……わかりました」
「それでは、帰らせてもらう」
「わ、わかりました……」
ギルガメッシュは部屋から出て、歩き始める
しかし、ギルガメッシュは気づいていなかった、既に原作に介入している事を全く気づいてなかったのだった
えー、はい
次回は……遅くなるかもしれませんが、待っていて下さいね