オビトとカカシは大蛇丸の話を聞きながら正座していた。最初は立っていたのだが、話が長く疲れてきたので途中で座ったのだ。
「つまりね。サクモさんと未菜さんに頼まれたから仕方がなく、あなたたちの修行を見ることにしたのよ。まあ、しょうがないわよね。すごい目でこちらを見ていたから」
断ったら殺すと目が語ってたわよ、と大蛇丸は話を締め切った。
さて、それは一体だれなのだろうか。オビトは大蛇丸から顔を逸らしつつそう考える。
確かによくよく考えれば未菜は戦線部隊だ。木の葉に残ってオビトを鍛えることはできない。忍をやめるのもそう簡単ではないし、未だ終わりの見えない大戦時にいきなりやめるなど許されることではない。
そして、当然の帰結として、防衛組の人間に任せるしかないだろう。しかし、如何せん人選が悪いと考えるのはオビトだけなのだろうか?
「で、大蛇丸様。俺たちはまだアカデミーに通ってるんですが、どんな修行をつけてくれるんですか?」
カカシが率先して修行内容を聞くが、大蛇丸は僅かに首を曲げ、目線を上へと向ける。
「別に特別なことを教えるつもりはないわよ。サクモさんもそこまでいってなかったし。確か、土台をきっちり作っといてほしいって言われたから。チャクラの持つ特性とか、性質とか教えたり、コントロールと体力身につけたり程度でいいわよね」
確かに妥当なところだろう。それ以上ともなると明らかに過分である。
そうして始まった大蛇丸の修行だが、思いのほか語ることがない。大蛇丸の言っていたとおり、基本の修行を延々としただけの話だからである。
だから、ここから語るのは終わりの始まりの物語、或いは始まりの終わりの物語。
とある国、とある里、そこにいた一人の忍が家へと帰り、そして、死んだ話である。
少し前まで国境警備隊にいたその忍は、本日も無事に任務を終え、家路についた。しかし
「今日は外食でもしているのか?」
家に明かりがついていたなかった。
家の鍵を開け、玄関に入ると何かがおいてある、暗くてよく見えないから、明かりをつけようと、スイッチに手を伸ばすと、ぬちゃりとした感覚が手を襲う、そして、あまりに血生臭いことに気づき、家から離れようとバックステップをした瞬間。
トス、とあまりにも軽い衝撃胸にうけ、男はあまりにもあっさりとその命を失った。
残るのは、赤い眼を持つ復讐を終えたものが一人、そして、その姿も、影も残さず、消えていった。
そこまで思い返したところでトイレのドアがノックされる。どうやら、長いこと一人でトイレを独り占めしてしまったようだ。
過去を思い返すのはここまでにしよう。なぜならば、自分が向かうのは未来でなければならないのだから。
実は他に転生者を出すかで迷っています。ポジションは既に考えてはあるのですが、転生者複数名に拒絶するひともいるので、意見がほしいところです。