「…………出来た……」
白音を引き取って、数年が経ちギルガメッシュは共に生活しながら色々な事に挑戦していた
「タミヤなどのプラモよりコトブキヤの方が凝っているな……パーツが多いが」
趣味の模型作りにようやく様々な会社に手を出し始めたのだ、お陰で膨大なプラモの量にギルガメッシュは困り果て、プラモを飾る為だけの部屋を地下に作ったのだ
「コトブキヤ一号機だな…コトブキヤ専用の棚を設けてそこに飾ろう」
ギルガメッシュはプラモを棚に入れて、部屋を後にした
ーーー
「書文」
「ん?いるぞ」
「やはり心臓に悪いな……圏境は…」
「呵々、英雄王も欺けるとは、儂も楽に逝けるのぉ」
「一回死んだ身だろうが」
「呵々、そうだったな、この前は自分の墓を見てきたところよ」
自分の墓を見る、それはギルガメッシュも体験した事である、何だかよく分からないが笑いたくなった事をギルガメッシュは思い出していた
「それは兎も角、白音はどうだ?八極拳の開祖が教えるのだ…腕の良さぐらいわかるだろ?」
「筋は良い、気の扱い方を直ぐに覚え、儂より劣るが圏境は既に使える」
しかしな、と書文は言葉を続ける
「実戦経験が無い……これが一番痛い事じゃ、何事にも経験が必要だからのぉ」
「確かにそうだな……」
ギルガメッシュも同意見だった、いくら優れた技術の持ち主でも経験が無ければ素人と同じ、ギルガメッシュも李書文も最初は素人と同じだったのだ、ギルガメッシュは半神半人(現在は神)でも力の制御に死にかけた時代もあったのだ、李書文も魔拳士と呼ばれるまで血反吐が出るような鍛錬をして来たのだ
「あっ、それと白音の嬢ちゃん……最近、男の悪魔に言い寄られているらしい」
「ん?どういう事だ?」
李書文が話した言葉にギルガメッシュは食いついた
ーーー
その頃、白音は
「ねえねえ、白音ちゃん」
「何ですか……」
中学校にて、厄介な奴に絡まれていた
毎度の如くに話しかけてくる厄介な男である、名前はあるらしいが白音は覚えていない、というより覚えたくないといった方が正しい
何故か、厄介な男は異性によくモテる、良く絡まれるお陰で嫌がらせをされて迷惑だった、此方から寄らない様にしているのに彼方から寄ってくるから、白音は軽くイラついていた
「白音ちゃん、一緒に帰ろ〜」
「いえ、一人で帰ります、話しかけないで下さい」
男は微笑みながら白音に話しかけるが、白音はバッサリと切り捨てる
「そんなこと言わないでさぁ〜」
男はそう言って、通り過ぎる際に
「君が猫又という事、色々な人にバラすよ?」
「……………良いですよ、一緒に帰りましょう」
白音は男の申し出を受けた、白音は最初から気づいていたのだ
(貴方も人間じゃない事は、私も知っています)
ーーー
「でさ……」
「……………」
白音は男の他愛のない会話を軽く聞き流しながら、山を登っていた
「で?ここに連れてきた理由は何?」
男は足を止めた、そして白音も少しだけ歩きその場に止まった
「なるほど、悪魔でありながら龍という訳ですか……合点がいきました」
「おまけに様々な術を使えるようですね、笑顔を見せる、頭を撫でるなどの動きをすると、惚れされる……悪趣味ですね」
白音がそう言うと、男は
「チッ!此処まで感が良いとは思わなかったよ、しかし君が悪魔になってないなんてね…可笑しいなと思っていたんだ、でもまあ……」
男は話を続けていたが
「これで縁が出来たな……先生ならそう言うでしょうね」
「ん?先生って?ガアッ!」
男は何時もの胡散臭い笑みから苦悶した表情を浮かべる、白音の拳が男の右脇腹に減り込んでいたのだ
「これ以上、私に関わらないで下さい……普通に生活したいんです…これ以上、関わると……わかりますね?」
「ガハッ!ゴボッ!」
「………警告はしました、それでは」
白音はそう言うとその場から消えた、そう元からいなかったかの様に消えていったのである
ーーー
「ただいま、帰りました先生」
「お帰り……ん?龍と蝙蝠の臭いがするな?会ったのか?」
白音が自宅に帰ると、自分の先生である李書文に呼び止められる
「はい」
「仕留めたか?」
「いえ……」
「うむ、嬢ちゃんはまだそれで良い……この事はギルガメッシュに報告しておく、事情を聞かれるかもしれんがそのまま話せば良かろう」
「はい、わかりました」
白音はそう言って家に入っていった
はい、更新です
こんな感じです、はい
次は…高校かな?