うちはオビト憑依忍伝   作:asd

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第30話

ナルトの生まれる時期が近づいたことで、分かったかもしれないが、サスケ既に生まれてる。一月ほどの休暇の予定だったのだが、思いのほか大変そうなので半年に変更した。そういうわけでイタチがしばらく使えないので、シスイを相手に組み手をしていた。

 

一般人から見れば十分に速いが、忍からみればゆっくりめの速度で、両手に火遁の性質変化をまとわせ、なおかつ、動かせるのは足一本という縛りである。

 

流流舞の発展系であり、もし、火遁をまとった手を手以外で受ければ痛いではすまない。そして、だからこそ、肘や足に注意を払わなければならない、結構な難易度の組み手だ。そしてなりより、シスイは写輪眼を使うことを禁じられている。使ってしまえば意味が半減するからだ。

 

既に数十分は防いでいるが、とうとうオビトの肘がシスイの肩を突き、後ろ向きにこける。

 

「シスイは二十分休憩。今の組み手を分析しながら、体を休めろ。カブト、こい」

 

綱手の元に修行に出していたカブトだが、既に一定の修行を終え、手元に戻ってきた。水との戦争のときも後方と戦後処理でよい働きをしたらしい。

 

「行きます!」

 

「忍がいちいち宣言すんな!」

 

そういって組み手を始めようとしたとき、空で鷹が鳴いた。

 

カブトのチャクラをまとった一撃を手首をつかんで止める。オビトが視線を空に向けたことでカブトもまた追撃を行わなかった。

 

「どうかしましたか?」

 

首を傾げているカブトにオビトは手首をひねってこかして答える。

 

「忍が油断するな」

 

オビトはシスイに視線を向け、声を上げた。

 

「訓練修了。午後の修練場の申請を解除しておけ」

 

そういうとオビトは瞬身の術で姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

オビトはその後、アンコと合流し、双眼鏡を使って、茶屋にいるカカシとアスマを見張った。

 

「どうなってる?」

 

「いま、注文したところ。もうすぐお茶が出ると思うんだけど」

 

そう、お茶である。もちろん、睡眠薬が入っている。カカシの鼻を警戒して綱手に作らせた完璧な無味無臭の睡眠薬である。しかも、アスマの分もである。作戦に引き込んだアスマだが、そろそろ紅との仲を発展させてもいいだろう。とアンコと二人、アスマも嵌める事にした。

 

 

二人の下にお茶が運ばれてくる。綱手特製だから心配はしてないが、最悪、二人の前に姿を出して幻術をかけなければならない。流石にそれはアンコでは無理なため、オビトが出張ってきているわけである。もっとも、薬を飲ませてもどっちみち、幻術にはかけるのだが。

 

二人がお茶を飲んだところで様子がおかしくなる。しっかりと効いているようだ。

 

完全に動かなくなったところで、瞬身の術で二人の下に行く。

 

「よし、さっさとあの場所に運ぶぞ」

 

あの場所とはもちろん、ご休憩するあの場所である。アンコも含めた三人を時空間へと取り込み、自身もまた、幻術をかけるために時空間へと飛んだ。

 

 

「あれ?こんなところで何してんの?」

 

時空間に入ったオビトが見たのはカップラーメンを啜るダンゾウの姿だった。

 

「お前が出すの忘れておるからだろう」

 

「あ、そ。まあいいや。手伝え、ちょうど人手がほしかったところだし」

 

オビトは指紋のつかないように手袋をした後、ダンゾウにも同じものを渡し、さらに二つの手紙と小瓶を渡した。

 

「これを紅と野原リンの家にそれぞれ一つずつ置いてきてくれ」

 

オビトはダンゾウをつかんで時空間から紅の家へと直接送り込んだ。

 

「さっきの小瓶ってなに?」

 

「解毒剤、ということになっている」

 

ということは本当は違うということだ。一体中身が何なのか気になったのかアンコは中身を聞いてきた。

 

「もちろん、媚薬だ。前にミナト先生に盛ったやつ。クシナさんいわく千本の先に着いたやつを舐めた程度で体がめっちゃ火照るらしい。飲んだことないからわからんけど」

 

視線を寝ている二人に向けたあと、一つうなずく。

 

「幻術かけるから自ら呷って口移しで飲まさないといけないし、両方の体に入るから間違いなく、やることになる」

 

「えぐいわね」

 

「ちなみにリンは今日が危険日」

 

「鬼め!」

 

ちなみにシズネに幻術で聞き出したので間違いない。

 

アスマとカカシを掴んでそれぞれの部屋のベットへと直接送り込む。

 

さらにアンコを掴んでご休憩宿の入り口が見える場所を陣取った。

 

ちょうど小腹が空いたので、ダンゾウの残していったカップラーメンを啜りながら暇を潰す。ちなみにアンコは人のクッキーを拝借していたようでパクパクと食べてやがる。

 

しばらくすると、リンが駆け込んでいき、その数分後、紅が駆け込んでいった。

 

さらにほんの一分後、自来也が現れた。

 

「ぐふふふふっ、いい取材になりそうじゃのお」

 

オビトは思わず、自来也の後頭部にけりを叩き込んだ。

 

「いつの間に帰ってきてたんですか。貴方様のためにたくさん仕事をためておきましたよ」

 

ブリキのように音を立てながら、自来也は振りかえって、そして固まった。

 

「どーも」

 

「お、おびと。いや、わしこれから取材で忙しくなるからのぉ」

 

「俺がリンの裸体をあんたなんか見せるわけないだろう?俺も見たことないに」

 

オビトは自来也の襟を掴むと引きずっていった。

 

「いやじゃー。もう三徹で仕事はいやじゃー」

 

「わがままいってんじゃねぇよ。あんたほっとくと碌なことにならねぇんだよ」

 

「儂がやると効率悪いじゃろう!オビト、お前効率悪いこと嫌いだろう!」

 

オビトは狂相を浮かべると、一切の慈悲なしに言った。

 

「影分身しろよ」

 

その後、三日間自来也の姿を見たものはいなかったという。

 

 


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