とあるチート保持者によるこの上なく意味のない物語   作:celestial

6 / 7

結構無理矢理感があるかも…
急ピッチだったので……
矛盾があれば、指摘していただければありがたいです。


ショーの開幕は道化師の手で

 

『さてと、掘ってみるかー』

 

次の日、埋めたものを掘り返す事になった。

昨日、カメラで見た埋められたものがある位置に徐々に誘導していく。

 

庭は広いが、最初に衛宮 士郎がここら辺から掘り始めたらどうだ?と場所指定をしてくれた為やりやすくて仕方ない。

 

ガキンッ、という鋭い音がした。

その音の発生源にいるのは、耶代だ。

スコップを片手に、器用にそれを取り出していく。

 

「おぉ……これか」

 

『さすが耶代!』

 

丸っこいタイムカプセルを取りだしそれを掲げる耶代。

 

「あれ……?」

 

「どうかしたか、耶代」

 

「いや…何か綺麗過ぎる気がして……」

 

丸っこいタイムカプセルには、年月の経過を示すように何処も劣化していない。

それはまだ良いが、土もほぼついていないのだ。

 

ずっと埋められていたなら多少は土がこびりついているはずなのに。

 

まぁ、昨日埋められたのだから当たり前だが。

 

「ま、まぁいいじゃないか。開けてみよう」

 

衛宮 士郎が誤魔化すように言い、

開けてみると中には手紙のようなものと幾つか古そうなアクセサリーが入っていた。

 

「うわぁ、懐かしいな」

 

『(自分で埋めたくせによく言うなぁ)』

腹の底で呆れながらハクアが入れてある手紙を手に取ると、

 

みらいのわたしへっ☆

 

みらいのわたしはどうなってるかなっ☆

やっぱり、かわいくなってるのかなぁ☆

しょうらい、ほりかえすころにはすっごいびじんさん?

みらいのわたしもしろうとなかよくすごせたらいいな☆

 

 

     めいむ はくあ

 

……何だこれ、というのがハクアの感想だった。

口調から一人称まで何もかもが違う。

しかも、何か無駄に☆を使っている所も腹立たしい。

 

こっそりその手紙をカノンノや耶代に見せると、影で何とか笑いを堪えようとする程ハクアのキャラとはかけ離れていた。

 

「そっちには何て書いてあったんだ?」

 

知っているくせに。

 

『コレだよ〜。でも、僕さ…私、なんて言わないんだよね。そもそも、こんな手紙を埋めた覚え、ないし』

 

紙をピリピリと破り捨てる。

及び、足で踏みにじっておいた。

 

「「「「な……」」」」

 

銘謀以外の顔が驚きに染まる。

キャラが違う、と言う奴だ。

 

今までの快活な笑顔は影を潜め、妖艶な…人を小馬鹿にしたような笑顔でハクアは微笑む。

 

『ごめんね、僕嘘ついてたんだ……タイムカプセルなんて埋めてないんだよ』

 

「は!?」

 

突然のハクアの告白に衛宮 士郎…三 輝は顔を蒼白にした。

なら、何故埋めてあるなどと嘘をついたのか…その理由はただ一つ。

輝を嵌める為、だ。

 

『なのに、何故こんなタイムカプセルっぽいのが埋まってるのか……わかるかな〜?』

 

「はーい!それは、誰かが埋めたからだねー」

 

イアハートが手を挙げ、元気良く発言した。

 

『更に問題です。なら、埋めたのは誰でしょう?』

 

「それはー、衛宮家に住む誰かー!それ以外の人が侵入しようとしても結界で探知されちゃうし」

 

パスカが衛宮家の誰か、という言葉に食って掛かろうとした彼女らを黙らせる。

彼女らもわかっているのだろう。

結界の存在と、その重要さについて。

 

『ならー、この映像は誰でしょう?』

 

「「「!?」」」

 

「なっ―――!」

 

ハクアが用意した映像を見た途端、セイバーや凜、桜の顔が驚愕の色を帯び、

衛宮 士郎はひきつった声をあげた。

 

そこに映っているのは、

 

「はーい!衛宮家の主、士郎くんです!」

 

衛宮 士郎に他ならない。

くんを付けたのは、慇懃無礼さを醸し出す嫌がらせだろうか。

 

「な、何でこんな映像が…」

 

『認めちゃった?認めちゃったね?映像を。自分が埋めたって。昔の記憶の真偽もわからないって事が』

 

衛宮 士郎が思わず呟いた言葉にハクアはニヤついた笑みを浮かべ、

『さて、問題です。では、衛宮 士郎は誰でしょう?』

 

その問題に、ほぼ同時に答えたのは――

 

「俺だ!」「俺だ」

 

三 輝と、銘謀 耶代だった。

 

ハクアは愉快そうに笑い、まるで道化師のようにクルリ、とターンを踏むと慇懃無礼にお辞儀をした。

 

まるで――今から始まる、ショーの開幕を彩るかのように。

 

 

 





そろそろ大学の面談も始まるな…
でも、小説の更新はやめないよう頑張ります!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。