とあるチート保持者によるこの上なく意味のない物語   作:celestial

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士郎のキャラ崩壊ありかも?です…黒い的な意味で

一回だけ顔文字が出てきます!
それでも大丈夫な方はgo!です!




気付かないなら、今までを捨てようか

 

 

 

三 輝side

 

 

 

俺……正確には私は、この世界の人間じゃない。

 

いわゆる、トリップというものをした人間なんだ。

 

トリップ前の名前は三 輝。

 

まぁ、今は関係ないだろうけど。

その名前はもう過去のもの!

今の私は衛宮 士郎なんだから!

 

私、昔からfateが大好きだった。

特に、stay nightの主人公…衛宮 士郎が大好きだった。

そしていつか、衛宮 士郎になりたいと思ったんだ。

そのために、言動も真似したし本を掠れるほど読み込んだ。

 

そして、それはついに叶った!

 

神様っぽいキラキラした人に、

 

「異世界に行きたいか?」

 

そう聞かれて私は迷いなく是、と答えた。

 

そしたら、気づいたらfateの世界…それも、アニメとかで見た衛宮邸の中にいたの!

 

もう興奮したとしかいいようがない!

 

しかも、姿まで完璧!

成り代わりってやつかな?

 

その日から、私のハッピーライフは始まった!

 

夢見た世界にいて、更にその憧れた存在になってる!

素晴らしいとしか言えないよね!

 

まぁ、stay nightの内容が終わってたのは残念だったけど…

 

でも、fateのヒロインにアプローチされたりしてめっちゃ気持ち良い!

前世…っていうかこっちに来るまでの自分じゃ考えられなかったし!

 

普通にサーヴァントとかもいて、ニヤニヤしそうになっちゃったもん。

hollowは起こりそうにないのがちょっと残念だったけど…

まぁ、楽しいからいっか♪

 

□□□

 

『士郎、久しぶり〜♪」

 

隣が騒がしかったのでセイバーや凜達と見に行くと、

そんな事を言われた。

 

え、何?何なのこの子!?

こんな子、原作にいなかったでしょ!?

 

「え、えっと……」

 

『やだな、僕の事忘れちゃったの?白亜だよ!』

 

原作にいなかった子は、銘謀 白亜って名乗った。

士郎の幼馴染みらしいけど…私、こんなの知らない!

 

 

その後も、グラス、イア、パスカ…三つ子らしい子たちも現れて……これって、原作乖離してるの…?

 

チラリ、と視線を感じれば赤い髪をした少女が私を見ていた。

赤い髪をポニーテールにした、士郎を女体化させればこんな感じになるのかな、というイメージの少女だ。

 

私がその子に見惚れていると、銘謀家の子供たちは手を振りながら家に戻っていく。

その途中で白亜、というリーダーシップを取りそうな快活な子が振り向き、

 

『士郎、後でそっち行くから僕の大好物よろしくね☆』

 

とか言いやがった!

大好物って何!?

私知らないんだけど!!

 

ああ、もう………!

何なのよ、あの子…!!

 

 

side out

 

 

□□□

 

 

元衛宮 士郎こと銘謀 耶代です。

 

今起きている事を簡単に説明すると、

 

ハクアが大爆笑してる。

 

『m9(^□^)プギャー!』

 

とか普通にいいそうだけど何とか堪えてるみたいだ。

 

『士郎、忘れちゃったの?これが僕の大好物って…プッ』

 

笑いながら指差すのは、

それなりに作られたハンバーグだ。

 

安直過ぎるだろクズが(黒笑)

それに、もっとサラダやらなんやら付けるものもある!!

 

それに気付かないなんてな…

 

 

はぁ………

 

なんかコイツらを信じてた自分が馬鹿に覚えてきた…

 

『もう、僕の好物忘れるなんてひどいな。耶代、代わりに作ってくれない?』

 

ハクアがそう言って薄く笑う。

 

……!

 

…そういう事か。

 

『(料理で気付くか試してみたら?)』

 

と言うのがほぼ間違いなくハクアの本音だ。

 

「わかった、任せて!」

 

ハクアにビシバシ鍛えられた演技をしながら、‘今’の衛宮 士郎に一礼(台所を借りるって意味で)してから台所に向かう。

 

「うわ………」

 

最初に言えたのはその一言だ。

 

何もかもが様変わりしている。

 

調味料の位置やら、皿の配置、しかもちゃんと掃除してないのか微かにカビが生えてる…

 

 

顔をしかめながら、調味料を確認していると、

 

「耶代、手伝いに来たよ!」

 

パスカが現れた。

どうやら手伝いに来てくれたらしい。

 

パスカ曰く、イアハートとグラスバレーはハクアと一緒に居間で話しているがパスカは嫌でこっそり逃げてきた…という事だ。

 

「だって、あいつハクアをジロジロ見てるんだよ?ジロジロ見てる所なんて見たくもない」

 

軽くヤンデレオーラを発しながらパスカは呟いた。

イアハートとグラスバレーも同じ気持ちだろうに…と思ったのはまた別。

 

「それで、この汚いのを片付ければいいんだよね?」

 

「ああ、頼む」

 

パスカに片付けを任せ、料理を始める。

 

 

何を作ろうか……

献立は頭の中に入っているが、それでもその種類は多々ある。

 

 

得意なのは和食だから、それを作るべきだろう。

 

とりあえずは、かつおのタタキサラダ風、ネギソースをかけた鶏肉揚げ、肉じゃが、様々な種類の天ぷらを作る。

 

しばらく作ってはいなかったが身体が覚えているのか、手早く作っていく。

 

 

パスカも、手慣れた様子で片付けていく。…慣れてるのだろうか?

 

 

(実際に、自分の世界の人間を綺麗に片付けたけどね!)

 

 

「…………………よし!」

 

 

出来た。

 

 

……え、時間が早すぎる?

ほら、あれだよ。

クロックアップしたみたいな?

 

 

とりあえず運ぶ為に、パスカが片付けてくれた場所から皿を取りだし、盛り付けていく。

 

 

我ながら、会心の出来だと思う。

特に天ぷらは色も鮮やかで、かなり食欲を誘う見た目をしているだろう。

 

「お待たせー」

 

料理を運ぶ。

 

『さすが耶代!耶代ならやってくれるって期待してたよ!』

 

テーブルに置いた所で、ハクアは過剰に喜んだ。

ニコニコ笑いながら料理に手を付け、口に運んでいる。

 

「ありがとう。……お味、どうかな?」

 

そう言って、‘コイツら’に目を向けた。

多分、今の自分は某神父のように目が死んでいるだろうな…

 

「美味しいです、ヤシロ」

 

「そうね、衛宮君より上手いんじゃないの?」

 

「はい、美味しいです」

 

……ハッ。

やっぱり、気付かないか。

ちょっと期待していたが、やはり無理なものは無理だった。

 

「ああ、上手い。銘謀って料理上手いんだな」

 

「銘謀じゃ此処にいる人の半分以上が当てはまるよ?…私は耶代でいいよ」

 

「わかった」

 

本当は吐きたくなる位嫌だけどな。

 

その後、全員で食べ終えた後は台所の片付けをした後に帰る事になった。

 

玄関まで見送りに来ているが…正直、要らない。

 

『じゃあね〜、また今度。………衛宮、士郎』

 

ハクアがそう言って薄く…気付かれない程の悪意を込めた笑顔で手を振ると、家に戻る。

 

 

パスカやイアハート、グラスバレーは相当あの家にいるのが嫌だったのか、ベッタリとソファーで本を読んでいるハクアに引っ付いていた。

 

 

――彼女達は、最後にあげたチャンスに気付かなかった。

 

後は、バッドエンドに向かうしか道はない……。

 

 

 





そろそろ受験か……

あああああ…やりたくない…

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